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オリンピックを思い出しつつ、ロシアバレエの響き

 ソチオリンピックも終わりました。競技は、好きなカーリングやノルディックスキーをよく観ていた気がする。
 カーリング男子決勝(カナダ対イギリス)を録画で観たが、カナダチームのスーパーショットの連続に絶叫しながら観ていた。イギリスチームのストーンだけを、ハウス(あの円)から一気に4個もはじき出し、自分のストーンはハウスの中心に残す。カナダのスキップのショット成功率が95%とは何事ですか…!?日本は代表が女子だけなので、男子の試合はなかなか観る機会が無いが男子の試合は迫力があってまた面白い。女子も、日本代表も健闘しました。女子もカナダが強かった…。
 ノルディックスキー、特にジャンプは、日本チームが「復活」したのが嬉しかった。その起爆となったのが、ずっと代表だったベテラン・葛西選手というのも。ベテランが若い選手たちを導いて、若い選手たちも続いて支えているのがとてもよかった。一方で、ジャンプ大国・フィンランドはまだ元気が無い。あのヤンネ・アホネン選手がまだ現役だったのは嬉しかった。団体の2回目、130m越えの大ジャンプを決めてくれたことも。現在36歳のアホネン選手も葛西選手のようにならないだろうか。次のオリンピックではフィンランドも「復活」して、日本対フィンランドのジャンプ対決が観たい。そう感じました。
 スノーボードや、フリースタイルスキーは自由な雰囲気で、若い選手がのびのびとしていてよかったなぁ。ハーフパイプの選手紹介のPVがかっこよくて、「魅せる」、盛り上げるのがうまいなと感じました。

 ロシアでの大会ということで、開・閉会式の音楽や演出も注目していました。が、開会式は旅行中で観られず。話によれば、ロシア宇宙開発の歴史も、音楽・芸術の歴史も堪能できるものだったそうで…残念。閉会式は録画で何とか部分だけ観られました。さすがはロシアと思わせるきらびやかで豪華な音楽にバレエに演出。これは東京五輪どうするよ?こんな素晴らしいショーを魅せられて、後の大会が大変だ…なんて思ってしまいました。勿論、かつての長野五輪は覚えていますし、閉会式の「WAになっておどろう」は私の中では一番楽しい閉会式と記憶しています。まさにお祭りだった。

 ソチオリンピックとロシア音楽の話をしようと思っているのに、オリンピックだけで終わりそうだ…w

仮面舞踏会 ~ロシア・バレエ音楽集

パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランス放送フィルハーモニー管弦楽団/ EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)


 そんなオリンピックの余韻に浸れる一枚を。ロシアのバレエ音楽のオムニバスCD。指揮はパーヴォ・ヤルヴィ。華麗な音を出してます。うまいなぁ。チャイコフスキーにプロコフィエフ、ハチャトゥリアン、ショスタコーヴィチ…。超有名曲から、開・閉会式で流れた曲もありますし、よくフィギュアスケートで取り上げられる曲も。
 19世紀から20世紀まで、現代21世紀でも、ロシアにはバレエ芸術とその音楽が息づいているのだな、と感じます。優雅なグラン・バレエから、近現代まで。幅が広く、層が厚い。聴きながら、あのショーを思い出します。

 スポーツ競技でも、開・閉会式のショーでも魅せるソチオリンピック、面白い大会でした。このCDで余韻に浸っていようと思います。
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by halca-kaukana057 | 2014-02-24 22:44 | 音楽

今観ているものを、そのままに

 ロンドンオリンピックも終わりました。色々ありましたが、日本人選手も健闘していたし(メダルを取った・取れなかったに関わらず。入賞できなかったり、予選敗退だったりした試合・競技でも、健闘だった!と感じ拍手を送った選手・試合はいくつもあります)、先日書いたとおり普段はあまり観戦できない競技も堪能したし、よかったです。
・先日の記事:オリンピックの醍醐味

 と、いいオリンピックだったね~と終わりたいところですが、ちょっと気になったことを。テレビでは放送されないマイナー競技がネットで配信されているので、それを観た時にこんなことを感じました。

 ネット配信では、日本語の実況解説が無い。ネット配信はOBS(オリンピック放送サービス)が制作しており、中継映像と現場の音声・観客の声援がそのまま配信されます。ルールがわからない競技ではどうしたらいいんだと最初は思いましたが、観ているうちにルールもなんとなくわかって、それ以上に競技場の音声、歓声がそのまま伝わってくるのがいいなと思うようになった。臨場感がある。
 後で、テレビで日本語の実況・解説付きのを観ると、何か雰囲気が違う、実況解説でルールなどを説明してくれるのは有難いんだけど、競技そのものを純粋に観たいな…と思うようになっていた。

 今日の閉会式の中継でも、アナウンサーの実況解説よりも音楽をじっくり聴きたい、という話が合ったらしい。クラシックからロック・ポップスまで幅広い音楽大国のイギリス。そのイギリスの音楽(ロック・ポップスがメイン)が堪能できたのに…歌・演奏の間も、今流れている音楽に関係ないことまでしゃべり続けるアナウンサー。洋楽には疎いのであまりしっかりとした意見は言えないのですが、閉会式は「ショー(show)」なんだ、と。たとえ外国語でも、「ショー」は音楽そのもの、パフォーマンスやダンスそのものを楽しみたい。観劇と同じ。それが、観劇している横や舞台脇から、目の前のものとはあまり関係のないことや、解説になってない解説が流れてきたら、それはちょっと…と思う。

