「ほっ」と。キャンペーン

行ってらっしゃい、「オシリス・レックス(OSIRIS-REx)」

 昨日書くつもりが書けなかった。NASAの初めての小惑星探査機「オシリス・レックス(OSIRIS-REx)」(英語読みだと、「オサイリス・レックス」「オサイレス・レックス」)が昨日日本時間午前8時5分に打ち上げられました。探査機は打ち上げ約1時間後、分離、予定の軌道に入りました。順調に飛行中です。おめでとうございます!

アストロアーツ:探査機「オシリス・レックス」打ち上げ、小惑星ベンヌからのサンプルリターン目指す
NHK:米初の小惑星探査機打ち上げ 生命の起源に迫れるか

 「オシリス・レックス」は、言わばアメリカ版「はやぶさ」「はやぶさ2」。現在飛行中の「はやぶさ2」の計画が本決定しなかった頃、NASAも小惑星サンプルリターン探査機の計画がある、それに対抗せねば…という話もありました。「はやぶさ2」のよきライバルです。

 「オシリス・レックス」が目指すのは、小惑星「ベンヌ(Bennu)」探査機の名前に合わせて、古代エジプト神話から取られています。ESAの「ロゼッタ/フィラエ」といい、古代エジプトから名前を取る探査機が多いですね。2018年にベンヌに到着、2年間ベンヌを観測し、2020年7月に地表にタッチダウンしてサンプルを採取します。サンプルが地球に届くのは2023年の予定です。

 「オシリス・レックス」の重量は打ち上げ時で2トン。「はやぶさ」「はやぶさ2」は500~600kg。随分と大きいです(日本の探査機が小型なだけ?)。サンプル採取は、アームを伸ばし、その先端についている装置を小惑星の表面に押し付け、窒素ガスで表面物質を吹き飛ばしてサンプルを採取する方式です。60g以上のサンプル採取を目指します。サンプルは、「はやぶさ2」と「オシリス・レックス」で提供し合うことが決まっています。よきライバルですが、パートナーでもあります。

sorae.jp:アメリカ版はやぶさ「オシリス・レックス」打ち上げ ~アメリカが描く「小惑星探査構想」第1弾の出発~
毎日新聞: オシリス・レックス打ち上げ「小惑星野郎」の交流進展と成果に期待−−津田雄一・はや2プロマネがエール
 運用チーム同士の意見交換、交流も深まっている模様。リュウグウとベンヌの比較も興味深いですし、タッチダウン、サンプル採取の方法が違うのも興味深い。「はやぶさ2」と「オシリス・レックス」、無事の航海とミッション完遂を祈ります。
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# by halca-kaukana057 | 2016-09-10 23:39 | 宇宙・天文

「フィラエ」を見つけたよ!

 2014年11月にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸、史上初の彗星への着陸となった、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の彗星探査機「ロゼッタ」のローバー「フィラエ」。その後、フィラエは冬眠状態に入ってしまい、フィラエも行方不明になっていました。そのフィラエが、見つかりました!

sorae.jp:喪失した着陸船「フィラエ」、彗星の岩陰で奇跡的に発見 ロゼッタ探査機が撮影成功
ITmediaニュース:彗星探査機「フィラエ」ついに発見 探査終了直前に 「長く苦しい探索」の末
アストロアーツ:行方不明だった「フィラエ」が見つかった
AFPBB News:彗星着陸のフィラエ、ついに発見 ESAが画像公開
NHK:すい星着陸後に行方不明の小型探査機を発見

 フィラエはチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸後、バウンドしたおかげで彗星の影にはいってしまい、姿勢も不安定。太陽光発電ができなくなり、3日後に冬眠モードに。その後、太陽に最接近した際に一時通信は回復したものの、彗星は太陽から遠ざかり、また通信途絶、冬眠状態に。今年夏、ロゼッタとフィラエの通信スイッチはオフにされ、フィラエとの通信はできなくなりました。ロゼッタも、9月30日に彗星に衝突してミッションを終える予定です。その直前に、ロゼッタが撮影した彗星の画像に、フィラエが写っているのを確認しました!!

 宇宙開発でこんな話を聞くと、日本の小惑星探査機「はやぶさ」を思い出します。ESAもなかなかの諦めの悪さです。
 画像から、フィラエの姿勢の様子もわかってきました。岩の隙間の影の部分に入ってしまっていました。これでは太陽光発電は難しい。フィラエが彗星に着陸してから、フィラエの姿を捉えたのは初めてのこと。最後の最後で…!また、これらの画像で彗星の表面についてもわかります。ロゼッタも最後までけなげに仕事しています。

 ロゼッタとフィラエといえば、twitterでのゆるきゃらアニメ・イラストが可愛いと評判です。今回もイラストが登場しました。
So happy to have seen @Philae2014 again before my mission ends later this month...more about my #CometLanding soon!
pic.twitter.com/ErB0ROrgP6

ESA Rosetta Mission (@ESA_Rosetta) 2016年9月5日


 フィラエを探すロゼッタ。彗星の上で寝ているフィラエ。いつもこの2機は仲良く描かれるのですが、本当に仲良くて可愛いです。

 ロゼッタも最後までご安全に。

【過去記事】
彗星に降り立った日
おやすみ、フィラエ
観られる時は観ようISS +おはよう、フィラエ!

