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シャーロック・ホームズの音楽たち

 現在、ロンドンで開催中の音楽祭「BBC Proms 2015」.昨年のラスト・ナイト・コンサートの模様のテレビ放送を観て、今年はもっと聴こうと思い、コンサートやプログラム・演奏曲・出演者・オーケストラなどをチェックしています。

 その中で、ユニークなコンサートがありました。8月16日の公演。
BBC Proms 2015:Prom 41: Sherlock Holmes – A Musical Mind

 「シャーロック・ホームズ」シリーズには様々な音楽が登場します。ホームズはヴァイオリンを嗜み、しかもかなりの腕前。クラシック音楽にも造詣が深く、事件の合間にワトスンと一緒にコンサートを聴きに行っている(しかもそのコンサートホールが、このプロムスのメイン会場である、ロイヤル・アルバート・ホール。一緒なんです!)。作中には出てこなくても、アーサー・コナン・ドイルがホームズが興味を持っていただろうとしていた同時代の作曲家も挙げている。更に、映画やドラマなどの映像作品の劇判・サウンドトラックも、それぞれの「ホームズ」を彩っている。ということで、正典並びに映像作品の「ホームズ」の音楽を堪能できるコンサートがこれ。なんと素敵!

 進行役に、BBCの現代版ドラマ「SHERLOCK」脚本・マイクロフト役のマーク・ゲイティスさんが登場。しかし、英語で何を言っているのか全部わからないのが残念…。

 聴いていておっ、と思ったのが、ラッスス。バロック時代の作曲家です。「ブルース・パーティントン設計書」(「最後の挨拶」収録)で、ホームズがラッススのポリフォニック・モテットに関する小論文を書いている…というエピソードにちなんでいます。最初に正典を読んだ時も、「ホームズ」にはラッススも出てくるのか!ホームズはラッススにも興味を持っているのか!と驚いたのですが、実際にコンサートでそのラッススのモテット(多声宗教曲)を聴けるのは嬉しい。ラッススはCDは持っているのですが、今回演奏された曲は入っていないなかった。

 更に、「ボール箱」(「最後の挨拶」収録)で、ホームズがワトスン相手にパガニーニについて語るシーン。今回のコンサートでは、パガニーニといえばこの曲、ヴァイオリン協奏曲第2番から第3楽章、ピアノ曲「ラ・カンパネラ」のメロディーとしても有名な曲です。ホームズもこのヴァイオリン・ソロのメロディーを弾いていたのだろうなぁ。

 ワーグナー「ワルキューレの騎行」は、「赤い輪」(「最後の挨拶」収録)で、最後に「コヴェント・ガーデン劇場でワーグナーの夕べを見ようではないか」と言っているのが元ネタかな?音楽から正典の元ネタのを探すのも楽しいです。結構大変ですが…。「最後の挨拶」多いな。

 「ボヘミアの醜聞」(「冒険」収録)で、「あの女性」アイリーン・アドラーはコントラルト歌手と出てくるのですが、アイリーン・アドラーが歌っていたであろうオペラのアリアが演奏されたのも印象的。しかも、グラナダ版のアイリーン・アドラーのテーマから繋げてくる。ロッシーニ「セビリアの理髪師」にチャイコフスキー「エフネギー・オネーギン」のアリアを。アイリーン・アドラーはこんな歌を歌っていたのかなぁと思う、とても面白いプログラム。

 映像作品の音楽は、聴けば「ああ!これ!」という曲ばかり。ガイ・リッチー監督、ロバート・ダウニー・Jrがホームズを演じた映画。ハンス・ジマーの音楽がかっこいい。ビリー・ワイルダー監督の「シャーロック・ホームズの冒険(The Private Life of Sherlock Holmes)」は、先日、BSプレミアムで放送していて、私の記憶には新しい作品でした。「シャーロック・ホームズと恐怖の声(Sherlock Holmes and the Voice of Terror)」これは観たことがないので音楽も初めて聴きます。
 ドラマでは勿論、ジェレミー・ブレットがホームズを演じたグラナダ版も。ミステリアスで哀愁漂うあのテーマ曲が流れるとワクワクします。最後はBBC「SHERLOCK」より。オープニングを聴けばもう映像をイメージできます。この曲はどのシーンだっけ?と思いながら聴いていました。なんと言っても、これらをフルオーケストラで聴けるのがたまりません。

 さすがは「ホームズ」のお国イギリス。「ホームズ」シリーズでこれだけのコンサートが出来るのは凄いなと感じました。「ホームズ」シリーズには沢山の音楽がちりばめられていたことも凄いな、と。音楽から楽しむ「ホームズ」もいいですね。

 この演奏会の模様は、公演から1ヶ月間は上記リンクから何度でも聴けます。スマートフォンからは、iOSは「BBC iPlayer」、Andoroidは「BBC Music Player」というアプリを使うと聴けます。でも、こんないいコンサートだし、映像でも観たいなぁ…日本語訳付きで。
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by halca-kaukana057 | 2015-08-22 22:52 | 音楽

フォーレを聴こう その5 「夜想曲集」

 去年で止まっているガブリエル・フォーレシリーズ…。終わったわけではありません…。

 フランス近代ものと、夏は相性がいいと思う。ゆらゆらとうつろう曲想に涼しさを感じます。風に揺れている風鈴のような。
 今回取り上げるのは、ピアノ曲集・ノクターン。フランス語だとノクチュルヌ(Nocturne)。ソナチネでお馴染みのクレメンティの弟子のジョン・フィールドが創始したと、ベートーヴェンと弟子のフェルディナント・リースの漫画「運命と呼ばないで」にありました。ノクターンと表題のついたピアノ曲と言えばショパンが有名。でも、ほかの作曲家もノクターンを結構書いています。スクリャービンの「左手のための前奏曲と夜想曲」Op.9は左手で演奏される曲。舘野泉さんの演奏がとても美しいです。

 フォーレもノクターン、いや、ノクチュルヌ、いや…「夜想曲集」を13曲書いています。フランス近代ものですが、どれもメロディーも和音もきれいな、ゆったりとした曲。ここで「夜想曲」と書いたのは、そう呼ぶのにピッタリだと感じたから。急な転調や和音、強音も少なく、落ち着いて聴いていられる。暑い夏の宵、夕涼みに合いそうな曲ばかりです。きらきらした音が、夏の星空を眺める時にも合うかもしれない。甘美過ぎず、ロマンティック過ぎず。音楽そのものがゆったりと流れているあたりは、フランス近代ものなんだなと思います。

 特に好きなのが3番変イ長調op.33-3と、6番変ニ長調op.63、8番変ニ長調op.84-8。3番は始まり方のメロディー、音がのびのびとしていてとても好きだ。4番変ホ長調op.36も、始まり方が素朴でいい。中間部の長調と短調が入り混じっているまだそんなに数を聴いていないので、これから聴けばもっと好きな曲が出てくるかもしれない。

