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5年待った運命の日 「あかつき」金星周回軌道投入再挑戦

 いよいよこの日がやってきました。金星探査機「あかつき」(PLANET-C)、金星周回軌道投入再挑戦の日です。朝から祈るような気持ちでいます。5年前失敗し、メインエンジンも破損してしまったにも関わらず、5年間再挑戦できるチャンスを待ち、「あかつき」がどうやったらメインエンジンなしでもう一度金星周回軌道に入れるか、プロジェクトチームの先生方は尽力してきました。想定外の太陽を公転する軌道に入ってしまい、太陽の熱や紫外線などで機体や機器が損傷・劣化することにも気を配ってきました。どうか、どうかうまくいきますように…。「あかつき」の小型スラスタ噴射は朝8時51分から20分間。耐えてくれ。がんばれ、あかつき…!やっぱり祈るような気持ちでいました。

JAXA:金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入における姿勢制御用エンジン噴射結果について

sorae.jp:エンジン噴射完了! 金星探査機「あかつき」、金星をまわる軌道に入るためのエンジン噴射を実施 成否の判明は2日後
NHK:あかつき再挑戦 JAXA「大きな期待持てる」

 結果から言ってしまうと、エンジン噴射は予定通り、滞りなく完了しました。無事成功です。「あかつき」機体の状態も正常です。しかし、予定の起動に入ったかどうかわかるのは2日後。9日18時に発表します。…うまくいったかな。成功したかな。9日までドキドキは続きます…。

JAXA:金星探査機「あかつき」:「あかつき」搭載カメラによる撮像試験画像(2015年12月1日撮像)
 「あかつき」に搭載している5つのカメラのうち、 紫外線イメージャ(UVI)、1μmカメラ(IR1)、中間赤外カメラ(LIR)を12月1日に状態確認のために撮影に使ってみました。カメラも正常です。

アストロアーツ:「あかつき」、金星周回軌道に入るためのエンジン噴射を実施
 現在、金星は夜明けの東の空に輝いています。明るいのですぐに見つけられます。肉眼でOK,双眼鏡や望遠鏡があれば満ち欠けを確認できるかと思います。明日8日は、細い月との共演も見られます。今日も相模原で金星投入前に金星観望会があったとのこと。うまくいっていれば、「あかつき」は念願のこの金星の周りを周っています。晴れていたら、早起きして是非。
 当地は曇り…。雪もちらついています。

 今日は「あかつき」関連の読み物のリンクを貼っておきます。
NHK解説委員室:ここに注目! 「あかつき復活へ 最後の挑戦」
 水野解説委員による「あかつき」金星軌道投入についての解説。

ファン!ファン!JAXA:金星探査機「あかつき」の旅路 - 軌道で見るあかつきの5年間
 「あかつき」がこの5年間、何故金星よりも内側の太陽に近い軌道を周ることになってしまったのか。「あかつき」と金星のもどかしくも見える追いかけっこの軌道を解説します。とてもわかりやすい読み物です。

NEC:スペシャルインタビュー5年越しの再挑戦 「あかつき」復活のプロセス
 「あかつき」プロジェクトマネージャーの中村正人先生のインタビュー。やはり太陽に近い軌道を周り続けるのは大変なことでした。この5年間、中村先生の苦労は計り知れないものだと思います。今日の記者会見で「Our dreams will come true」と話していた中村先生。9日、夢が叶ったことが現実のものとなっていますように…!

 最後に今日の一枚。
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 「あかつき」の応援に、あかつき桃ネクターと「あかつき」君&きんせいちゃんストラップ。このストラップはずっと携帯に着けてきました。今日も、携帯を見る度にこのストラップを見て、「あかつき」のことを思わずにはいられませんでした。
 このストラップのように、「あかつき」が愛し(?)の金星の姿を見ていますように。本当に9日の発表まで祈るしかありません…。
 「あかつき」と運用チームの皆様に、引き続き toi toi toi !!
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by halca-kaukana057 | 2015-12-07 22:38 | 宇宙・天文

