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シャーロック・ホームズへの旅 2

 先日読んだ本の続編です。
・前作:シャーロック・ホームズへの旅

シャーロック・ホームズへの旅 2
小林司・東山あかね/東京書籍/1993

 河出文庫版正典の訳者のシャーロキアンのお二人の「シャーロック・ホームズ」シリーズゆかりの地を訪ねる旅行記続編。前作の翌年の1988年、再びイギリスへ。1991年は、「最後の事件」のホームズとモリアーティがライヘンバッハの滝で決闘してから100年。ちょうど建国700年記念のスイスで、ロンドンのシャーロック・ホームズ会によるスイス・ツアーに、お二人のお嬢さんも一緒に参加。更に、この続編ではアメリカへも。世界で一番古いシャーロキアン団体「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ(BSI)」に招かれディナーに参加し、「緋色の研究」の悲劇の舞台となったソルトレイク・シティにも。「ホームズ」はイギリスの作品ではあるけれども、スイスや直接行ったわけではないがアメリカ、この本には出てこないがインドなど、国際色豊かな物語だったのだなぁと実感する。

 イギリス編では、ロンドンに行ったらまずはパブ「ザ・シャーロック・ホームズ」。観光地としても有名なので、世界各地からホームズ好き、シャーロキアンたちがやって来る。ベイカー街には「シャーロック・ホームズ・ホテル」があるが、名前だけになってしまい内装やアメニティは普通のホテル。更に、ホームズの格好をしたホテルマンが掃除している…シャーロキアンから見れば「ホームズに掃除させるとは何事か!」と遺憾、と…。
 ベイカー街221Bはどこか、という問題も。現在の221番には「アビ・ナショナル・ビルディング・ソサエティ」がある。ホームズ専用の秘書も置いてサービスしてきた。だが、1990年にそばに「シャーロック・ホームズ博物館」ができ、"本家"を名乗りだしている、と。この本によると、「ベイカー街は行くたびに様子が変わってしまうので、油断ができない」(22ページ)とのこと。今は更に変わってしまっているのだろうな。前作の感想の最後に、私はこう書いた。
今はかなり変わっているのだろうな…。変わってしまっていても、イギリスにはたくさんのホームジアンがいるだろうから、「ホームズ」を愛する人たちの力で守られているものもきっとあると思う。

 こうとは限らないようで…残念。

 この時、イギリスでは、グラナダテレビのドラマ「シャーロック・ホームズの冒険」のジェレミー・ブレットとエドワード・ハードウィックによるホームズとワトソンの2人芝居が上演されていたとのこと。その舞台を観に行った2人。英語で、渋い会話の2人芝居。お二人でも内容はよくわからなかったそうだが、ジェレミー・ブレットのホームズとエドワード・ハードウィックのワトソン、グラナダコンビの2人の舞台…観てみたかった!!生で、目の前で、かっこよくお茶目なジェレミー・ブレットのホームズと、温厚で頼りがいのあるエドワード・ハードウィックのワトソンの会話劇があっただなんて!!夢のようだ…。今回の旅でも、マンチェスターにあるグラナダテレビを訪問。グラナダ版のスタジオセット見学ツアーもあった。読んで、いいなぁいいなぁ!と連呼していました。

 アーサー・コナン・ドイルの墓や隠れ家、病気だった最初の妻を静養させるために建てた豪邸のホテルへも。コナン・ドイルがどんな作家・人間だったのか、ドイルにとって「ホームズ」は何だったのか。「ホームズ」好き、シャーロキアン以外の人々は、「ホームズ」やドイルについてどう思っているのか。後のスイス、アメリカでも、そんなことにも触れた旅でした。小林さんは医師でもありますが、その医師であることが役に立った場面も。

 「ホームズ」だけでなく、チャールズ・ディケンズに関しても出てきて、これまた面白い。「アベ農園」の舞台のひとつと考えられている町・ロチェスター。ディケンズにちなんだ名前のパブが多く、ディケンズ博物館もある。人形劇では、4話でワトソンがディケンズの「二都物語」を読んでいて、物語の鍵となっている。人形劇で「二都物語」を出したのは、4話の物語に関連するだけではないかもしれない…。

 スイスでは、前作と同じようにツアーの参加者は「ホームズ」シリーズに出てくる人物に扮装(今風に言えばコスプレ)している。偶然出会った他の日本人観光客たちからは、冷たい視線が。それ対して、日本人は遊び心がない、と。今なら、それほど冷たい視線で見られることはないと思う。一方の、本職がスコットランド・ヤードの警官さんは、警視庁から「ツアー一行を護衛せよ」と公務出張命令を貰って参加したとかw役は巡査役。楽しそうでいいなぁ。
 スイス建国700年にも当たっているので、スイス観光も。ウィリアム・テル、永世中立国…。永世中立国の厳しさには色々と考えてしまった。ホームズも、ウィリアム・テルも架空の人物?それとも?これも興味深い繋がり。
 マイリンゲンにあるホームズ像には、60の事件名が暗号で記されているという。筋金入りのシャーロキアンの小林さん・東山さんでも一つしかわからなかったというのは驚き。相当難しいに違いない…。