 フォーレは舟歌もいい曲ばかりで…でも持っているCDが少なくて、これからです。

【フォーレシリーズ:過去記事】
・第1回:フォーレを聴こう その1「シシリエンヌ」
・第2回:フォーレを聴こう その2「ラシーヌ雅歌」
・第3回:フォーレを聴こう その3「ドリー組曲」
・第4回:フォーレを聴こう その4 フォーレの月の歌

・記事内で出てきた漫画「運命と呼ばないで」: 運命と呼ばないで ベートーヴェン4コマ劇場
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by halca-kaukana057 | 2015-07-24 21:54 | 音楽

春を待つシベリウス交響曲第2番 フィンランド人指揮者でシベリウス・生誕150年記念リターンズ

 今日は二十四節気で「雨水」。雪から雨に変わる頃、とされています。当地も、一日中氷点下の真冬日で大雪・猛吹雪という日は少なくなってきました。先日は猛吹雪、短時間の大雪に見舞われましたが、その後は穏やかで、春が少しずつ近づいていることを感じます。それでも、そのうちまた真冬に戻ったりする…まさに「三寒四温」。

 こんな季節になると、シベリウスの交響曲第2番を聴きたくなります。まさに冬から春に移り変わる今の季節を描いているかのような交響曲。シベリウスの交響曲の中で最もメジャーなので、録音もたくさんあります…。その中から、この演奏を。
HMV:シベリウス:交響曲第2番 サカリ・オラモ&フィンランド放送交響楽
 フィンランド人指揮者とフィンランドのオーケストラコンビによる演奏。2006年、シベリウス没後50年の時のライヴ録音です。この演奏会はシベリウス・チクルス(交響曲全曲演奏会)で、部屋の中を探したら、NHKFMで放送されたのを録音したMDが出てきました。でもCD買っちゃった。
 オラモは、以前バーミンガム市交響楽団とのシベリウス交響曲全集で聴いています。バーミンガム市響とのは2000年。それから6年後。オケも違う、録音環境も違う、フィンランド放送響の方はライヴ。そしてオラモも6年とは言え年齢と経験を重ねてきた。しかもこのオーケストラはオラモがコンサートマスターを務めていた古巣、故郷のようなオケ。音楽だけ聴こうと思っても、こんなことも考えてしまいます。

 これまで私が2番で気に入っている箇所は、第1楽章の冒頭、せせらぎのような弦の澄んだ音。あと、第3楽章終盤で弦楽器も管楽器もうねうねとしながら雄大な第4楽章に入っていくあたり。第4楽章も朗々としているけれども明るさと暗さを繰り返して、輝かしいフィナーレを迎える。この辺りが好きなのですが、このオラモ&フィンランド放送響の演奏でいいなと思ったのが第2楽章。全体的に暗い楽章。時に、雲間から陽が差すようなうっすらとした明るさもある。トランペットのソロが印象的。メリハリがあってキリリと冷たく引き締まったテンポとトーン。強い音の部分も強過ぎない。シベリウスの音楽は、音楽そのものは暗くても、感傷的な陰鬱・メランコリーとは違うと思っている(後期交響曲・作品は特に)のですが、オラモ&フィンランド放送響の2番の第2楽章はまさにそんな感じ。

 第1楽章の弦のささやきも、第4楽章のファンファーレも澄んでいる。第4楽章は少しテンポ速いところも。メリハリ効かせてます。弱音から強音までの幅が広い。盛り上げるところは盛り上げて、抑えるところは抑える。第4楽章の最後のあたり、短調で盛り上げて長調に変わるあたりから最後にかけても、冷静でいて内面の熱さがある感じ。いい演奏です。
 バーミンガム市響のと聴き比べてみましたが、こっちのほうが落ち着いているかな?

 今年はシベリウス生誕150年。本国フィンランドは気合入ってます。日本でも、年明け前からあちらこちらでシベリウス作品が演奏されています。ああ、せっかくのアニバーサリーイヤーだし、何かひとつでもいいから生でシベリウスを聴きたいなぁ。

 ということで、現在フィンランド放送響のサイトでは、この2番を含む、オラモ指揮の2006年のシベリウス交響曲全曲を無料で配信しています。シベリウス気になっているんだけど聴いたことない。聴いてみたい。そういう方には是非。
◇1番~3番: yle.fi:Elävä arkisto:Sibeliuksen sinfoniat nro 1-3
◇4番~7番: yle.fi:Elävä arkisto:Sibeliuksen sinfoniat nro 4-7
 フィンランド語ですが、番号さえわかれば大丈夫

yle.fi:Klassinen:Jean Sibelius 150v
 フィンランド国営放送YLEのシベリウス生誕150年記念サイト。フィンランド語ですが…。
Sibelius 150
 こちらは英語のシベリウス生誕150年記念サイト。

・過去関連記事:さらに フィンランド人指揮者でシベリウス
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by halca-kaukana057 | 2015-02-19 22:15 | 音楽

天にひびき 10[最終巻]

 昨年読んだ本は昨年のうちに…ができませんでした。年またぎましたが書きます。「天にひびき」いよいよクライマックス。完結です。



天にひびき 10
やまむらはじめ/少年画報社・ヤングキング・コミックス/2014

 大学4年、卒業も近づいた秋央。ヨーロッパで活躍しているひびきが帰って来た。秋央の部屋を懐かしそうに見るひびき。そんなひびきが、日本に「忘れ物」をしていることを思い出した、と。秋央に「コンサートやらない?」ともちかける。秋央も即答。いきなりアマオケを立ち上げてのコンサート。かつての21Cオケのコンマス・友田は呆れながらも、相談にのってくれることに。そして、音羽良の仲間たちとも再会。そこで、ひびきがやりたいと言ったのは、マーラーの「大地の歌」。声楽付きの交響曲。オケは何とか集められそうだが、テノールとアルトのソロはどうする?ひびきはその場にいた梶原をテノールに、波多野をアルトに指名。無理と言いつつも、2人はひびきからのオファーを受けてしまう。それを聞いた友田は、素人に声楽をやらせるなんて、とマネージャーだけ紹介して、話から降りてしまう。友田に対して、ひびきは本気だと強く断言するが…。

 最終巻です。9巻のラストでひびきが秋央の部屋の前に立っていたのを見て、続きが気になっていました。文化祭でのひびき指揮秋央コンマスの演奏会は、ひびきが来日中の名門オーケスストラ・バイエルン・フィルを代役として指揮し、ひびきは大成功。一方、秋央は念願だったひびきの指揮のコンマスの夢が破れてしまった。それから、ひびきはヨーロッパへ。秋央は進路も決まらず、結婚式場でのヴァイオリン演奏のバイトをしながら、卒業を目前に控えていた。