 明日朝、今度はNASAの小惑星探査機「オシリス・レックス(OSIRIS REx)」(英語読みだとオサイリス・レックス、オサイレス・レックスと表記されますが、この探査機も古代エジプトのオシリス神に由来しているので、それに合わせて「オシリス・レックス」で呼びます)が打ち上げられます。小惑星「ベンヌ」にタッチダウンし、サンプルと取って来る、NASA版「はやぶさ」。こちらもご安全に!
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# by halca-kaukana057 | 2016-09-08 22:46 | 宇宙・天文

Proms(プロムス)2016 私選リスト その5 [9月]

 ロンドンの夏ももう終盤、クライマックスです。BBC Proms、9月の私選リストです。9月は大御所が続々登場、そしてラストナイトです。


Prom 63(9/1): Bach – Mass in B minor
・J.S.バッハ:ミサ曲 ロ短調 BWV232
 キャサリン・ワトソン(ソプラノ)、ティム・ミード(カウンターテナー)、レイナウト・ファン・メヘレン(テノール)、アンドレ・モルシュ(バリトン)
 ウィリアム・クリスティ:指揮、レザール・フロリサン
/バッハの大曲を。演奏しているレザール・フロチサンは、マルカントワーヌ・シャルパンティエの作曲した劇音楽「レザール・フロリサン(花咲ける芸術)」から取った古楽アンサンブル。プロムスはバロック・古楽から現代まで幅広いのが魅力です。

Prom 64(9/2): Berlin Philharmonic and Sir Simon Rattle – Boulez and Mahler
・ブーレーズ:エクラ(Éclat)
・マーラー:交響曲第7番「夜の歌」 ホ短調
 サー・サイモン・ラトル:指揮、ベルリン・フィル
/毎年恒例、ラトルがベルリンフィルを連れてきました!来年秋から、ラトルはロンドン交響楽団の首席指揮者に。もしかしたら、プロムスでのベルリンフィルとの共演は今年が最後かもしれません(来年ももしかしたらあるかも)
 今年亡くなった作曲家・ブーレーズの作品と、マーラーの7番を休憩なしで演奏します。今年のプロムスでは多かったマーラー作品、トリは7番。私、まだ7番には親しめていません。以前聴いた時は、途中で飽きて止めたことが…。ラトル&ベルリンフィルのは通して聴けるかな?魅力を見つけられるかな?
 →この記事を書きながら聴きました。今回は通して聴けました!どこが、と具体的に言えないのが悔しいのですが、楽しみました、楽しいです。

Prom 66(9/3): Berlin Philharmonic and Sir Simon Rattle – Julian Anderson, Dvořák and Brahms
・ジュリアン・アンダーソン:Incantesimi(イギリス初演)
・ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 第1集 op.46
・ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73
 サー・サイモン・ラトル:指揮、ベルリン・フィル
/ラトル&ベルリンフィル2日目。イギリスの現代作曲家ジュリアン・アンダーソンの作品は、ラトルとベルリンフィルのために作曲した作品。続いてドヴォルザークの8曲のスラヴ舞曲、メインはブラームスの2番。

Prom 67(9/4): Simón Bolívar Symphony Orchestra and Gustavo Dudamel
・ポール・ドゥゼンヌ:Hipnosis mariposa(イギリス初演)
・ヴイラ=ロボス:ブラジル風バッハ 第2番
・ラヴェル:ダフニスとクロエ 第2組曲/ラ・ヴァルス
 グスターボ・ドゥダメル:指揮、シモン・ボリバル交響楽団
/リオデジャネイロオリンピックで南米の作曲家、オーケストラにスポットを当てている今年のプロムス。南米のオーケストラと言えば、ドゥダメルが指揮するシモン・ボリバル交響楽団でしょう!北欧での公演後、ロンドン・プロムスにも登場です。南米の作曲家ドゥゼンヌの作品に、ブラジル風バッハと南米作品も演奏します。アンコールは勿論、あの曲ですよね…?(楽しみ。あるなら映像を観たい…)

Prom 69(9/5): Staatskapelle Berlin and Daniel Barenboim – Mozart and Bruckner
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ長調 K491
・ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」
 ダニエル・バレンボイム:ピアノ・指揮、シュターツカペレ・ベルリン
/Prom43でも指揮したバレンボイムが、今度はシュターツカペレ・ベルリンと再登場です。モーツァルトのピアノ協奏曲と、ブルックナーの交響曲。今年2月の来日演奏会、ブルックナーチクルスと同じ構成です(曲の組み合わせは異なります)2月の演奏会を聴きに行った人も、聴けなかった人も、プロムスでもどうぞ。ブルックナーの交響曲もProm60でも9番を取り上げたので、多めなのかなぁ今年。