 こんなことを考えていて、以前読んだ本「やわらかな心をもつ」(小澤征爾・広中平祐/新潮文庫)に似たようなことが書かれているのを思い出した。
・感想記事:やわらかな心をもつ ぼくたちふたりの運・鈍・根

 当時アメリカに住んでいた小澤さんが、日本に帰国して日本のテレビ番組を観た時、あれと思う。アメリカのローズボールを日本のテレビで生中継していた時、解説者がよくしゃべる。以下、ちょっと長いのですが引用します。
おれは、ああ、これは日本人があまり、ルールを知らないからやってると思ったんだ。それも少しあるだろうけど。けど、それと同じこと、野球でも相撲でも、やるわけよ、ね。相撲なんて勝ち負けはさ、テレビ見てりゃ誰だってわかるわけさ。それから、野球だってさ、野球の好きな人はテレビ見ててさ、いろいろ想像するわけよね、ここでピッチャーつらいだろうなとか、キャッチャーとピッチャーとで意見が合わなくて、こりゃ困ってるだろうなとか、スクイズするな、とか、いろいろあるんですよ。それはみんな想像力があるからさ。でもそれより先に、三秒ぐらい先にさ、解説者がぜんぶ、彼はいま心の中でこう思ってるでしょうとかさ、(笑)監督はこう思っているだろうとか、ぜんぶ材料が揃って言われちゃってるわけ。それは、情報を言う人が悪いんじゃなくてさ、日本人がそういうの好きなんだよね。

(中略)

 でも、アメリカの野球の方が、よっぽど見てて楽しいと思うわけ。二人でボソボソ話してるんだよ。解説者じゃない人が、ね。それはホントに時間が空いてるわけ。黙ってる時がいっぱいあるわけよ。見ててごらん。でね、黙ってる時ってのは、実際に野球場行くとあるからね。シーンとなって、どうなるかなぁってときがあるでしょ。
(広中):想像するたのしみがあるわけだ。
(274~275ページより)


 1976年の対談のため、「それは、情報を言う人が悪いんじゃなくてさ、日本人がそういうの好きなんだよね。」の辺りは変わってきているのではないかと思います。

 ただ、テレビでも、野球場や競技場にいるのと同じように、その場の歓声や静けさ、試合の展開や選手の状況・表情などの、観たそのままを受け止める。それをもっと大事にしても、いいんじゃないかなぁ。実況解説は一切いらない、とは言わないし、私は言えない。やっぱりルールのわからない競技ではルールを解説してほしいし、知らないアーティストの詳しいこと、曲名などの基本的な情報は教えてほしい。でも、しゃべらない「間」があってほしいなと思う。離れているけど、同じ時間に競技している選手たち、同じ時間にパフォーマンスを披露しているアーティストたち、それを現地で観ている観客の、その時しか出せないものをそのまま味わいたい。コンサートや舞台観劇と同じ。コンサートで同じ曲を演奏しても、その時・その場によって微妙に異なる。まったく同じ演奏は二度と出来ない。これは、コンサートなどに行くといつも思うし、行けなかったコンサートを思うと…悔しくなる。今までそんなに観ていなかったから気がつかなかったけど、オリンピックも、普段のスポーツ中継も同じなんだな。そう感じています。
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by halca-kaukana057 | 2012-08-13 22:35 | 興味を持ったものいろいろ

オリンピックの醍醐味

 始まる前はそんなに気にしていなかったのに、始まったらいつの間にかテレビ観戦してしまっている…ロンドンオリンピックを楽しんでいる今日この頃です。

 ということで、私なりのオリンピックの楽しみ方を書こうと思います。まず、開・閉会式。スポーツの祭典の最初と最後を飾るショー。スタジアムで、その国の特色とも言える文化・芸術に触れることができる。国ごとの個性がうかがえます。ロンドン五輪の開会式は面白かった!開始の鐘の音、中世の田園風景から産業革命と、イギリスの歴史が繰り広げられ、イギリスを代表するファンタジー作品も続々登場。聖火点火もこれまでのものとは一味違う感じでよかったし、その後のポール・マッカートニーの歌は盛り上がった。

 そして、なんといっても、サイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団と、「Mr.ビーン」のローワン・アトキンソンさんの共演!ラトルが指揮する「炎のランナー」の演奏に、Mr.ビーンもキーボードで参加。しかし、ずっと同じ音を連打しているのが退屈らしく、スマートフォンを操作したり、くしゃみをしてティッシュを探したり…爆笑でした(しかも、鼻をかんたティッシュをピアノの中に放り投げた…!ピアノに何てことをするんだ!w)。「炎のランナー」の妄想も楽しい。そして、最後、ラトルの視線が…w「Mr.ビーン」は子どもの頃、テレビで放送されていて大好きだったので、この共演は嬉しかった。
 閉会式は何が出てくるか、楽しみです。


 次に、あまり日本では普及していないマイナーな種目もじっくり観戦できること。テレビで中継されない競技も、ネットで中継されるようになったので、気になる種目があると観てしまいます。テレビでも、どちらかというと普段はあまりテレビでは中継されない競技のほうを観てしまう。そして、それぞれの競技が面白くて、観戦に熱が入ってしまう。競技そのものを観るだけでも興味深い。簡単そうに見えて、実際はとても体力・精神力を使う競技だったり、観てカッコイイ!!と唸ってしまう競技だったり。ルールがよくわからなくても、観ているうちにだんだんルールを覚えていくのも興味深い。それで、日本人選手が活躍しているとますます嬉しくなる。例を挙げると、重量挙げやフェンシング、アーチェリー、馬術、トランポリン、トライアスロンなどなど。
 アーチェリーは観ているほうがドキドキ、手に汗を握ってしまう。矢を射ってから的に当たるまで数秒かかる間が特にドキドキする。あの弓の弦は見ているよりも結構硬いそうだし、的までの距離が70mもあり、更に風もあるのに、10点を出す精度…凄い。フェンシングは素早さに眼が付いていけない(でも面白い)。あのユニフォームに、防具、更に電子機器まで身につけて、素早く突くのは難しいだろうなぁ。だからこそ、観ていて面白いし、選手も凄いと思う。

