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天体と時間の歩調を合わせて うるう秒

 一昨日7月1日、「うるう秒」が挿入されました。日本時間9時(グリニッジ標準時では午前0時)前に、「8時59分60秒」と、1秒追加される。

 そもそも、「うるう秒」って何ぞや?

アストロアーツ:来月1日午前9時、3年半ぶりのうるう秒挿入
国立天文台:質問4-3) 「うるう秒」ってなに?

 1日の長さの基準は、地球の公転・自転。そこから、時間、さらに細かく分、秒も生まれた。地球の自転・公転などの天文運行に基づいた時刻系を「世界時」と呼んでいます。
 しかし、時代と技術は進歩して、原子時計で正確な時間を計れるようになると、ずれがあることがわかった。地球の自転の速さは、いつも一定ではなかったのだ。時間が進む速度の基準としてセシウム原子の振動を用い、この原子時計に基づいて1秒の長さを正確に刻むのが「協定世界時」。
 地球の自転は、潮汐による摩擦で、徐々に遅くなっている。地球の自転が基準の「世界時」は、原子時計による「協定世界時」よりも遅れている。この遅れをそのままにしておくと、外は朝なのに、時計は夜…ということになってしまう。そこで、「協定世界時」を1秒遅らせ、「世界時」に合わせるのが「うるう秒」。

 上記2サイトを参考に、噛み砕いてみました。なるほど、勉強になりました。私たちの生活は、天体(地球)の運行・自転が基準になっている。宇宙を身近に感じます。

 ということで、一昨日、うるう秒を確かめよう!と思っていたのですが…見事に聞き逃してしまいました。117時報だと、「ピッ」というあの音がひとつ多いらしい。携帯の時計も確認してみようと思ったのに…。残念。今度のうるう秒はいつかはわかりませんが、今度は自分の眼と耳で確認する!

 そんな私は、その瞬間を捉えた動画で確認しています。
2012年7月1日 うるう秒挿入_速報版 - NICT

 独立行政法人情報通信研究機構(NICT)の時計で、「9:59:60」を確認できました。

うるう秒ダイジェスト - 117時報編・コンピューター編 - 2012/07/01

 時報とコンピュータの様子。時報の「ピッ」がひとつ多い!
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by halca-kaukana057 | 2012-07-02 21:44 | 宇宙・天文

宇宙兄弟 16

 発売してからもう1ヶ月経とうとしている…。「宇宙兄弟」16巻です。だから単行本が出るペースが(以下略。いい加減慣れなさい

 ちなみに、帯にも書いてありますが、4月からアニメ化されるとのこと。制作会社、放送局などの詳細は未発表です。民放深夜枠だったら、ほぼ確実に観られません…(NHKで頼む!)。5月は映画。「宇宙兄弟」祭りが来るのか?ちなみに、映画は今のところ観に行く気はありません。この作品を実写化するイメージが、私にはありません。

 …ぶつくさ言ってないで本題行きましょう。

宇宙兄弟 16
小山宙哉/講談社・モーニングKC/2011

 月面でのミッションを想定した訓練をするため、海底にある訓練施設「アクエリアス」でのNEEMO訓練に挑む六太・ケンジ・新田。六太とケンジは同じ班で、先輩宇宙飛行士のジョージ・ラブとアンディ・タイラーと組んで訓練をすることに。これまでのASCAN訓練などでのことで、六太の名と噂は先輩宇宙飛行士たちにも知れ渡っていた。そんな中で訓練することに、不安を感じる六太だった…。
 訓練の内容は、月面基地と周辺設備のモデルを船外に作ること。アイディアはグループの4人のうちの2人の新人が考える。これまで通り、ケンジと協力してアイディアを出していった六太だが、コマンダー役のラブがひとつの事実を2人に告げる。2人のうち、月へ行けるのは1人だけ、だと…。


 15巻は日々人でしたが、16巻はムッタです。始まりましたNEEMO訓練。宇宙飛行士にとって、このNEEMO訓練は重要な訓練のひとつです(全員が必ずしもやるわけではないですが)。何と言っても、海底なので宇宙空間と似ている。船外活動は特に。勿論、違うところはあります。この違うところが、作品内でちょっとしたポイントになっていました。
 ちなみに、15巻が出た時、ちょうど大西卓哉宇宙飛行士がNEEMO訓練に入ったのですが…ハリケーンのため中止。残念無念…。

 さて、親友ケンジとともにアクエリアスに乗り込んだムッタ。最初はいつもの調子だったが、この訓練の真実「新人2人のうち、月に行けるのはどちらか1人だけ」という事実を知って…動揺しないわけがない。ムッタにとっても、ケンジにとっても、選抜試験も一緒に乗り越えてきた、親友であり助け合え信頼できるパートナー。それなのに、この訓練では2人が争わないとならない。酷だ…!事実を知って、苦労をかけてきた妻と子どもを想うケンジ。慣れないアメリカでの生活、妻のひとりでの苦労、娘・風佳は出張・長期訓練ばかりのケンジが家にいないことを寂しがっている。その一方で、2人はケンジが宇宙へ、月へ行くことを一番に応援してくれている。その気持ちに応えなければ…。その後のケンジの変わり様が、切ない。大切な人がいるからがんばれる、風佳の言葉で言うと「ムリできる」。辛い、冷酷な「ムリ」に。