 そこへ帰って来たひびき。しかも、コンサートをやる、と。即答した秋央。以前なら、秋央が友田さんのようにオケの人はどうする、会場は、演目は、と現実的問題をひびきに投げかけるはずなのですが…。友田さんの現実的な質問に、あっけらかんと「なんとかなるでしょ」「(コンサートをやる意味は)ある!」「(その理由は)それは私にもわからない!」と答えるのは、実にひびきらしい…wさらに、「大地の歌」の声楽ソリストに、直感で梶原と波多野さんを選ぶあたりも。でも、声楽の先生の初レッスンで、2人の意外な声楽の素質が判明。波多野さんの暗めのアルト…ショスタコーヴィチをはじめとした近代ロシアもののヴァイオリンも聴きたいですが、波多野さんの暗めのアルトも聴きたいです。あと、クラシック音楽漫画では、何故か声楽は敬遠されているように思える。私がそんなに読んでいないから知らないだけかもしれないけど、声楽はほんの少ししか出て来ない。ピアノやヴァイオリンなどの弦楽器、管弦楽とは別に吹奏楽、あと指揮。54話で、梶原と波多野さんが声楽のレッスンを受けるのですが、まさに声楽の第一歩!基礎基本が取り上げられてて、声楽をやっている身としてとても嬉しかった。その後の体力づくり、発声練習、発声の際どの筋肉を意識するか、体調コントロール…。声楽は身体が資本。梶原がはちみつ一気飲みしているシーンでは笑いましたw
 漫画家の先生方、声楽をメインにしたクラシック音楽漫画、是非描いてください!!合唱でもいいですが、ソロの声楽は特に。オペラを演奏家の視点で取り上げるのが難しいのかなぁ。もっと声楽は注目されてもいいと思うんだ。色々と誤解されている分野でもあると思うんだ。

 ひびきのオーケストラには、これまで出てきた登場人物が総出演!元21Cオケの皆さん、ヴァイオリンには如月先生に榊先生も。如月先生も出る、と聞いて俄然がんばる南条君…本当にけなげな子です。チェロには7巻で登場した清水さんも。普段は作曲の外山さんも、マンドリンで参加。ピアノの萩原さんも、チェレスタで参加。マーラーは編成が大きい、楽器も種類が多いので普段オーケストラに参加できない楽器の人も参加できる。オールスター集結状態で嬉しい。第一、普段は指揮の梶原も、テノールソロでひびきと共演…滅多にない。

 そんなひびきが、マーラーの「大地の歌」。秋央も梶原も、「らしくない」と言う。歌詞も暗い。何故、ひびきは「大地の歌」を選んだのか。しかも、声楽ソロに梶原と波多野さんを指名したのか。それは演奏会で明らかになるのですが…それまでの声楽ソロ2人の奮闘、本当に大変だよなぁ…しかも「大地の歌」、大編成のオーケストラに対して声楽のソロ、コンサートホールで。フィクションですが、ひびき、おそろしい子…!!

 ヨーロッパで数々の公演を経てのひびきの指揮者としての成長も見どころです。音羽良にいた時の延長線上なのですが、オーケストラを、演奏者ひとりひとりをちゃんと見ている。元21Cオケのトランペット・入谷さんから見たひびきの指揮のよさを読んでいると、本当にひびきの指揮で「大地の歌」を聴きたくなってくる。練習、リハーサルの段階から。声楽の2人を入れてのリハがボロボロだったにも関わらず、ひびきは動じず指揮を続ける。今度こそコンマスの秋央も、その指揮を信頼してオケをまとめようと音を出す。秋央も成長したなぁ!!そのリハの後、ぐったりと疲れている梶原と波多野さん。その2人に明るく、威勢よく声をかけるひびき。そのひびきがやって来た後の梶原の言葉が、ひびきの力を表している。
なんとなく判った様な気がする 曽成の力
あの真っ直ぐな目が問うてくるのだ
"あなたはどの位 本気?"
応えるしかないだろ?自尊心があるならば
(113ページより)

 演奏者の適性をつかみ、その気にさせる。声楽の2人も、完全にひびきが指揮しています。モチベーションを上げるのも、指揮者の役目。

 マーラーの交響曲はまだ全曲聴けていませんが、「大地の歌」は好きな曲のひとつです。梶原が「暗い」と言っていた歌詞も好きです(波多野さんと同じくw)

 そんなひびきのオーケストラを、外から冷静に見つめるのは美月。秋央から全てを聞いて、ひびきにとって秋央の存在とは何なのか、ストレートに聞きます。ついにこの時が!秋央について語るひびきは、いつもの明るく楽天家なひびきとは随分違います。4巻で、高校生の頃、有志のブラスバンドを指揮していたひびきについてひびきの父から語られますが、その時も、その前も、ひびきはずっと"ひとり"だったのかもしれない。ひびきは表向きは明るく楽天家で、サッパリとした性格で、誰とでもすぐ仲良くなり、場に馴染み、皆を盛り上げたり励ましたり…常に人の中にいるような子に見える。でも、"ひとりでいること"抱えていたんじゃないか。小学生のひびきが、美月の父がコンマスを務めるオーケストラの練習で代理と勝手に指揮しはじめ、見事な演奏になった。それを目撃、聴いた秋央。音大に入り、ひびきと再会。仲良くなって、ひびきは自分の部屋の風呂は静かじゃないので音楽について考えるのに集中できないからと、秋央の部屋の風呂を借りるようになる。そのぶっ飛んだ要求も渋々受け入れ、それがひびきの深い音楽の世界に秋央が触れる機会にもなる。これは秋央からの視点。ひびきが美月に語った、秋央の存在。ひびきの音楽に、そしてひびきに追いつこうと、触れようとしてきた…。

 そんなひびきの内面を知ってからの、演奏会本番。梶原と波多野さんの歌う歌詞も記されています。暗いけれども、やはり惹かれます。ひびきが、「大地の歌」を選び、込めた意味。1巻冒頭の吉松隆先生の交響曲第2番の一節を思い出さずにはいられませんでした。

 この漫画を読んで、「音楽はその時その場限りのもの」とより強く思うようになりました。どんなにいい機材で録音しても、最高画質で録画しても再現できないものがある。生の演奏の微細な部分、空気を伝わってくる迫力、会場の雰囲気や熱気、演奏後の拍手…。音楽はライヴ、生き物なのだということ。同じ曲を何百回演奏しても、全く同じ演奏は存在しない。再現できない。音楽は空気を伝わって、耳に、五感に届くけれども、音楽そのものが空気のようなものなんだ…。この10巻を読み終わって、あらためて感じます。

 でも、「その時その場限りのもの」だけれども、心には残る。いい演奏を聴いた演奏会の帰り道の高揚感。その時の演奏が消えてしまうのが嫌で、CDなどで他の演奏を聴きたく無くなる。逆に、もっと聴いてみたいとCDで聴いて、新たな聴きどころを発見する。もしくは、自分もあの曲を演奏してみたい!と楽譜を探し始める。その演奏会の演奏家に憧れることもある(これは生に限らずCDやテレビ放送などでも)。あんな演奏をしてみたい。あんな音を出したい。自分ももっとこの曲を深いところから演奏したい、と。

 秋央も、ずっとひびきの音楽に惹き付けられ、憧れ、ひびきの指揮でヴァイオリンを演奏したい、コンマスを務めたいと思うようになる。コンマスは指揮者の音楽をオーケストラ全体に伝える。それは指揮者のコピーのようで、そうじゃない。翻訳、が近いだろうか。翻訳も、ひとつとは限らない、その訳者の個性が出るから。そのことに10巻でようやく辿り着けた秋央。後日譚の秋央と梶原の会話が、実に爽やかです。
 その後日譚で、梶原が聞きつけた秋央の噂が気になります…!一体誰!?ラストのラストは、また1巻に戻ったような。音楽は、永遠に続いてゆく。音楽に終わりはない。

 吉松隆先生のクラシック音楽コラムも最後。「音楽って何?」前にも書きましたが、クラシック音楽と特別扱いしないで、どんなジャンルだろうと音楽は音楽。楽しめばいいじゃないか。吉松先生のメッセージも心強いです。私も音楽を趣味でやってる端くれとして、色々楽しもうと思います。毎回面白く、興味深いコラムをありがとうございました!