 陸上競技は様々な種目がある。3000m障害は観ていて凄いなぁと思ってしまう。走るだけでなく、ハードル(短距離のハードルとは異なる頑丈な柵)を飛び越えて、更にその先には水溜りが。ハードな競技だなぁ…と思ってしまう。10種競技もハードだ。また、投擲競技でも、円盤投げはあまり観たことがないので、こんな投げ方をするんだ、投げ方が難しそうだなぁと観ています。

 メジャーな競技でも、普段テレビで中継されていてもあまり観ないものも観てしまいます。バレーボールがそのひとつ。女子の準々決勝が熱戦で見入ってしまった。柔道も、観ていて「こんなルールが複雑な競技だったっけ…?」と思ったり。どうすれば技が決まった(一本・技あり・有効)なのか、指導になるのか、わかりづらい、わからない。以前観た時はもっとわかりやすかったように思える…。色々と言われていますが、複雑になっていっているのかもしれないなぁ。

 テレビをつけて、ちょうどやっている面白そうな競技を観戦したり、気になる競技をそのまま観てしまって睡眠時間が削られたり…。あと少し、アスリートたちの健闘を祈りつつ、観戦を楽しもうと思います。

 そして観ていると、自分も何か自己を鍛錬するスポーツをやってみたいと思ったり。運動は苦手ですが、自分なりのペースで出来るなら…。あと、水泳は得意なほうです。最も苦手だったのは鉄棒や跳び箱、マット運動などの器械体操系。体操選手の身体の動き…どうやったらあんな動きが出来るのだろう…。
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by halca-kaukana057 | 2012-08-08 22:25 | 興味を持ったものいろいろ

アニメ版「銀河のワールドカップ」 「銀河へキックオフ!!」

 今年は、何故か毎週観る・観ているテレビ番組が多くて大変です。録画も多い。レコーダーが…。

 そんな番組のひとつが、NHKのアニメ「銀河へキックオフ!!」。2006年に出版され、私も読んだ川端裕人さんのサッカー小説「銀河のワールドカップ」がアニメ化されました。その後、今年出版されたスピンオフ作品「風のダンデライオン 銀河のワールドカップ・ガールズ」も原作です。

・原作私の感想記事:銀河のワールドカップ

◇アニメHP:NHK:NHKアニメワールド:銀河へキックオフ!!

 ストーリーは、スピンオフの「風のダンデライオン」も入っていて、また原作は大人向けなのに対してアニメは小学生から、家族で一緒に観られる内容になっているので、結構変えてあります。まず、原作では「翼」だったのがアニメでは「翔」に名前が変更されています。原作のままだと、某名作サッカーアニメと混同してしまって大変だから、変えたのかなぁ。でも、キャラクターの性格や、物語のコンセプト、目指すところは変えてません。原作と変えても、物語を広げるような変え方をしていて、いいアニメ化だなぁと毎回楽しみに観ています。

 原作を読んで、サッカーの戦術や試合でのボール回しなど、私がイメージしきれない部分がいくつかあった。そんなにサッカーに詳しくないので…。しかし、アニメだと絵ですぐにどんな作戦なのか、どんな状況なのかすぐに観てわかる。「こういうことだったんだ!」と原作で不明だった点が解明して面白い。しかも、アニメを観た後で実際のサッカーを観ると、選手がどうパスを回そうとしているのか、フリーの選手が走っていく方向と今後のゲーム展開が見えてきたり、ますます面白い。

 毎回、キャラクターの成長を見てゆけるのもいい。シュートもパスまわしも恐ろしく巧い三つ子もまだまだ成長過程である。エリカちゃんのすばやいプレー。しかも毎回可愛い、カッコイイ。2話でプロのミサキさんと話している内容は、未来のなでしこジャパンを目指すサッカー少女たちが悩んでいることでもあるだろうし、エールにもなっていてよかった。玲華ちゃんはひたすら努力。ひたむきに練習している姿を観ていると、応援したくなる。翔君(原作の翼)も、落ち込みやすいけれども、けなげでひたむき。共感したくなる。視野の広さと観察眼に驚かされる。家が焼肉屋というアニメオリジナルの設定も生きてる。さらに、脇役でしかなかったスリーU・植松・浮島・内村の3人にもちゃんとスポットを当てていて、プレデターのチーム全員を大事にしているのが感じられる。受験勉強・塾通いとサッカーの両立は、実際悩んでいる子も多いと思う。これまたエールだ。花島コーチも、いいところでいい台詞を言う。

 これまで少しだけ登場はしましたが、青砥(あおと)と多義(たぎ)が本格的に登場するのが楽しみです。ブラインドサッカーも、少し登場したのでやる模様なのかな?ちょうどオリンピック・パラリンピックもあるので、実際の試合を観つつ、楽しみたいです。

