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人類の星の時間を見つめて 喜・恕・哀・楽の宇宙日記2

 的川泰宣先生が日本惑星協会のメールマガジン「TPS/Jメール」で連載しているコラムをまとめた「轟きは夢をのせて 喜・恕・哀・楽の宇宙日記」の続編が出ました。

人類の星の時間を見つめて 喜・怒・哀・楽の宇宙日記 2
的川 泰宣/共立出版/2008


 第2巻は2005年から2008年5月まで。この間、シャトル飛行再開(STS-114,野口飛行士搭乗)、「すざく」「あかり」「ひので」打ち上げとM-Vロケットの開発終了、「だいち」「ひまわり6号」「かぐや」打ち上げ、「きぼう」建設開始…と大きな出来事が続くのですが、なんと言っても読みどころは「はやぶさ」の小惑星イトカワへのタッチダウン前後の記録。何度読んでもすごいなぁと思う。管制室の「はやぶさ」チームの様子もひしひしと伝わってくる。これはその現場にいた的川先生だからこそ書ける内容。「はやぶさ」がイトカワへのタッチダウンに成功した時、ライブカメラに向かってVサインをした(画像がこれ)ことについても書かれています。今も「はやぶさ」は地球帰還へ向けて航行中。2010年6月の帰りを待ってます!


 的川先生のライフワークとも言える宇宙教育に関しても、「子ども・宇宙・未来の会(KU-MA)」設立などこの2巻で一気に進みます。「はやぶさ」への応援や、「かぐや」が撮った月の画像などの人々の反響を見ていると、宇宙開発には応援する人の存在が必要なんだなと思う。応援するためには、宇宙・科学のどんなところが面白いのかアピールする必要もある。的川先生ご自身がアピールするのもそうだが、アピールできる人を増やし次の世代に繋げていく方向に進んで行っているのかなと感じる。同じく宇宙を志した先生方の訃報に関する内容や、体調を崩されたという内容もあるのですが…的川先生がこれからもお元気で、宇宙と科学の面白さを伝える先頭に立ち続けて欲しいなと思う。

 日本国内は勿論のこと、世界各地の旅行記も読みどころ。相変わらずパワフルです。面白かったのが、ポルトガルの西端・ロカ岬での部分。そこには、ポルトガルの詩人・ルイス・デ・カモンエスの詩の一節が記されたモニュメントがある。
「ここに地が果て、海が始まる」
こう書かれたモニュメントと、大航海時代、見たことの無い海の向こうへ旅立った人々を思って的川先生は「ここに地果て、宇宙(そら)始まる」と言い換える。日本の宇宙開発・宇宙科学研究は今船出したところ。これからが面白い。様々な問題もありますが、この時代に生まれて、立ち会うことが出来て良かったと感じます。

 的川先生のメルマガは、現在も絶賛連載中です。
日本惑星協会:日本惑星協会メールマガジン「TPS/J メール」
 内容が宇宙の話だけになっていないところがまた面白い。科学全般だけでなく、文学や歴史まで。読んでいると、色々と勉強になります。
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by halca-kaukana057 | 2008-11-01 22:47 | 本・読書

はじめての<超ひも理論> 宇宙・力・時間の謎を解く

 「超ひも理論」って何だろう?そう思って手に取った本。ところが、難解そうでしばらく積読状態に。先日、この本の目次を久々に見ていて、ノーベル物理学賞を受賞された南部陽一郎博士の名前があることに気がついた。南部博士の研究と、「超ひも理論」って何か関係あるの?ビッグバンとも関係あるらしい?そんな疑問を解くべく、読むなら今だと思って読みました。

はじめての“超ひも理論”―宇宙・力・時間の謎を解く
川合 光/講談社現代新書/2005

 「超ひも」とは、ひも状の、ものの最小にして究極の構成単位のこと。物質には原子があって、その原子をさらに細かく見ると原子核があり、その中に陽子や中性子がある。さらにその中にはクォークがある。そのクォークをさらに細かく見ると、「超ひも」が見えてくるというのだ。その「超ひも」について調べると、自然界に存在する力や、宇宙の始まりと終わりについての謎が解けるというのだ。この自然界に存在する時間や力、物質は、宇宙がビッグバンで始まった瞬間からあるわけではないらしい。一体いつ生まれたのか。難しい内容ですが、図解・イラストや丁寧な説明で、ひとつひとつ噛み締めながら読むことが出来ました。