 そして、音楽の楽しさも難しさも、若い演奏家たちの奮闘も表現してくれたやまむら先生、お疲れ様でした。素敵な作品をありがとうございます!

 ただ、最後に秋央、梶原、友田さん以外のキャラクタたちがどうなったのか、ひとコマだけでも観たかったなぁ…。

天にひびき 9
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by halca-kaukana057 | 2015-01-08 23:10 | 本・読書

こんなクラシックコンサート観たことない! 「Proms(プロムス)」ラストナイトコンサート2014

 先日、NHKBSプレミアムで放送されていた「BBC Proms(プロムス)ラスト・ナイト・コンサート」を録画で観ました。イギリスで、7月中旬から9月中旬まで開催される、世界最大級の音楽祭。その最終日の夜、最後のコンサートが「ラスト・ナイト・コンサート」。演奏はBBC交響楽団。指揮は、主席指揮者のサカリ・オラモ。フィンランド人指揮者のオラモは、シベリウス作品を中心に聴いてきて、特に好きな指揮者のひとり。オラモ目当てに録画してみたら、とんでもないコンサートだった。

NHK:プレミアムシアター:プロムス2014 ラスト・ナイト・コンサート

 このプロムス・ラスト・ナイト・コンサート。普通のクラシックコンサートと随分違う。会場のロンドンのロイヤル・アルバート・ホールは、とても大きなホール。照明や大型スクリーンもある。観客は、曲の合間に国旗を振っている。前半はまだおとなしめなのですが、後半になると、風船を飛ばし、クラッカーを鳴らし、お祭り状態。指揮台もいつの間にか、クラッカーのカラーテープや国旗でデコレーションされている。何だこれ!?
 会場はこのロイヤル・アルバート・ホールだけではない。ロンドンのハイド・パーク、北アイルランドのベルファスト、スコットランドのグラスゴー、ウェールズのスウォンジーには野外会場が設けられている。ロックフェスか何かですか!?
 しかも、オラモはユニオン・ジャック柄のベスト!?蝶ネクタイもユニオン・ジャックカラー。楽団員さんや合唱団員さんにも、国旗カラーの蝶ネクタイの人がいる。何が始まるんです…!?

 前半は、イギリス人作曲家のアーノルドやウォルトン、イギリスもの以外でも、ショーソンや今年生誕150年のリヒャルト・シュトラウスも。
 後半は、ハチャトゥリアン「剣の舞」で勢いよく始まり、黒人霊歌「ジェリコの戦い」やミュージカル「ショウ・ボート」から「オール・マン・リバー」とバラエティに富んでいる。ヴァイオリンの超絶技巧にワクワクするラヴェル「ツィガーヌ」も。ヴァイオリンはジャニーヌ・ヤンセン。そのアンコール。ヤンセンがヴァイオリンをそっと鳴らすと、ヴァイオリンの音が聴こえる。舞台袖には、ヴァイオリンを持ったオラモが。ヤンセンとオラモで、メキシコ民謡「ラ・クカラチャ」ヴァイオリン二重奏!オラモは、元フィンランド放送交響楽団のコンサートマスター。オラモのヴァイオリンを初めて聴きました。息ぴったり、ユーモアも交えて楽しい演奏。
Traditional, arr. Aleksey Igudesman: La Cucaracha - BBC Proms 2014
 ↑「ラ・クカラチャ」公式動画が上がってますので、是非。

 さらに、今年公開50年という「メリー・ポピンズ」メドレー。演奏の前に、オラモが挨拶とMCをして、歌も会場の皆さんも一緒に。「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」は勿論歌えましたよ!(日本語訳詞で)
Mary Poppins - Medley - BBC Proms 2014

 その後が、イギリス万歳な曲が続きます。「ルール・ブリタニア」、エルガー「威風堂々」第1番(Land of Hope and Glory)、ヒューバート・パリーの「エルサレム」、そしてブリテン編曲のイギリス国歌。最後は演奏なしで「Auld Lang Syne(蛍の光)」。会場の観客も一緒に歌います。私も一緒に歌ってしまった。盛り上がりが凄い!「ルール・ブリタニア」は、ソロはバリトンのロデリック・ウィリアムズ。深く堂々とした歌声がかっこいい。「威風堂々」第1番の歌詞つきは初めて聴きました。これも熱くなる歌詞。イギリス万歳な曲が続くのですが、何故か不思議な一体感がある。振られている国旗はユニオンジャック、もしくはイギリス各地域の旗とは限らない。オラモの故郷のフィンランド国旗、ヤンセンの故郷のオランダ国旗。日本人もいるのか日の丸も。世界各国の国旗が振られている。世界はひとつ、のこの不思議な一体感。演奏中に各会場を中継するのもいい。その指揮をオラモがしていることに、とても感激しました。
 指揮者のスピーチも恒例なのだそうですが、オラモのフィンランド人ジョークに笑いましたwさっきまでノリノリで指揮してたじゃないですか!wそして、あのユニオンジャック柄ベストには、粋な仕掛けがありました…!テレビの前で大喝采でしたw
Elgar: Pomp and Circumstance - BBC Proms 2014

 会場内は動画撮影もOKらしく、動画もいくつかありました。
BBC Last Night of the Proms 2014 Rule Britannia, Land of Hope etc Highlights Royal Albert Hall
 クライマックスの部分を。これは燃えます。盛り上がります。

LAST NIGHT OF THE PROMS LONDON 2014 4K ULTRA HD
 観客総立ち。熱気がすごい。クラシックコンサートとは思えない。

Proms In The Park - London - 2014 - The Last Night Of The Proms !
 ハイド・パークの会場の様子を。昼間はクラシック以外も演奏されます。ピクニックみたい。ラスト・ナイト・コンサートの盛り上がりは野外でも変わりません。

 プロムスは、1895年、クラシックコンサートをもっと気軽に、気楽に楽しめるようにと始まりました。ロバート・ニューマンが企画し、指揮者のヘンリー・ウッドがプロムスを広めました。100年以上もの歴史と伝統のあるコンサートなのに、気楽に、お祭り気分で楽しめる。凄い、素晴らしいです。
 ラスト・ナイト・コンサート以外のプロムスのコンサートも、イギリス国外のオーケストラも参加し、多彩な音楽を楽しめます。会場に行けなくても、ネットラジオで生中継があります。これまで、時差の関係などで、気にはなっていたけれども聴かずにいた。来年はプロムスをもっと楽しみたいです。

 ちなみに、来年はシベリウス生誕150年。今年、リヒャルト・シュトラウスもやったなら、シベリウスもやりますよね。しかも指揮がオラモなら尚更。BBC響とオラモのコンビはまだ続きますし。イギリスは元々シベリウス好きでもある。これは期待します!

