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怖い?シベリウス4番 カラヤン&ベルリンフィル(1976年版)

 最近シベリウスに関しては歌曲とか声楽付き管弦楽曲が多い気がします…(でもPromsとシベリウス音楽祭では交響曲も聴いたよ)。シベリウスイヤーもそろそろ追い込みの季節。今日は最近聴いた交響曲第4番について書きます。

 聴いたのは、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィル。1976年の録音です。
 カラヤンがシベリウス4番を録音したのは、調べてみたら3回あるそうで。1953年にフィルハーモニア管と1回目、1965年にベルリンフィルと2回目。そして1976年にベルリンフィルともう一度録音したのが、今回私が聴いた演奏。公式にCDになってないライヴを含めるともっとあるんだろうなぁ。

 最初、このカラヤンBPOの4番を聴いた時、あれ?と思いました。そしてだんだん怖くなってきた。暗くて重くて怖い。シベリウスの交響曲の中でも4番は特に好きな交響曲です。最初はなかなか親しめませんでしたが、聴けば聴くほどこの暗さにハマっていく。この4番からシベリウスの独特の音楽が更に深まっていくのだろうなと感じます。チェロのソロの暗さ、第4楽章は一瞬明るくなるけれども、また暗くなって静かに沈むように終わる。落ち込んでいる時、ひとりになりたい時にもよく聴く曲です。そんな時にこそすっと入ってくる。あと、「夜の騎行と日の出」op.55、弦楽四重奏曲「親しい声」op.56、「吟遊詩人」op.64、「ルオンノタール」op.74など、この交響曲第4番op.63と同じ時期に書かれた作品には好きなものが多いです。

 なのですが、カラヤン&BPO(76年版)の4番…聴いていて今までにない怖さ、暗さを感じた。聴き終わった時には、なんだこのシベ4…!?と呆然としていた。シベ4で特に暗くて凄みのある演奏といえば、ヘルベルト・ケーゲル指揮ライプツィヒ放送交響楽団のもの。これは本当に真っ暗。パーヴォ・ベルグルンド指揮ヘルシンキフィルや、オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ響も結構暗め。一体何に私は「怖い」と思ったのか。ケーゲル盤を聴いてみたが、最初から最後まで、ただならぬ緊張感で、やっぱり真っ暗。でも、カラヤン&BPO(76年版)とはまた違う。カラヤン&BPO(76年版)はそこまで真っ暗ではないけれども、ずっしりと重く、暗く、険しいものを感じます。金管の音色や弦の響き、ティンパニの強さ、テンポ、トーンがそう感じさせるのかなと、別の演奏と聴き比べつつ何度か聴いて思いました。

 私がシベ4をどんな音楽か表現する時、いつもこんな風に答えます。
 澄んだ透明な冷たい湖の水の中にいて、光はあまり差し込んでこなく暗い。音も余計な音は聴こえず静か。水は澄んでいるのに底が見えない。深い湖の水の中に、ずっと漂っている。湖面は鏡のようで、静かに森と空を映している。
 この表現は、ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管の演奏を聴いた時に思いついたのですが、他のシベ4もそんな雰囲気だなと聴いていました。ですが、このカラヤン&BPO(76年版)の演奏は、湖の水の中というよりも、暗い暗い、深い森の中。その森がフィンランドの森なのか、ドイツの森なのか、どこの森なのかはわからないのですが、これまでのシベ4とは違ったものを感じました。

 何度か聴いた今は、最初に聴いた時の「怖さ」はあまり感じなくなったのですが、シベ4で怖いと感じたのは初めてだったので驚きました。聴いた時の精神状態もあったのかもしれない。
 ちなみに、聴き比べしようと持っているシベ4をひたすら聴き続けていたら、気分が悪くなってしまいました…。好きだけど、さすがにあの暗い曲をいくつも聴き続けていたら精神的にやられるのだな…。危険なのでおすすめしませんw

 シベリウスイヤーの今年のうちに聴きたいシベリウス作品・演奏、やってみたいことがたくさんあるのですが、全然消化しきれません。しかも、ネットラジオ・オンデマンドでライブもどんどん増えているので手に負えない状態に。シベリウスの誕生日は12月8日、この日で生誕150年を迎えるので、生誕150年は今年の12月8日から来年の12月7日ということで、シベリウスイヤー延長してもよろしいでしょうか…(勝手にやりなさいw)

・ケーゲル指揮ライプツィヒ放送交響楽団のシベリウス4番:真っ暗4番
・シベリウスイヤー記念、Proms&シベリウス音楽祭まとめ:Proms2015 シベリウスプログラム&シベリウス音楽祭 まとめ
 Promsはもう聴けなくなってしまいましたが、シベリウス音楽祭はまだ聴ける演奏があります。
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by halca-kaukana057 | 2015-10-29 22:31 | 音楽

続・生のオペラを観に行こう ヴェルディ:椿姫

 オペラに関する記事は久しぶりです。声楽なら、オペラよりも歌曲(伴奏はピアノでもオーケストラでも)やオペラアリア抜粋を中心に聴いていました。オペラ全曲となるとなかなか時間が…。なので、やはり生で観るのが一番集中できます。
 昨年初めて生のオペラを観に行ったのですが、今年も観に行く機会がありました。2年連続でオペラ公演があるなんて当地では考えられない…と思いながらw演目は、ヴェルディの「椿姫」。「乾杯の歌」が有名ですね…ってそれしか知らなかった…予習もロクにせずに観に行くことに…大丈夫か?

・ヴェルディ:作曲:歌劇「椿姫」(全3幕)
 プラハ国立歌劇場
 マルティン・レギヌス指揮、プラハ国立歌劇場管弦楽団、合唱団、バレエ団
 演出:アルノー・ベルナール

 開演前、購入したパンフレットのあらすじを読んで簡単に予習。舞台はパリ。ヒロインは売れっ子娼婦のヴィオレッタ。華やかな毎日を送るが、そのせいか彼女は結核に侵されていた。そのヴィオレッタのパーティに、アルフレードというひとりの男性がやってくる。アルフレードはヴィオレッタに一目惚れし、会いたい思いでパーティに参加した。パーティの途中、誰もいなくなり、ヴィオレッタは具合が悪そうにしている。そのヴィオレッタを心配し、愛を告白するアルフレード。その一途な思いに、ヴィオレッタは心動かされる。ヴィオレッタもアルフレードのことを愛するようになる。が…

 舞台は白の壁の建物、白のソファ。ヴィオレッタも白のドレス。一方、アルフレードや合唱の取り巻きの人々は黒の衣装。白と黒だけのシンプルでモダンな舞台。でも、第2幕では床に黄色のカーペット代わりのようなものがあり、日の差し方も変えている。場面が変わると白の建物の位置を動かして、黒い面を出している。シンプルだけど、シンプルだからこそ多様な見せ方が出来る舞台にしてあるんだな、と感じました。

 第1幕の最初に、「乾杯の歌」が。字幕を見て、ああ、こういう歌詞だったんだとようやく知りました。今まで、例えばNHKニューイヤーオペラでも歌詞字幕を見ていたはずなのですが、物語のあらすじ、これからどうなるのかがわかって、「乾杯の歌」の歌詞もわかった。ただ楽しく盃を交わし、宴を楽しもうという意味だけでなく、今が楽しければそれでいいというヴィオレッタの信条に基づいていたのだな、と。

 ヴィオレッタは多くの男性と過ごすけれども、心から誰かに愛され、愛すということを知らない。そんなヴィオレッタに一途に愛を告白するアルフレード。こんな気持ち初めて…と人を愛する感情に目覚めるヴィオレッタが印象的でした。でも、「花から花へ」で、自分はその時その時の快楽に生きる、と…。このあたりから、ヴィオレッタに幸せになってほしいと思いながら見ていました。この「花から花へ」の自問するヴィオレッタの歌がとてもきれいでした。