 ただ残念なことに、オリンピック期間中は放送はお休み。次回は8月28日(BS。NHK総合では9月1日)。それまで、原作を再読しようかな。原作は「風のダンデライオン」とともに文庫版(集英社文庫)が出ています。あと、原作は大人向けなので、小学生にはアニメ版ノベライズをどうぞ。アニメでは省略されてしまったシーンもあるそうなので、こちらも読もうかな。

銀河のワールドカップ (集英社文庫)

川端 裕人 / 集英社



風のダンデライオン 銀河のワールドカップ ガールズ (銀河のワールドカップ) (集英社文庫)

川端 裕人 / 集英社



銀河へキックオフ! ! 1 (集英社みらい文庫)

金巻 ともこ / 集英社




 あと、オープニング、エンディング曲もどちらも気に入っています。それから、アニメ本編終了後の「Jリーガーに挑戦!」のコーナーも面白い。このアニメの監修をJリーグがしているのですが、Jリーグのプロ選手が、小学生とミニゲームで対決。小学生たちも、Jリーグチームのジュニアチームのメンバー。プロも驚く、舌を巻くプレーも出てきて、見ごたえあります。ここから、将来のJリーガー、日本代表が出るのかな。
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by halca-kaukana057 | 2012-07-26 22:58 | 興味を持ったものいろいろ

まず第一に、走りぬくこと

 元日はウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート。2・3日は箱根駅伝。お正月が終わりました。と言っても、私は昨日が仕事初め。でも、今日は休みでたっぷり箱根を観戦していました。
 お正月とはいえ、年末年始も何にもない、仕事だという方も多い。以前、twitterでも書いたのですが、お正月が「お正月らしく」無くなってしまった。元日営業のお店・職場が増え、町は賑やか。正月ぐらい休もうよ、と思う。家族や親しい人と共に、新しい年をゆっくりと静かに迎えようよ。不便かもしれないけど、その便利さは誰かの勤労・努力によって支えられているのだから…。と思ったら、ライフライン関連や警察・消防、緊急医療機関、報道関係は休めないなぁ、まさに誰かの勤労・努力によって支えられているのだなぁと、私も改めて実感し、感謝するばかりです。あれ、結論がブレた。

 そんなこんなで観ていた箱根駅伝。今年は見どころが沢山でした。東洋大の圧倒的強さ。5区柏原選手もまたしても区間新で4年間を締めくくる。凄いです。去年、まさかの3秒の差でシード権を逃した城西大も、今年は6位でシード権奪還。よかったよかった…。しばらく箱根本選から遠のいていた順天堂大も、シード権獲得。帰ってきた!来年以降が楽しみです。駒沢大も、来年はどう来るかな。青山学院大は常連になりました。すごいすごい。

 そんな中で気になっていたのが、東京農業大。5区津野選手が体調不良のまま出走。力を出せず、辛い山登り。監督に棄権するかと言われたが、走り続け、1位の東洋大から41分後にゴール。ただでさえ厳しい山登りの5区を、体調不良のままよく完走した…拍手です。
 その東農大が、復路ではなかなかのいい走り。繰上げスタートのチームが続出する中で、繰上げにならず、襷を繋いでゆく。総合順位は20位のままだけれども、襷をゴールへ繋ぎたい。その意地・諦めない気持ちに心を動かされ、完走できてほんとうによかったと感じました。優勝争い、シード権争い、箱根駅伝には様々な見どころがありますが、順位よりもとにかく最後まで10人が襷を繋いで走りぬくこと。これも見どころだなぁと改めて感じました。東農大、また予選会で勝ち上がってくるのを待っています。

 9区から10区、繰上げスタートギリギリでタスキを渡した神奈川大にはハラハラしました。繰上げスタート後、誰もいない中継所を見ると切なく、かなしいです。更に、今年は往路6区の繰上げ一斉スタート校が多くて、復路の順位が見た目とは大きく違うことで頭がこんがらがる。大変な大会でした。

 お正月から、勝負に挑んでいる人もいる。お正月も様々です。(やっぱり結論がブレた
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by halca-kaukana057 | 2012-01-03 23:34 | 日常/考えたこと

Sweep!! 3 (最終巻)

 お待たせしました。待ってました。カーリングシーズン真っ盛りに、カーリング漫画「Sweep!!」3巻です。そして、最終巻、完結です。


Sweep!! 3
小橋ちず/幻冬舎・幻冬舎コミックス・バーズコミックス/2011

 里子たち見並チームは4人の気持ちを受け止めあい、作戦を練り、恵介率いる紀田チームとの後半戦へ。前半里子たちの息が合っていなかったため攻め込まれたが、このままでは負けられないと気合を入れる4人。亜由美とまつりも、英子のアドバイスどおりにショット、波に乗り始める。これまでボロボロだった見並チームが、紀田チームと互角の戦いをしている。と、そこへ、恵介が里子に近づき、ある提案をする。見並チームのスキップは英子だが、里子がスキップをやってみてはどうか、と…。


 まず、この表紙を。笑顔の4人。書店でこの本を手に取り、表紙を見たとたん、とても嬉しくなりました。2巻でこれまで全くのカーリング入門者だった4人が、恵介のアドバイスで徐々にコツやゲームの流れの読み方を覚えていった。その恵介が、実は紀田チームのメンバーだった。恵介とはいとこ同士である英子も知らずにいた。しかし、4人がそれぞれの想いを打ち明けあい、チームを立て直す。亜由美とまつりのセリフにもありましたが、英子はちょっと離れた場所にいるような感じだったのに、ちゃんと見ていた、つまり、4人でチームであることをしっかりと意識していたのです。