Prom 70(9/6): Staatskapelle Berlin and Daniel Barenboim – Mozart and Bruckner
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番 ニ長調「戴冠式」 K537
・ブルックナー:交響曲第6番 イ長調
 ダニエル・バレンボイム:ピアノ・指揮、シュターツカペレ・ベルリン
/バレンボイム&シュターツカペレ・ベルリンのモーツァルトとブルックナー2日目。6番は初めて聴くかも。聴いてみよう。
 ところで、ブルックナーといえば、ノヴァーク版とかハース版とか、改訂稿が複数存在しますが、プロムスのHPにもガイドブックにも書いてありません。2月の来日公演と同じなのかな?
(同じなら、Prom69の4番はノヴァーク版第2稿(1878/80)、Prom70の6番はノヴァーク版
東芝グランドコンサート 公式サイトより)

Prom 71(9/7): Staatskapelle Dresden, Christian Thielemann and Daniil Trifonov – Mozart and Bruckner
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 ハ短調 K467
・ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調「ワーグナー」
 ダニール・トリフォノフ(ピアノ)
 クリスティアン・ティーレマン:指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
/モーツァルト&ブルックナーのプログラムを、何故かティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデンが引き継ぎます。モーツァルトのピアノはトリフォノフ!しかも21番。モーツァルトの方が楽しみですが、ブルックナーもこの際なので聴きますよ。これも何版なのかわかりません。

Prom 73: Handel – Coronation Anthems
・ヘンデル:ジョージ2世の戴冠式アンセム 第1曲:司祭ザドク HMV258/第4曲:わが心は麗しい言葉にあふれ HMV261
・ムファット:調和の捧げもの 弦楽と通奏低音のためのソナタ第5番 ト長調
・ヘンデル:ジョージ2世の戴冠式アンセム 第2曲:汝の御手は強くあれ HMV259
・J.S.バッハ(レオポルド・ストコフスキー:編曲):管弦楽組曲 第3番 BWV1068 より第2曲「エール(アリア)」
・パーセル(レオポルド・ストコフスキー:編曲):歌劇「ダイドーとイニーアス」Z.626 第3幕:ダイドーのラメント「私が地に伏す時」
・ヘンデル:ジョージ2世の戴冠式アンセム 第3曲:主よ、王はあなたの力に喜びたり HMV260
 リチャード・エガー:指揮、エンシェント室内管弦楽団
/エンシェント室内管が登場です。バロックの名曲が次々と。ヘンデルの「ジョージ2世の戴冠式アンセム」は分けて全曲演奏します。ロンドンで聴くとまさに本場、という感じがしますね。お馴染みの「G線上のアリア」も。

Prom 75(9/10): Last Night of the Proms
・トム・ハロルド:Raze(世界初演)
・バターワース:青柳の堤
・ボロディン:歌劇「イーゴリ公」第2幕より:だったん人の踊り
・ロッシーニ:歌劇「チェネントラ」より:もう一度見つけだすと誓う(Si, ritrovarla io giuro)
・ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」より:人知れぬ涙(Una furtiva lagrima)
・オッフェンバック:歌劇「美しきエレーヌ」(La belle Hélène)より:イダ山の上で(Au mont Ida)
・ブリテン:音楽のマチネー op.24
・ジョナサン・ダウ:Our revels now are ended(宴は終わった)