 第2幕では娼婦を辞め、ヴィオレッタはアルフレードと暮らしている。アルフレードの一途な思いが届いた…よかった…と思ったのもつかの間。2人の生活は楽ではない、お金の問題。そして、アルフレードの父・ジェルモンがやってきて…。2人がだんだんとすれ違っていってしまうのが悲しい。2人とも一途にお互いを思っているからこそのすれ違いなのかもしれない…。
 2人が再会するフローラのパーティでバレエも登場。でもあまり存在感がなかったような。多分、パーティの客がごちゃごちゃと回りにいるせいかもしれない。

 すれ違ったまま、最後の第3幕。この第3幕への前奏曲がまた重く悲痛。結核が悪化し、ヴィオレッタの命は残り少ない。ヴィオレッタの世話をするアンニーナもけなげ。残り少ない命、アルフレードと愛し合った日々を回想するヴィオレッタ…このまま終わってしまうのか…?あらすじを読んで終わりがわかっていてもそう思ってしまう。そして、戻ってきたアルフレード。ジェルモンも謝り、誤解が解け、再会を喜ぶ2人。でも…。最後はつらかった。でも、ヴィオレッタは報われた、救いのある最期だったのだと感じました。昨年観た「カルメン」よりは救いのある最後だと思う。

 心から愛し、愛し合うこと。愛のすれ違い。その時その時だけの快楽に身を任せて生きること。現代でも色褪せないテーマで、考えながらも観ていました。「椿姫」ってこういうオペラだったんだ。やはりオペラは生で観るほうが集中して、物語も楽しめます。やっぱり今回も字幕を見て、歌手を見て、演出を見て…目が忙しくて大変でした。
 前回はオケピットがあまり見えない位置に座っていたのですが、今回はオケピットが見える位置に座ったので、オケピットを見るのも面白かった。暗い中演奏するのは大変そうだなぁ…。

 昨年の「カルメン」はフランス語、今回の「椿姫」はイタリア語。声楽でイタリア歌曲集をやっているので、イタリア語の単語にも反応しました。特に、愛を意味する「amore」。何度も出てきます。イタリア歌曲集でも「amore」と歌われる歌はたくさんあり、今私も取り組んでいます。その表現や歌唱についても勉強になりました。イタリアオペラもいいなぁ。

 ヴィオレッタのソプラノの美しい声、アルフレードのテノールの甘く強い声にも惹かれました。ジェルモンのバリトンも渋い。メゾソプラノがあまり出てこないのが残念…。

 また他の作品も生で観たいです。オペラはやっぱり面白い。
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・昨年の「カルメン」:オペラ事始 その4 生のオペラを観に行こう
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by halca-kaukana057 | 2015-10-27 23:13 | 音楽

フォーレを聴こう その6 ピアノ三重奏曲

 今年はシベリウスイヤー(同い年のニルセンにも入門したい)ですが、フォーレも生誕170年。1845年生まれ。フランス近代作曲家の作品は、夏はピアノ曲を聴きたくなりますが、秋はヴァイオリンやチェロなどの器楽曲、室内楽を聴きたくなります。他の作曲家でもそうかもしれないけど。

 以前紹介したこのまとめ。
ゴールデンタイムズ:クラシック音楽でこれだけは聴いておけ!という曲を貼っていくよ
 この中にフォーレもあります。
 ピアノ三重奏曲ニ短調 op.120 そういえばまだ室内楽は取り上げてなかった…。

 フォーレの晩年に作曲された作品。聴覚障害や体力の衰えなどに苦しんでいた頃。この頃はピアノ五重奏曲op.115、弦楽四重奏曲op.121など室内楽や器楽曲を作曲していました。

 ピアノとヴァイオリンとチェロ。短調で物悲しい雰囲気もあるけれども、同時に穏やかでやさしい第1楽章。短調で少々激しい曲調になった後、長調に転調するのがとても美しい。寂しい雰囲気だけど、3つの楽器が語り合うようでやさしい気持ちにもなれる。聴いていて不思議な感じもするけれども、胸が締め付けられそうです。
 第2楽章は長調で穏やかなメロディー。長調だけど、ぽつぽつと語るような、ささやくようなヴァイオリンとチェロがやっぱり物悲しい。明と暗(陰影)が混在していて、そこがいい。
 第3楽章は「Allegro vivo(快速に、いきいきと)」で曲調も前の2楽章と比べても勢いや激しさがあるのですが、派手さはない。最初のあたりで、ヴァイオリンとチェロの高音の掛け合いがきれい。ピアノは確かにいきいきとしているのですが、ヴァイオリンとチェロから突出することなく、そばにいる。最後は長調で快活に終わる。
 聴いたのは、ジャン=フィリップ・コラール(ピアノ)、 オーギュスタン・デュメイ(ヴァイオリン)、フレデリック・ロデオン(チェロ)の演奏。

 明るさと暗さ、勢いと穏やかさなどの間で揺らぎ、内面へ向かうような曲に感じました。昨日今日と、雨が降ったり止んだり晴れ間から陽が差したり…と変わりやすい天気なのですが、そんな風にも感じました。聴けば聴くほどハマる曲です。
 ちなみに、ヴァイオリンの代わりにクラリネットでも演奏可能らしい。元々フォーレは、ピアノとチェロとクラリネットでこの曲の構想を練っていた。それがいつの間にかヴァイオリンになってしまったのですが、クラリネット版もあるなら聴いてみたい。また違う雰囲気になりそう。

【フォーレシリーズ:過去記事】
・第1回:フォーレを聴こう その1「シシリエンヌ」
・第2回:フォーレを聴こう その2「ラシーヌ雅歌」
・第3回:フォーレを聴こう その3「ドリー組曲」
・第4回:フォーレを聴こう その4 フォーレの月の歌
・第5回:フォーレを聴こう その5 「夜想曲集」
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by halca-kaukana057 | 2015-09-29 23:09 | 音楽

オーケストラで世界一周 今日は一日世界のオーケストラ三昧

 連休はとりわけどこかに出かけるというわけでもなく、お彼岸のお墓参りをしたり、天気もよかったのでちょっと近場で日光浴&散歩したり、家で音楽を聴いたり、声楽の練習をしたり…とのんびりと過ごしました。その連休中にNHKFMで放送された「今日は一日世界のオーケストラ三昧」。世界各地のオーケストラを10時間、徹底的に楽しもうという番組。世界各地には魅力的なオーケストラがたくさんありますが、どこのオケが出てくるかな、と聴いていました。
NHK:今日は一日“世界のオーケストラ”三昧
 相変わらず、「○○三昧」のサイトがしょぼいまま…以前は充実してたのに、何故こうなった。プレイリストも当日はリアルタイム更新されていたのですが、現在はなくなってしまった…。後日アップの予定らしい。

 世界のオーケストラを紹介、とっても世界は広い。アメリカ大陸編、ロシア・東欧編、アジア・中東・アフリカ・オセアニア編、ヨーロッパ編に分けて、各地のオーケストラを、ゲストのオススメやリクエストに応えながら紹介していきます。でも、ヨーロッパは非常にたくさんのオーケストラがあるから足りなくなるだろう…せめて地中海・フランス、中欧、北欧(バルト3国含む)・イギリス、ぐらいには分けたほうがいいんじゃないか…と思いながら聴いていました。

 総合的には、とても面白かったです!知っている、好きなオーケストラも、知らない、聴いたことがないオーケストラも興味深い。アメリカは大富豪がスポンサーになって始めたオーケストラが多いとか、カナダは英語圏とフランス語圏(ケベック州)でちょっと違うとか、ロシアはバレエに強いとか、オーケストラはその地域の特色を反映する。東欧では、スメタナの「我が祖国」には原典版と「現実的演奏版」があるという話は初耳。原典版で演奏すると、メロディーが聞こえにくいなど、色々難しいらしい。ロシアは指揮者や演奏家が個性的ですw
 アジアのオーケストラはほとんど知らない、聴いたことがないのでますます興味深い。台湾交響楽団は、交響曲「台湾」と現代作品で紹介。なかなか面白い曲だった。現代作品も取り上げてくれるのは嬉しい。香港シンフォニエッタのクラシック名曲メドレーは、編曲が笑えるけど巧くて楽しかったwこれいいw曲は流れませんでしたが、お便りでモンゴルのオーケストラが紹介されたのも興味深かった。