・サカリ・オラモ関係過去記事
NHK音楽祭2005
 オラモのことを知ったのは、このNHK音楽祭2005でフィンランド放送響と来日した時。もう10年近く経つのか。
さらに フィンランド人指揮者でシベリウス
 バーミンガム市交響楽団とのシベリウス全集。愛聴盤です。オラモ、2回目のシベ全やらないかなぁ。
 この頃はもっとスマートだったのに、オラモ…いつの間に恰幅よくなっちゃって…。来年50歳なのか。まだ若いというべきか、もう50になるのかというべきか…。
 ちなみに、若い頃のオラモに似たトランペット奏者さんがいて、気になってましたw

・2016年のラストナイト感想記事はこちら:一緒に音楽を楽しもう Proms(プロムス)2016 ラスト・ナイト・コンサート
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by halca-kaukana057 | 2014-12-18 23:42 | 音楽

観て、聴いて楽しい「ピーターとおおかみ」

 日曜の夜はNHK教育(Eテレ)「クラシック音楽館」を観ます。実質「N響アワー」の復活・後継番組。最近では観ながらツイッターで実況しています(なので日曜夜はうるさいです…すみません)。

 先日の放送は「N響ほっとコンサート」。夏休み、親子で楽しめる毎年恒例の企画。子ども達にも親しみやすい、大人も楽しい、音楽の授業で聴いた懐かしい作品が目白押し。その今年の「ほっとコンサート」の目玉が、プロコフィエフ「ピーターとおおかみ」。子どものためのオーケストラ入門曲として知られています。

 少年・ピーター(ヴァイオリンはじめ弦楽器)は、おじいさん(ファゴット)と森で暮らしている。小鳥(フルート)、あひる(オーボエ)、ねこ(クラリネット)、狩人(ティンパニ・打楽器)、そしておおかみ(ホルン)…オーケストラの各楽器がそれぞれの登場キャラクタを演じ、物語の朗読とともに演奏されます。

 今回のN響では、朗読はフリーアナウンサーの小林麻耶さん。そして、飯面雅子さんのサンドアートをステージのスクリーンに映して、物語の絵を砂で描きます。これが凄かった。音楽と朗読に合わせて、すらすらさらさらと物語の情景を砂で描いてゆく。勿論下絵もない。しかも、最初に描いていた絵を変化させて、次のシーンを描いてゆく。その儚さと美しさ。すっかり見惚れてしまいました。小林さんの朗読も、表情豊かでとても聴きやすかった。演奏も楽しく、ドラマティック。おおかみのホルンの音色がおどろおどろして怖い。ホルンと言えば、牧歌的なのんびりとした音を出す楽器(でも演奏は難しい、とても繊細)というイメージがあるのに、こんな不気味な音も出せるのか!と驚きながら聴いていました。あひるに待ち受けている運命。そして、おおかみとピーターの知恵比べ。放送では演奏とサンドアートを2分割画面で同時に見せていたのですが、サンドアートだけじっくり観たい、もしくは演奏だけでも観たい。マルチアングルでどちらの映像もじっくり観られるようにDVD化してくれませんかねN響さん?そのくらい素晴らしい演奏・演出でした。

 これを観ていて、その前にBSプレミアム「プレミアムシアター」でも「ピーターとおおかみ」をやっていて、録画をしたのを思い出しました。少し観て、途中までだったので全部観ました。
 こちらはダニエレ・ガッティ指揮フランス国立管弦楽団。以前、サン=サーンス「動物の謝肉祭」でも、演奏風景とアニメ演出、ドラマを見事に融合させた作品を放送していたのですが、またしてもフランスはやってくれました。
 今回も、オーケストラとアニメ演出、ドラマを見事に融合させています。アニメはアルファベットや音楽記号の文字を使って、小鳥やあひるなどの登場キャラクタ、森やピーターとおじいさんの家などを表現。これがとてもお洒落で洗練されている。さすがフランス。ピーターはピーター役の男の子がいて、ヴァイオリンを弾きつつ演じる。各キャラクタを演じる楽器の奏者たちも所々アニメの中に入って演奏する。実写とアニメ、物語が融合して、落ち着いた朗読(フランス語。日本語字幕が出ます)が物語を進める。こちらも素敵だった。

 朗読や演出で、様々な表現・演出ができる「ピーターとおおかみ」。同時期に2作品を見比べて、観て聴いて楽しい音楽だなと実感しました。各楽器への愛着・親しみも沸く。こういう様々な演出・アレンジのしがいのある作品は楽しいですね。とても好きです。
 音楽を聴く時は、CDなどで主に音だけ聴いていることが多い。でも、「クラシック音楽館」のように演奏風景を観られるテレビ放送やコンサートでも、音だけではわからなかった、指揮者や演奏者の表情も観られるし、この部分ではこの楽器が活躍しているという発見もある。その他にも、「ピーターとおおかみ」のように視覚でも楽しめる音楽作品もある。音楽の楽しみ方がまた増えました。

 そういえば、オペラも視覚、観ても楽しめる音楽ですね。音楽・歌と演劇の融合。演出も多様、同じ演目でも演出や出演者が異なれば、ガラリと雰囲気が変わる。オペラの魅力ですね。

・以前観たフランスの「動物の謝肉祭」:聴く、観る、読む、楽しむ音楽 「動物の謝肉祭」
 チョン・ミョンフン指揮フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団のメンバーによる演奏でした。
 「フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団」と「フランス国立管弦楽団」…似ていますが全く別のオーケストラです。運営しているのはどちらもラジオ・フランス。
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by halca-kaukana057 | 2014-09-23 22:39 | 音楽

「シンフォニック・マンボNo.5」を聴き比べてみた

 宮川彬良さんの代表作(?)「シンフォニック・マンボNo.5」.ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」第1楽章と、ペレス・プラード「マンボNo.5」をまさかのミックス。大阪フィル・ポップスコンサートの時代から演奏され続け、現在では新日本フィル「コンチェルタンテⅡ」の目玉楽曲に。以前、千葉少年少女オーケストラ演奏で「題名のない音楽会」でも放送され、動画サイトを通じて南米で話題になっている…など、密かに(?)注目されている作品です。アキラさんの編曲センス、遊び心満載。でもオケの魅力も満載。

 これまで、大阪フィル演奏のCDが出ていたのですが、先日、新日本フィル演奏のも発売されました。

アキラさんの大発見オーケストラ!!

宮川彬良/大阪フィルハーモニー交響楽団/Columbia Music Entertainment,inc.


 ↑こちらが大阪フィル盤

コンチェルタンテII マンボver.