 亜由美やまつりと共にカーリング入門者だった里子。しかし、家が風呂屋で滑る床に慣れているせいか、ショットの精度は抜群。さらに、囲碁が得意で戦況を読むのも得意。ひとり浮いていた英子にも当たり前のように声をかけ、困った状況になっても落ち着いて行動し、マイペースなようでチームをまとめている。そんな仙人のような、何かを悟ったような里子ですが、この3巻ではこれまで描かれなかった(描かれてはいたがあまり表には出さなかった)里子の一面も見え始めます。落ち着いてはいるものの、第14話のように、動揺する場面も。とはいっても、13話のように周りの考えすぎ(…。)もあるのですが。

 試合のシーンには思わず興奮してしまいました。脳内でストーンのぶつかる音が再生されたり。里子にしろ、恵介にしろショットのシーンの迫力に惹き込まれました。特に、最終ショットのシーンは。

 そして、試合終了。恵介の裏で動いていたものは、丸く収まったようですw恵介も、実は素直でいい子でした。 最終話、いつもの日常へ。でも、これまでとは異なる日常。確実にやってくる未来に、進もうとするが、そこでまた里子がいつもと違った面を。1巻冒頭でもそんな面がちらりと見えていたのですが、里子もまだ高校生。何かを悟っているように見えても、その内面はまだ成長過程にある。変わりゆくもの、変わらないもの、変わっていないようにみえるもの。その里子が一歩を踏み出す瞬間が、とても清々しかったです。カーリングを通して、4人はチームとして、そして個々人も成長した。自分では変わっていないように見えても、奥底で何かが小さくでも変わり始めている。その小さな変化に、里子が気づいた、言葉に出した瞬間が、これまでの里子とは違うなと感じました。里子は本当に不思議な、魅力的な女の子です。

 そしてラスト。そう来ましたか。こんな日が、いつか来るといいなと思います。昨年のオリンピック以後、日本女子カーリング界には大きな変化が次々と起こっています。それが日本カーリングの更なる飛躍になればと思っています。女子だけでなく、男子もがんばれーっ!恵介のように。

 今回も、読み終わったらカバーを外して見てください。読み終わってからです。読む前に外しちゃいけません!!

 短かったですが、カーリングの面白さを味わえるいい作品でした。この冬、まだカーリング場に行ってないや。行って、観戦してこよう。

【これまでの感想】
Sweep!! 2
Sweep!! 1

【関連リンク】
作者の小橋ちず先生のtwitter:小橋ちず(@kohasichizu)
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by halca-kaukana057 | 2011-01-30 22:54 | 本・読書

Sweep!! 2

 カーリング漫画「Sweep!!」2巻出ました。置いている本屋さんがなかなか無くて、買うのに苦労しました。面白いのにな。


Sweep!! 2
小橋ちず/幻冬舎・バーズコミックス/2010

 隣町・紀田とのカーリング温泉争奪勝負のため、練習を続ける里子たち。勉強のためにと見学に行った試合で、里子たちの住む見並町からエントリーしているチームがあるがまだ来ていないと聞かされる。せっかくだから試合に出てみようと、里子は英子・亜由美・まつりに提案。急遽試合に出ることに。憧れの広森の前でいいところを見せたい亜由美だが、なかなかうまくできない。さらにミスショットをしてしまう。練習してもうまくならない、自分がいてもチームの足をひっぱるだけだと亜由美は落ち込み、カーリングの練習をサボってしまう。


 いよいよ動き出した里子たちのチーム。カーリングに関する基礎知識、用語もどんどん出てきます。漫画なので図解できるのがいいところ。特に第8エンドでの、スウィーピングの意味と、カーリングのリンクにある"ペブル"の説明。面白いスポーツを作ったものだなぁ。

 チームは動き出しても、個々の力、メンタル、そしてチームワーク・チームメイトへの理解がまだ不十分。その欠けているところが、2巻でどんどん出てきます。まず、亜由美のこと。広森に憧れてカーリングを始めたものの、なかなか上達できない。それを気に病み、まつりに打ち明ける。まつりの啖呵が爽快ですwそして、これまで里子以外とは距離を置いてきた英子も変わりだした。

 カーリングは、ひとりで出来るスポーツではない。4人いて、初めてチームが成り立ち、練習も試合もできる。ショットをミスしたとしても、スウィープで挽回できる可能性だってある。戦略の中で、4人がそれぞれの役割を果たし、お互いをカバーしたり助けられたり…。つまり、チームメイトを信頼していないと出来ないスポーツでもあるのだが、チームワークを大切にするというカーリングの魅力そのものが、この2巻のあちこちに出てきます。実に爽やかです。

 その一方で、裏で動いているものが。このカーリング勝負には、裏の狙いがあったのです。そしてそれに関係する広森。ただ、広森自身、全部黒とはいいにくい。その広森の狙いは何か…見並vs紀田の試合本番で明らかになりました。広森の正体に、動揺する里子たち。特に亜由美とまつりは、広森といとこ同士である英子のことを疑ってしまう。いつも温和で恐ろしいほどマイペース、何かを悟っているとしか思えない里子でさえ、動揺してショットに影響が出てしまっている。そして、英子自身も動揺し、そしてずっと独りでいたというコンプレックスを強く意識して、チームはボロボロの状態に。先ほど書いたように、「チームメイトを信頼していないと出来ないスポーツ」だから、一旦崩れるとどこまでも崩れてしまう。