 小澤征爾さん指揮ボストン交響楽団の紹介で、リスナーから逆に「オススメを教えて下さい」というのもいいなと思った。そのリスナーさんはまだ10代の若い方。私もクラシック歴はそんなに長くない。好きな作曲家・作品・指揮者オケ演奏家を自然と選んで聴いてしまうので偏りもある。名盤と呼ばれるCDも廃盤になってしまうこともあるし、名演奏と言われてもその頃まだ生まれていなかったり、クラシックに興味を持っていなかった頃だったりするといまいちよくわからないと思ってしまう。そんな人が「こんな曲を聴きたいのだけれど…」というのに応えてくれるのはとてもいいなと思った。そして、有名なコンビの名演でも、ライヴ録音を放送してくれるのもよかった。選曲も超有名曲から、有名曲だけど聞き流してしまうような楽章や、通向けの渋い曲まで、幅広くてよかった。色んなオケ、作曲家、作品を聴きたい。今回の番組は長年のクラシックファンも、初心者も楽しめる感じでいいなと思いました。

 夜のヨーロッパ編はやはり大混戦。また別に「ヨーロッパのオーケストラ三昧」をやりましょうよ、10時間なんて余裕ですよ。ヴァイオリニストの堀米ゆず子さんや、ベルリンフィルのコンサートマスター・樫本大進さんのお話が聴けたのもよかった。演奏家から見たオーケストラといっても、堀米さんのようなソリストと、樫本さんのようなオケの団員ではまた視点が違う。
 ここでも、ロンドンのオーケストラは数が多く競争が激しいせいか性能がいい、という裏話も聞けてよかった。

 私が気になるのは、やはり北欧枠。アメリカ編で、オスモ・ヴァンスカ指揮ミネソタ管弦楽団のシベリウス・交響曲第4番(第4楽章)が流れたのには驚いた。ヴァンスカはラハティ響で来るかな、と思っていたらミネソタ管で来た。しかも、シベリウスでも難解、親しむのは時間がかかる4番交響曲。5番とかじゃなくて4番。私は大歓迎wこうやって楽章だけ取り出して聴くと、ちょっとマイナーといわれる作品にも親しみが沸きやすいかもしれない。
 ちなみに、ミネソタ管は財政状況が大変なことになり、ヴァンスカも一度解雇されどうなるかと思いましたが、オケも何とかなり、ヴァンスカも復帰して本当によかった…。アメリカでは財政難のオーケストラが少なくなく(日本もですが)なくなってしまったオーケストラもある。ヨーロッパやロシアは名前が変わったオーケストラも多い。いつの間に名前が変わっちゃったの?というオーケストラも少なくない。音楽業界には厳しい時代ですが、どこのオーケストラも地域に密着して、演奏し続けてほしい。最初のほうで、サイモン・ラトル指揮バーミンガム市交響楽団を聴きに行ったリスナーの思い出エピソードがよかった。バーミンガムの人々に愛されているんだろうな。しかも、ラトルで急成長。日本でも曲は流れませんでしたが、朝比奈さん時代の大阪フィルや、九州交響楽団と地域のオケのお話もいい。

 番組の最後、ようやく北欧枠!セーゲルスタム指揮ヘルシンキフィルの、シベリウス「フィンランディア」。ヘルシンキフィルはパーヴォ・ベルグルンドもいいよ!北欧オケでオススメを挙げろと言われたら、1時間以上語れる…けれども、大トリがフィンランドオケのシベリウスで嬉しい。北欧枠なら、現代作曲家の作品がかなり多いので、ここでも現代曲を紹介して欲しかったな。特にフィンランドは現代作曲家が多いし、フィンランドのオーケストラ・指揮者も積極的に現代曲を演奏する。「北欧音楽三昧」(作曲家、作品、指揮者、オーケストラ、演奏家)でも大歓迎ですよ!10時間持ちますよw
 番組の最後にBGMで流れていたのは、イギリスの作曲家・ウォルトンの「クラウン・インペリアル(戴冠行進曲)」。イギリス作曲家にも最近注目しているので、これも嬉しい選曲でした。

 残念だったのは、古楽がなかった。古楽アンサンブル・オーケストラも世界中にたくさんある。日本ならバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)。「古楽三昧」も是非…対して「近現代三昧」も面白そう。そして、「日本のオーケストラ三昧」も。今回の番組ではN響が…いつも流してるじゃないですかwしかもパーヴォ・ヤルヴィ指揮。というのは、この番組は今年のNHK音楽祭の番宣も兼ねてのものだったそうで…。

 連休中に旅行などには行かなかったけれど、お家でラジオでオーケストラ世界一周の旅。たっぷり楽しんだ10時間でした。こういう企画、またやって欲しいです。
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by halca-kaukana057 | 2015-09-24 21:17 | 音楽

Proms2015 シベリウスプログラム&シベリウス音楽祭 まとめ

 何度も書きますが、今年はシベリウス生誕150年の記念年。世界各国でシベリウス作品が演奏会でいつも以上に取り上げられています。いいことだ…。その中でも、イギリスで現在開催中の音楽祭「BBC Proms2015」、そして現地時間8月31日から9月6日まで開催されたフィンランド・ラハティ・シベリウス音楽祭での交響曲チクルスは気合が入っています。どちらも、オンデマンドでまだ演奏が聴けるものがあります。ということで、自分用メモも兼ねてまとめておきます。

【BBC Proms2015】
Prom 1: First Night of the Proms
・組曲「ベルシャザールの饗宴」op.51
 /サカリ・オラモ指揮BBC響 (こちらでどうぞ)
 プロムスの初日、幕開けの「ファーストナイトコンサート」。今年メモリアルイヤーのシベリウスと、同じく生誕150年(同い年)のデンマークの作曲家・カール・ニールセンの「仮面舞踏会」序曲も取り上げられています。北欧コンビを指揮するのが、BBC響の首席指揮者のフィンランド出身、サカリ・オラモ。昨年のラストナイトコンサートはめちゃくちゃ楽しかったw
 「ベルシャザールの饗宴」、初めて聴きました。組曲版は4曲から構成されていて、第1曲はこれもシベリウスの作品?と思うようなエキゾチックなメロディー。2曲目以降はシベリウスだなぁ、と感じます。第3曲のフルートがしんみりといい。
 このファーストナイトは先日NHKFMでも放送されました。ばっちり録音しました。

Prom 40: Sibelius – Symphonies Nos. 1 & 2
・交響詩「フィンランディア」op.26
・交響曲第1番 ホ短調 op.39
・交響曲第2番 ニ長調 op.43
/トーマス・ダウスゴー指揮BBCスコティッシュ交響楽団
 プロムスでのシベリウス交響曲チクルスその1.デンマーク出身のダウスゴーの指揮。「フィンランディア」に始まり、1番、2番。
 オンデマンドは9月15日まで公開中。

Prom 42: Sibelius – Symphonies Nos. 3 & 4
・交響曲第3番 ト長調 op.52
・ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
・交響曲第4番 イ短調 op.63
/イラン・ヴォルコフ指揮BBCスコティッシュ交響楽団
 ヴァイオリン・ソロ:ジュリアン・ラクリン
 シベリウス交響曲チクルスその2.指揮のヴォルコフも、ヴァイオリンのラクリンも存じ上げませんでした。プロムスはこんな今まで聴いたことのない演奏家にも出会えるのがいいところ。
 オンデマンドは9月16日まで。

Prom 43: Sibelius – Symphonies Nos. 5, 6 & 7
・交響曲第5番 変ホ長調 op.82
・交響曲第6番 (ニ短調) op.104
・交響曲第7番 ハ長調 op.105
/オスモ・ヴァンスカ指揮BBC響
 シベリウス交響曲チクルスその3.待ってましたヴァンスカ!!しかも5,6,7番とはわかっていらっしゃる!!これはもう聴いたのですが、1曲目の5番から凄かった。これ1曲目だよね、この後6番7番と続いたらどうなるの?と思ってしまう演奏でした。6,7番もよかった!