 「超ひも理論」にたどり着くまでの、「力」と素粒子に関する研究がどう進んできたのかについての記述もじっくりと読めました。アインシュタインに湯川秀樹、「ご冗談でしょう、ファインマンさん」「困ります、ファインマンさん」のファインマンの理論も。ファインマンがどういう研究をして、ノーベル賞を受賞した理論がどういうものだったのか、恥ずかしながらようやく知った。南部博士の理論も、時代を先ゆくものだったんだ…というのがわかった。素粒子・超ひもというものの最小単位を見ていくことが、宇宙全体の歴史を見ることにも繋がる。不思議なものだなと思う。

 素粒子物理学や、「超ひも理論」ですごいと思ったのは、実際に観測したわけでもないのに予言していること。自然科学というと、観測や実験をしてその現象や理論、法則が存在することを確かめるイメージがある。ところが、物理学では実際に観測しなくても、計算で予言できてしまう(「計算で確かめる」という考え方も出来るが、それを思いつくのがすごい)。実際に観測されるのは、大きなエネルギーを出すことが出来る加速器で実験されてからの話。残念ながら稼動してすぐに壊れてしまったが、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で今予言されている素粒子物理学の理論が証明されていくはず。来年春の稼動再開が楽しみだ。


 この本の著者・川合氏も「超ひも理論」の「行列模型」というのを定式化し、「超ひも」を解く鍵となっているとのことですが…それについても書いてある第5章は難しくてよくわからなかった。そう言えば、私は高校数学で行列をやらなかった。文系クラスだったので…。

 巻末には、今私たちが住んでいる宇宙が50回目の宇宙(!?)だと言う「サイクリック宇宙」試論についても書かれています。50回目って、もう、なんと言ったらいいか…。137億年でも十分過ぎる長さなのに。小さな小さな「超ひも」で、広大な宇宙の謎が解ける。難しいけれども、興味深い。もっと知りたいと思う。その入門に是非どうぞ。
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by halca-kaukana057 | 2008-10-22 22:37 | 本・読書

祝!NASA設立50周年

 昨日、2008年10月1日でNASAは設立50周年を迎えました。旧ソ連のスプートニク打ち上げを受け、アメリカもNASAを設立し、本格的に宇宙開発に取り組むようになったのです。設立後しばらくは失敗が度重なり、旧ソ連のあとを追うのに必死だったが、ジェミニやアポロで一気に躍進。無人探査機もボイジャーやヴァイキングなど、太陽系のあちこちへ。宇宙誕生の謎に迫るCOBEやWMAP、星々の鮮明な姿を見せてくれるハッブル宇宙望遠鏡など、天体観測衛星も活躍。そして現在、ISSに火星探査機「フェニックス」に…。こんなに成果を出したのに、まだ50年しか経っていなかったことに驚いた。50周年おめでとうございます。今後も、宇宙のワクワクするようなプロジェクトや探査結果を楽しみにしています。

 そんなNASAの50年の歴史を学べる特集サイトが出来ました。
50th Anniversary of NASA(英語のみ)
 真ん中あたりをクリックすると、フラッシュが始まります。ロボットのAutoma君が案内してくれます。それぞれの年代の主なプロジェクトを、その時代のヒット曲と共に紹介。1950年代の曲なんて、まさに古きアメリカのイメージ。各年代の建物の中へ入ると、まさに博物館。一度観始めるとなかなか止められません。Automa君の案内が良く聴き取れない…という方(私も含め)は、右下の「CC」をクリックすると英語字幕が出てきます。1970年代では、あのカール・セーガンも登場。また、栄光の歴史だけでなくアポロ1号、チャレンジャー、コロンビアの事故に関しても動画で触れられてます。