地球経由で長い旅へ 「はやぶさ2」地球スイングバイ

 12月は宇宙関係の大きなイベントが固まってます。まず、今日は小惑星探査機「はやぶさ2」の地球スイングバイ。打ち上げからちょうど1年。初代「はやぶさ」と同じように、地球に一旦近づいて、その引力と地球が公転する力を受けて速度を上げ、軌道を変更。地球を離れ、目標の小惑星「Ryugu(リュウグウ)」の公転軌道に乗り、小惑星を目指します。

毎日新聞:なるほドリ・ワイド:はやぶさ2、なぜ地球に接近?=回答・永山悦子
 わかりやすい地球スイングバイの解説。イラストもかわいいです。
日経ビジネスONLINE:はやぶさ2の「地球スイングバイ」に血が騒ぐ その意味と、準備を進めてきたわくわく現場(1)
 山根一眞さんによるレポート。「はやぶさ2」プロジェクトチーム、津田雄一プロマネと矢野創先生にお話を聞きながら、地球スイングバイの現場を追います。

JAXA:はやぶさ2プロジェクト:「はやぶさ2」の地球スイングバイ軌道が確定しました

 「はやぶさ2」は今日のお昼頃、日本上空を通過。地球から14万km。地球に最接近したのは、19時8分ごろ。ハワイ諸島上空、約3090km。

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 今日はお昼になった途端風が強くなり、雨も降り始め、荒れたお天気に。雲で空は見えませんが、この空を「はやぶさ2」が飛んでいったのだろうと見送りました。

JAXA:小惑星探査機「はやぶさ2」の地球スイングバイ実施について
 JAXAからの速報です。スイングバイの際、「はやぶさ2」は地球の影の部分に入り、バッテリーでの運転に。アンテナも、NASAの深宇宙ネットワーク局(キャンベラ局)を使っての運用でした。「はやぶさ2」の状態は正常です!よかった。
 目標の軌道に入れたかどうかの確認には1週間かかるそうです。朗報を待ちましょう。

NHK:はやぶさ2の撮影 各地で成功
 「はやぶさ2」はとても暗く、大型の望遠鏡や高感度のカメラでないと撮影、観測できません。悪天候で苦戦した天文台もあるようですが、撮影できた!という画像がTwitterにどんどん流れてきていました。すごいなぁ、撮れるもんなんだなぁ。小さいけれども颯爽と飛んでゆく「はやぶさ2」。頼もしく見えます。

 小惑星「Ryugu」に到着するのは2018年。長い旅の始まりです。どうか、元気で、ご安全に!
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 万年筆ではなむけのメッセージを。行ってらっしゃい!!

 さて、次は7日、金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入再挑戦です。がんばれ「あかつき」!!
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by halca-kaukana057 | 2015-12-03 23:06 | 宇宙・天文

高度化仕様でも安定の打ち上げ H2A29号機打ち上げ成功!

 昨日のことなのでもうご存知かと思いますが。

JAXA:H-IIAロケット29号機(高度化仕様)による通信放送衛星Telstar 12 VANTAGEの打上げ結果について
ファン!ファン!JAXA:H-IIAロケット29号機打ち上げ成功!新たなステージへ
sorae.jp:打ち上げ成功おめでとう! H-IIAロケット29号機、通信衛星「テルスター12ヴァンテージ」の打ち上げに成功

 初めての商業受注打ち上げ。カナダの通信衛星「Telstar 12 VANTAGE」を搭載したH2Aロケット29号機が、昨日24日午後、打ち上げられました。これまではJAXAや政府の人工衛星や探査機を打ち上げてきたH2Aロケット。大学や企業の小型衛星を「相乗り」で打ち上げることはあったのですが、今回はカナダ・テレサット社の通信衛星だけを打ち上げるため。どの衛星・探査機でも代わりはありませんが、商業受注となると、H2Aを選んでくれた信頼にも応えなければならない。