Prom 47: Sibelius, Jón Leifs, Anders Hillborg & Beethoven
・交響詩「タピオラ」op.112
/サカリ・オラモ指揮BBC響
 再びオラモ&BBC響。1曲目に「タピオラ」。「タピオラ」の荘厳な雰囲気がたまりません。
 オンデマンドは9月21日まで。

Prom 58: Sibelius – Kullervo
・交響詩「エン・サガ」op.9
・「クレルヴォ」交響曲op.7
/ヨハンナ・ルサネン=カルタノ(ソプラノ)、ワルテッリ・トリッカ(バリトン)、ポリテク合唱団、BBCシンフォニー合唱団(男声合唱)、サカリ・オラモ指揮BBC響
 交響曲チクルスにはこれも入れていいと思う、「クレルヴォ」交響曲。と、「エン・サガ」。初期の作品を再びオラモ&BBC響で。声楽ソロの2人とポリテク合唱団もフィンランド出身。「エン・サガ」を聴いたのですが(「クレルヴォ」に関しては後で書きます)、躍動感あふれる演奏。あの大太鼓のリズムには心躍ります。
 オンデマンドは9月29日まで。
 プロムスは以上。交響詩・管弦楽曲をもっと演奏してもいいのにな。
 スマートフォンから聴く際は、BBCの再生アプリを入れると聴けます。iOSは「BBC iPlayer」、androidは「BBC Media Player」を入れてください。

【ラハティ・シベリウス音楽祭】
 交響曲チクルス・管弦楽作品はオンデマンドで配信されています。しかも動画で。演奏会後すぐに公開。フィンランド国営放送YLEさん、素晴らしい…!!でも、休憩時間の指揮者インタビューなどは全てフィンランド語。全くわかりませんw
 ちなみに、こちらもYLEのアプリを入れるとスマートフォンからも観られます。「YLE Areena」というアプリを入れてください。ブラウザで観たい動画を選択するとアプリが起動します。ただし、アプリもフィンランド語です…。

◇1日目:レイフ・セーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィル
交響詩「タピオラ」op.112(動画:こちらでもどうぞ)
コンサート全編(音声のみ)
ルオンノタール op.70(動画)
(ソプラノ:アヌ・コムシ)
レンミンカイネン組曲(4つの伝説)op.22(動画)
・アンコール:「カレリア組曲」より第3曲「Alla marcia(行進曲風に)」
 幕開けはセーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィルによる管弦楽曲集。「タピオラ」で始まるとはいいですね。そういえば、どれもフィンランドの民族叙事詩「カレワラ」にちなんだ作品。

◇2日目:オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ響
森の精op.15 / 動画その2
交響曲第3番 / 動画その2
交響曲第4番 / 動画その2
・アンコール:伯爵夫人の肖像
コンサート全編
 ラハティ響にヴァンスカが帰ってきました!1曲目の「森の精」は演奏されるのはなかなか珍しい作品。4番はラハティ響の緻密な音に聞き入ります。時に熱いヴァンスカ。アンコールの「伯爵夫人の肖像」、初耳の作品です。さすがヴァンスカ&ラハティ響。マニアックです!

◇3日目:サカリ・オラモ指揮BBC響
エン・サガ / 動画その2 / BBC radio3での放送(11月26日まで)
クレルヴォ交響曲 / 動画その2 / BBC radio3での放送(11月29日まで)
コンサート全編
 (ソプラノ:ヨハンナ・ルサネン、バリトン:ワルテッリ・トリッカ、男声合唱:ポリテク合唱団)
 BBC Promsと同じく、オラモ&BBC響で「エン・サガ」と「クレルヴォ」。ソプラノさんと、合唱の規模(BBCシンフォニー合唱団はいない)が違いますね。Promsと違うのは、やはり動画で観られるところ。「エン・サガ」は初めて演奏風景を観たのですが、思った以上に難しい曲なんだなと感じました。ヴィオラソロが何度もあったのが嬉しかった。この演奏はかなり好き。
 「クレルヴォ」はこれまであまり聴いてこなかった。この際だからお近づきになりたいと聴いてみた。「カレワラ」のクレルヴォの章を読んで頭に入れてから。救いようがない物語ですが、聴いていて、過酷な運命にも立ち向かう毅然としたたくましいクレルヴォの姿をイメージしていました。ドラマティック。3楽章は「カレワラ」の5拍子で、合唱と独唱(ソプラノ:クレルヴォの妹、バリトン:クレルヴォ)の歌に引き込まれる。「クレルヴォ」面白い!好きになった、少し距離を縮められたかも。今度は持っているCDを聴きます。

◇4日目:オッコ・カム指揮BBC響
ヴァイオリン協奏曲 / 動画その2 / BBC radio3での放送(11月25日まで)
 (ヴァイオリンソロ:セルゲイ・マーロフ)
交響曲第2番 / 動画その2 / BBC radio3での放送(11月27日まで)
・アンコール:悲しきワルツ
コンサート全編
 BBC響を、今度はオッコ・カムが指揮します。ヴァイオリン協奏曲のソロ、マーロフさんの服装がかなりラフで、カッコイイ兄ちゃんという雰囲気。演奏もスリリングです。一方の2番はしみじみしてしまう。第4楽章がじんわり味わい深い。
 BBC響はPromsで忙しいところを駆けつけてくださってありがたいですね(オラモが連れてきた?)

◇5日目:ユッカ=ペッカ・サラステ指揮ラハティ響
交響曲第1番 / 動画その2
吟遊詩人 / 動画その2
交響曲第5番 / 動画その2
・アンコール:鶴のいる情景
コンサート全編
 再びラハティ響に戻って、今度はヴァンスカの後にラハティ響を率いたサラステで。1番はシベリウスの交響曲の中でも私はあまり聴かない曲です。でも、この演奏で1番もいいなと思いました。メリハリがあって、第4楽章はじわじわときました。やっぱり1番もいい。ハープがどこか物寂しい「吟遊詩人」。5番は今年は何度も聴いています。聴く度に好きになってます。

◇6日目:オッコ・カム指揮ラハティ響
大洋の女神(波の娘) / 動画その2
ポホヨラ(ポヒョラ)の娘 / 動画その2
交響曲第6番 / 動画その2
交響曲第7番 / 動画その2(アンコールのフィンランディア付き)
・アンコール:フィンランディア
コンサート全編
 最後は、現在のラハティ響の首席指揮者のオッコ・カム。「ポホヨラの娘」の疾走感がたまらない。6,7番はもう言葉は要らない…。アンコール、交響曲チクルスの最後に「フィンランディア」。胸が熱くなります。

 以上、交響曲、管弦楽曲のまとめでした。いつまでオンデマンドで聴けるのかちょっとわからないのですが、お早めに。全員世界で活躍中のフィンランド人指揮者。それぞれ指揮や解釈、音遣いの個性が出ていて面白いなと観ていました。ラハティ響だけでなく、ヘルシンキフィル、BBC響とオーケストラの個性も違う。毎日動画がアップされると観て、聴いて、毎日楽しかった!ありがとうございました!
 ちなみに、交響曲・管弦楽曲の他にもピアノ曲や室内楽も公開されています。更に、同じ頃演奏会をしていたハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送響の演奏会も。大変ですw
【追記】
 個別の動画のなかった1日目・セーゲルスタム指揮ヘルシンキフィルの動画があったので追加しました。あと、昨年2014年のシベリウス音楽祭(オッコ・カム指揮ラハティ響)、12月6日のフィンランド独立記念日コンサートの「フィンランディア」(男声合唱付き)、「吟遊詩人」「クリスティアン王二世」の動画もあるサイトもありました。素晴らしいです。「エン・サガ」を聴いたら、あれ、音が違う…いや、これは初稿だ!!「エン・サガ」の初稿は初めて聴きました。ヴァイオリン協奏曲も初稿です。気になってたけど聴いたことない…という方は是非。
ClassicLive:Sibelius 150 years