 もう少し手っ取り早くNASAの50年を振り返りたい時はこっちを。
NASA 50th Anniversary Website
 このサイトの左側、「NASA: 50 Years 50th Anniversary Video」をクリックすると、先ほどのフラッシュの主要部分をまとめた動画を観られます。案内役はなんとニール・アームストロング!さらに、ジョン・グレン他歴代宇宙飛行士も続々登場。ISS16期長期滞在クルーのペギー・ウィットソン司令官に、JAXAから土井隆雄さんも。こっちも何度も観てしまいます。

 日本語でゆっくり読みたいなら、現在発売中の「Newton」11月号をどうぞ。
Newton (ニュートン) 2008年 11月号
/ニュートンプレス

 これまでの歴史に、無人・有人全ミッションリスト、これからの計画などなど。次の50年で、どこまで行けるのだろう…?







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 ところで、ハッブル宇宙望遠鏡がひどい故障を起こしたらしい。

朝日新聞:ハッブル望遠鏡、重要機器が故障 シャトル計画変更
sorae.jp:ハッブル故障、アトランティスは延期

 故障したのはデータを地上に送信する装置。この装置はサイドAとサイドBと2つあり、現在Bに切り替えている途中だが、その切り替え作業も複雑で、またしばらく使っていなかったBがうまく動かない可能性もあるそうだ。
 今月予定されていたSTS-125,ハッブル修理ミッションは延期。打ち上げ直前だったのに…。いや、打ち上げられてハッブルに向かっている途中にトラブルが判明したら、手の打ちようがないからよかったと考えるべきなのか…?STS-125が延期されたため、その後のシャトルの予定も影響を受ける模様。心配です。
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by halca-kaukana057 | 2008-10-02 22:48 | 宇宙・天文

宇宙兄弟 3

 現在JAXAの宇宙飛行士候補者選抜試験は1次審査が終了したところまで進んでいるようですが、こちらの試験も進んでいます。

宇宙兄弟 3
小山 宙哉/講談社・モーニングKC


 宇宙飛行士選抜試験の3次審査が始まった。残ったのは15人。六太やケンジ、せりかたち受験者たちは、窓の無いバスで試験会場へ。そこで、5人ずつ3つのグループに分かれ、それぞれ閉鎖環境で出される課題を解きながら、2週間を過ごす。そして、最終日に話し合いをして、宇宙飛行士にふさわしい者を2人選び出せ、と。早速出された課題は…。


 3次審査が始まりました。3次審査に残った六太だが、3次試験はかなり過酷そう。どこへ行くのかわからないバス。既に始まっているであろう試験のことを気にする受験者たち。どんな環境でも、誰とでも意見を交換し合い、自分勝手な行動をとらないこと。宇宙飛行士にふさわしい人の条件として、こんな性格があげられるが、まさにそれをいつでもどこでも監視されている状態。そして、最終日には話し合いで2人を選ばなくてはならない。チームであり、ライバルでもある。協力するべきか、蹴落とすべきか。そんな受験者たちの駆け引きが見所です。

 六太が入ったAグループの5人が個性的。遠慮なくものを言い、背が小さく六太と張り合ってばかりいるチンパンジー研究家の古谷、六太のことを「お兄ちゃん」と呼び冷静で落ち着いているスポーツ医学専門の新田、ロケットエンジニアで最高齢54歳の福田、六太の憧れの存在であるせりか、六太の5人。話し合う時も、それぞれのこれまでのバックグラウンドが出てくる。2週間経ったら、どんな仲間になっているのか。六太のAグループは、いい方向に進んでいるようでこれからが楽しみ。六太が結構頑張っています。一方、ケンジがいるBグループはギクシャクしたムード。最年少の富井、いつも貧乏ゆすりをしている手島、ケンジを蹴落とそうとしている溝口。この溝口の動きに、嫌なものを感じてしまう。ケンジがどう切り抜けるのか、それとも…。気になります。

 26話「3次元アリ」では宇宙開発の意義も問われる。六太の答えに納得しました。この回では、野口聡一さんがモデルの「野淵さん」も登場。野口さんは漫画の取材にも協力。「モーニング」特別企画で野口さんにインタビューもしてます。インタビュアーは少年時代の六太という設定。3次試験を受けられなくなった方の話を読んで、2巻で出てきた「運」のことを思い出しました。
モーニング:「宇宙兄弟」特別企画 野口聡一を突撃取材!!