 また、この衛星を打ち上げるのに、これまでのH2Aでは足りない部分がたくさん。静止軌道に載せるための「静止トランスファー軌道」にロケットで人工衛星を載せるのには、赤道に近い射場のほうが有利。赤道に近いほうが赤道上にある静止軌道に載せやすく、また赤道に近いほど地球の自転によって重力が小さくなる=ロケットの燃料が少なくて済む。種子島は他の射場よりも緯度が高く、静止トランスファー軌道に投入するのにも、ロケットの燃料・推進力でも不利。静止軌道に遠めの静止トランスファー軌道に投入すると、静止軌道に入るまで人工衛星が軌道変更を余計に行わなければならず、その分時間もかかる、燃料もたくさん必要、寿命も短くなってしまう…。これではH2Aが商業受注を受けられない…。そこで、緯度のハンデをカバーし、人工衛星にやさしい打ち上げを目指して取り入れられたのが「高度化仕様」。普段なら打ち上げ後8分~20分程度で人工衛星を切り離してしまいますが、なるべくいい軌道に載せるまで第2段ロケットから分離しない、いい軌道まで連れて行く。その分、衛星分離まで、第2段ロケットは衛星を積んだまま約4時間飛行。その間、ロケットや人工衛星の一方だけに太陽光が当たらないように向きを変えたり、太陽光で燃料が蒸発しないようにロケットの塗装を工夫したり。一番の難所が、いい軌道に入れるために、3回にわたる第2段ロケットの再点火。一度点火し燃焼したエンジンを軌道上で再点火するのはなかなか難しいこと。「はやぶさ2」の打ち上げでも、1回再点火しましたが今度はそれ以上。

ファン!ファン!JAXA:基幹ロケット高度化とH-IIAロケット29号機への適用
マイナビニュース:世界に追いつけるか 「高度化」H-IIAロケット、ここに誕生す
 「高度化仕様」については、以上のサイトに詳しく書いてあるのでどうぞ。軌道の話は難しいですが、じっくりとイメージして読み込んでいます。

マイナビニュース:H-IIAロケット29号機現地取材 - "高度化初号機"の打ち上げを現地からレポート! 今回の注目点は?
 高度化仕様も注目ですが、今回のH2Aロケットは「204型」固体ロケットブースター(SRB-A)がいつもは2本ですが、4本ついてます。これは久しぶりのタイプ。加速の速さ、迫力にも注目です!

 さて、いよいよ打ち上げ。種子島はいいお天気。
H-IIAロケット29号機によるTelstar 12 VANTAGE打ち上げ中継 |Launch of Telstar 12 VANTAGE/H-IIA F29 Live Broadcast

 打ち上げ50秒前あたりから再生出来るようにしてあります。204型の火力、加速の速さをご覧ください!

朝日新聞:改良型H2Aロケット打ち上げ 衛星分離は4時間半後
 毎度お馴染みになりました朝日新聞による空撮動画。空から見ても迫力ある、加速も速い!あっという間に空の高いところへ行ってしまいました。行ってらっしゃい!ご安全に!

 そして、20時過ぎ、3回目の第2段エンジン点火、燃焼を行い、衛星分離!所定の軌道に投入。無事成功です。おめでとうございます!!
 高度化仕様という難しい打ち上げだったのに、安定の打ち上げ。H2Aがここまで成長するとは…嬉しいです。

 H2Aロケットの前身、H2ロケットは、純国産のロケットで、商業打ち上げを目指しました。しかし、H2ロケットは相次いで失敗。廃止になってしまいます。その苦難が、H2Aで、29号機でようやく実現しました。関係者の皆様、おめでとうございます。H2Aロケットは、まだまだここからが挑戦です。X線天文衛星「ASTRO-H」の打ち上げでは、更に人工衛星との分離の際の衝撃を和らげる改良もある予定です。
 人工衛星にやさしく、スケジュールどおりに安定に打ち上げる。この強みで、さらに商業受注が増えていって欲しいです。応援してます!
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by halca-kaukana057 | 2015-11-25 22:17 | 宇宙・天文

世界一わかりやすいロケットのはなし

 久しぶりに宇宙開発方面の本を。

世界一わかりやすいロケットのはなし
村沢譲/KADOKAWA/中経出版/2013

 1955年、糸川英夫博士によるペンシルロケットの発射試験から始まった日本のロケット開発・打ち上げの歴史。この本は、そのペンシルロケットから現在のH2A,H2B、イプシロンまで、それぞれのロケットの特徴、搭載した衛星、打ち上げがどうなったか…などの記録になっています。