 一方のムッタ。ムッタも、シャロン博士の月面天文望遠鏡計画のため、弟・日々人と一緒に月に行くため…と考える。が、やっぱりムッタはムッタだった。場の流れでアンディに相談したムッタ。なかなかミッションのアサインを貰えず、悩んでいたアンディがたどり着いた答えにムッタは大事なことを思い出した。そしてムッタもこう考え行動する…「先のことを考えるのをやめた」「今この訓練をどうやったら最高のものにできるか」。思えば、選抜試験で挑んだ閉鎖環境試験でもそうだった。誰が選ばれるのか、自分をよく見せるには、邪魔な人を蹴落とすには…ではなく、今目の前にある課題に、皆で取り組む。それが、結果に繋がっていった。

 結果や、この先どうなるのかを考えると止まらない。考えずにはいられない。でも、考えは、アンディが悩んでいた時のような「妄想」へと変化してゆく。それに囚われて、行動できなくなる。そうなってしまったら意味がない。行動しなければ、何も始まらないのだから。
 アンディも、ムッタも、どうしたら自分が選ばれるのか、結果はどうなるのか、「考える」のをやめて今やることに集中した。これは、宇宙飛行士でなくてもとても大事なことだと思う。結果だけ考えて、恐がって行動しない自分にとって、目の前の霧を吹き飛ばしてくれるような言葉だ。大事なのは、今この時。今やっていることをこなしていく。それを続ければ、結果はついて来るのかもしれない。ああ、結果のことは考えない!

 その後の2人は、これまで以上に信頼し合えるパートナーになっている。本当に、ムッタとケンジで月に行けたら最高のミッションになるんじゃないかと思うのに…。事実を知って、信頼関係はますます強くなった。あれ、これじゃビンスさんやラブさんの思惑通り…?

 一方、ロシアからヒューストンに戻され、パニック障害のことがバレてしまった日々人。でもめげません。ローリーと医師を巻き込んで、こっそり”ロシア式訓練”を再開。ローリーが「あのタフなヒビトからはとても想像できない」と言っていたが、いや、日々人はタフだ。きっと大丈夫。

・15巻感想:宇宙兄弟 15
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by halca-kaukana057 | 2012-01-19 23:00 | 本・読書

皆さん、星好きですか~!

 数日前に書いたとおり、仕事でも家でもゴタゴタ混乱中で、落ち着かず、心がささくれがちな毎日です。今日も祝日…?仕事でした。昨晩は疲れて身体はだるくぐったり。ということばかりでもないのですが(近日中に記事書きます)、心に潤いが欲しいなぁ。どっちに行っても余裕が無い職場と家だけを行き来するだけな毎日は辛いなぁ…とため息をつきつつ、仕事をしてました。

 そんな今日、天文仲間さんが観望会をやる、との連絡が。昨晩から連絡がまわっていたのですが、PCのメールを見ていなかったので知らず。明日も朝早くから仕事だから早く帰って寝たい、疲れてるからちょっと億劫…と思いましたが、せっかく企画が出たのだし、このまま家に帰ってもつまらない。仕事が終わった後、観望会に行って来ました。

 天気も晴れ。上弦の月と木星が見頃なので、それをメインに望遠鏡で観たり、見えている一等星や星座の話をしたり。道行く人に声をかけると、観たい観たい!と興味津々でやってくる人、ちょっと遠慮しがちだけど来る人。月のクレーター。夏の大三角、はくちょう座のアルビレオ。木星の縞模様とガリレオ衛星。観ている人たちの「すごい!」「本当だ、見える!」などの驚きや歓喜の反応が楽しく、またとても嬉しいです。解説にも力が入ります(入りすぎて熱弁しすぎると、引かれるので加減しますw本当に注意しないとw)。

 観望会の途中、国際宇宙ステーション(ISS)の可視パスが。ちょうど解説中だった若いカップル相手にISSとISS滞在中の古川聡宇宙飛行士の話をして、観ます。ISSを観るのは勿論初めてという2人。明るく光る点が飛んでゆく様を、彼女はへぇ~と感嘆の声をあげて、一方彼氏は黙ってISSが見えなくなるまでずっとじっと見つめていました。ISSを観望会で観ることを一度やりたかったのですが、ようやく実現できました。しかも古川さん、日本人宇宙飛行士が滞在中だと親近感も沸きやすいので、古川さんが帰還前に実現できてよかったです(今月末、古川さんはISS長期滞在を終えて帰還します)。2人が今度ISSや古川さん、そのほか宇宙の話やニュースを目にした時に、今日のことを思いだしてくれたら嬉しいなと感じました。

 観望会の最中、様々な質問や疑問もいただきました。望遠鏡の仕組みから、「夏の大三角」なのに秋も見えるのは何故?など。ひとつひとつ答えるためには、勉強し続けることが大事だと実感。私自身、星空案内のベテランの方の解説を一緒に聞いて勉強もしたり。更に、ご年配の方だと、何十年も前のネオンのない暗い空の満天の星空の話をされたり、子どもが小さい時に一緒に観たとか、子どもや家族が天文部・科学部に入っていて活動していた、などのお話を聞くこともありました。解説側の私が説明する、質問に答えるのも大事だけど、その方の星にまつわる体験や思い出話、宇宙天文への想いを聞く・受け止めるのもとても大事だなと感じました。観望会でのお話は、一方通行ではないんだ。

 そして何よりも、誰かと好奇心や面白いと思う気持ちを分かち合って星を観ることの楽しさも、久しぶりに実感しました。ひとりで星を観ても楽しいけど、誰かと観るともっと楽しい。観望会は楽しいです。もし皆さんのお近くで星空観望会があったら、お気軽に参加してみてくださいね。そしてどんな疑問質問でも、受け止めます。そして観望会に参加されたら、また星空を眺めてみてくださいね。宇宙は、いつも頭の上に広がっています。

 ささくれてガサガサだった心も潤いました。これで、明日、土日の仕事も、家のごたごたも乗り越えられます!星分補給しました!