・マイケル・トーキー:ジャベリン(Javelin)←※追加の模様
・ヴォーン=ウィリアムズ:音楽へのセレナード
・ドニゼッティ:歌劇「連隊の娘」より"ああ、友よ!なんと楽しい日!(Ah! mes amis)
・エルガー:威風堂々第1番 ニ長調 「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」
・ヘンリー・ウッド:イギリスの海の歌による幻想曲
・トマス・アーン:ルール・ブリタニア
・パリー(エルガー:編曲):イェルサレム
・ブリテン編曲:イギリス国歌
 ファン・ディエゴ・フローレス(テノール)
 フランチェスカ・チェジーナ、イヴ・ダニエル、ローレン・ファガン、アリソン・ローズ(ソプラノ)
 クレール・バーネット=ジョーンズ、マルタ・フォンタナルス=シモンズ、アンナ・ハーヴェイ、ケイティ・スティーヴンソン(メゾソプラノ)
 トライスタン・リリュル・グリフィス、オリバー・ジョンストン、 ジョシュア・オーウェン・ミルズ、ジェイムズ・ウェイ(テノール)
 ブラギ・ジョンソン、ベンジャミン・ルイス、ジェイムズ・ニュービィ、ブラッドリー・トラヴィス(バス)
 BBCシンガーズ、BBCシンフォニーコーラス
 BBCプロムスユースアンサンブル
 サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
/ラストナイトです。2ヶ月って長いと思ってるとあっという間です。今年のソリストはペルー出身のテノール・ファン・ディエゴ・フローレスさん。オペラアリアがたくさん、フローレスさんの歌声を堪能できます!
 1曲目のトム・ハロルド(91年生まれ!の若手現代作曲家)の世界初演作を演奏するのは、このプロムスのために結成されたユースアンサンブル。若い作曲家と演奏家たちの演奏が楽しみです。
 ジョナサン・ダウ「Our revels now are ended」は、シェイクスピア「テンペスト」の台詞の一部。この部分の合唱曲とのこと。ラストナイトもシェイクスピアです!
 ヴォーン=ウィリアムズ「音楽へのセレナード」では、16名の声楽家たちが共演。この「音楽へのセレナード」プロムスを半世紀以上指揮し続けたヘンリー・ウッド(ステージ中央にウッドの銅像があります)のデビュー50周年のお祝いに作曲。シェイクスピアの「ヴェニスの商人」から歌詞を取っています。まさに今年のプロムスにぴったりな作品。ヴォーン=ウィリアムズとウッドは16人の歌手を選び、彼らを想定して作曲。というわけで、こんな大人数になってしまったわけです。
 最後はお約束の「Land of Hope and Glory」、「ルール・ブリタニア」「イェルサレム」、イギリス国歌と定番曲で締めます。今年は、定番曲なのに最近演奏されていなかった「イギリスの海の歌による幻想曲」が復活の模様。是非とも今年はフルで聴きたいです。
 ファーストナイトのところで、BBC交響楽団の首席指揮者がファーストナイト・ラストナイト両方指揮するのは何年ぶりだったっけ…?と書きましたが、先代ビエロフラーヴェクさんが最後に両方指揮したのは2010年。現首席指揮者のオラモさんが両方指揮するのは初です。オラモさんは2度目のラストナイトの指揮ですが、前回初登場の2014年は様々な楽しいネタを披露してくれましたw今年も期待w指揮者スピーチにも注目です。
 イギリスは今年EU離脱という大きな問題が持ち上がりましたが、ラストナイトは盛大にお祭り騒ぎで終わって、2ヶ月の音楽の祭典を締めてほしいものです。
 ちなみに、昨年2015年のラストナイトを、毎年放送しているNHKは放送しませんでした…。とても悲しかった。ラストナイトはやっぱり映像で観たい!!今年は放送してください、NHKさん!(リクエスト送りましょう、送ります)
(10月、CSスカパーのクラシカ・ジャパンで、今年の2公演と、昨年2015年のラストナイトを放送するそうです。CSか…)

【追記】
 2016年のラストナイト、12月12日、NHKで放送されました!!感想記事はこちら:一緒に音楽を楽しもう Proms(プロムス)2016 ラスト・ナイト・コンサート

【過去記事】
・7月編:Proms(プロムス)2016 私選リスト その1 [7月]

・8月前半編:Proms(プロムス)2016 私選リスト その2 [8月前半]

・8月後半その1:Proms(プロムス)2016 私選リスト その3 [8月後半のその1]
・8月後半その2:Proms(プロムス)2016 私選リスト その4 [8月後半 その2]

 まだ聴けていないものも結構あります…大丈夫か?たくさんあり過ぎる!でもそこが楽しいプロムス!
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# by halca-kaukana057 | 2016-09-04 17:25 | 音楽

音楽の旅・絵の旅

 涼しくなってきたので、読書にも集中できるようになってきました。読むのにかなりの時間がかかった本です。


音楽の旅・絵の旅 吉田秀和コレクション
吉田秀和/筑摩書房・ちくま文庫/2010

 音楽評論家の吉田秀和さんが、1976年にバイロイト音楽祭を聴きにドイツをはじめヨーロッパ各地を旅行した日記と、「音楽の光と翳」という短いエッセイ集の2部に分かれている本です。

 前半のバイロイト音楽祭。ワーグナー「ニーベルングの指輪」四部作の完全上演100年にあたる1976年。演出はシェロー、指揮はブーレーズ。このバイロイトでの演奏会の記録・日記は、私にとっては読むのは大変なことでした。ワーグナーのオペラ(楽劇)はあまり馴染みがない。序曲やアリアの抜粋ならいくつかは聴いているけれども、オペラを通して聴いたことはなく(長い、物語が難しそう、壮大過ぎる、という先入観で…すみませんワーグナーファンの皆様…)、バイロイト音楽祭も馴染みがない。NHKFMで年末に放送されていますが、聴いたことがない。
 それでも、吉田さんがどれだけワーグナーのオペラに惹かれていて、魅力的な部分をスコアつきで語るのは、半分よくわからないけど、ひきつけられるものがありました。吉田さんはプロの音楽評論家。スコア(ワーグナーのオペラはポケットスコアでも分厚いのでピアノ版のスコア)を確認しながら聴いている。音楽理論・楽典の裏づけから、あるシーンの曲の魅力を語っているのを読んでいると凄いな、と思う。そんな吉田さんですら、こんなことを書いているので驚いた。
だが、そうしてみると、今度は私の和声学の知識が不十分であり、穴があることに気づく。若い時、もっと勉強しておくのだった。だが、そういってもいられない。手もとにある武器や弾薬が不足とわかっていても、私はまだまだ、前進したい。たとえ一歩でも半歩でも。
 こう書いたら、いつか新聞でよんだ貴ノ花の言葉というのを思い出した。「もっと立合いを鋭くして、一歩踏みこまなければいけない」という解説者の註文をきいた時、この軽量の大関は「そんなことをいっても、相撲では一歩はおろか、半歩前に進むんだって、本当に大変なんだ。相手だって前に出てくるんだから」といったというのである。私の相手は音楽。それがだんだんやさしくなるどころか、これまでそう思わなかったことまで、むずかしくなるのだ。
(109ページより)