 冒頭ではイプシロンロケットの森田泰弘先生、「こうのとり」4号機・有人宇宙ミッション本部・宇宙船技術センター長の田中哲夫さんへのインタビューが。イプシロンも「こうのとり」も、今、そしてこれからの日本の宇宙開発を支え、引っ張っている重要な宇宙機。それぞれ、まだまだ進化途中(イプシロンはまだ初号機しか打ち上げられていない!!)。また、過去の様々な宇宙機・技術を引き継いでいる。そんな覚悟とやる気に満ちたお話でした。

 あとは、ひとつひとつの打ち上げを解説。日本のロケットの歴史を私はまだまだ知らない。知らないことがたくさんある(年齢の問題もありますが…)と感じました。ロケット、人工衛星、それぞれの失敗も結構多い。90年代の失敗続きはリアルタイムで見ていて辛いものがあったのですが、その前にも。また、旧宇宙開発事業団(NASDA)と宇宙科学研究所(ISAS)が共同で開発。しかし莫大なコストで1号機で終わってしまった「J-1ロケット」についても。実はJ-1ロケットについて詳しいことは知らなかったので、知れてよかった。ペイロードの「HYFLEX」は覚えていたのになぁ…?

 今、H2A,H2B,イプシロン(2号機打ち上げが待たれる)は順調に打ち上げ、衛星・探査機を宇宙へ送っている。天候不順以外の延期がないオンタイム打ち上げ、飛行も順調。過去にたくさんの失敗があって、今があるのだなと本当に思う。今につながる日本のロケットの歴史を手にとれる本です。

 明後日24日には、H2Aロケット29号機が打ち上げられる予定です。ペイロードはカナダの通信衛星、商業打ち上げです。しかも、「人工衛星にやさしい」ロケットを目指して、かなり難度の高い打ち上げに挑戦します。「はやぶさ2」の打ち上げの時、第2段ロケットと「はやぶさ2」を分離しないで一度エンジンを停止し慣性飛行で地球を一周、その後第2段エンジン再点火して、「はやぶさ2」を分離、という難しい方法がとられました。今度はもっと難しいです。更なる商業打ち上げ受注を目指して、まだまだ日本のロケットは進化します!
JAXA:H-IIAロケット29号機(高度化仕様)による通信放送衛星Telstar 12 VANTAGEの打上げ時刻及び打上げ時間帯について

 ちなみにこの本は「だいち2号」、「GPM/DPR」、「はやぶさ2」打ち上げ前だったので、少し紹介している程度です。
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by halca-kaukana057 | 2015-11-22 22:58 | 本・読書

再び宇宙機小型印 今度はペンシルロケット

 以前、金星探査機「あかつき」の小型印(期間限定でイベントや記念行事、その地域に関連した図案の消印)があり、郵頼したのですが、また宇宙機の小型印が出ました。今度はこれです。
日本郵便:小型印:ペンシルロケット60周年記念★2015宇宙切手部会展

 ペンシルロケットです!60周年記念で出たとのこと。また、会場では、宇宙関係の古い切手も貰えたそう。いいなぁ。

 郵頼して、届きました!
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 今回も「星座シリーズ」の切手を使いました。小惑星探査機「はやぶさ2」も一緒です。いいないいなこれ。貰ってまじまじと見つめています。更に、このお願いした台紙以外にも、返信用封筒にもこの小型印を押して下さいました。嬉しい。ありがとうございます。

・「あかつき」編:「あかつき」小型印
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by halca-kaukana057 | 2015-10-20 23:23 | 宇宙・天文

「はやぶさ2」は"竜宮"へ、カプセルは玉手箱

 小惑星探査機「はやぶさ2」の目的地である小惑星「1999 JU3」.これは仮符号で、JAXAは公募で名称案を募集していました。名称のルールが厳しく、既にある名前と重複しないように調べてから応募する必要もあり、いい名前が思い浮かばず、応募を諦めました…(募集していた7,8月、体調が悪くてそれどころじゃなかったのもある)。締め切り後、名称が決まるのは早くて11月ごろと聞いていたのですが、10月始めにもう決まっちゃいました!