 ちなみに、タイトルは天文部漫画「宙のまにまに」の美星のセリフです。皆さん!星好きですか~!!

・以前の関連記事:皆で観る宙のたのしみ
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by halca-kaukana057 | 2011-11-03 23:02 | 宇宙・天文

青い星まで飛んでいけ

 以前小川一水さんのSF小説「妙なる技の乙女たち」を読んだのですが、もう一冊小川さんの作品を読みたいと思っていました。それがこれです。
妙なる技の乙女たち

 まず、帯に
「はやぶさ」も目指した 未知との遭遇
宇宙大航海時代が見える

との言葉が。小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトマネージャー・川口淳一郎先生による推薦文です。これに思わず反応してしまったのは、言うまでもありません…w

青い星まで飛んでいけ
小川一水/早川書房・ハヤカワ文庫JA/2011

 収録されているのは、時代も場所(星)も人物も全て異なる6つの短編。タイトルと、帯の言葉で宇宙SFかと思ったら、これもSF?と思ってしまうような物語も。彗星で人類が暮らしている未来、その彗星都市での生活に物足りなさと閉塞感を抱いている少女・サエは、ある日彗星都市の機能を守っている場に迷い込み、不思議な少年と出会う。その少年との出会いが、サエを広い世界・宇宙へ出ようとする強い思いに繋がってゆく「彗星都市のサエ」。準惑星ケレスで、人造人間として暮らしているトレントが、小惑星で未知の生命体と出会い、コンタクトする「静寂に満ちていく潮」。遠い遠い未来、人間が地球外生命体とコンタクトすることを目指して造られ、広い宇宙を旅する知能を持つ宇宙船・エクスの大宇宙航海記「青い星まで飛んでいけ」。この3作品のように宇宙が舞台のSFもあるのですが、「グラスハートが割れないように」は、祈りの力で増えるという食用苔を信じる恋人と、科学的根拠があって増えているものであって祈りの力ではないと調べた主人公の、それぞれの想いとすれ違いを描いているし、「占職術師の希望」は他者の”天職”が見えるという不思議な力を持った主人公と、彼の言葉で”天職”に就き活躍している女性が、ある事件に巻き込まれるうちに、職業について考えるというSFとはかけ離れた物語もある。電脳都市で生きる少年が、ある少女に出会い、その少女の頼みを聞いているうちに都市のことについて知ってゆく「守るべき肌」は、冒険ファンタジーライトノベル風(でも終盤、SF方向にも進む)。多種多様な物語が面白くて、夢中になって読みました。

 全て異なるストーリーの物語ですが、共通しているのは、新しい何かに出会うこと。宇宙SFの意味でのファーストコンタクトもある。恋愛としての出会いもある。異なる考え方・価値観との出会いもある。今まで体験しなかったものに出会い、彼らはどう行動するのか。何を思うのか。初めての何かに出会う時、ワクワクも感じるし、不安も感じる。「彗星都市のサエ」のサエは、ワクワクの方向へ。表題作のエクスは不安と恐怖の方向へ。でも、出会ってしまったからには向き合わなければならない。「グラスハート~」で、主人公とその彼女は”グラスハート”の中の食用苔を巡って、すれ違ってしまう。その奥底には、相手への心配・愛情もある。でも、”グラスハート”が妨げのようになっている。その妨げ・壁をどう2人は乗り越える…壁を壊すのか。爽やかなエンディングでした。「守るべき肌」の主人公・タウヤと、出会った不思議な少女・ツルギや、「静寂に~」のトレントと未知の生命体も、全く異なる存在であるのに心を通わし、一緒にいよう、お互いを守ろうとする。新しい何かに出会い、それまで「ここまでが自分の世界」と思っていた領域が広がる。その領域は、他者であることもあるし、土地・宇宙・星である時もある。

 私は、「青い星~」のエクスのように、不安や怖さを抱いて新しい何かに接することが少なくない。「彗星都市のサエ」のサエのように、面白そう!と飛び込んでいくこともあるけど、飛び込んでみて、最初のワクワクが不安や怖さに変わってしまうことも多い。エクスも、不安や恐怖を抱いていても、それを抱きつつ、ファーストコンタクトを続けようとする。私も、そうなのかなと感じました。不安や怖さを感じていても、まだ知らない、会ったことのない何かに出会いたい。その出会いにより自分の領域が広がってゆくことが、成長というならば、それを受け入れたい。

 「占職術師の希望」は、この中では異色ですが、考えさせられる内容です。
「人は、職を持つ以前に、まず人間なんじゃないの?」(252ページ)

 主人公が”天職”を見出し、活躍している女性・寛奈が言った言葉です。確かに…。仕事について悩むことが多い私にとって、自分への問いかけでもあるように感じました。

 SFとしても面白いですし、短編集としても面白いです。
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by halca-kaukana057 | 2011-09-30 22:44 | 本・読書