 その状態から、本音をぶつけ合い、コンプレックスと向き合う第10エンド。誰かを信じる、信じてもらう、信頼しあうって、本当に難しい。私も、英子のように本音や言いたいことを言えず、誤解を与えてしまったり他者と距離を置いたりすることがある。信頼関係を築くのが、怖いから。いつか、壊れるものかもしれないから。だから、英子の気持ちがよくわかった。でも、まつりや亜由美が英子に本音をぶつける気持ちもよくわかる。本音をぶつけ合いたいと思うこともあるからだ。でも、下手をすればそのままケンカで終わってしまう。そんな3人を支えるのが里子。…本当にこの子は何者だ。里子がいるからこそ、このチームは安定できるのだと思う。里子のようになりたいと1巻を読んだ後で感じましたが、2巻では里子のような子がそばにいてくれたら…と感じてしまいました。非常に難しいと思いますが。

 さて、チームを立て直し、どう巻き返すのか。3巻も楽しみ…って、この展開だと3巻で終わりなのかなぁ?それとも、裏で動いているものに対して、里子たちが挑む続きがあるとか…。そんな物語ではないかw

・1巻感想Sweep!! 1

 カーリングを「読んで楽しみたい」なら、こちらもどうぞ!カーリング小説です。
青森ドロップキッカーズ
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by halca-kaukana057 | 2010-07-30 22:21 | 本・読書

サッカーW杯もクライマックスなので…

 「はやぶさ」の帰還と同時期に盛り上がったサッカーワールドカップ。久々にサッカー観戦を楽しみました。フランス大会・日韓大会以来。12年かけて、ようやくオフサイドを理解できるようになりました(遅すぎるw)。

 そんなんで、久々にイラストです。教育テレビのサッカーキャラクター、「クインテット」のシャープ君です。決勝までに間に合ってよかったー!
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 スポーツをしている人・アスリートの絵を描くのは本当に難しいと思います。筋肉の動き、さらにはその元となる骨格も意識して描かないと、動きが感じられない。新聞記事の写真を見ながら練習し、この絵に至りました。まだ動きが捉えられていないな…。ユニフォームは日本代表のにしようかと思ったのですが、難しいので色々なチームのユニフォームを見ながら、適当にデザインしましたw適当ですw
 教育テレビにはサッカー好きのキャラクタが他にもいます。「モノランモノラン」のプゥートくん。それから、「リトル・チャロ2」の翔太。プゥートくんは描けません(断言

 このシャープ君を見て思うのは、本田選手に似ているな…と。髪型・髪の色のせい?「シャープ△」ってかw

 さて、決勝はオランダとスペインのどちらが勝つか…。個人的にはオランダを応援してます。ドイツには優勝して欲しかったですが、3位。おめでとうございます!
 そんなドイツからオモシロ動画が届きました。

SOCCER UNDERGROUND BLOG:ドイツ人が本気でブブゼラに取り組みだすと凄い事になる

 今回のW杯で一躍有名になった南アフリカの民族楽器「ブブゼラ」。そのブブゼラを、コンサートで演奏してしまいました。…あのベルリン・フィルが!!

facebook:Berliner Philharmoniker Vuvuzela Concert - produced by EuroArts [HQ] Berliner Philharmonikerさんの動画
 こちらがその動画。あのベルリンフィルの演奏に、完全になじんでしまっています…。すごい。さすがクラシック音楽の本場で、サッカー(フットボール)の盛んな国。最初はうるさいと思っていたブブゼラも、もうお別れとなるとちょっと寂しいです。

 こんな演奏もあります。
Classical music star Alison Balsom gets a tune out of dreaded vuvuzela
 プロのトランペット奏者が、ブブゼラを演奏したら大変なことになりました。最初トランペットを演奏しますが、その後ブブゼラを。…ブブゼラに聞こえません。普通のトランペットのように聞こえます。まろやかな音なんですね…。口で音程を変えているのでしょうが、凄いです…。

 ワールドカップ決勝の最中、南太平洋では皆既日食が。ネットでの生中継もあります。
Live!Eclipse 2010
Live!EclipseのUstreamでの配信
 最初の中継は2時15分頃から。起きられるかな…。

 以上、サッカーとブブゼラと皆既日食と話題が飛びに飛んだ記事でした。

【過去関連記事】
教育テレビ・ワールドカップ仕様
 前回のW杯を観て、サッカーシャープ君。
ETVの歌姫を共演させてみた
 サッカーシャープ君イラスト第2弾。アジアカップと、トランペットもサッカーも好きで選べない!というシャープ君から思いついた絵。。「めざせワールドカップ」を聴きながら描きました。


 で、皆既日食ですが、起きれませんでした…orz
12月21日の皆既月食を楽しみにするからいいさ…晴れますように。
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by halca-kaukana057 | 2010-07-11 22:27 | イラスト・落描き

[映画版]風が強く吹いている

 小説「風が強く吹いている」(三浦しをん:原作)の映画版をようやく観ました。DVDが出るのを待っていたんです。

風が強く吹いている [DVD]
出演:小出恵介,林遣都,中村優一,川村陽介, ダンテ・カーヴァー,橋本淳,森廉/監督・脚本:大森寿美男/バンダイビジュアル/2010