JAXA:小惑星探査機「はやぶさ2」の目指す小惑星1999 JU3の名称決定について

「Ryugu」(りゅうぐう:竜宮)


 に決まりました。浦島太郎の昔話の竜宮城ですね。選考理由を見てみると、
 「浦島太郎」の物語で、浦島太郎が玉手箱を持ち帰るということが、「はやぶさ2」が小惑星のサンプルが入ったカプセルを持ち帰ることと重なること。
 小惑星1999 JU3は水を含む岩石があると期待されており、水を想起させる名称案であること

 初代「はやぶさ」の持ち帰ったカプセルを「玉手箱」と表現していたのを見た記憶があります(川口先生だったっけ?)。小惑星のサンプルの入った「玉手箱」。そして、水にちなんだ名前というのがとてもいいです。よく考えたなぁ。

sorae.jp:小惑星探査機「はやぶさ2」の目的地、名称は「Ryugu」に
 「Ryugu」での応募は30件。ですが、「Ryugujo」5件、「Ryuuguu」5件、「Ryuguu」1件、「Ryugujyo」1件、「Ryugujou」1件、「Ryugu-zyo」1件と似た名前も。月周回衛星「かぐや(SELENE)」の愛称募集の時も、「かぐやひめ」の案も結構あったというのを思い出しました。

 「Ryugu」から貰ってきた(…というよりもインパクタ撃ちこんで強引に取ってきた…?)玉手箱の中から、どんな発見があるか。楽しみです。まずは12月の地球スイングバイ、そして無事「Ryugu」に到着して観測を始められますように。

 ちなみに、表記はアルファベット表記だけなんでしょうか。「イトカワ」みたいにカタカナ表記はOKなのかな?
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by halca-kaukana057 | 2015-10-05 23:20 | 宇宙・天文

「こうのとり」5号機、ミッション完遂

 プレッシャーのかかる打ち上げ、ISSへの結合も難なくこなし、無事に食料や生活用品、実験器具などを運んだ日本の国際宇宙ステーション補給船「こうのとり(HTV)」5号機。ISSから分離、大気圏再突入して無事ミッションを完遂しました。
ますます頼もしくなった「こうのとり」5号機、ISSへ向かって飛行中
「こうのとり」5号機 ISS到着


 まずはISSから分離、28日の日本時間夜にISSから分離。日付変わって29日深夜に切り離し。
JAXA:宇宙ステーション・きぼう広報センター:最新情報:「こうのとり」5号機がISSから分離しました
sorae.jp:「こうのとり」5号機、ISSから分離 30日早朝に大気圏再突入へ
NHK:「こうのとり」宇宙ステーションから分離
 油井亀美也宇宙飛行士によってISSのロボットアームで把持され、分離。その後ロボットアームから切り離す際、アームに原因不明の異常が。一時作業はストップしましたが、後に再開。無事分離されました。分離のオペレーションも、NASAのCAPCOMは若田光一宇宙飛行士。いい連携でした。

 そして、30日早朝、「こうのとり」5号機は予定通りに大気圏再突入、燃え尽きました。
JAXA:宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)の大気圏への再突入完了について
JAXA:宇宙ステーション・きぼう広報センター:最新情報:「こうのとり」5号機、ミッションを完了
sorae.jp:「こうのとり」5号機、大気圏への再突入を完了 全ミッションを完遂
NHK:「こうのとり」大気圏に突入 任務終える

 海外からも注目される中、安定のオンタイム打ち上げ。ISSへの接近、キャプチャ、結合も非常にスムーズで時間が早まったほど。そして、何事もなく(ロボットアームの不具合はありましたが)ミッション完遂。非常に頼もしくなったなぁ。H2A・H2Bロケットも、「こうのとり」も。ISSになくてはならない存在になっているようで、今後も安全、安定、たくさん積める、の長所を伸ばしていって欲しいです。お疲れ様でした。