 あと、この「宇宙兄弟」の編集者である佐渡島さんと前田さんのインタビューもあります。
sorae.jp:インタビュー「宇宙兄弟」編集者
 この漫画を描くきっかけになったのが、向井千秋さんの旦那さん・向井万起男さんの「君についていこう」だったのだそう。「那須田理事長」が万起男さんそっくりなのはそのせい…?あと、せりかさんの大食いで作る料理も大量という点は、千秋さんをモデルにしているのかも。お医者さんという点も共通してる。

 真面目な話も多いのですが、運転手のヅラだのエアそろばんだの、六太は今回もしっかり落とします。せりかさんの腹の虫もw
 試験の行く末は4巻で。
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by halca-kaukana057 | 2008-09-26 22:38 | 本・読書

地上で食べる宇宙食まつり ライスケーキ編

 宇宙食を食べてみるシリーズ、第3回はライスケーキ、お餅です。
第1回:宇宙日本食羊羹 正式パッケージ版
第2回:宇宙日本食レトルトカレー・スペースカレー


 これまで食べたのは「宇宙日本食」とJAXAから認定された製品。「宇宙日本食」と認定されていない宇宙食にも、日本食の宇宙食はあります。大学芋やたこ焼きなど。94年、向井千秋さんの1回目の飛行(STS-65)の時、和食を宇宙食に加えようと、これらのメニューが作られました。このお餅もそのひとつ。

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これがパッケージ。ボーイング747の背中に乗って運ばれるシャトルが目印。

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中身。フリーズドライのお餅が6つ。きな粉も入ってます。

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一枚目の画像の中に作り方が書いてあります。その通りにお餅を水で戻します。10秒ぐらいで食べ頃の柔らかさに。

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きな粉にまぶしていただきます。きな粉は勿論地上仕様です。

 食べた感想ですが、まさしくお餅でした。柔らかくモチモチ。普通のお餅を食べているのと何ら変わりません。普通のお餅と異なる食感がするのだろうと思っていたが、普通のお餅と全く同じ。驚いた。美味しかったです。これなら、宇宙で正月を迎えても大丈夫だ。

 このお餅の他大学芋やたこ焼きも、ネット販売されています。宇宙グッズを扱っている「ビー・シー・シー 宇宙の店」にあります。
【宇宙食】スペースライスケーキ(おもち)
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by halca-kaukana057 | 2008-09-07 21:33 | 宇宙・天文

地上で食べる宇宙食まつり スペースカレー編

 宇宙食を食べてみるシリーズ。2回目は宇宙日本食レトルトカレー「スペースカレー」です。ハウス食品から発売されたこのカレー。宇宙日本食として初めて一般販売された製品でもありました。

ハウス食品:スペースカレー

 以前から食べてみたいと思っていた。宇宙では味覚が鈍くなるため、普通のカレーよりも濃い目の味つけになっているらしい。辛いものは苦手なんだが…、どんな味がするのだろう?

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箱表。「きぼう」が目印。宇宙日本食のマークもちゃんと入ってます。

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箱の裏にはISSや宇宙日本食の説明など。左下「地上での作り方」ってw実際は加熱用のプレートで温めるのだそう。

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中にはレトルトパウチが。「スペースカレー」の文字がいい味出してる。ここまでは普通のレトルトカレー。

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「地上での作り方」に従って加熱中。ただ単にお湯で温めているだけです。

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ご飯にかけてできあがり!勿論、ISSではお皿に盛って食べる…なんて出来ませんが、ここは地上風に。

 食べてみた感想ですが、思っていたほど辛くはない。食べてからじわじわと辛みを感じますが、そんなに辛くない。なかなか美味しかったです。カルシウムも強化、ビタミンDや大豆イソフラボンも入っているので栄養もばっちり。美味しく元気になれるカレーです。