 あらすじは原作とだいたい同じです。ただ、ハイジと走(カケル)が出会うシーンや、葉菜子の家が八百屋ではなく食堂である点など、原作と異なる部分はあります。

 最初観た時は、正直「原作のダイジェストムービー…?」と思いました。しかし、もう一度観直してみると、細かい所まで丁寧に描いているように感じました。例えば、カケルがひとり走るシーンでの、風の音。アオタケに入った時は速く走ることだけに価値を置き、アオタケの住人たちと心を通わすことのなかったカケルが、徐々にアオタケに馴染み走っているメンバーを応援したり、走り終わった後で労ったりするシーン。これはアオタケメンバー全員にも言える。ひとりひとりの走るフォームだけ見ていても、その人の個性が表れている。また、住人が鍋を囲むシーンで、神童がお皿を手渡したり、野菜を鍋に入れたりと、細かい気配りを欠かさない"ちょっとした動作"にもその人の個性や性格、アオタケでの立ち位置が伺える。原作を読んでいて、文章には表されなかったちょっとした動作や部分が映像となって表されたのは嬉しい。

 ボロいアオタケの床がきしむ音や、王子の部屋の積み重なった漫画も、映像として観られて嬉しい。この作品は文章そのものも面白いのだけれども、どんな場面か、どんな情景かと思い浮かべるのが楽しい作品だと感じています。アオタケ、走るメンバーたち、その走りのフォームや速さの違い、表情や顔つき、口調、走っている時の周りの風景…。思い浮かべたシーンが、映像で再現…いや、再現と言うよりも、また新しい切り口の「風が強く吹いている」になった。特に、カケルの走るフォームには度肝を抜かれました。全く無駄のない、スマートで軽快、力強い、スピード感溢れる走り。林遣都さんが、まさにカケルのイメージにピッタリだった。俳優さんの演技力、演技・役に対する情熱と役作りの努力に感服しました。

 また、ハイジもアオタケメンバーを支え、走りのコーチングをし、住人たちに信頼されている様が、まさにハイジさんでした。何か指示を出す時の「パンパン!」と手を打つシーンとその音が好きです。アオタケメンバーと同じように、やる気になって体が動くようです。そして、故障を越えて、走ることとはどういうことなのかを問い続ける。ただ「速い」だけじゃない、「強く」ありたい。その問いに、カケルだけでなくアオタケ全員が一丸となって走り、自らを鍛え、各々の目標に向かって走る姿が静かに胸に響きました。カケルが王子を責め、ハイジがカケルに掴み掛かるシーンは圧巻です。

 あまり細かくは描かれなかったのが残念ですが(特に箱根本戦での)、アオタケメンバーそれぞれの走ることへの想い、自己に対して抱えていることを語るシーンはどれも印象的です。細かい説明はなくても、その言葉の合間にあるものに深さを感じます。特に、神童が抱えていることと、実家との電話のシーン。いいカタルシスでした。

 カケルにとって、ハイジと同じく影響を与えることになる藤岡さんの出番が少なく、圧倒的な強さや凄みが感じられなかったのは残念。もっと思慮深い、禅僧のようなキャラを想像していたのだが…。箱根10区の演出も、残念です。抱えていることに打ち克ち、完走したことを印象付けるための演出だったと思いますが…。その後の結果はオマケの奇跡みたいになってしまったのが残念。あと、寛政大学は「箱根駅伝初出場」と大学に掲示してあったのに対して、スポーツ新聞では「35年ぶり」と書かれていた。これもどうなっているのでしょう?

 残念な点や疑問点もありましたが、楽しめました。箱根駅伝の映画なんて、よくロケができたなぁと思います。走ることを通して、生きることを問い続ける。私も、答えは出せていません。でも、「強くなりたい」。そう感じました。

「風が強く吹いている」公式サイト

【関連過去記事】
風が強く吹いている
 原作感想。今でも時々読み返します。
[コミック版]風が強く吹いている 1
 漫画版1巻感想。漫画は漫画で面白かった。全6巻で完結しました。
コミック版2巻
コミック版3巻
コミック版4巻
コミック版5巻
コミック版6巻(最終巻)

 最後にいくつか。
・王子役の中村優一さんはドラマ版「ふたつのスピカ」の秋役の人だったのね。気がつかなかった。
・キングは原作通り雑学王の設定になっていてよかった。帽子つき早押しボタンがいいwピコーン!って音がw
・ユキは音楽好きという設定がなくなってる。クールで秀才なイメージには合う。
・ニコちゃん先輩の呪いの「針金人形」が出てきて吹いたw襷のお守りにも、針金人形がモチーフの人形がついてるしw
・葉菜子ちゃんはマネージャーではなく、ボランティア…?
・特別協力に上武大学が。上武大学が箱根初出場を果たした時、「リアル寛政大学か!」と思ったのは私だけではあるまい。ユニフォームもそっくりだしwでも、何十年ぶりに出場して…なら、青山学院大の方が寛政大に近いのかも。
・最後のアオタケの前で再会するシーン、よかったなぁ。もっとじっくり会話を聞きたかった。
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by halca-kaukana057 | 2010-05-13 23:06 | 興味を持ったものいろいろ

青森ドロップキッカーズ

 先日の「Sweep!!」1巻に続き、カーリングを描いた作品を。今度は小説です。

・先日の記事:Sweep!! 1


青森ドロップキッカーズ
森沢明夫/小学館/2010

 秋、青森県青森市。司書をしている柚香(ゆうか)は妹の陽香(はるか)と共に、アマチュア選手としてカーリングに打ち込み、かなりの実力をつけている。2人は年上の女性2人とチームを組んでいたが、日本一強いチームにしようという協会の意向で、長野からやってくる日本トップレベルの選手2人とチームを組むことで悩んでいた。
 一方、中学3年の男子・宏海(ひろみ)はクラスでいじめられ続ける日々を送っていた。幼馴染の雄大はいじめグループにいて、宏海は雄大とまた仲良くなりたいが、いじめグループに抵抗できず自身のことを情けないと感じていた。ある日、学校で初心者向けカーリング講座開催のチラシが配られる。スポーツは苦手な宏海だったが、何かを変えたいと思い、カーリング講座に参加してみた…。