 今、私はバイロイト音楽祭ではなく、ロンドンの夏の風物詩、プロムスの各公演を手当たり次第ネットのオンデマンドで聴いている。様々な作品がある。現代作品も多い。初めて聴く作品も、今まで全く知らなかった作品、苦手だと思っている作品もある。好きな作品もあるが、指揮者やオーケストラも様々。聴いていてそれまで気がつかなかったことに気づいたり、疑問も出てきたり、余計わからなくなることもある。プロムスに限らず、普段聴く音楽でもそうだ。なので、吉田さんの仰っていることがよくわかるとも思う。それでも、音楽にもっと近づきたい。プロムスを聴き、この本を読んで、もっと音楽を楽しく聴くにはどうしたらいいのだろう?と思うようになった。知識や聴く作品を増やせばいいのだろうか。それもひとつのやり方だ。でもそれだけじゃ足りない、全てではない気がする。私の音楽の旅も、まだまだこれからだ。

 バイロイト音楽祭だけではなく、カラヤン指揮ベルリンフィルの演奏会や、黛敏郎のオペラ「金閣寺」、ポリーニのシューマン、若き日のサー・エリオット・ガーディナーの合唱つき作品の演奏会も出てくる。現代作品も出てくる。現代作品に対しての視点が興味深い。音楽だけではない。タイトルの「絵の旅」とあるとおり、美術館で絵画作品を分析しながら鑑賞している。その分析方法が本格的で、吉田秀和さんは絵画にも造詣が深かったのか!と驚かされた。音楽は総合芸術。他の分野とも繋がりが深い。美術にも通じるものがあるのだろう。

 旅はイギリス経由で、ロンドンでも美術館などをめぐる。そこでこう書かれている。
いかにイギリスという国が、イギリス人のものであると同時に、世界中の人たちの前に開放されたものであるかということが、もう一度、頭に浮かぶ。この美術館だって、いつかかよった大英博物館だって、世界中の人に無料で解放されているのだ。どんなに貧乏しようと、金をとろうとしない。それもイギリス人に対してだけでなく、世界中のどんな人に対しても同じなのだ。こういうのを見ていると、将来、もしイギリスの没落という事態が起こったとすれば、それはイギリス人にとってというだけでなく、世界中にとっての損失を意味するだろうという気がしてくる。
(197ページ)

 ここを読んで、イギリスのEU離脱への顛末を思い浮かべずにいられなかった。EUから離脱したからといって、大英博物館などが有料になるわけではないだろうが、イギリスという国の大きさを思い知る。やはり世界の「大英帝国」なんだなぁ、と。吉田さんが想像した没落、損失がないことを祈るばかりである。

 後半のエッセイ集、「音楽の光と翳」は短く、吉田さんの身近なところにある音楽から思ったことが書かれていて、読みやすかった。前半が難しいなと思ったら後半から入るのも手かも知れない。どちらにしても、吉田さんの優しく、音楽への愛情の深い文章は素敵だ。私の知らない音楽の世界を、この本で垣間見れた。音楽の世界は広いなぁ。
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# by halca-kaukana057 | 2016-09-02 23:32 | 本・読書

Proms(プロムス)2016 私選リスト その4 [8月後半 その2]

 昨日の続きのプロムス私選リストの続きです。8月後半、聴きたい演奏会が多い…!
・8月後半その1:Proms(プロムス)2016 私選リスト その3 [8月後半のその1]

Prom 51(8/24): São Paulo Symphony Orchestra and Marin Alsop
・マルロス・ノーブレ:Kabbalah(イギリス初演)
・グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 op.16
・ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ 第4番 序曲
・ラフマニノフ:交響的舞曲 op.45
 ガブリエラ・モンテーロ(ピアノ)
 マリン・オールソップ:指揮、サンパウロ交響楽団
/リオデジャネイロオリンピックにちなんで、南米のオーケストラの登場です。指揮は昨年のラストナイトコンサートの指揮のアメリカ人指揮者オールソップ。1曲目のノーブレはブラジル出身、ピアノのモンテーロはベネズエラ出身。南米のクラシック音楽と言えば、ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」。
 グリーグのピアノ協奏曲のアンコールは、ラストナイトに欠かせないあの曲、エルガー:威風堂々第1番(Land of Hope and Glory)のラグタイム風演奏。バッハっぽくも聴こえました。素敵な演奏です。