 レトルトカレーが最初に宇宙に行ったのは、92年毛利さんの初飛行(STS-47)の時。レトルトカレー自体が既に宇宙食っぽかったので、NASAもOKを出せたのだそう。それから、レトルトカレーは日本人飛行士は勿論、海外の宇宙飛行士たちにも好評。ただ、レトルトカレーは公式の宇宙食ではなく、宇宙飛行士個人の「私物」として扱われる「ボーナスパック」だった。そして、「宇宙日本食」、公式の宇宙食としてのレトルトカレーが出来た。レトルトカレーの宇宙進出にも、歴史を感じてしまいます。

 このスペースカレーは全国の科学館やJAXA関連施設、ハウス食品のオンラインストアで購入可能。1つ500円とレトルトカレーにしては高め。ちなみに、現在ハウスではカレーに合うお米とスペースカレー2箱が当たる懸賞をやっているみたいです。これで当てて食べるという手も…。

 宇宙食シリーズ、続きます。
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by halca-kaukana057 | 2008-08-29 22:43 | 宇宙・天文

地上で食べる宇宙食まつり 宇宙日本食羊羹続編

 三沢航空科学館でお土産に買ってきた宇宙食3つ。タイプの全く異なる3種です。一体どんな味がするのか、地上の食べ物とどう違うのか。食べてみなきゃわからない。と言うことで食べてみます。

 第1弾はヤマザキから出ている「宇宙日本食YOHKAN」。この羊羹は「宇宙日本食羊羹を食べてみた」の記事で書いたとおり食べたことがありますが、この時購入したのは一般のスーパー・コンビニで売ってるパッケージが箱のもの。しかし、科学館などでは実際に宇宙に持っていく時と同じ袋に入った正式パッケージ版が販売されているのです。本物の宇宙食のパッケージには、どんな秘密があるんだろう?

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これがその正式パッケージ版。確かに宇宙食に見えます。ちなみに、6月に行ったJAXAタウンミーティングin青森の会場でも、宇宙日本食展示コーナーがあって羊羹も展示されていました。
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販売用ラベルもない、いたってシンプルなパッケージ。
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ラベルを拡大。「You can eat as it is.」=そのまま食べることが出来ます。

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販売用ラベル拡大。「この袋は、宇宙ステーションで使用の際、簡単に破裂したり、開封出来ない様に作られており、宇宙飛行士は開封する際、はさみを使用します。」と書いてある。NASA TVなどを観ているとこの宇宙食ようかんに限らず宇宙飛行士たちははさみを使って袋を開けていたが、それにはこういう理由もあったんだ。

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はさみを使って開けました。外包装はとても薄い。中には羊羹がそのまま…ではなく、箱入り版と同じ個包装が。

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中身は以前食べた羊羹と一緒です。味も一緒。

 さて、このパッケージの何が違うのか。ヤマザキの宇宙日本食YOHKAN公式サイトを見てみると、パッケージについて詳しく書いてあります。「宇宙日本食基準に適合する材質で羊かん包材を構成(4層)しました。」と。宇宙日本食基準…?JAXAの宇宙日本食のページを見てみよう。「宇宙日本食認証基準」のPDFを読むと、包装の大きさなども決まっているようだ。だから小さな羊羹なのに、こんな大きな包装が使われていたのか。素材もアルミニウムと指定があったり、認証されるために穴を開ける試験や落下試験もあるらしい。かなり厳しい。宇宙で食品関係のトラブルや食中毒があっても、すぐには帰還できない。宇宙飛行士の体調が悪くなっても、病院なんて勿論無い。そういう緊急事態のための訓練もしてあるが、そういう危険性はないのが一番。宇宙でも地上と同じ羊羹が食べられるのはいいことだけど、そのためにはクリアしなければいけない壁がいくつもある。これはNASAが決めた基準なのでかつてのロシア(ソ連)の宇宙船や宇宙ステーション「ミール」ではまた違う基準があったのだろうけど、宇宙での食は地上のものとまだまだかけ離れたところにあるのかなと思いました。

 一般発売されていた箱入り宇宙羊羹は100円台でしたが、正式パッケージ版は300円台でした。パッケージの分、値段が上がっています。

 羊羹の回はここまで。続きます。
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by halca-kaukana057 | 2008-08-26 22:38 | 宇宙・天文