宮川彬良/新日本フィルハーモニー交響楽団/フォンテック


 ↑こちらが新しい新日本フィル盤

 「シンフォニック・マンボNo.5」の2度目の録音。ということで、聴き比べてみた。

 まず、大阪フィル盤。中盤での「ジャジャジャジャーン!!」が物凄く力強い。全力フォルテッシモ。全体的に流れるよう、流暢で、ゆったりと踊るよう。弦の表情が豊か、聴かせるなぁと感じました。最初は重く、徐々に軽やか、滑らかに。打楽器、特にティンパニもアクセントを強く、力強い。

 新日本フィル盤。大阪フィルと比べると、キレがある。若干速め。管楽器がメリハリのある音を出している。踊るよう。金管が特にノリがいい気がする。1分45秒ぐらいで、ピッコロ(フルート?)の下降フレーズがはっきりと聞き取れる。大阪フィル盤ではそんなにはっきりとは聞こえなった。
 そして、大阪フィル盤にはなかった歌も入ってます。これは歌ってるところ観たいぞw

 この種の楽曲が複数録音されることはあまりないと思ったので聴き比べてみました。両方の録音を交互に聴いていると、とにかく楽しくなりますwどうやったらあの「運命」第1楽章とマンボNo.5が融合するんだよwとわかっていてもツッコまずにはいられない。とにかく聴いて楽しむ。演奏している方も楽しいだろうなぁ。「コンチェルタンテⅡ」ではもっとはっちゃけているらしいので、いつか生演奏、コンサートに行って聴けたらなぁ。

 ちなみに、「どれみふぁワンダーランド」にはじまり、「題名のない音楽会」で完成(?)した、「運命」第1楽章の歌詞。聴いていると、この歌詞も脳内で再生されます。「運命」第1楽章を聴くたびに、脳内で自動的に再生されてしまって困っていますw「クインテット」でスコアさん(故・斎藤晴彦さん)が「ドイツじーん!ド・イ・ツ・じーん!!」と歌っていたのも覚えていて、もうどうしたらいいのだろうか…。

交響曲第5番「運命」第1楽章(作詞:宮川彬良)
 ↑その放送での歌詞書き起こし。


 ちなみに、新日本フィルの新CDは、彬良さんの舞台音楽を組曲化・オーケストラ編曲した「音楽劇『ハムレット』より5つの主題」も聴かせます。シリアスでドラマティックな6曲…聴けば聴くほど様々な想いがこみ上げてきます。これはまた別記事で書ければ書きます。これ以上の言葉にできるかどうかわからない。音楽そのものを聴き、味わう、自分の中で反芻する。胸の中にしまっておく。そんな音楽があってもいいのかな、と。

 「サンダーバード」のテーマはとにかくカッコイイ。以前、「ショータイム」で聴いた時、これはカッコイイ!!と感激した演奏なのですが、CDに収録されて嬉しい。これでいつでも聴ける!!
・「ショータイム」第5回で放送、その感想:その想いをミュージカルで代弁します 「宮川彬良のショータイム」第4・5・6回感想まとめ
 ↑映像もかっこよかったんだよなぁ~。
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by halca-kaukana057 | 2014-09-05 22:43 | 音楽

船に乗れ! 2 独奏

 音楽青春小説「船に乗れ!」の2巻です。
・1巻:船に乗れ! 1 合奏と協奏

船に乗れ! 2 独奏
藤谷治/ポプラ社・ポプラ文庫ピュアフル/2011
(単行本は2009年ジャイブ)

 津島家のホームコンサートで北島先生とのトリオを演奏して以来、サトルと枝里子の距離は縮まり親しくなっていった。2人でオペラを観に行き、喫茶店や電話で音楽のことを語り合う楽しい日々。そして、2人で藝大を目指すこと、これから2人でどんな曲を演奏したいか、将来についても語り合うのだった。
 2年になり、サトルたちは新1年生の演奏技術のレベルの高さに驚かされる。これまでは中等部からはエスカレーター式に進学できたのが、出来なくなったらしい。練習室である”長屋”で練習していると、レベルの高い演奏があちらこちらから聴こえてくる。焦りながらも、今年のオーケストラ演奏曲が発表された。リストの交響詩「プレリュード」。昨年の「白鳥の湖」よりも格段に難しくなった。しかもサトルはチェロのトップ(首席)に。鮎川もコンマスの隣のトップ、枝里子も第2ヴァイオリンのトップになった。今年も”カミナリ”と鏑木先生の厳しいレッスンが始まった…。
 そんな中、サトルはドイツに住む叔父の整と妻でヴァイオリニストのビアンカから手紙を貰う。夏休みにドイツに短期留学しないかという誘いだった。ビアンカが所属するオーケストラのチェリストの指導を受けられる、という。サトルはドイツに行くことを決めたが、枝里子と離れるのが気がかりだった…。


 2巻は物語が大きく動きます。サトルと枝里子はお互いにとって特別な存在になる。負けず嫌いの枝里子の向上心は物凄い勢いで、サトルも刺激を受ける。2人が音楽では刺激し合い、一方で距離を縮めてゆく様がまさに青春。2人でモーツァルトのオペラ「魔笛」を観に行くシーンも、こんな風に気が合う、しかも音楽が好きな者同士でオペラを観に行けたらいいなぁ…と思っていました。1巻感想でも書いた通り、この物語は大人になったサトルが高校生の頃を回想して書いている。昔はオペラに字幕は無かったのか…大変だなぁ。オペラ初心者の枝里子のために、サトルが作ったものがとてもいい。全幕作るのは大変だが、好きなオペラならやってみてもいいかもしれない。…時間があれば。

 2年に進級したサトルたち。佐伯先生のチェロのレッスンも、オーケストラも、どんどん難しいものに進んでいきます。チェロのレッスンではバッハの無伴奏チェロ組曲、さらにフォーレ「エレジー」も登場。フォーレを集中して聴いている現在、これは嬉しい登場でした。フォーレとチェロはよく合う気がする。
 オーケストラは、学校の方針が少し変わったのを示しているような難しい曲に。リスト「プレリュード」…好きな曲です。が、これを演奏する…オーケストラ経験が無いので何とも言えないのだが、悪戦苦闘するサトルたちを応援せずにはいられない。”カミナリ”先生も鏑木先生も1巻以上に厳しい…!!