宇宙と地球の間のグラデーション 「宇宙の渚」

 昨日のNHK・BSプレミアムと総合で放送された「宇宙の渚」。観ました。うん、面白かったです。

 目玉は何と言っても、国際宇宙ステーション(ISS)からの生中継。ISS滞在中の古川聡宇宙飛行士が、NHKの宇宙用超高感度ハイビジョンカメラで、これまで撮影できなかったISSから観たオーロラや雷、流星を撮影。(今回の生中継では、マイケル・フォッサム司令官も少しですが登場。古川さんを撮影する役。日本のテレビ中継のために、協力ありがとうございます!)宇宙飛行士しか観ることができなかった現象を、地上の、家の、お茶の間で観られる…凄い時代になったものです。

 これらの現象は、勿論自然現象。そう簡単に撮影できるものではない。まして、生中継で撮影するなんて…と思っていたら、次々と撮影成功。なかなか観られないオーロラまで!いつかフィンランドに行って、オーロラを観るのが夢のひとつであるのですが、宇宙からのオーロラも美しいなぁ。途中、野口聡一宇宙飛行士が、インタビューで「オーロラの中を突き抜けて飛行する…」と言っていましたが、想像しただけで物凄い光景です。いいなぁ。オーロラを突き抜ける中継はさすがに出来ませんでしたが、リアルタイムでISSから見えるオーロラを観たのは素晴らしい。中継のたびに、テレビの前で凄い!きれい!と声をあげていましたw

 興味深かったのは、「大気光」。雲のように見えますが、雲ではない。昼間、太陽からの紫外線がエネルギーとなり、蓄積され、大気が化学反応を起こしやすい状態になっています。夜、その大気中の分子や原子は元の安定な状態に戻ろうとする時に光を発する。これが雲が波打っているように見えるけれども、雲ではなく大気が光っている。これが「大気光」。これまで、この現象を知らずにいたので、大気が光るのがとても不思議に感じました。これはISSからだけでなく、地上からも観測することが出来ます。ただし、周りに光がない暗い夜空でないと観測できない。

 大気光だけでなく、雷から上方に向けて発光する「スプライト」も興味深い現象でした。生中継では撮影できませんでしたが、これまで古川さんが撮影した映像の中に、いくつも写っていました。雷が光ると、その上方にバシュ!っと赤い閃光が。これまで謎の閃光と呼ばれてきましたが、飛行機からも観測し、研究が進んでいます。地上とISSの両方から、空…”宇宙の渚”の不思議な現象に迫る。この空・宙には、まだまだ不思議なことがたくさんあるのだなと感じました。

 ISSから観た流星も凄かった。流星と言うと、落ちてくるもの、降り注ぐものというイメージがある。それが、宇宙に行くと”地球に吸い込まれていくようなもの”となってしまう。観る場所が異なると、見方も異なる。これまで観ていた自然現象・天文現象が、更に面白く感じました。

 ちなみに、番組のタイトルとなっている「宇宙の渚」。この呼び名が気に入りました。宇宙漫画「プラネテス」(幸村誠:作)で、デブリ回収業者の主人公・ハチマキとともに仕事をするロシア人・ユーリが、ハチマキの弟・九太郎に宇宙と地球の境目について話をするシーンがあるのですが、そこでユーリは自身の宇宙での仕事の経験から、境目がないんだよね…と話す。宇宙は上空80~100kmぐらいから、と言われていますが、はっきりとした境目があるわけではない。グラデーションのように、だんだん宇宙へ向かっていく。宇宙と地球は、大気の層で分かれていて、宇宙での現象は地上にはあまり関係のないようにも思えますが、流星も、オーロラも、スプライトもそのグラデーションの間で起こっている。また、宇宙から降り注ぐ塵や隕石が流星となり、太陽からの紫外線で大気光が起こり、その他にも宇宙での現象が地球にも関係してい様々な現象がある。この地上と、宇宙は繋がっている。そう実感しました。「空の上に、広い世界が広がっている…」番組での、古川さんの言葉が印象的でした。

 個人的には、以前から考えていた「境界」「境界線」に、新たな視点が加わりました。
境界の外へ出ること、内にいること

 twitterのTLでも、普段から宇宙に興味を持っている人も持っていない人も楽しんでいて、宇宙に親しめる番組としていいなと思いました。古川さん、素晴らしい撮影をありがとうございました!

 また、番組ではJAXAの大気球に宇宙用ハイビジョンカメラを取り付けて、高度35kmまで上昇。徐々に宇宙に近づいてゆくのを撮影しようというプロジェクトも行われ、撮影に成功しました。映像は途中早送りで再生されたのが残念。ゆっくりじっくりと、上昇し宇宙に近づく様を観たかったです。
JAXA:宇宙科学研究所(ISAS):大気球
JAXA:科学観測用大気球

 しかし、NHKのハイビジョンカメラにかける情熱は物凄いですね…。月探査機にまで載せちゃいましたし…。そして、来年度には「宇宙の渚」をシリーズ化させるとのこと。これも楽しみです。

 番組で放送された映像の一部は、YouTubeのNHK公式チャンネルで観られます。
YouTube:NHKオンライン

 いい番組でした。さて、明日火曜、BSプレミアム夜9時からの「コズミックフロント」は「はやぶさ」スペシャルです。90分拡大版です。こちらも楽しみです。
NHK宇宙チャンネル
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by halca-kaukana057 | 2011-09-19 22:38 | 宇宙・天文