月をめざした2人の科学者 アポロとスプートニクの軌跡

 少し前に、はてなブックマークでこんな記事が話題になっていました。

はてな匿名ダイアリー:ソ連宇宙オタが非オタの彼女にソ連宇宙世界を紹介するための10機

 非常に濃くて面白かったwヒロイック的なイメージのアメリカ宇宙世界もいいけど、細かいことにはこだわらずシンプルかつ実用的でタフなソ連・ロシア宇宙世界も好きだ。ソユーズは本当にタフで安定性があるし、ミールもいろいろあったけど、宇宙開発史の中で忘れられない存在。エネルギアなんてとんでもないロケットもあったし、結局有人探査は出来なかったがアメリカに先駆けて月探査を行った「ルナ計画」も印象的。ちなみに、私はルナ17号・21号に搭載された世界初の月面無人探査機「ルノホート」が好きです。

 ルノホートは、こんな探査機です。食玩「王立科学博物館 第1展示場」より「赤いロボット」ルノホート1号
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 前置きはここまでにして、この「ソ連宇宙オタが~」の記事の中に、何度も出てくる名前がある。コロリョフ…ソ連宇宙開発になくてならない人、セルゲイ・コロリョフ。このコロリョフがソ連の宇宙開発をリードしていた頃、アメリカにはヴェルナー・フォン・ブラウンがいた。そう、ドイツでロケットの研究をし、第2次世界大戦後アメリカに渡りアメリカの宇宙開発をリードする。コロリョフのライバルだ。そのコロリョフとフォン・ブラウン、ソ連とアメリカの宇宙開発競争について書かれたのがこの本。

月をめざした二人の科学者―アポロとスプートニクの軌跡
的川泰宣/中公新書・中央公論新社/2000

 お互い少年時代に空、そして宇宙へ憧れた。1930年代にはロケット・ブームが訪れ、2人はそれぞれソ連とドイツでロケットの研究・開発に尽力する。しかし、迫り来る戦争と国家の力の波。その波にのまれ身動きできなくなるコロリョフと、目指していた方向とは違うけれども使えるものは使おうと波に乗るフォン・ブラウン。この本を読んでいて強く感じたのが、宇宙開発は国家が無くては出来ないということだ。

 2人がライバルとして争った(コロリョフは死ぬまで表舞台に名前を出されることは無かったが)1960年代は、米ソが互いの威信をかけて宇宙を、月を目指していた時代。ロケットを開発するにも打ち上げるにも莫大な予算がかかる。しかも、アポロのサターンVロケットなんて巨大なロケットだと、とんでもない予算がかかる。それでも、米ソは国家の威信とライバルに打ち勝つために、お金と時間と最新技術をかけて争った。今、日本では宇宙開発予算…だけでなく科学に関する予算そのものが十分に足りていない。予算が足りないからと、実現が困難なプロジェクトも多い。そんな今の日本から見れば…勿論当時の米ソとは考え方も目的も違うけど、この時代の国が宇宙開発にかけるパワーは計り知れないものだと感じる。

 そんな国の支援を背景に、宇宙を目指すコロリョフとフォン・ブラウン。追い抜いたり、追い抜かれたり。ガガーリンとライト・スタッフだけをとっても、両国の有人宇宙飛行に対する考え方の違いが見えて面白い。そして、最初は負けっぱなしだったが月に照準を絞ることでソ連に追いついたアメリカ。一方、リードしていたのにいろいろ手を出しすぎて有人月飛行ではアメリカに追い抜かれてしまったソ連。この戦略の違いも面白い。

 ただ、ソ連の場合は1966年、コロリョフの死によって大きく狂いだす。コロリョフのリーダーシップがいかに大きかったかがわかる。コロリョフがもう少し長生きしていたら、サターンVロケットに対抗するN-1ロケットを完成させて、米ソ宇宙開発競争はもっと過熱していたかもしれない。

 コロリョフとフォン・ブラウン。国も考え方も違う2人だが、宇宙を目指していた強い思いは同じ。戦争や国の圧力にもめげず、その意思を貫いたからこそ、今の両国の宇宙開発、いや、世界の宇宙開発の今があるのではないだろうか。

 ところで、フォン・ブラウンは子どもの頃、母からピアノの手ほどきを受け、ヒンデミットのレッスンを受けたこともあったのだそう。すごい…。中学ではチェロのレッスンも受け始め、学校のオーケストラで演奏したり、作曲もしてたんだそう。ロケット研究をしていた"秘密基地"ペーネミュンデでも研究者たちと弦楽四重奏団を結成してモーツァルトやハイドン、シューベルトなどを演奏していたのだそうだ。フォン・ブラウンのチェロ演奏を聴いてみたかった!作曲した作品も、どんな作品だったんだろう?