Prom 53(8/25): Royal Liverpool Philharmonic Orchestra – Emily Howard, Shostakovich and Rachmaninov
・エミリー・ハワード:Torus (Concerto for Orchestra) (世界初演)
・ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲 第1番 変ホ長調 op.107
・ラフマニノフ:交響曲第3番 イ短調 op.44
 アレクセイ・スタドレル(Vc)
 ヴァシリー・ペトレンコ:指揮、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
/この演奏会、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番をノルウェーのチェリスト・トゥルルス・モルクがソロを演奏するとあったのですが、モルクさん、病気のためキャンセル。なんと。スタドレルさんが代役です。モルクさん、大事でないとよいのですが…。メインはラフマニノフの交響曲第3番。ラフマニノフの交響曲は、実はあまり馴染みがない…この機会に聴きます。時代や国・地域、様々な作品を聴けるのはプロムスのよいところだと思っています。

Prom 54(8/26): Collegium Vocale Gent and the Budapest Festival Orchestra
・モーツァルト:アリア「この麗しき御手と瞳のために」K.612
・モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
・モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626 (ジェスマイヤー補完)
 ニール・ディヴィス→※変更:ハンノ・ミューラー=ブラッハマン(バス)
 アコシュ・アーチュ(Cl)
 ルーシー・クロウ(ソプラノ)
 バルバラ・コジェリ(メゾソプラノ)
 ジェレミー・オヴェンデン(テノール)
 コレギウム・ヴォカーレ・ゲント合唱団、イヴァン・フィッシャー:指揮、ブダペスト祝祭管弦楽団
/ブダペスト祝祭管で、オール・モーツァルト・プログラムです。バスはディヴィスさんからブラッハマンさんに変更になりました。

Prom 55(8/27): City of Birmingham Symphony Orchestra and Mirga Gražinytė-Tyla
・モーツァルト:歌劇「魔笛」 K.620 序曲
・ハンス・エブラハムセン:Let me tell you
・チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 op.36
 バーバラ・ハンニガン(ソプラノ)
 ミルガ・グラジニーテ=ティラ:指揮、バーミンガム市交響楽団
/私の注目公演のひとつです。ネルソンスの後任が決まっていなかったバーミンガム市響の新音楽監督が決まりました!リトアニア出身のミルガ・グラジニーテ=ティラさん。決まった時はようやく決まったか!と喜んだもいいが、お名前が読めない…とあちらこちらから声が…。無名で若手だけど実力のある指揮者を迎え、その後は出世するパターンのバーミンガム市響の音楽監督。バーミンガムで就任記念コンサートの後、プロムスに登場です。ミルガさんとバーミンガム市響の今後、楽しみにしています!

Prom 57(8/28): Thomas Larcher, Wagner and Richard Strauss
・トーマス・ラルヒャー:交響曲第2番(イギリス初演)
・ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集
・R.シュトラウス:アルプス交響曲 op.64
 エリザベート・クルマン(メゾソプラノ)
 セミヨン・ビシュコフ:指揮、BBC交響楽団
/ワーグナーのヴェーゼンドンク歌曲集、好きな作品です。ワーグナーの作品というと大規模な楽劇で、なかなか全曲を聴いたことがないのですが(抜粋なら聴きやすいのに)、このヴェーゼンドンク歌曲集は入りやすいです。メインも壮大な、リヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲。ロイヤルアルバートホールの舞台は広いので、サンダーマシンやウィンドマシンを置いても余裕がありそうです。

Proms Chamber Music 7(8/29): Armida Quartet
・シューベルト:弦楽四重奏曲第12番「四重奏断章」 ハ短調D.703
・サリー・ビーミッシュ:Merula perpetua(世界初演)
・モーツァルト: 弦楽五重奏曲第3番ハ長調 K. 515
 リーズ・ベルトー(Va)、アルミーダ四重奏団
/室内楽プロムスです。室内楽でも世界初演があります。オーケストラだけじゃないのがいいですね。モーツァルトの弦楽五重奏曲第3番はとても好きな曲。ヴィオラがいいんです、ヴィオラが。

Prom 59(8/29): Leipzig Gewandhaus Orchestra – Beethoven
・ベートーヴェン:レオノーレ 序曲 第2番 op.72a
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 op.73 「皇帝」
・ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 op.92
 アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
 ヘルベルト・ブロムシュテット:指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
/アンドラーシュ・シフとブロムシュテットの登場です!!オケもゲヴァントハウス管!オール・ベートーヴェンで来ました。王道中の王道というプログラムです。

Prom 60(8/30): Gustav Mahler Jugendorchester
・J.S.バッハ:カンタータ 第82番 「われは満ちたれり」BWV82
・ブルックナー:交響曲第9番
 クリスティアン・ゲルハーヘル(バスバリトン)
 フィリップ・ジョルダン:指揮、グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団
/バッハとブルックナー、荘厳な響きを連想させるプログラムです。しかもブルックナーは9番。バッハのカンタータを歌う予定のゲルハーヘルさんですが、9月から病気で長期休養に入ることがアナウンスされています。この公演はどうなるのか。まだ何もお知らせはありません。心配です。
【追記】
 ゲルハーヘルさんは変更なく歌ったそうです。よかった。お身体、無理されてないとよいのですが…。

 以上です。9月はビッグネームが続き、そして10日はラストナイトです。

【過去記事】
・7月編:Proms(プロムス)2016 私選リスト その1 [7月]
・8月前半編:Proms(プロムス)2016 私選リスト その2 [8月前半]
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# by halca-kaukana057 | 2016-08-26 22:45 | 音楽

Proms(プロムス)2016 私選リスト その3 [8月後半のその1]

 2ヶ月にわたるプロムスも折り返し。という私は追いつけてません…。どんどん溜まる。聴きたいものを厳選しようとしても、なかなか難しいのが困ったものです。こちらはこれから涼しくなるはずなので、音楽をゆっくり聴く時間も増えるはず…。2ヶ月も毎日演奏会を開いていられるのは、夏のロンドンが涼しいからだろうか…?