妙なる技の乙女たち

 小川一水さんのSF小説です。小川さんの作品は、何年も前に「第六大陸」を読んだ以来です。表紙イラストが「プラネテス」(現在は「ヴィンランド・サガ」)の幸村誠さんの絵というところに惹かれて読んだのですが、とても面白かった。


妙なる技の乙女たち
小川一水/ポプラ社・ポプラ文庫/2011

 時は2050年。赤道直下、シンガポールのリンガ島は、軌道エレベーターが造られ、宇宙へ人々を運んでいた。そのため、リンガ島は宇宙開発産業が盛んになった。そのリンガ島に住み、働く女性たち。産業デザイナー、海上タクシーの艇長、保育士、軌道エレベーターの乗務員、芸術家…。彼女たちは、宇宙に近いこの島で、それぞれの仕事に邁進していた…。


 軌道エレベーター…カーボンナノチューブで作られた、地球と36000km上空の静止軌道を結ぶエレベーター。作品では、10時間で地球と静止軌道上にあるステーションを結ぶ、とあります。エレベーターと言っても、現在の普通のエレベーターのようなものとはちょっと違い、第5話によると、上空へ向かうトンネルを走る列車、のようなイメージで、この作品は描かれています。宇宙には行ってみたいけれど、ロケットの加重力(G)が大きいのは怖い、というか苦手(絶叫マシーンは大の苦手です、乗れません!)なので、軌道エレベーターやスペースプレーン(宇宙まで飛んでいける飛行機)が開発されたらいいのになぁ…といつも思っています。

 そんな軌道エレベーターのおかげで、宇宙産業が盛んになっている舞台のリンガ島。この島で、たくましく、時に挫折しても力強く、それぞれの仕事に邁進している女性たちがこの作品の主人公。各話は独立しているオムニバスストーリーですが、関係性のある作品もあります。

 私は、近未来のSFであれ、異世界のファンタジーであれ、そこで生きる人々の暮らしや仕事、生き様が描かれている作品が好きです。今の自分が生きる世界とは全く異なるフィクションでも、そこに人間が生きているなら、その環境によって異なる点はあっても今の私たちに共通する衣食住が、暮らしが、仕事があるはず。そう感じるのです。この作品でも、リンガ島や軌道上での衣食住、文化・慣習が描かれていて、興味深く読みました。

 軌道エレベーターが出来た未来のSFとはいえ、SFっぽくない物語もあります。リンガ島は宇宙産業が発達しているとはいえ、全ての人がその宇宙産業に関わっているわけではない。たまたまリンガ島に住んでいて、宇宙開発・宇宙産業とは無縁の仕事をしている人もいる。そんな立場にある人の暮らし・仕事を描いているのも興味深かった。直接宇宙にかかわりは無くても、どこかで関わりを持っている。宇宙産業が、軌道エレベーターが、リンガ島に当たり前のようにあって、人々の暮らしに根付いている。このブログで、私たちの生活の延長線上に宇宙での暮らしがあって、その線が徐々に短くなっていく、つまり身近になればいい、とよく書いていますが、リンガ島はまさにそんな場所なのだなと感じました。第7話では、更に宇宙を本当の意味での「人の土地」にしようとプロジェクトを立ち上げた女性を描いています。確かに、宇宙で暮らす、と言っても地球から全て持って行かないと暮らせない。宇宙での独自の衣食住が発達していない。宇宙と私たちの暮らしがどんどん近くなっても、地上の暮らし無しに宇宙の暮らしはない…。これには唸りました。地上とは異なる、地上とは繋がっていなくても宇宙の暮らしが独自に発達する。なるほどなと感じました。

 その第7話と、保育士さんが主人公の第4話が特に好きです。2人の主人公の考え方がとても興味深いです。

 小川一水さんのSF小説で、他にも気になっている作品があるので、夏の読書として読みます。
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by halca-kaukana057 | 2011-08-01 22:44 | 本・読書

宇宙兄弟 14

 またしても、発売日からかなり経ってしまいましたが、「宇宙兄弟」14巻です。週刊誌は単行本が出るペースが速いです…。(前にも言ったような)


宇宙兄弟 14
小山宙哉/講談社・モーニングKC/2011

 宇宙飛行士室長のバトラーに呼び出された六太。1年半後のミッションの、バックアップクルー候補に挙がったのだ。しかし、そのミッションは月ではなく、ISS.月とISSでは訓練内容は全く異なり、ISSクルーとして宇宙飛行をしても、それから月ミッションの訓練をするのは”遠回り”になってしまう。シャロンとの約束…月面望遠鏡の建設ミッションに関わることを願い、月を目標にしている六太は悩むが、バックアップクルーを辞退し、ISSでの新薬開発を目標にしているせりかを推薦する。その後、せりかがISSミッションのバックアップクルーに決定する。その一方で、六太はビンスに呼び出され、ある場所に連れてこられる。そこは、月面バギーの開発・改良をしている部署だった。六太はそこで、研修することを命じられる…。