 最後に、この本を読んでいる間、こんなしおりを使っていました。
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 JAXAの宇宙飛行士候補生募集の宣伝しおり。友人からもらいました。友人は科学館で見つけたらしいが、本屋にも置いてあったらしい。面白いものを作ったなぁ、JAXA.いいぞいいぞw
 宇宙つながりで脱線しまくりでしたがこの辺で。
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by halca-kaukana057 | 2008-08-19 23:12 | 本・読書

「趣味」として、楽しみとして

 私がこの春から通い続けている「星空案内人」講座も終盤に。星座を探したり、望遠鏡を扱ったりと実践的な内容も学んでいる。しかも、これまで私がやってきたように、何となく星座を探して、望遠鏡も適当に使って…ではなく、観望会でお客さんにどう教えるか、どう伝えるか。例えば、あれが「夏の大三角形で…」と言うだけではなく、星の並びだとか、特徴などを交えて話す必要がある。自分でやるのと、人に話すのでは全然違うんだなと感じている。

 また、講座が縁で、宇宙・天文つながりの知人が増え始めた。天文部漫画「宙のまにまに」3巻で「星猛者」という言葉が出てきていたが、まさにそれ。星猛者・天文猛者に圧倒されてばかり。そんな星猛者さんにも色々な方がいて、きれいな天体写真を撮る人、プラネタリウムで解説し普及活動を行っている人、子ども向けに観望会を開いている人、天文学の歴史を調べている人…と本当に様々。天文学がカバーする範囲はとても広いけれど、皆それぞれ分野を決めて活動している。凝っている人の濃い話を聞くのは、熱意まで一緒に伝わってきてとても面白い。


 そんなある日の講座でのこと。その日は少人数のグループに分かれて講座を受けていた。これまであまり話したことがない人と同じグループになり、講座の間少し話をしていた。その方は、ボランティアで科学教育活動をされているのだそうだ。今まで全く扱ったことが無かった赤道儀式の望遠鏡の使い方に苦戦していた私。なんとか講座で扱う範囲での操作を完了し、ほっと一息ついていた私に対して、その方は「趣味で星を観てきたんですか?」と訊いた。「ええ、赤道儀は初めてなんです。」と答える私。何気ない会話だが私はこの「趣味で星を観てきたんですか?」という一言が気になって仕方なかった。

 以前書いたように、私はこれまで天文部などに入ることはなく、一人で星を観てきた。一人で星を観ている方が自然だった。後は宇宙・天文関係の新聞記事をスクラップしたりだとか、ネットでニュースを集めたりだとか、宇宙・天文関係の本を読んだりなど地味な活動を「趣味」としてきた。地味だが、不満を抱いてきたわけではない。そりゃあ、種子島や内之浦でのロケット打ち上げや、筑波や相模原の宇宙センター一般公開などに行けたらもっといいが、この間はJAXAタウンミーティングにも行ってきたし、徐々に色々なイベントや全国各地の科学館にも行けたらいいなと思っている。これを専門にやってきましたと堂々と人に言えるものは無いけれども(このブログの記事はあるが、リアル友人・知人には極力教えたくない)、宇宙・天文は好きだし、追求している時はとにかく楽しい。これからも「趣味」のひとつとして追求し続けたいと思っている。だから、なんてことない一言なのに、引っかかる。