 そんな中、サトルにドイツ留学の話が。サトルにチャンス到来。しかし、枝里子が気にかかる…。ましてや負けず嫌い、しかも音楽を志すには不利な家庭環境。枝里子がかわいそうに感じました。私が枝里子だったら、きっと同じように思う…かもしれない。サトルは音楽一家に生まれ、しかも祖父は新生高校の創設者。留学も叔父さんと妻のビアンカさんのコネ。きっと私も羨ましがるなぁ…。

 そんなドイツ(ちなみに、この時まだドイツは東西に分かれていた)での留学は…サトルの自信が一気に崩れるものだった。佐伯先生だって(この物語では)N響の楽団員のいい腕のチェリスト。しかし、ドイツでのチェロの先生・メッツナー先生は、サトルにチェロをゼロから始めさせる。これまで積み上げてきたものは何なんだ。更に、これまでのように哲学書を読んでも、「自分は何もわかっていなかった」ことに気付いてしまったサトル。一気に落ち込んでゆく…わかる。成長の過程で避けては通れないけど、なるべくなら気付きたくないもの…「本当は何もわかっていなかった」「わかった・できたフリをしていた」「持っていた自信は別の視点から見れば大したことの無いものだった」サトル、完全に挫いてしまった…。それでも、メッツナー先生のレッスンで、変化したサトル。これがいい刺激になれば、と思ったのだが…。

 帰国後、サトルは更なる困難にぶち当たる。枝里子が…。こんな展開になるなんて…。ワイワイ騒ぐ仲だった鮎川ともギクシャクした関係に。もはやオーケストラ発表会どころじゃなくなった…。枝里子に何が起こったのか、知った後のサトルが更にとんでもないことに。金窪先生の熱心さが、この時のサトルにとって逆効果になってしまった。確かに信じられないような現実に向き合うことになり、サトルがあまりにも混乱していて、周囲はそれを知らず…もう私も読みながら混乱していた。そのとんでもないことの鍵となるのが、サトルの担任で祖父の弟子でもある久遠先生。久遠先生は、サトルの言葉を信じただけなのが、ますます辛い。サトルの行動も、混乱しているのはわかるけど、でも…。混乱しているサトルにとって金窪先生は、力強い味方になってくれそうな存在だったのに…。サトルや鮎川、枝里子がこれほどの目に遭わなければならない理由って何だろう、とも考えてしまった。いくらなんでも、救いが無い、無さ過ぎる。

 終盤で、北島先生と演奏することになったサトル。その演奏が少しは救いになっただろうか。でも、現実は変わらない。その音楽はその時にしか無く、二度と同じ演奏は出来ない。そう思うと、ますますやるせない。これも音楽、なのだろうか…。音楽以外の要素があまりにも強烈過ぎて、どうしたらいいのかわからない…というのが読後の感想です…。

 最終巻となる3巻も読み始めています。サトルはどうなってしまうのか。
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by halca-kaukana057 | 2014-08-06 22:58 | 本・読書

オペラ(声楽)事始・番外編その2 声楽コンサートで気軽に楽しもう

 オペラ・声楽集中強化、ゆっくりと進めています。近頃はバロックオペラや、宗教曲、歌曲の方をよく聴くかなぁ…。

 そんな中、お手頃な声楽コンサートがあるので行ってきました。お手軽と書きましたが、本格的です。出演者が凄い。

<出演>
 鮫島有美子(ソプラノ)
 多田羅迪夫(バリトン)
 鈴木准(テノール)
 山岸茂人(ピアノ)

 鮫島有美子さん…!多田羅迪夫さん…!鈴木准さんも躍進中のテナー。なんですかこの豪華メンバー…。会場も室内楽やピアノソロ、器楽曲向きの中規模のホール。前回は大ホールでオペラでしたが、今回は中規模ホールで身近に楽しめる。いいですねぇ。

 タイトルはオペラと書きましたが、オペラの歌・アリアは少なく、歌曲中心。でもオペラでも活躍している声楽家のコンサートということで…。前半が日本歌曲、後半は海外作品にまとまっていました。

 さぁ開演。出演者がステージに出てくるのを拍手準備して待っていたら…なにやら花を運んできた。おいおい、舞台セッティングは開場前にやっておきなさいよ…と思ったら、正装してるしドレス着てるし…出演者でした…なんだこの登場の仕方は!?こんな登場の仕方は初めてです、見たことないw
 ちなみに、前半では多々良さんは和装。かっこよかった。

 歌は勿論惹きこまれました。ソプラノ、テノール、バリトン、ソロで歌っても、三重唱しても、人間の声ってこんなに響くんだ…と実感。声だけじゃない、身体そのものが楽器になる。聞き入るとともに、表情や体の使い方をじっと観ていました。
 特に印象的だったのが、鮫島さんは「浜辺の歌」…今の季節に合いますね。澄んだソプラノとピアノ伴奏に海を思います。サティ「ジュ・トゥ・ヴ」は振り付きで、色っぽく。まさにフランス・パリの大人の女性のイメージ。リチャード・ロジャース「サウンド・オブ・ミュージック」より「サウンド・オブ・ミュージック」「エーデルワイス」も澄んだソプラノの魅力満載でした。
 多田羅さんは滝廉太郎「荒城の月」…和装なのでますます雰囲気出てる。シューベルト「鱒」は、聴いてて感激しました。CDでも、フィッシャー=ディースカウ他様々な歌手で聴きました。釣りをする簡単な振り付きで、明るく深く、陽気でちょっとずる賢い釣り人の様を歌うその声。この歌を生で、しかも多田羅さんの歌で聴けたのに感激。
 鈴木さんは大中恩「悲しくなった時は」。詩は寺山修司。この曲は中田喜直作曲の方がメジャーらしい(歌をもう一度思い出そうと思って検索してみても、中田喜直版しか出てこない…)寺山修司の詩もすごく好みで、歌ものびやか。大中恩版をもう一度聴きたい。中田喜直作曲の作品もありました。「鳩笛の歌」。この2曲は初めて聴いたのですが、日本歌曲もいいなぁと思いました。あと、バーンスタイン「ウェスト・サイド・ストーリー」より「マリア」。「ウェスト・サイド~」はやっぱりいいなぁ。

 歌そのものも楽しんだのですが、お話と演出も楽しかった。メインMCを多田羅さんが担当。バリトン声が落ち着きます。ロジャー・クイルター「真紅のバラ」では、鮫島さんが歌った後、多田羅さん、鈴木さんが最初にステージに運んできた花から赤いバラの花をとって、鮫島さんに差し出す演出も。鮫島さん、鈴木さんのを受け取り、鈴木さんと腕を組んでステージ袖へ…残された多田羅さん…。ズィーチンスキー「ウィーンわが夢の街」ではダンスも披露。歌の背景や歌詞、鮫島さんのオーストリア暮らしのエピソードやらなにやら…お話もとても楽しく、客席からは笑いが絶えませんでしたw

 声楽コンサートでは伴奏に徹しひたすらピアノを弾くピアニスト…。そんなピアノの山岸さんにもスポットライトを。ショパン「ノクターン」第8番変ニ長調のソロが。ショパンのノクターンは全曲聴いた事が無く8番は初めて聴いたのですが、キラキラきれい。端正だけど、だんだん盛り上がってきて情熱的なところも見える、素敵な演奏でした。

 アンコールは会場の皆と一緒に「ふるさと」。この歌は私、思い入れがたくさんあるのでじわりと来ます。せっかくなので少し本気出して歌ってきました。

 歌もお話も演出も楽しいコンサートでした。クオリティの高い歌を、気楽に楽しめるプログラムでした。声楽は楽しいなぁ。ひたすらピアノを弾き続けていた山岸さん、お疲れ様です…。

 ひとつ思ったのが、客層が高かったこと。年配の方ばかりで、若い人が少ない。いないわけではない。私と同年代ぐらいの人もいたし、小中学生の子ども連れのお母さんもいた。制服姿の高校生もいた。でも、大方年齢層が高い…。若い人がクラシックに興味が無い…先日のオペラ「カルメン」では若い人も結構いた。興味が無いわけではないだろう、多分。プログラムとしてはどの年齢でも楽しめる内容のはず…うーん…そこが残念でした。アンケートに書くのを忘れたので、ここに書きます。中の人(主催者)が見てくれたらいいのですが…。