 T-38での訓練で、宇宙飛行士として一気に成長したムッタ。そのムッタに宇宙飛行のチャンス到来!と思いきや、月ミッションではなく、ISSミッション。この作品では、ISSも運用続行中、月有人ミッションも進めているという設定。ただ宇宙に行く・宇宙飛行をするのが”宇宙飛行士”ではない。ISSや月で仕事・ミッションを遂行するのが”宇宙飛行士”。そして、この作品の設定では、ISSと月の2つの舞台がある。地球軌道上の実験室か、38万km離れた、重力が地球の6分の1の天体か。環境が違えば、訓練内容も全く異なってくる。これまで、現実の宇宙開発の舞台は大体1つだった。米ソ有人宇宙飛行レースの頃は地球軌道上、アポロ計画なら月。スペースシャトルも地球軌道上だが、ミッション内容がシャトル内での科学実験か、ISS建設かで異なってくる。ISS長期滞在だとまた異なる。
 ムッタが目指すは月。シャロンとの約束、日々人が行った月に、自分も行きたい。ここでISSを選んだら遠回りになってしまう。そこで辞退を選んだが…待っていたのは、左遷とも思える部署での研修。案内をするビンスさんの言葉が、とても重かった。優秀な教官であるビンスさんでさえ、月には行けていない…。

 ムッタの新たな仕事は、月面バギーの改良をすること。事故を起こした日々人とダミアンが乗っていたバギーを、月面のクレーターに落ちないようなものにすること。予算や、重量の制約があり、そう簡単にはいかない。でも、そこを何とかしてしまうのが、南波兄弟。ムッタが今回もやってくれました。自動車会社に勤務し、元自動車エンジニアだった経験と、その時に開発案を出したあるアイディアをフル活用。さらに、格段に進歩した月面科学探査の力も借りる。ここで、嬉しくなりました。ムッタ、本当に凄いよ。

 宇宙飛行士は、軌道上では何でもしなくてはならない。現在、ISS長期滞在中の古川聡宇宙飛行士も、元々は医師であるけれども、技術・エンジニア的なこともしなくてはならず、訓練で苦労したと仰っていました。自分のバックグラウンド、これまで専門としてきたことと、分野外のこと。これまでの専門分野はフル活用して、専門外のことも一通り習得し、活用できるようにする。宇宙飛行士の”器用さ”、”臨機応変さ”には驚くばかりです。

 一方、月から帰還し、しばらく経った日々人。月面での事故の影響が…。楽天家でいつも飄々としている日々人が、まさかこんなことを抱えてしまうなんて…。日々人自身が、それをよくわかっているのかなと感じました。だからこそ、抱え込んでしまうのか、と。そんな日々人の抱えていることを聞き、優しく認めるシャロンさん。本当にこの作品で、特に南波兄弟にとって、シャロンさんの存在は心強く、優しく包み込んでくれる存在。そのシャロンさんも、進行し続ける病気と闘っている。139話は本当に切なくなりました。今まで当たり前にあったもの、出来たことが、遠ざかってゆく。自分のものではなくなってしまう。このかなしさ。それでも、皆、何かと闘い、向き合い、前に進もうとしている。望んだ未来を見るために。

 更に、バトラー室長に月ミッションに加わりたいことを熱くアピールするために、ムッタが取ったある作戦。ムッタ、またも決めてくれました、が…。変なオチになってしまうのが、ムッタの平常運用wバトラー室長だけでなく、せりかさんへのメッセージも残念な結果に…。あーあ…w

 さて、最後のページ。再びビンスさんに呼び出されたムッタ。ムッタの今後はどうなる。そして、日々人は…。

・13巻宇宙兄弟 13


*****

 出版社も掲載雑誌も全く異なり、一緒の記事にしていいか悩んだのですが、宇宙もの漫画としてのくくりで。ご存知少年誌「ジャンプ」にて、新しい宇宙もの漫画がスタートしました。

集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト shonenjump.com:連載作品情報|『ST&RS-スターズ-』
 原作:竹内良輔、漫画:ミヨカワ将。
 現在、3話目かな?2話まで読みました。「ジャンプ」、いや、少年漫画誌自体を読むのが久々です。2035年、火星で会いましょう…という異星人からのメッセージを受け取った人類は、火星を目指して宇宙開発を続ける。時は2033年。宇宙オタクの男子中学生・真帆は、火星を目指し、宇宙学校を受験する…というあらすじです。
 結構面白いです。宇宙学校というと「ふたつのスピカ」を連想しますが、「スピカ」のものとは少し違う感じです。時代背景、目指すものも異なります。主人公・真帆は、宇宙飛行士よりも軌道工学方面に進んだ方がいいんじゃないのかとw、1話を読んで感じました。今後が楽しみです。でも、「ジャンプ」で連載は大変そうだなぁ…。月刊誌向きな内容とも感じます。
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by halca-kaukana057 | 2011-07-18 22:31 | 本・読書

いのちの絆を宇宙に求めて 喜・怒・哀・楽の宇宙日記3

 的川泰宣先生が日本惑星協会のメルマガ「TPS/Jメール」で連載しているコラムと、NPO「子ども・宇宙・未来の会(KU-MA)」のメルマガコラムをまとめた本の第3弾が出ました。3巻、待ってました!