 「こうのとり」5号機がISSに係留されている間、油井さんのツイッターでは、「こうのとり」くんとISSから地球の美しい風景を眺め、「こうのとり」くんにやさしく話しかけるようなツイートがとても微笑ましかった。油井さんにとって、癒しの存在、いい「友達」だったんだろうなぁ…。お別れのツイートは、読んでて寂しくなってしまいました。「こうのとり」だけでなく、「こうのとり」5号機に搭載されて「きぼう」に取り付けられた実験機器「高エネルギー電子、ガンマ線観測装置(CALET:キャレット)」や、数々の超新星やX線天体の発見・観測を成し遂げ続けている「全天X線監視装置(MAXI:マキシ)」にも愛着を持って話しかけている。実験機器を擬人化?してツイートする日本人飛行士は油井さんが初めてだと思います。
JAXA:高エネルギー電子、ガンマ線観測装置(CALET)
JAXA:全天X線監視装置(MAXI)
 特にMAXIの大活躍っぷりは凄いです。「きぼう」は天体観測もしているんです。ISSの実験施設で唯一、宇宙空間に露出している暴露部・船外プラットフォームがあるので、こんな多様な観測装置も置けます。


 さて、次のH2Aの打ち上げは11月24日。29号機です。今回はいつもとかなり違います。載せる衛星もカナダTelesat社の通信放送衛星「Telstar 12 VANTAGE」。商業受注承りました!人工衛星の負担を極力減らし、運用期間を延ばすために、H2Aの2段目を改良しています。以前の「はやぶさ2」打ち上げでも、1段目を分離した後2段目と「はやぶさ2」がそのまま地球を1周し、2段目に再点火、再燃焼した後で「はやぶさ2」を切り離す、ということをしました。今回は更に難しく、衛星と第2段が一緒に4時間慣性飛行。地球から離れた地点(遠地点)で再点火し、静止軌道により近い位置で「静止トランスファー軌道」(静止軌道に投入するための軌道)に投入する。2段目は全部で3回に分けて燃焼させることに。商業打ち上げを更に増やすため、衛星にやさしいロケットをアピールします。うまくいって欲しいです。
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by halca-kaukana057 | 2015-09-30 22:39 | 宇宙・天文

宇宙兄弟 26

 読んだ本、漫画の感想を今日も書きます。今日はこれ。

宇宙兄弟 26
小山宙哉/講談社・モーニングKC/2015

 六太たち「ジョーカーズ」の乗ったアレスⅠロケットは無事打ち上げ成功。オリオン宇宙船の飛行も順調、月への旅が始まった。せりかと絵名もいるISSとランデヴーし、着陸船「オクトパス」とドッキング。六太は月への飛行の間、宇宙での暮らしや無重力を紹介するビデオレター「週刊六太」を始める。そして月が近づいてきた時、六太に緊急の連絡が。シャロンが自力で呼吸できなくなり、人工呼吸器をつけることになった、と…。


 ムッタ、ついに宇宙にやってきました!!喜んで大はしゃぎの「ジョーカーズ」のクルーたち。特にフィリップは超ハイテンションで大騒ぎwそんなムッタに一通のメールが。ちゃんと打ち上げを見ていたんだ…!じわっと来ました。

 徐々に地球から離れ、地球の丸みがわかる距離になるあたりも胸が熱くなります。現実では、アポロ計画以来、有人の宇宙飛行は地球周回軌道だけ。現実に、再び人類が月を目指す時が来るのか、どうなのか…と思ってしまいます。
 そんな中で始めた「週刊六太」。人類が再び月を目指す時代になっても、宇宙での暮らしや無重力では物体の動きはどうなるのか、気になるのかなと思いました。今よりは宇宙は身近になっているだろうけど、やっぱり疑問には思うだろうし、地球周回軌道と月へ向かうあたりでは違いもあるはず。いつの時代も、宇宙は不思議でいっぱい、興味津々です。

 そしていよいよ月が近づいてきたところで、シャロンに異変が。ついに自力で呼吸が出来ない、人工呼吸器をつけることになった。その手術の日は、「ジョーカーズ」が月に着陸する日。その着陸で起こったトラブル。手術中、シャロンの希望で着陸の中継をBGMとして流している。夢の中のシャロンが"見た"ムッタの姿が印象的。緊急事態にビンスさんたちNASAも焦りを隠せない…。そんな中、ムッタがとった行動がすごい。手に汗握るシーンでした。本当にムッタはやってくれます。