 鮫島さんのCDも買ってきてしまいました(サイン会は無し)。

千の風になって~新しい日本の抒情歌

鮫島有美子 / 日本コロムビア


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 編曲・ピアノ演奏が宮川彬良さん、という点が決め手でしたw

【オペラ強化年・これまでの歩み】
オペラ事始 その1 オムニバスから始めてみる
オペラ事始 その2 ビゼー「カルメン」(ハイライト)
オペラ事始・番外編 オペラ歌手が本気で歌のたのしみを伝える声楽アンサンブル
オペラ事始 その3 序曲・前奏曲は楽しい水先案内人
オペラ事始 その4 生のオペラを観に行こう
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by halca-kaukana057 | 2014-08-01 23:35 | 音楽

船に乗れ! 1 合奏と協奏

 昨年冬に舞台化(音楽が宮川彬良さん)されたことで存在を知った作品です。本屋大賞にもノミネートされた話題作だそうですが、全く知らず…。音楽ものと聞いて、読んでみました。まずは第1巻。


船に乗れ! 1 合奏と協奏
藤谷治/ポプラ社・ポプラ文庫ピュアフル/2011
(単行本はジャイブより2008年)

 チェロを演奏する津島サトルはチェリストを目指して芸高を受験したが、失敗。祖父が創設した新生高校音楽科に入学した。レベルはそんなに高くなく、サトルは入学早々、先輩よりもチェロのうまい新入生として話題になっていた。サトルも、高校生ながらニーチェなどの哲学書を読み、チェロの腕前もよかった。学校では、フルート専攻の数少ない男子のひとり・伊藤慧や、元気なヴァイオリン専攻・鮎川千佳、同じくヴァイオリン専攻の鮎川の友達の南枝里子たちと出会う。毎年、学校では生徒達によるオーケストラ発表会があった。演奏曲はチャイコフスキー「白鳥の湖」から数曲。楽譜を見て簡単だ、副科でオーケストラの楽器をやる生徒にとっても大丈夫だと思っていたサトルだが、オーケストラの練習は予想以上のものだった…。

 この物語は、大人になったサトルが過去を回想する形で書いています。このサトルが高校生だったのは、明記はされていませんがかなり昔。高校生だけで喫茶店(勿論今の大手チェーン店などではなく、「喫茶店」)に入ることは校則で禁止されている。1980年代?多分、そのくらいです。

 サトルはいかにもそんな一昔前の「インテリ」高校生、と言えばいいのか。生まれ育った環境もあり、クラシック音楽に小さい頃から親しみ、英才教育を受けていた。でも、ピアノはいまいちで、ふとしたきっかけでチェロをやってみることになる。N響楽団員でもある佐伯先生を紹介され、先生の指導を受け、サトルはチェロの腕前を上げていく。芸高は落ちたが、落ちた原因は学科試験。そして入学した新生高校音楽科は二流・三流の学校。サトルの自信、自慢げな感じに若さを感じます。別の言い方をすると「痛い」。厭味な感じはしない。

 そんなサトルに、大きな変化が。まず、オーケストラの授業。これまでチェロの腕前には自信を持ち、オーケストラでも1年生ながら首席の隣、トップで演奏することになる。だが、これまでサトルは誰かと一緒に演奏することは無かった。オーケストラで演奏するのも初めての経験。オーケストラで皆が合わせて演奏することがいかに難しいか描かれます。ここまでオーケストラの初歩の初歩から描いた作品は他に無いんじゃないか。楽譜通り、指揮の通り、皆で合わせて演奏することがオケの基本。その基本が難しい。いつも指導している”カミナリ”先生や、指揮の鏑木先生は、その基本をみっちりと叩き込み、厳しく怖い。さすがのサトルも、必死で食らい付いていく。音楽は表現、心が大事と言う。しかし、その前に、楽譜があり、その楽譜には作曲者が込めたものがある。それを忠実に演奏してこそ、その先の表現に進める…。普段何気なく、CDやテレビでプロのオーケストラを聴いてしまっていますが、オケって本当に難しいのだなぁ…と感じました。オケの楽器は何ひとつ演奏できないので、興味もあります。

 もうひとつの変化…同じ1年のヴァイオリンの女子・南枝里子の存在。完全に恋してしまったサトル。しかも、枝里子の友達であり、サトルのクラスメイトである鮎川千佳の働きかけで、2人の音楽への情熱が似たものだと知る。音楽をやるための家庭環境はそんなによくないけれど、負けず嫌いで向上心の強い枝里子は、サトルのチェロに刺激を受ける。サトルも枝里子の熱意に刺激を受け、後にサトルのピアノの先生である北島先生とともにメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲を演奏することになる。ここでも、自分自身の腕前や、アンサンブルの難しさにぶち当たる。が、それ以上に一緒に刺激し合いながら演奏するのが楽しい。いいですねぇ青春ですねぇ。ピアノの北島先生も素敵な先生。アンサンブルの練習以外では、携帯もメールも無い時代。アナログなサトルと枝里子の会話と想いの交流がまたいい。これが携帯でサッと…だったら味が半減してしまいそう。そんな雰囲気。

 サトルが刺激を受けるのは、枝里子だけではない。フルートの伊藤慧。見た目”王子様”で、フルートの腕前もかなりのもの。楽器は違えど、伊藤の演奏にサトルも、ほかの生徒たちも魅了される。
 更に、公民(倫理)の金窪先生。教科書どおりの授業をせず、哲学とは、生きるとは何かをサトルたち生徒に問いかける。哲学書を読みふけっているサトルとも親しくなる。金窪先生のお話がとても面白い。中学高校時代、こういう先生が学校に1人や2人は必要、絶対にいて欲しいと思う。

 オーケストラの合宿練習、文化祭、発表会、そしてとある場でのサトル・枝里子・北島先生のトリオの演奏…。音楽は難しい。なかなか思うように演奏できないし、たくさん練習したからと言ってその分うまくなるとも限らない。でも、音楽は楽しい。誰かと演奏できれば、もっと楽しい。サトルたちトリオの演奏シーンで、音楽で会話するってこういうことなんだろうな…と思いながら読んでいました。

 オーケストラの演奏曲であるチャイコフスキー「白鳥の湖」、サトルがトリオで演奏するメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番、サトルが普段練習しているバッハの無伴奏チェロ組曲…様々なクラシック音楽が登場し、また演奏家もカザルスをはじめ色々な演奏家が出てきます。サトルたちが聴くのはCDではなくレコード。レコードというのもまたいい雰囲気です。

 痛い、苦い、でもどこか微笑んでしまう青春小説。3巻まであって、2巻は既に読んでしまっています。2巻は…大変なことになってます。近々感想書きます。3巻を読むのも楽しみです。どうなっちゃうんだ…。
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by halca-kaukana057 | 2014-07-29 22:58 | 本・読書


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