いのちの絆を宇宙に求めて -喜・怒・哀・楽の宇宙日記3-
的川泰宣/共立出版/2010

 3巻は2008年6月(星出彰彦宇宙飛行士搭乗のSTS-124ディスカバリー・「きぼう」船内実験室をISSに取り付け)から、2010年8月…6月の小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」の帰還、ソーラーセイル実証機「IKAROS」と金星探査機「あかつき(PLANET-C)」の飛行、までが収められています。また、2008年6月に前述したNPO「子ども・宇宙・未来の会」(KU-MA)が発足。KU-MAでの宇宙教育、子どもたち・教育への想い、KU-MAでの実践活動も充実していきます。

 これまでの1・2巻に引き続き、的川先生は本当にパワフル。身体の不調を抱えていらしても、KU-MAの活動や講演会、宇宙関係の会合などで日本中、世界中を駆け回る。その行った先でも、ただ講演だけ、会合に参加だけしてくる…のではなく、その地の名物や歴史に触れる。宇宙だけじゃない、歴史や古典、スポーツなどにも興味を持って、読んだ本のことも数多く書かれています。的川先生のそのパワフルさと、旺盛な好奇心に凄いなと思うばかりです。どんな時でも、的川先生のような幅広い視点と好奇心を持っていたいと思います。

 的川先生が中心となって設立されたKU-MA。「宇宙教育」は「宇宙のことを教える」のではなく、「宇宙を通して、生きることについて考え、生きているこの地球・宇宙からの視点を養う」こと。それを具体的に実践するために、KU-MAの会員の方々が全国各地で「宇宙の学校」というものを開いています。これも、宇宙や科学にちなんだ実験や工作をしながら、子どもたち同士、子どもと親、地域の人々を結びつけたり、身近に様々な不思議があることに気づいたり…といった役目も負っています。KU-MAの活動について読んでいて、幅広い教養と好奇心をお持ちの的川先生だからこそできることなのだろうな、と感じました。KU-MA発足の際に的川先生が作った詩には、宇宙に生きる私たち、そして未来を生きる子どもたちへの願い、希望が託されています。

 この本では、「はやぶさ」のことも多く出てきます。2008年6月からなので、地球帰還を目指して飛行・運用していた期間が書かれています。この本でも、「はやぶさ」の軌跡をたどることが出来ます。的川先生の他の著書の感想でも書きましたが、的川先生は運用チームと、記者達メディアと、一般市民の一番近くにいてそれらを繋いでいた存在。的川先生の立場から描かれる「はやぶさ」の軌跡は、今後も語られていって欲しいなと思います。

 3巻はこれまでの1・2巻以上にボリュームがありました。いつもメルマガを読んではいましたが、本で改めて読むと、気が付かなかったところや読み飛ばしていたところもあり、やっぱり本で手に取って読むのはいいなと感じています。第4巻も楽しみです。


【過去記事】
轟きは夢をのせて 喜・怒・哀・楽の宇宙日記
人類の星の時間を見つめて 喜・恕・哀・楽の宇宙日記2
 1・2巻も是非どうぞ。
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by halca-kaukana057 | 2011-05-08 22:12 | 本・読書

温め続けて、諦めないで

 4月からBSプレミアムで放送が始まった「コズミックフロント」。タイトルの「コズミックフロント」とは、「宇宙研究の最前線」という意味。まだまだ謎だらけの宇宙・天文学に挑む世界中の研究者を訪ね、その研究の最前線に迫り、おぼろげながら見えてきた宇宙の姿に迫る番組です。私にとって、たまらない番組です。しかし、我が家にはBSのパラボラアンテナがありません…orz でも、この「コズミックフロント」は、「NHKオンデマンド」でも配信しているので、それで観ています。本当は大画面のハイビジョンテレビで観たい、いや、大スクリーンで観たいのですが、PCで観られるだけでもありがたい、嬉しいです。

NHK宇宙チャンネル:コズミック フロント
 この春から、NHKは「宇宙チャンネル」なるサイトを作りました。「コズミックフロント」の放送内容の他、宇宙・天文・宇宙開発を楽しめるサイトです。NHKの本気発動です…!

 その第1回は、ハッブル宇宙望遠鏡と、その観測からわかったことがテーマ。宇宙の「泡構造」と「ダークマター」。興味も疑問も尽きません。広い広い宇宙空間で、銀河が集まっている部分と、何もない部分。ダークマターも銀河が集まっている部分にある。では、その何もない部分は、何故何もないのか。他の何らかの物質があって、銀河が存在できないのか。第一、何故「泡構造」になるのか。他の構造にならなかった理由は何か…。天文学の面白さは、ひとつのことがわかっても、それがまた別の謎を導き、謎解きに終わりがないところ。「わからない」ことがあるから、面白い。

 その番組の中で登場した、泡構造の研究をしてきたアメリカの天文学者・ニック・スコビル教授。そのスコビル教授が、こんなことを言っていました。
それまで誤って考えられてきたこと、解明されていないことに好奇心を持つこと。取り組んだ研究を粘り強く続けること。心の中に留めておくと再び取り組んでみようと思う時が来る。その時、それまで蓄えてきた知識が役に立つ。

 大体こんな内容です。これが、天文学を研究する上で大事なことなのだそう。確かにその通りだと思いました。疑問と好奇心を持ち続け、一度研究に取り組んだら、長い時間がかかったり途中で止まったり、挫折しても諦めないこと。中断することがあっても、心の中で持ち続けていること。きっといつか、また取り組む日が来るから。相手は大宇宙。長い目で取り組む決意・覚悟(それも楽しむぐらいの)が必要だなと感じました。