 何故引っかかるのだろう…?別に宇宙・天文の楽しみ方なんて一様ではないと自分でもわかっているのだから、何も悩むことはないじゃないか(講座の第1回目でも、宇宙・天文を楽しむ様々な方法について取り上げられてます)。一人ひとりが「面白い」「これがやりたい」「これに興味があるんだ」と思うものをやっていけばいいじゃないか。ボランティアをやりたい人はやればいい。私も「星空案内人」の資格を取れば、観望会で解説することだって出来る。だから羨ましいわけではない。それなのに。

 数日間考え込んで、ようやくわかった。私は、望遠鏡の扱い方だとか、星座を探す時の探し方だとか、そういうことばかりに気を取られていたんじゃないかと。なんとなく星空を観てきた私は遅れをとっていると、講座開始の頃から感じていた。初めて知ること、慣れないことを少しでも早く習得しようと、本来の目的…星を観て楽しむことを忘れていたんじゃないかと考えた。ピアノでもこんなことがある。これまで弾いたことが無いテクニックを含む曲を練習していて、早く「弾ける」ようになることだけを考えて、曲の魅力や聴き所・聴かせ所、音楽の楽しさを忘れてしまう。それは「趣味」で演奏している人にも、プロの演奏家にも起こりうることだと思う。これまでの講座はほとんど曇ってばかりで、実際の星空を観ることが出来なかったのもあるかもしれない。講座で学んだことを覚えて、習得して、実技試験に備えることも大事(講座では3回の実技講座がありますが、それぞれに実技試験があります)。でも、これまでなんとなくやってきた私が、ここで焦ってもいいことはないと思う。何となく「趣味」でやってきたならそれなりに、徐々に新しいことに慣れていきたい。資格は目標だけど、そこがゴールではないことは以前も書いた。私はまたしても、わかっていたようでわかっていなかったことにぶつかり、わからなくなってしまったようだ。この過程を何度も繰り返しその度に思い出すと思うが、忘れてしまいたくはない。そう強く願う。

 今日、木星がよく見えたので久しぶりに望遠鏡を出して観ていた。口径はそんなに大きくないので縞模様ははっきりと観ることが出来なかったが、衛星はちゃんと見えた。…と思っていたら雲が出てきて、見えなくなってしまった。残念。この夏は、星空を思う存分に楽しみたい。晴れの日が多いといいなぁ。

*趣味であっても、レベルは様々です。趣味でもハイレベルな天体写真を撮っている方もいます。だから私のような人ばかりではありません。


【関連記事】
「星を見る私」(2006.11.13)
「わかって、わからなくなって」(2008.6.7)
 この記事のコメント欄も参照
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by halca-kaukana057 | 2008-07-30 22:28 | 日常/考えたこと

七夕と乞巧奠とピアノ

 今日は七夕。あいにく曇ってしまい、織姫星(ベガ)も彦星(アルタイル)も見えません。この雲の上にはふたつの星が輝いていると想像することにする。

 七夕の起源は、2世紀頃の中国・後漢の時代に遡ります。天帝の娘である織姫は、機織の上手な働き者。一方、牛飼いの夏彦(牽牛)もとても働き者で、2人は結婚を許された。幸せに暮らす2人であったが、夫婦生活が楽しすぎて、2人ともそれぞれの仕事をサボるようになった。これに怒った天帝は2人を天の川で隔てて引き離す。だが、天帝は7月7日に会うことは許した、と。この中国の伝説と、日本古来の収穫祭・祖霊祭が融合して、今の日本の七夕になったという。

 七夕伝説から、様々な伝説や風習がうまれたのですが、その中に「乞巧奠(きっこうでん)」という中国の行事もあります。機織が得意な織姫にあやかって、機織や針仕事、書道などの上達をお願いするという民俗行事が、6世紀頃から始まったのだそう。この「乞巧奠」から、五色の短冊にお願い事を書いて、笹竹に飾るという風習に繋がったのだそうです。
「乞巧奠」について詳しくはこちらも。

 元々は機織などの上達を願った七夕。ならば、私の場合はピアノだな。真面目な織姫を見習って、私も練習に励むことにしよう。ピアノが巧くなりますように。

 という、ピアノと宇宙の話という、自分の好きな分野を融合させた話でした。練習記録はまた今度。

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by halca-kaukana057 | 2008-07-07 23:00 | 奏でること・うたうこと


好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


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