 8月後半のプロムス公演私選紹介の前に、面白い試みを。プロムスの公演の一部を、3Dサウンドで収録し公開しています。
Proms in Binaural Sound
 いつまで公開しているかわからないのでお早めに!最初は少なかったのですがその後増えたと思ったら、また減ってしまいました。エルガーのチェロ協奏曲がなくなってしまったのが残念…。
 聴いてみて、通常の録音とは何か違うな、とは感じました。音の距離感や透明感、弾力のようなものを感じました。ロイヤルアルバートホール内ではこんな風に聴こえるのかな、と…。拍手の音も違うと感じました。ヘッドホンで聴いてみてください。

 では、8月後半の私選リストです。8月後半は多いぞ…選ぶのに困りました。なので、2つに分けます。8h月後半その1です。

Prom 40(8/15): Britten Sinfonia and Thomas Adès
・ベートーヴェン:交響曲第8番 ヘ長調 op.93
・フランシスコ・コール:Four Iberian Miniatures(ロンドン初演)
・トーマス・アデス:Lieux retrouvés(管弦楽版、イギリス初演)
・プロコフィエフ:交響曲第1番 ニ短調 op.25「古典交響曲」
 オーガスティン・ハデリッヒ(Vn)
 スティーヴン・イッサーリス(Vc)
 トーマス・アデス:指揮、ブリテン・シンフォニエッタ
/チェロのイッサーリスが登場です。演奏するのは、指揮のトーマス・アデスの作品。チェロ協奏曲になっているそうです。最初にはベートーヴェン8番、最後にはプロコフィエフの古典交響曲。

Prom 41(8/16): The Hallé – Mahler’s Das Lied von der Erde
・ベルリオーズ:序曲「リア王」op.4
・コリン・マシューズ:Berceuse for Dresden(ロンドン初演)
・マーラー:大地の歌
 レオナード・エルシェンブロイヒ(Vc)
 アリス・クート(メゾソプラノ)、グレゴリー・クンデ(テノール)
 サー・マーク・エルダー:指揮、ハレ管弦楽団
/今年のプロムスはシェイクスピア没後400年特集。ベルリオーズからは「リア王」こうしてまとめて聴いていると、もっとシェイクスピアを読まねばならんな…と思います。チェロ協奏曲は「冥王星」でお馴染みコリン・マシューズの作品。メインはマーラー「大地の歌」。マーラー後期作品はまだ親しめている作品が少ないのですが、その少ない親しんでいる作品が「大地の歌」。メゾソプラノ(コントラルト)が活躍する作品、じっくり聴きたいです。

Prom 42(8/16): The Sixteen sing Bach and Pärt
・J.S.バッハ:モテット 来たれ、イエス、来たれ BWV229
・アルヴォ・ペルト:今こそ主よ、僕を去らせたまわん(Nunc dimittis)
・J.S.バッハ:モテット 主に向かって新しき歌をうたえ BWV 225
・ペルト:トリオディオン Triodion
・J.S.バッハ:モテット イエス、わが喜び BWV 227
 ハリー・クリストファーズ:指揮、ザ・シックスティーン
/アカペラ合唱の回です。イギリスの合唱団The Sixteenが歌うのはバッハとエストニアの現代作曲家・アルヴォ・ペルト。ペルトは宗教合唱曲も多く作曲しています。

Prom 45(8/19): Janáček: The Makropulos Affair
・ヤナーチェク:歌劇「マクロプロス事件」
 カリタ・マッティラ(ソプラノ)
 アレス・ブリッシェン(テノール)、グスタフ・ベラチェク(バスバリトン)、ヤン・ヴァチク(テノール)、エヴァ・ステルポヴァ(ソプラノ)、スヴァトプラク・セム(バリトン)、アレス・ヴォラチェク(テノール)、ヤン・イェツェク(テノール)、イルジ・クレツカー(バリトン)、イヴォナ・スクヴァロヴァ(コントラルト)、ヤナ・フロコヴァ・ワリンゲローヴァ(コントラルト)
 BBCシンガーズ(男声合唱)、イルジ・ビエロフラーヴェク:指揮、BBC交響楽団
 イルジ・クレツカー(舞台技術)
/ヤナーチェクのオペラをコンサート形式で。チェコ語での上演です。主演はフィンランドのソプラノ・カリタ・マッティラ。他のキャストはチェコ人歌手、指揮もチェコ出身でBBC響前首席指揮者のビエロフラーヴェク。このペラそのものはどんな物語か全く知らないのですが、ビエロフラーヴェクさんは昨年チェコ・フィルとの来日公演の録画を観ていいなと思ったし、マッティラさんの歌は好きなので、聴いてみようと思います。