【追記その2】
 フィンランド国営放送(YLE)のサイトで公開されていた動画は、1ヶ月間の公開だったようです。10月15日現在は残念ながら観られません。しかし、別に公開しているサイトがあったので、そちらでどうぞ。「動画その2」のリンク先で観られます(追記その1に書いてあるサイトと同じです)。ラハティ響を中心に演奏会の動画を載せているサイトのようです。

【追記その3】
 BBC radio3で、BBC響による演奏が放送され、オンデマンドで聴けるのでリンクを貼っておきます。期間限定なのでお早めに。

【追記その4】
 ラハティ響のコンサート映像を中心にアップしているサイト(「動画その2」のサイト)で、シベリウス音楽祭全ての演奏動画がアップされました。高画質で嬉しいです。あと、12月7日から9日まで、NHKFMでも放送しています。(サラステ&ラハティ、セーゲルスタム&ヘルシンキフィル、カム&ラハティ)

 この秋・冬にはオッコ・カム&ラハティ響や、ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送響、ヴァンスカも読売響と、来日公演もあります。日本フィル次期首席指揮者となったピエタリ・インキネンも、交響曲チクルスはもう終わったので今年は交響詩・管弦楽曲を取り上げています。10~12月の間に、フィンランド指揮者が4人(既に上半期にはサロネン&フィルハーモニア管、サラステとストルゴーズがN響に客演。計7人!!相変わらずフィンランドの指揮者の勢いが凄い…)、フィンランドオケが2つ来日…なんてこった!!
 私は行けないので、テレビ放送、ラジオ放送があるといいなぁ…。(追記:リントゥ&フィンランド放送響は既に11月末のEテレ「クラシック音楽館」で放送が決まっています。やった!カム&ラハティ響もお願いします!!)
YLE:Areena radio:Radion sinfoniaorkesteri ja Hannu Lintu konsertoivat Japanissa
 一足お先に、音源だけならフィンランド国営放送YLEでも放送され、オンデマンドで聴けるようになっています。海外ツアーでの演奏を演奏会のすぐ後にラジオ放送し、ネットでオンデマンドで聴けるYLE…本当に凄い。公開期間はいつまでなのか不明ですが、多分1ヶ月あたり?お早めにどうぞ。

 まだまだシベリウスイヤーは続きます!
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by halca-kaukana057 | 2015-09-07 23:14 | 音楽

シャーロック・ホームズの音楽たち

 現在、ロンドンで開催中の音楽祭「BBC Proms 2015」.昨年のラスト・ナイト・コンサートの模様のテレビ放送を観て、今年はもっと聴こうと思い、コンサートやプログラム・演奏曲・出演者・オーケストラなどをチェックしています。

 その中で、ユニークなコンサートがありました。8月16日の公演。
BBC Proms 2015:Prom 41: Sherlock Holmes – A Musical Mind

 「シャーロック・ホームズ」シリーズには様々な音楽が登場します。ホームズはヴァイオリンを嗜み、しかもかなりの腕前。クラシック音楽にも造詣が深く、事件の合間にワトスンと一緒にコンサートを聴きに行っている(しかもそのコンサートホールが、このプロムスのメイン会場である、ロイヤル・アルバート・ホール。一緒なんです!)。作中には出てこなくても、アーサー・コナン・ドイルがホームズが興味を持っていただろうとしていた同時代の作曲家も挙げている。更に、映画やドラマなどの映像作品の劇判・サウンドトラックも、それぞれの「ホームズ」を彩っている。ということで、正典並びに映像作品の「ホームズ」の音楽を堪能できるコンサートがこれ。なんと素敵!

 進行役に、BBCの現代版ドラマ「SHERLOCK」脚本・マイクロフト役のマーク・ゲイティスさんが登場。しかし、英語で何を言っているのか全部わからないのが残念…。

 聴いていておっ、と思ったのが、ラッスス。バロック時代の作曲家です。「ブルース・パーティントン設計書」(「最後の挨拶」収録)で、ホームズがラッススのポリフォニック・モテットに関する小論文を書いている…というエピソードにちなんでいます。最初に正典を読んだ時も、「ホームズ」にはラッススも出てくるのか!ホームズはラッススにも興味を持っているのか!と驚いたのですが、実際にコンサートでそのラッススのモテット(多声宗教曲)を聴けるのは嬉しい。ラッススはCDは持っているのですが、今回演奏された曲は入っていないなかった。

 更に、「ボール箱」(「最後の挨拶」収録)で、ホームズがワトスン相手にパガニーニについて語るシーン。今回のコンサートでは、パガニーニといえばこの曲、ヴァイオリン協奏曲第2番から第3楽章、ピアノ曲「ラ・カンパネラ」のメロディーとしても有名な曲です。ホームズもこのヴァイオリン・ソロのメロディーを弾いていたのだろうなぁ。

 ワーグナー「ワルキューレの騎行」は、「赤い輪」(「最後の挨拶」収録)で、最後に「コヴェント・ガーデン劇場でワーグナーの夕べを見ようではないか」と言っているのが元ネタかな?音楽から正典の元ネタのを探すのも楽しいです。結構大変ですが…。「最後の挨拶」多いな。

 「ボヘミアの醜聞」(「冒険」収録)で、「あの女性」アイリーン・アドラーはコントラルト歌手と出てくるのですが、アイリーン・アドラーが歌っていたであろうオペラのアリアが演奏されたのも印象的。しかも、グラナダ版のアイリーン・アドラーのテーマから繋げてくる。ロッシーニ「セビリアの理髪師」にチャイコフスキー「エフネギー・オネーギン」のアリアを。アイリーン・アドラーはこんな歌を歌っていたのかなぁと思う、とても面白いプログラム。

 映像作品の音楽は、聴けば「ああ!これ!」という曲ばかり。ガイ・リッチー監督、ロバート・ダウニー・Jrがホームズを演じた映画。ハンス・ジマーの音楽がかっこいい。ビリー・ワイルダー監督の「シャーロック・ホームズの冒険(The Private Life of Sherlock Holmes)」は、先日、BSプレミアムで放送していて、私の記憶には新しい作品でした。「シャーロック・ホームズと恐怖の声(Sherlock Holmes and the Voice of Terror)」これは観たことがないので音楽も初めて聴きます。
 ドラマでは勿論、ジェレミー・ブレットがホームズを演じたグラナダ版も。ミステリアスで哀愁漂うあのテーマ曲が流れるとワクワクします。最後はBBC「SHERLOCK」より。オープニングを聴けばもう映像をイメージできます。この曲はどのシーンだっけ?と思いながら聴いていました。なんと言っても、これらをフルオーケストラで聴けるのがたまりません。

 さすがは「ホームズ」のお国イギリス。「ホームズ」シリーズでこれだけのコンサートが出来るのは凄いなと感じました。「ホームズ」シリーズには沢山の音楽がちりばめられていたことも凄いな、と。音楽から楽しむ「ホームズ」もいいですね。

 この演奏会の模様は、公演から1ヶ月間は上記リンクから何度でも聴けます。スマートフォンからは、iOSは「BBC iPlayer」、Andoroidは「BBC Music Player」というアプリを使うと聴けます。でも、こんないいコンサートだし、映像でも観たいなぁ…日本語訳付きで。
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by halca-kaukana057 | 2015-08-22 22:52 | 音楽

フォーレを聴こう その5 「夜想曲集」

 去年で止まっているガブリエル・フォーレシリーズ…。終わったわけではありません…。

 フランス近代ものと、夏は相性がいいと思う。ゆらゆらとうつろう曲想に涼しさを感じます。風に揺れている風鈴のような。
 今回取り上げるのは、ピアノ曲集・ノクターン。フランス語だとノクチュルヌ(Nocturne)。ソナチネでお馴染みのクレメンティの弟子のジョン・フィールドが創始したと、ベートーヴェンと弟子のフェルディナント・リースの漫画「運命と呼ばないで」にありました。ノクターンと表題のついたピアノ曲と言えばショパンが有名。でも、ほかの作曲家もノクターンを結構書いています。スクリャービンの「左手のための前奏曲と夜想曲」Op.9は左手で演奏される曲。舘野泉さんの演奏がとても美しいです。