 カーリングといえばオリンピック代表である「チーム青森」。そのホームである青森市が舞台です。各章ごとに語られる視点が変わり、様々な視点でカーリングを楽しむことができます。「Sweep!!」は漫画なので絵で表現できますが、この作品は小説なので勿論文章のみ。それでも、五輪などで観たカーリングの試合風景から、ショットやスウィープ、ストーンの状態まで思い描くことができる。カーリング場の冷たい、ピンとした空気も。言葉の可能性ってすごいと思う。

 トップレベルを目指して日々練習を続ける柚香・陽香姉妹。姉妹がチームを組むことになった長野からのトップレベルの選手との練習の部分を読んでいると、カーリングは決して運動量の少ないスポーツだとは思えない。精度の高いショットをし続けるため、氷と戦況を読み続ける集中力を保ち続けるためには、相当の体力が必要。しかも、持久力や筋力、柔軟性やバランス感覚といった、全身の基本的な体力が。動いていないように見えて、実はかなりの運動をしている。カーリングは誰でも出来そうで、実際出来るのだけれども、ハマると相当の体力を使うスポーツでもあることが伝わってきて、ますますカーリングに興味津々。カーリングのリンクの氷の作り方も描写されています。ただのつるんとした氷なのかと思ったら、そうではない。「ペブル」という0.3mmの氷の凸があって、スケート用リンクとは全く異なる。カーリング独特の氷が、ストーンの滑りに影響を与えていたのです。知らなかった!

 主人公の一人である、クラスでいじめられ続ける男子中学生・宏海。その宏海はカーリング講座でカーリングの面白さに目覚め、さらに学校では作れなかった仲間を得て変わっていくのですが、その宏海がカーリング講座で知った「カーリング精神」というのがある。それがこれ。
カーラーは、不当に勝つなら、むしろ負けを選ぶ。
カーラーは、ルール違反をしたとき、自ら申告する。
カーラーは、思いやりを持ち、常に高潔である
(116ページより)

カーリングの試合もそうだが、物語もこの「カーリング精神」をもとに、登場人物たちが「カーリング精神」を持って生きていく上での壁・試練を乗り越えてゆく姿が実に清々しい。まさに「高潔」。勿論、一筋縄ではいかない。新しいチームで奮闘するも、なかなか結果も出せず、さらに前のチームメイトとギクシャクしてしまう柚香・陽香姉妹。カーリングに出会い、生きる楽しみを得たもののいじめられ続ける宏海。いじめグループにいるが、何かを思いつめている雄大。右往左往しつつも、4人がひとつの点に向かってゆく姿に胸が熱くなります。

 そして最大のポイントとなるのが、信頼関係。普段のコミュニケーションであっても、チームプレーであるカーリングでも、この物語では信頼関係に重要なポイントが置かれています。何があっても最後まで、誰かを信じ続けることができるか。そう問われたら、私はYes.と即答できない。裏を読んでしまったり、よくない状況になると自分ひとりで逃げてしまったり…。「自分ひとり」の被害を最小限に抑えるならそれでいいのかもしれない。でも、その後、苦い想いをするのも「自分ひとり」だ…。そんな立場にいたのが、柚香を中心に描いているけれども、実は雄大なのかもしれない。(これ以上はネタバレになるので自粛)

 カーリングの魅力にどっぷり浸れる作品です。勿論、初心者向けにルールや用語の説明も丁寧にしてあります。さらに、青森の美味しそうな食べ物も続々と出てきます。読んでいてお腹がすきました。


 ちなみに、先日、この小説の舞台ともなっている青森市スポーツ会館でカーリング講座があったそうです。しかも、講師は「チーム青森」の目黒選手と近江谷選手。行くだけ行きたかった…(手術してなければ…涙)。そんな青森市スポーツ会館ですが、実は手術前に一度行ってきました。

駐車場から。建物の裏にあたります。
f0079085_16132387.jpg


正面玄関前にあった、カーリングねぶた石碑。ブラシを持ってストーンをショットしているねぶた。違和感がない…。
f0079085_16142453.jpg


冬場はカーリング場となる多目的運動場入り口。
f0079085_161510100.jpg


カーリング場内部。
f0079085_16214118.jpg

リンクではこの日、子供チームの試合がありました。ストーンがゴロゴロ…と滑り、ゴン!と他のストーンにぶつかる音。「イエス!イエス!」「ウォー、ウォー」などの指示の声。テレビで観たそのままの光景でした。しかし、ショットは想像以上に難しいらしく、真っ直ぐショットできず斜めに滑っていってしまったり、ハウスのかなり前で止まったり、通り過ぎていってしまったり(「ガード」といって、相手のショットを邪魔するためにハウスの前に置かれるストーンもありますが、ハウスよりもかなり前にある「ホッグライン」前で止まってしまうとそのストーンは無効となり、排除されてしまいます)。デリバリーする際の姿勢を保つのも、ストーンの動きに合わせてスウィープしていくのも難しそうでした。予想以上に奥が深いぞ、カーリング。


森沢明夫さんの青森3部作、今作が2作目です。
・1作目:津軽百年食堂
・3作目:ライアの祈り
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by halca-kaukana057 | 2010-04-21 16:33 | 本・読書


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