 このスコビル教授の言葉が、天文学だけではなくピアノでも通じるなと感じました。誰かは解明しているかも知れないけど、自分で楽譜を読んで、そこに書かれてあることに好奇心を持つ。取り組んだ作品を粘り強く練習する。一度諦めたり、放置したり、中断することがあっても、心の中に留めておく。また、取り組む日が来る。その時まで、学び続けること、他の作品でも練習を続けることを怠らない。

 今、私はまさにそんな状態にあると思います。なかなか親しくなれない作品でも、少しずつ演奏のコツや弾きどころ・聴かせどころ・魅せどころをつかんできています。長い時間がかかるのは、これまで自分が取り組んでこなかったことだから。その先へ進むため、新たなピアノ・音楽の楽しみを見つけるために、粘り強く練習を続ける。どんなにゆっくりでも。

 昨年はまるまるブランクになりましたが、そのブランクは決して空白ではなかったなと思っています。見えていない、表に出ていないけれどもそこにあるかもしれないダークマターのようなものが、あるのかもしれません。

 そんな気持ちで、最近ピアノに向かっています。


 カテゴリは多岐に渡る内容なので「日常/考えたこと」にしました。タグでそれぞれのものを付けます。
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by halca-kaukana057 | 2011-04-21 21:47 | 日常/考えたこと

宇宙兄弟 13

 ようやく感想書きます。「宇宙兄弟」13巻です。


宇宙兄弟 13
小山宙哉/講談社・モーニングKC/2011

 せりかの父と同じ難病に罹っていることが判明したシャロン。病気は確実に進行していたが、それでもシャロンは月面望遠鏡建設計画に向けて動き出す。その姿に、六太は「誰よりも早く月に行く」と宣言する。一方、せりかも自分の父を、そしてシャロンをも苦しめることになるこの病気に効く薬をISSで開発してみせると宣言していた。
 シャロンのことが気になって訓練や勉強に集中できずにいた六太だが、シャロンの力強い言葉と姿勢に刺激を受け、追試もクリア。その追試を受けた直後、六太は廊下で物凄いスピードで走る車椅子と衝突。その車椅子に乗っていたのは、日々人の搭乗したロケットの打ち上げの時に出会った男・デニール・ヤングだった。しかも、このデニールが、T-38練習機での六太の教官になる、と…。


 12巻の終盤、シャロンがせりかの父と同じ病気に罹っていることが判明。ショックな内容でした。しかし、それでも前を向いているシャロン。いつも南波兄弟を励まし、見守り、導いてくれた。子どもの頃、シャロンがムッタに教えた言葉「It's a piece of cake.」.ムッタは最初はこの言葉を全然違う意味で覚えていたのですが、後に本当の意味を知る。それがまた、ムッタに力を与えることとなりました。私もこの言葉は初めて知りました。ムッタと同じように、ネガティヴな意味なのかなと思っていましたが、実際の意味にはなるほどと思いました。ちょっとカッコよく決めたい時に使いたい表現です。この言葉を言うムッタもカッコイイです。

 さて、そのムッタが、いよいよT-38練習機での飛行訓練に。宇宙飛行士候補者にとって、宇宙飛行士になるために必須の訓練です。めまぐるしく状況が変化するジェット機での飛行訓練は、宇宙・宇宙機内でのミッションに繋がっている。機体の窓に目隠しをして景色が一切見えないようにし、計器のデータだけを元に操縦する訓練もある。かなりハードな訓練ですが、デニール(ヤンじい)の訓練はそれ以上に非常にハード。通常の機体よりもスピードが出るようにエンジンは改造してあるし、アクロバット飛行までしてしまう。さらに、その飛行訓練中に関係のないアメリカンジョークやクイズを言ってくる。いくつものことを同時に行うことが得意…”マルチタスク”の能力に長けているムッタも、さすがにヤンじいには参った。しかし、その背中を押していたのはやはりシャロンの存在。さらに、ヤンじいも見た目はジョークばかり言っているノリのいいおじさんですが、これまでのパイロット・教官人生の中で様々なことを経験してきた。教官として宇宙飛行士のたまごたちを育て、送り出してきた。その間には、かなしい出来事もあった。だからこそ、ヤンじいなりのやり方で、ムッタに全力でぶつかっていく。ムッタを宇宙飛行士に育てるために。ムッタとヤンじいの信頼関係が徐々に深まっていく部分に、惹き込まれました。

 一方、日々人は日本に一時帰国。日本は日々人の日本人初月面着陸で大変なことになっていました。さすがの日々人も唖然…なのには笑いました。日々人の内面が更に深まった感じです。更に、月では紫さんが…。紫さんもついにフライトできたんだ、よかった!と思う一方で、紫さん節の平常運用に爆笑でした。

 ヤンじいの怒涛の訓練も「It's a piece of cake.」で乗り切ったムッタ。晴れて本当の「宇宙飛行士」に認定です!そして、ムッタに驚きの報せが…。これはどうなるんだ!?14巻へ続きます。


 12巻が出た時にムックも出たのですが、ムックもvol.2が出ました。

We are 宇宙兄弟 VOL.02 (講談社MOOK)

講談社


 何故かどこの本屋に行っても見当たらない…。読むのは少し先になりそうです。古川さんのインタビューもあるので、読みたいのですが…。そして、このムック、それから13巻帯にも書いてあるのですが、実写映画化決定です。

映画「宇宙兄弟」公式サイト
 まだ原作は途中、まだまだこれからなのに…。心配です。

・12巻:宇宙兄弟 12
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by halca-kaukana057 | 2011-04-17 22:09 | 本・読書


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