 フォーレもノクターン、いや、ノクチュルヌ、いや…「夜想曲集」を13曲書いています。フランス近代ものですが、どれもメロディーも和音もきれいな、ゆったりとした曲。ここで「夜想曲」と書いたのは、そう呼ぶのにピッタリだと感じたから。急な転調や和音、強音も少なく、落ち着いて聴いていられる。暑い夏の宵、夕涼みに合いそうな曲ばかりです。きらきらした音が、夏の星空を眺める時にも合うかもしれない。甘美過ぎず、ロマンティック過ぎず。音楽そのものがゆったりと流れているあたりは、フランス近代ものなんだなと思います。

 特に好きなのが3番変イ長調op.33-3と、6番変ニ長調op.63、8番変ニ長調op.84-8。3番は始まり方のメロディー、音がのびのびとしていてとても好きだ。4番変ホ長調op.36も、始まり方が素朴でいい。中間部の長調と短調が入り混じっているまだそんなに数を聴いていないので、これから聴けばもっと好きな曲が出てくるかもしれない。

 フォーレは舟歌もいい曲ばかりで…でも持っているCDが少なくて、これからです。

【フォーレシリーズ:過去記事】
・第1回:フォーレを聴こう その1「シシリエンヌ」
・第2回:フォーレを聴こう その2「ラシーヌ雅歌」
・第3回:フォーレを聴こう その3「ドリー組曲」
・第4回:フォーレを聴こう その4 フォーレの月の歌

・記事内で出てきた漫画「運命と呼ばないで」: 運命と呼ばないで ベートーヴェン4コマ劇場
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by halca-kaukana057 | 2015-07-24 21:54 | 音楽

春を待つシベリウス交響曲第2番 フィンランド人指揮者でシベリウス・生誕150年記念リターンズ

 今日は二十四節気で「雨水」。雪から雨に変わる頃、とされています。当地も、一日中氷点下の真冬日で大雪・猛吹雪という日は少なくなってきました。先日は猛吹雪、短時間の大雪に見舞われましたが、その後は穏やかで、春が少しずつ近づいていることを感じます。それでも、そのうちまた真冬に戻ったりする…まさに「三寒四温」。

 こんな季節になると、シベリウスの交響曲第2番を聴きたくなります。まさに冬から春に移り変わる今の季節を描いているかのような交響曲。シベリウスの交響曲の中で最もメジャーなので、録音もたくさんあります…。その中から、この演奏を。
HMV:シベリウス:交響曲第2番 サカリ・オラモ&フィンランド放送交響楽
 フィンランド人指揮者とフィンランドのオーケストラコンビによる演奏。2006年、シベリウス没後50年の時のライヴ録音です。この演奏会はシベリウス・チクルス(交響曲全曲演奏会)で、部屋の中を探したら、NHKFMで放送されたのを録音したMDが出てきました。でもCD買っちゃった。
 オラモは、以前バーミンガム市交響楽団とのシベリウス交響曲全集で聴いています。バーミンガム市響とのは2000年。それから6年後。オケも違う、録音環境も違う、フィンランド放送響の方はライヴ。そしてオラモも6年とは言え年齢と経験を重ねてきた。しかもこのオーケストラはオラモがコンサートマスターを務めていた古巣、故郷のようなオケ。音楽だけ聴こうと思っても、こんなことも考えてしまいます。

 これまで私が2番で気に入っている箇所は、第1楽章の冒頭、せせらぎのような弦の澄んだ音。あと、第3楽章終盤で弦楽器も管楽器もうねうねとしながら雄大な第4楽章に入っていくあたり。第4楽章も朗々としているけれども明るさと暗さを繰り返して、輝かしいフィナーレを迎える。この辺りが好きなのですが、このオラモ&フィンランド放送響の演奏でいいなと思ったのが第2楽章。全体的に暗い楽章。時に、雲間から陽が差すようなうっすらとした明るさもある。トランペットのソロが印象的。メリハリがあってキリリと冷たく引き締まったテンポとトーン。強い音の部分も強過ぎない。シベリウスの音楽は、音楽そのものは暗くても、感傷的な陰鬱・メランコリーとは違うと思っている(後期交響曲・作品は特に)のですが、オラモ&フィンランド放送響の2番の第2楽章はまさにそんな感じ。

 第1楽章の弦のささやきも、第4楽章のファンファーレも澄んでいる。第4楽章は少しテンポ速いところも。メリハリ効かせてます。弱音から強音までの幅が広い。盛り上げるところは盛り上げて、抑えるところは抑える。第4楽章の最後のあたり、短調で盛り上げて長調に変わるあたりから最後にかけても、冷静でいて内面の熱さがある感じ。いい演奏です。
 バーミンガム市響のと聴き比べてみましたが、こっちのほうが落ち着いているかな?

 今年はシベリウス生誕150年。本国フィンランドは気合入ってます。日本でも、年明け前からあちらこちらでシベリウス作品が演奏されています。ああ、せっかくのアニバーサリーイヤーだし、何かひとつでもいいから生でシベリウスを聴きたいなぁ。

 ということで、現在フィンランド放送響のサイトでは、この2番を含む、オラモ指揮の2006年のシベリウス交響曲全曲を無料で配信しています。シベリウス気になっているんだけど聴いたことない。聴いてみたい。そういう方には是非。
◇1番~3番: yle.fi:Elävä arkisto:Sibeliuksen sinfoniat nro 1-3
◇4番~7番: yle.fi:Elävä arkisto:Sibeliuksen sinfoniat nro 4-7
 フィンランド語ですが、番号さえわかれば大丈夫

yle.fi:Klassinen:Jean Sibelius 150v
 フィンランド国営放送YLEのシベリウス生誕150年記念サイト。フィンランド語ですが…。
Sibelius 150
 こちらは英語のシベリウス生誕150年記念サイト。

・過去関連記事:さらに フィンランド人指揮者でシベリウス
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by halca-kaukana057 | 2015-02-19 22:15 | 音楽

天にひびき 10[最終巻]

 昨年読んだ本は昨年のうちに…ができませんでした。年またぎましたが書きます。「天にひびき」いよいよクライマックス。完結です。



天にひびき 10
やまむらはじめ/少年画報社・ヤングキング・コミックス/2014

 大学4年、卒業も近づいた秋央。ヨーロッパで活躍しているひびきが帰って来た。秋央の部屋を懐かしそうに見るひびき。そんなひびきが、日本に「忘れ物」をしていることを思い出した、と。秋央に「コンサートやらない?」ともちかける。秋央も即答。いきなりアマオケを立ち上げてのコンサート。かつての21Cオケのコンマス・友田は呆れながらも、相談にのってくれることに。そして、音羽良の仲間たちとも再会。そこで、ひびきがやりたいと言ったのは、マーラーの「大地の歌」。声楽付きの交響曲。オケは何とか集められそうだが、テノールとアルトのソロはどうする?ひびきはその場にいた梶原をテノールに、波多野をアルトに指名。無理と言いつつも、2人はひびきからのオファーを受けてしまう。それを聞いた友田は、素人に声楽をやらせるなんて、とマネージャーだけ紹介して、話から降りてしまう。友田に対して、ひびきは本気だと強く断言するが…。

 最終巻です。9巻のラストでひびきが秋央の部屋の前に立っていたのを見て、続きが気になっていました。文化祭でのひびき指揮秋央コンマスの演奏会は、ひびきが来日中の名門オーケスストラ・バイエルン・フィルを代役として指揮し、ひびきは大成功。一方、秋央は念願だったひびきの指揮のコンマスの夢が破れてしまった。それから、ひびきはヨーロッパへ。秋央は進路も決まらず、結婚式場でのヴァイオリン演奏のバイトをしながら、卒業を目前に控えていた。