 月面での第一歩…日々人の大ジャンプを思い出しますが、ムッタはどう来る…こう来たか!!wムッタ父のコメントが的確過ぎて笑えますwそして26巻でも、ムッタ父からのメッセージがいい。本当にムッタ父はかっこいいと思えました。

 27巻の予告が最後に書いてあるのですが…27巻、今度は何が起きるんだ…?とても心配です…。

・25巻感想:宇宙兄弟 25
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by halca-kaukana057 | 2015-09-19 22:43 | 本・読書

イプシロン、宇宙に飛びたつ

 2年前、2013年の今日、JAXAの新型固体ロケット「イプシロン」初号機が打ち上げられました。もう2年も前のことなのか…と驚いています。ということで、イプシロンロケットに関する本を。
 ちなみに、2007年には、月周回衛星「かぐや(SELENE)」も打ち上げられました。


イプシロン、宇宙に飛びたつ
森田泰弘/宝島社/2015

 「イプシロン」プロジェクトマネージャの森田先生自らによる、イプシロン開発とこれからのドキュメント、ノンフィクションです。
 「サンダーバード」に憧れ、アポロ11号の月面着陸などで宇宙に夢を抱き、宇宙開発の道に進んだ森田先生。大学・大学院生の頃、東大宇宙航空研究所(のちのISAS・宇宙科学研究所)で「ハレー彗星探査計画」が進んでいた。当時の日本の固体ロケットはM-3SⅡ型。固体ロケットで惑星探査をすることに興味を持ち、宇宙研へ。そして、当時大学院博士課程3年だった「はやぶさ」プロジェクトマネージャの川口淳一郎先生に誘われ、森田先生はロケットの誘導制御を担当する。
 しかし、森田先生の研究者としての道はロケットのようにまっすぐではなかった。博士課程を修了したが当時の宇宙研には助手のポストがない。その頃カナダからやって来たビノッド・J・モディ教授から声をかけられ、カナダでロボットアームの研究員をすることになる。その後宇宙研に戻り、M-Vロケットの開発へ。1997年、M-Vロケット初号機は無事打ち上げに成功(この時のペイロードが電波天文衛星「はるか(MUSES-B)」)。M-Vは改良と打ち上げを重ねるが、2000年の4号機、「ASTRO-E」打ち上げは失敗してしまう。失敗を教訓に、挑んだ2003年打ち上げの5号機…小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」の打ち上げは成功。その後、宇宙研は宇宙・航空関係機関が統合し、JAXA・宇宙航空研究開発機構に。そこで森田先生はM-Vのプロジェクトマネージャになり、ISASだけでない、旧NASDAのスタッフとも一緒にM-Vを打ち上げることになる。そして、2006年、7号機で「ひので(SOLAR-B)」を打ち上げ、M-Vは廃止になってしまう…。

 M-Vがなくなり、新しい個体ロケットの構想を考える森田先生。コストを抑えて、もっとシンプルなロケットを。これがイプシロンロケットに繋がってゆく。逆境でこそ挑戦し、力を発揮する新しい個体ロケット開発チームの人々が頼もしい。イプシロンが形になってゆくにつれて、チームも大きくなる。この本では、チームの様々なエンジニアや研究者が登場する。彼らを信頼し、いい関係を築いている森田先生のお人柄がうかがえる。

 この本を読んでいると、本当にイプシロンは夢のようなロケットだと思う。プラモデルのようにシンプルで、人工知能を持ち成長することが出来る。新しい固体燃料の作り方も自転車のパンクしないタイヤからヒントを得たり、フェアリングも工業用のシリコンフォームを使うなど、身近なものからヒントを貰う。手作りのような雰囲気なのに最先端。イプシロンが更に面白い、興味深いロケットに感じられました。