Prom 46(8/20): Mahler’s Rückert-Lieder and Mozart’s Mass in C minor
・ジェラール・グリゼイ:Dérives(イギリス初演)
・マーラー:リュッケルト歌曲集
・モーツァルト:ミサ曲 ハ短調 K427
 ターニャ・アリアーヌ・バウムガルトナー(メゾソプラノ)
 ルイーゼ・アルダー、キャロリン・サンプソン(ソプラノ)、ベンジャミン・ハレット(テノール)、マシュー・ローズ(バス)
 BBCシンフォニーコーラス、イラン・ヴォルコフ:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
/お目当てはマーラーの「リュッケルト歌曲集」。マーラー続きますね。モーツァルトのミサ曲と一緒に、声楽をたっぷり楽しめる公演です。

Prom 47(8/21): Ulster Orchestra and Rafael Payare
・ピアーズ・ヘラウェル:Wild Flow(世界初演)
・ハイドン:チェロ協奏曲第1番 ハ短調 Hob VIIb:1
・チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 op.64
 ナレク・アフナジャリャン(Vc)
 ラファエル・パヤーレ:指揮、アルスター管弦楽団
/指揮のパヤーレはベネズエラ出身。今年のプロムスは、リオデジャネイロオリンピックもあって、南米の音楽家・オーケストラも続々登場します。このプログラムも幅が広い。

Prom 48(8/21): Matthias Pintscher and Mendelssohn
・マティアス・ピンチャー:Reflections on Narcissus
・メンデルスゾーン:真夏の夜の夢
 アリサ・ワイラースタイン(Vc)
 キャサリン・ブロデリック(ソプラノ)、クララ・モーリッツ(メゾソプラノ)
 マーク・ベントン、アレックス・ハッセル、Simon Manyonda、シニード・マシューズ、サム・スワン、ミッチェル・テリー(俳優)
 フィンチリー児童合唱団、マティアス・ピンチャー:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
/前半のピンチャー自作自演はチェロ協奏曲。アリサ・ワイラースタインの登場です。後半はシェイクスピアと言えばやっぱりこの作品、メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」!全曲演奏版です。俳優さんたちは語りを担当します。この機会に全曲演奏を聴こう。

Proms Chamber Music 6(8/22): Louis Lortie
・ロッシーニ(リスト:編):音楽の夜会 ヴェネツィアの競艇、踊り
・プーランク:ナポリ FP 40
・フォーレ:舟歌 第5番嬰へ短調op.66、第7番ニ短調op.90
・リスト:ヴェネツィアとナポリ S162
 ルイ・ロイティ(ピアノ)
/プロムス室内楽。ピアノ回です。イタリアのヴェネツィアとナポリをイメージした作品が並んでいます。

Prom 50(8/23): Tchaikovsky, Rachmaninov and Prokofiev
・チャイコフスキー:幻想序曲「ハムレット」op.67
・ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 イ短調 op.43
・プロコフィエフ:交響曲第3番 ハ短調op.44
 スティーヴン・ハフ(ピアノ)
 アレクサンドル・ヴェデルニコフ:指揮、BBC交響楽団
/チャイコフスキーのシェイクスピア作品、今度は「ハムレット」です。この演奏会のお目当てはスティーヴン・ハフのピアノのラフマニノフ「パガニーニの~」。ハフさんのピアノはとても好きです。そして、ラフマニノフのこの作品も大好きな曲。ラフマニノフのピアノ協奏曲の中で一番好きかもしれない。2番や3番も好きですが。今年のプロムスはプロコフィエフも多いですね。というより、ロシア作曲家作品が多い?

 8月後半その2に続きます!

【過去記事】
・7月編Proms(プロムス)2016 私選リスト その1 [7月]
Proms(プロムス)2016 私選リスト その2 [8月前半]
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# by halca-kaukana057 | 2016-08-25 23:11 | 音楽

土星・火星・アンタレス 一直線

 昨日書いた土星、火星、さそり座のアンタレスの並びが三角形ではなく一直線になってきている話の続きです。今日が一直線の日でした。これは是非とも観測したい。夜は晴れ。星見日和です。
・昨日:三角形じゃなくなった土星・火星・アンタレス

f0079085_227399.jpg

 19時前のまだ空が明るい時間から、この3つの星は目立っていました。夜になるとより分かりやすく。画像では火星があまり赤く見えなくなっていますが、火星は赤いです。アンタレスも赤く、「火星に対抗するもの」「アンチ・アーレス(anti Ares)」という名前の由来であるのがよくわかります。

 明日もまだ縦に3つ並んで見えるので、今日を逃がした方は明日どうぞ。
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# by halca-kaukana057 | 2016-08-24 22:15 | 宇宙・天文


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