 そこへ帰って来たひびき。しかも、コンサートをやる、と。即答した秋央。以前なら、秋央が友田さんのようにオケの人はどうする、会場は、演目は、と現実的問題をひびきに投げかけるはずなのですが…。友田さんの現実的な質問に、あっけらかんと「なんとかなるでしょ」「(コンサートをやる意味は)ある!」「(その理由は)それは私にもわからない!」と答えるのは、実にひびきらしい…wさらに、「大地の歌」の声楽ソリストに、直感で梶原と波多野さんを選ぶあたりも。でも、声楽の先生の初レッスンで、2人の意外な声楽の素質が判明。波多野さんの暗めのアルト…ショスタコーヴィチをはじめとした近代ロシアもののヴァイオリンも聴きたいですが、波多野さんの暗めのアルトも聴きたいです。あと、クラシック音楽漫画では、何故か声楽は敬遠されているように思える。私がそんなに読んでいないから知らないだけかもしれないけど、声楽はほんの少ししか出て来ない。ピアノやヴァイオリンなどの弦楽器、管弦楽とは別に吹奏楽、あと指揮。54話で、梶原と波多野さんが声楽のレッスンを受けるのですが、まさに声楽の第一歩!基礎基本が取り上げられてて、声楽をやっている身としてとても嬉しかった。その後の体力づくり、発声練習、発声の際どの筋肉を意識するか、体調コントロール…。声楽は身体が資本。梶原がはちみつ一気飲みしているシーンでは笑いましたw
 漫画家の先生方、声楽をメインにしたクラシック音楽漫画、是非描いてください!!合唱でもいいですが、ソロの声楽は特に。オペラを演奏家の視点で取り上げるのが難しいのかなぁ。もっと声楽は注目されてもいいと思うんだ。色々と誤解されている分野でもあると思うんだ。

 ひびきのオーケストラには、これまで出てきた登場人物が総出演!元21Cオケの皆さん、ヴァイオリンには如月先生に榊先生も。如月先生も出る、と聞いて俄然がんばる南条君…本当にけなげな子です。チェロには7巻で登場した清水さんも。普段は作曲の外山さんも、マンドリンで参加。ピアノの萩原さんも、チェレスタで参加。マーラーは編成が大きい、楽器も種類が多いので普段オーケストラに参加できない楽器の人も参加できる。オールスター集結状態で嬉しい。第一、普段は指揮の梶原も、テノールソロでひびきと共演…滅多にない。

 そんなひびきが、マーラーの「大地の歌」。秋央も梶原も、「らしくない」と言う。歌詞も暗い。何故、ひびきは「大地の歌」を選んだのか。しかも、声楽ソロに梶原と波多野さんを指名したのか。それは演奏会で明らかになるのですが…それまでの声楽ソロ2人の奮闘、本当に大変だよなぁ…しかも「大地の歌」、大編成のオーケストラに対して声楽のソロ、コンサートホールで。フィクションですが、ひびき、おそろしい子…!!

 ヨーロッパで数々の公演を経てのひびきの指揮者としての成長も見どころです。音羽良にいた時の延長線上なのですが、オーケストラを、演奏者ひとりひとりをちゃんと見ている。元21Cオケのトランペット・入谷さんから見たひびきの指揮のよさを読んでいると、本当にひびきの指揮で「大地の歌」を聴きたくなってくる。練習、リハーサルの段階から。声楽の2人を入れてのリハがボロボロだったにも関わらず、ひびきは動じず指揮を続ける。今度こそコンマスの秋央も、その指揮を信頼してオケをまとめようと音を出す。秋央も成長したなぁ!!そのリハの後、ぐったりと疲れている梶原と波多野さん。その2人に明るく、威勢よく声をかけるひびき。そのひびきがやって来た後の梶原の言葉が、ひびきの力を表している。
なんとなく判った様な気がする 曽成の力
あの真っ直ぐな目が問うてくるのだ
"あなたはどの位 本気?"
応えるしかないだろ?自尊心があるならば
(113ページより)

 演奏者の適性をつかみ、その気にさせる。声楽の2人も、完全にひびきが指揮しています。モチベーションを上げるのも、指揮者の役目。

 マーラーの交響曲はまだ全曲聴けていませんが、「大地の歌」は好きな曲のひとつです。梶原が「暗い」と言っていた歌詞も好きです(波多野さんと同じくw)

 そんなひびきのオーケストラを、外から冷静に見つめるのは美月。秋央から全てを聞いて、ひびきにとって秋央の存在とは何なのか、ストレートに聞きます。ついにこの時が!秋央について語るひびきは、いつもの明るく楽天家なひびきとは随分違います。4巻で、高校生の頃、有志のブラスバンドを指揮していたひびきについてひびきの父から語られますが、その時も、その前も、ひびきはずっと"ひとり"だったのかもしれない。ひびきは表向きは明るく楽天家で、サッパリとした性格で、誰とでもすぐ仲良くなり、場に馴染み、皆を盛り上げたり励ましたり…常に人の中にいるような子に見える。でも、"ひとりでいること"抱えていたんじゃないか。小学生のひびきが、美月の父がコンマスを務めるオーケストラの練習で代理と勝手に指揮しはじめ、見事な演奏になった。それを目撃、聴いた秋央。音大に入り、ひびきと再会。仲良くなって、ひびきは自分の部屋の風呂は静かじゃないので音楽について考えるのに集中できないからと、秋央の部屋の風呂を借りるようになる。そのぶっ飛んだ要求も渋々受け入れ、それがひびきの深い音楽の世界に秋央が触れる機会にもなる。これは秋央からの視点。ひびきが美月に語った、秋央の存在。ひびきの音楽に、そしてひびきに追いつこうと、触れようとしてきた…。

 そんなひびきの内面を知ってからの、演奏会本番。梶原と波多野さんの歌う歌詞も記されています。暗いけれども、やはり惹かれます。ひびきが、「大地の歌」を選び、込めた意味。1巻冒頭の吉松隆先生の交響曲第2番の一節を思い出さずにはいられませんでした。

 この漫画を読んで、「音楽はその時その場限りのもの」とより強く思うようになりました。どんなにいい機材で録音しても、最高画質で録画しても再現できないものがある。生の演奏の微細な部分、空気を伝わってくる迫力、会場の雰囲気や熱気、演奏後の拍手…。音楽はライヴ、生き物なのだということ。同じ曲を何百回演奏しても、全く同じ演奏は存在しない。再現できない。音楽は空気を伝わって、耳に、五感に届くけれども、音楽そのものが空気のようなものなんだ…。この10巻を読み終わって、あらためて感じます。

 でも、「その時その場限りのもの」だけれども、心には残る。いい演奏を聴いた演奏会の帰り道の高揚感。その時の演奏が消えてしまうのが嫌で、CDなどで他の演奏を聴きたく無くなる。逆に、もっと聴いてみたいとCDで聴いて、新たな聴きどころを発見する。もしくは、自分もあの曲を演奏してみたい!と楽譜を探し始める。その演奏会の演奏家に憧れることもある(これは生に限らずCDやテレビ放送などでも)。あんな演奏をしてみたい。あんな音を出したい。自分ももっとこの曲を深いところから演奏したい、と。

 秋央も、ずっとひびきの音楽に惹き付けられ、憧れ、ひびきの指揮でヴァイオリンを演奏したい、コンマスを務めたいと思うようになる。コンマスは指揮者の音楽をオーケストラ全体に伝える。それは指揮者のコピーのようで、そうじゃない。翻訳、が近いだろうか。翻訳も、ひとつとは限らない、その訳者の個性が出るから。そのことに10巻でようやく辿り着けた秋央。後日譚の秋央と梶原の会話が、実に爽やかです。
 その後日譚で、梶原が聞きつけた秋央の噂が気になります…!一体誰!?ラストのラストは、また1巻に戻ったような。音楽は、永遠に続いてゆく。音楽に終わりはない。

 吉松隆先生のクラシック音楽コラムも最後。「音楽って何?」前にも書きましたが、クラシック音楽と特別扱いしないで、どんなジャンルだろうと音楽は音楽。楽しめばいいじゃないか。吉松先生のメッセージも心強いです。私も音楽を趣味でやってる端くれとして、色々楽しもうと思います。毎回面白く、興味深いコラムをありがとうございました!