 射場のある内之浦の人々との交流も心温まる。宇宙への敷居を下げるだけではない、多くの人に支えられ、見守られ、応援される「みんなのロケット」なのだなと感じた。

 現在イプシロンは、「ジオスペース探査衛星」(ERG)を打ち上げる2号機を開発中。この「ERG」を打ち上げるには、初号機の能力では足りない。そこで、強化型イプシロンを開発することに。2016年度に打ち上げの予定。さらに、2018年、5号機では月面着陸機「SLIM」を打ち上げ予定。初号機から間があいてしまっていますが、パワーアップしたイプシロンの活躍を楽しみに待つことにします。
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by halca-kaukana057 | 2015-09-14 21:56 | 本・読書

待ってましたアサイン 金井さんフライト決定!

 国際宇宙ステーション(ISS)では油井亀美也宇宙飛行士が長期滞在、活躍中ですが、日本人宇宙飛行士に関して嬉しい報せが。

JAXA:JAXA 金井宣茂宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在搭乗員の任命決定について
ファン!ファン!JAXA:金井宇宙飛行士のISS長期滞在が決定!

sorae.jp:金井宣茂宇宙飛行士、国際宇宙ステーションへの長期滞在が決定 2017年に出発
NHK:金井飛行士が宇宙へ抱負 「夢への一歩」

 油井さん、来年のISS長期滞在が決定している大西卓哉宇宙飛行士と同期の金井宣茂宇宙飛行士のアサインが決定しました!!第54次/55次、再来年、2017年11月ごろの打ち上げとのこと。おめでとうございます!!油井さん、大西さんと同期の5期生ではありますが、2人に遅れて宇宙飛行士に選ばれ、訓練も半年遅れのスタート。それでも3人一緒にASCAN(宇宙飛行士候補者)訓練に合格、修了。その後、アサインを待ちながら訓練を続けていました。日本が今後ISS計画やその先の有人宇宙飛行にどう参加するのか不透明なまま、金井さんがそれに巻き込まれてフライトできないなんてことがあったらどうしよう…と内心思っていました。なので、このアサインの報せはとても嬉しいです。本当によかった!

 金井さんは先日、フロリダの海底にある訓練施設でのNEEMO訓練に参加していました。その時のレポートがありました。
マイナビニュース:海底から火星を見据えて - JAXAの金井宣茂 宇宙飛行士が語った宇宙へのリハーサル
 火星での探査を想定して、地上との交信も10分のタイムラグが。タイムラグがある交信は大変だなぁと思っていたら、「10分のタイムラグでストレスがかかると同時に、知的好奇心が刺激されてさまざまなアイデアを仲間うちで話ながら進めています」とのこと。タイムラグを有効活用…宇宙飛行士の考え方・視点は違うなぁと感心しました。
 その一方で、訓練の始めの頃はクルーのチームワークも合わず失敗ばかり、相手の嫌な面を見ていたとの吐露も。後に、相手のよい面も見えてチームワークもよくなった、と。宇宙飛行士もやっぱり人間。すぐに誰とでも仲良くなって、チームワークよく作業できるわけでもないのか、と逆に興味深く感じました。

 先日NHKで放送されたドキュメンタリー「宇宙飛行士になりたかった」でも、金井さんは宇宙飛行士の訓練の難しさを語っていました。ロボットアームで「こうのとり」をキャプチャするシュミレーションでもなかなかうまくいかない。ご自身をネガティヴとも語っていたのには驚きました。難しいけれども、ひとつひとつ積み重ねていく。以前読んだ本でどんなに優秀な宇宙飛行士も、最初からそうだったわけじゃない。訓練を重ねて、人間として、宇宙飛行士として成長していけるかが大事なんだ、と。金井さんもそんな宇宙飛行士になってほしいなぁと思います。
NHKドキュメンタリー:宇宙飛行士になりたかった~夢への挑戦から6年~

 油井さんのツイッターや、大西さんのGoogle+でも色々と語られていますが、宇宙飛行士の皆さんが訓練の中で苦手なこと、うまくいかなかったこと、失敗したこともどんどん話してほしいなと思います。金井さんのSNSは現在検討中とのこと。楽しみにしています。
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by halca-kaukana057 | 2015-08-27 22:07 | 宇宙・天文


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