 そして、音楽の楽しさも難しさも、若い演奏家たちの奮闘も表現してくれたやまむら先生、お疲れ様でした。素敵な作品をありがとうございます!

 ただ、最後に秋央、梶原、友田さん以外のキャラクタたちがどうなったのか、ひとコマだけでも観たかったなぁ…。

天にひびき 9
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by halca-kaukana057 | 2015-01-08 23:10 | 本・読書

こんなクラシックコンサート観たことない! 「Proms(プロムス)」ラストナイトコンサート2014

 先日、NHKBSプレミアムで放送されていた「BBC Proms(プロムス)ラスト・ナイト・コンサート」を録画で観ました。イギリスで、7月中旬から9月中旬まで開催される、世界最大級の音楽祭。その最終日の夜、最後のコンサートが「ラスト・ナイト・コンサート」。演奏はBBC交響楽団。指揮は、主席指揮者のサカリ・オラモ。フィンランド人指揮者のオラモは、シベリウス作品を中心に聴いてきて、特に好きな指揮者のひとり。オラモ目当てに録画してみたら、とんでもないコンサートだった。

NHK:プレミアムシアター:プロムス2014 ラスト・ナイト・コンサート

 このプロムス・ラスト・ナイト・コンサート。普通のクラシックコンサートと随分違う。会場のロンドンのロイヤル・アルバート・ホールは、とても大きなホール。照明や大型スクリーンもある。観客は、曲の合間に国旗を振っている。前半はまだおとなしめなのですが、後半になると、風船を飛ばし、クラッカーを鳴らし、お祭り状態。指揮台もいつの間にか、クラッカーのカラーテープや国旗でデコレーションされている。何だこれ!?
 会場はこのロイヤル・アルバート・ホールだけではない。ロンドンのハイド・パーク、北アイルランドのベルファスト、スコットランドのグラスゴー、ウェールズのスウォンジーには野外会場が設けられている。ロックフェスか何かですか!?
 しかも、オラモはユニオン・ジャック柄のベスト!?蝶ネクタイもユニオン・ジャックカラー。楽団員さんや合唱団員さんにも、国旗カラーの蝶ネクタイの人がいる。何が始まるんです…!?

 前半は、イギリス人作曲家のアーノルドやウォルトン、イギリスもの以外でも、ショーソンや今年生誕150年のリヒャルト・シュトラウスも。
 後半は、ハチャトゥリアン「剣の舞」で勢いよく始まり、黒人霊歌「ジェリコの戦い」やミュージカル「ショウ・ボート」から「オール・マン・リバー」とバラエティに富んでいる。ヴァイオリンの超絶技巧にワクワクするラヴェル「ツィガーヌ」も。ヴァイオリンはジャニーヌ・ヤンセン。そのアンコール。ヤンセンがヴァイオリンをそっと鳴らすと、ヴァイオリンの音が聴こえる。舞台袖には、ヴァイオリンを持ったオラモが。ヤンセンとオラモで、メキシコ民謡「ラ・クカラチャ」ヴァイオリン二重奏!オラモは、元フィンランド放送交響楽団のコンサートマスター。オラモのヴァイオリンを初めて聴きました。息ぴったり、ユーモアも交えて楽しい演奏。
Traditional, arr. Aleksey Igudesman: La Cucaracha - BBC Proms 2014
 ↑「ラ・クカラチャ」公式動画が上がってますので、是非。

 さらに、今年公開50年という「メリー・ポピンズ」メドレー。演奏の前に、オラモが挨拶とMCをして、歌も会場の皆さんも一緒に。「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」は勿論歌えましたよ!(日本語訳詞で)
Mary Poppins - Medley - BBC Proms 2014

 その後が、イギリス万歳な曲が続きます。「ルール・ブリタニア」、エルガー「威風堂々」第1番(Land of Hope and Glory)、ヒューバート・パリーの「エルサレム」、そしてブリテン編曲のイギリス国歌。最後は演奏なしで「Auld Lang Syne(蛍の光)」。会場の観客も一緒に歌います。私も一緒に歌ってしまった。盛り上がりが凄い!「ルール・ブリタニア」は、ソロはバリトンのロデリック・ウィリアムズ。深く堂々とした歌声がかっこいい。「威風堂々」第1番の歌詞つきは初めて聴きました。これも熱くなる歌詞。イギリス万歳な曲が続くのですが、何故か不思議な一体感がある。振られている国旗はユニオンジャック、もしくはイギリス各地域の旗とは限らない。オラモの故郷のフィンランド国旗、ヤンセンの故郷のオランダ国旗。日本人もいるのか日の丸も。世界各国の国旗が振られている。世界はひとつ、のこの不思議な一体感。演奏中に各会場を中継するのもいい。その指揮をオラモがしていることに、とても感激しました。
 指揮者のスピーチも恒例なのだそうですが、オラモのフィンランド人ジョークに笑いましたwさっきまでノリノリで指揮してたじゃないですか!wそして、あのユニオンジャック柄ベストには、粋な仕掛けがありました…!テレビの前で大喝采でしたw
Elgar: Pomp and Circumstance - BBC Proms 2014

 会場内は動画撮影もOKらしく、動画もいくつかありました。
BBC Last Night of the Proms 2014 Rule Britannia, Land of Hope etc Highlights Royal Albert Hall
 クライマックスの部分を。これは燃えます。盛り上がります。

LAST NIGHT OF THE PROMS LONDON 2014 4K ULTRA HD
 観客総立ち。熱気がすごい。クラシックコンサートとは思えない。

Proms In The Park - London - 2014 - The Last Night Of The Proms !
 ハイド・パークの会場の様子を。昼間はクラシック以外も演奏されます。ピクニックみたい。ラスト・ナイト・コンサートの盛り上がりは野外でも変わりません。

 プロムスは、1895年、クラシックコンサートをもっと気軽に、気楽に楽しめるようにと始まりました。ロバート・ニューマンが企画し、指揮者のヘンリー・ウッドがプロムスを広めました。100年以上もの歴史と伝統のあるコンサートなのに、気楽に、お祭り気分で楽しめる。凄い、素晴らしいです。
 ラスト・ナイト・コンサート以外のプロムスのコンサートも、イギリス国外のオーケストラも参加し、多彩な音楽を楽しめます。会場に行けなくても、ネットラジオで生中継があります。これまで、時差の関係などで、気にはなっていたけれども聴かずにいた。来年はプロムスをもっと楽しみたいです。

 ちなみに、来年はシベリウス生誕150年。今年、リヒャルト・シュトラウスもやったなら、シベリウスもやりますよね。しかも指揮がオラモなら尚更。BBC響とオラモのコンビはまだ続きますし。イギリスは元々シベリウス好きでもある。これは期待します!

・サカリ・オラモ関係過去記事
NHK音楽祭2005
 オラモのことを知ったのは、このNHK音楽祭2005でフィンランド放送響と来日した時。もう10年近く経つのか。
さらに フィンランド人指揮者でシベリウス
 バーミンガム市交響楽団とのシベリウス全集。愛聴盤です。オラモ、2回目のシベ全やらないかなぁ。
 この頃はもっとスマートだったのに、オラモ…いつの間に恰幅よくなっちゃって…。来年50歳なのか。まだ若いというべきか、もう50になるのかというべきか…。
 ちなみに、若い頃のオラモに似たトランペット奏者さんがいて、気になってましたw

・2016年のラストナイト感想記事はこちら:一緒に音楽を楽しもう Proms(プロムス)2016 ラスト・ナイト・コンサート
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by halca-kaukana057 | 2014-12-18 23:42 | 音楽


好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)

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