 アメリカ編では、ニューヨークでの「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ(BSI)」に招かれた小林さん。なんと、SF作家のアイザック・アシモフも筋金入りのシャーロキアンだったそう。世界のシャーロキアンの輪は凄い。このアメリカ編で、ホームズの誕生日が1月6日の理由が判明。驚きの理由だったwちなみに、ワトスンの誕生日は様々説があって、決まっていないようなのですが…。7月7日説と8月7日説が有力らしいが、どちらを祝えばいいのでしょう…?もうすぐ7月7日なので…。
 「緋色の研究」の舞台となったソルトレイク・シティ。だが、実在の人物も登場しモルモン教への偏見を含む内容は、モルモン教の信者たちにとっては残念でならないもの。シャーロキアンとばれると憎まれるかもしれないので、隠して取材。世界的な名作の「ホームズ」シリーズも、別の視点から見ると…と思うとまた複雑。

 旅にはトラブルがつきもので、イギリスでは郵便局のストに巻き込まれたり、スイスでも持ち物を盗まれたり…。でも旅先での出会いは今回も楽しい。
 何より、「シャーロック・ホームズ」で世界中に友達ができて、「ホームズ」で扮装して、今で言う「聖地巡礼」的なツアーや、パーティーなどで盛り上がれる。いいなぁ、楽しそうだなぁ、と「ホームズ」入門者の私も思います。
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by halca-kaukana057 | 2015-06-28 23:16 | 本・読書

シャーロック・ホームズへの旅

 「ホームズ」関連本を読んでみた。正典の物語や映像化作品からちょっと離れて、こんな本を。

シャーロック・ホームズへの旅
小林司・東山あかね/東京書籍/1987

 世界中の人々を魅了している「シャーロック・ホームズ」シリーズ。正典を読んだり、映像化作品を観たりすると、その場に行ってみたくなるのがファンの心理。今で言う「聖地巡礼」は、今も昔も、どんな作品においても変わりないようです。
 河出文庫版の訳者の小林さんと東山さんご夫婦が、「ホームズ」ゆかりの地…ロンドンやホームズとワトスンが事件などで訪れたイギリス各地、アーサー・コナン・ドイルの故郷のエディンバラ。更に「最後の冒険」でホームズが歩いたコースをたどる旅に同行。その旅行記です。

 「ホームズ」正典や映像化作品を読んで、観ていると、確かにイギリス、ロンドンに行きたくなる。ベイカー街をはじめとして、ロンドンにはいたるところにホームズにちなんだ場所がある。「ホームズ」シリーズで出てきた場所が次々と出てくる。ここがあの場所なのか!の連続。ロンドンホームズ街歩きを実際にやるとこうなるのかと思いながら読みました。

 「ホームズ」シリーズで、何故ロンドン警視庁が「スコットランド・ヤード」と呼ばれているのが疑問に思っていた。調べないままだったのだが、この本に書いてあった。スコットランド国王や大使が宿泊していた屋敷が後に首都警察の本拠地になり、その裏通りが「ストッコランド・ヤード」と呼ばれ、ロンドン警視庁の呼び名になったのだそう。ホームズの時代のスコットランド・ヤードは、現在のロンドン警視庁とは別の位置にありロンドンの地元の人も、なんと警察に聞いてもわからないと…でも、「旧跡スコットランド・ヤード」のプレートはあるので探せばわかるらしい。

 正典だけでなく、映像化作品にも触れていて、アニメ「名探偵ホームズ」(通称:犬ホームズ)で、モリアーティ教授がビッグベンの鐘を盗む回があったが、それにも触れている。この回では、ビッグベンの鐘を盗んだモリアーティ教授が、鐘の換わりに鳴らしたものが…大爆笑の回。ビッグベンのイメージが…w
 現在なら、BBCのドラマ「SHERLOCK」も追加ですね。しかも「SHERLOCK」は現代が舞台なので、そのまま舞台めぐりを出来る。聖バーソロミュー病院は外せない場所ですね。

 ロンドンを離れて、イギリス各地の「ホームズ」ゆかりの地めぐりは、その土地の人々との出会いも楽しい。イギリス各地の風景は正典を読んでいても想像できますが、実際に行ってみるともっと面白い。「バスカヴィル家の犬」の舞台、ダートムアは実際は明るかったとか。そして、舞台となった建物がどれか探す…実際には存在しなくても、似たような建物があるはず。古い建築が残されているイギリスなら尚更。筋金入りのシャーロキアンのお二人の洞察力に感服しました。ロンドンを離れても、ホームズ関係のお土産があるのはさすが本国イギリス。また、B&Bなどの宿やレストランでのエピソードも読んでいて楽しい。ただ、食に関しては当たりはずれがあるようで…これは海外旅行でこそのものなんだろうな。

 マンチェスターでは、グラナダ・テレビ局へ。そう、グラナダ版「シャーロック・ホームズの冒険」のグラナダ・テレビ局。この頃はグラナダ版はリアルタイムで制作、放送されていた時代。もっと昔の作品かと思っていたので驚いた。オープンセットを見せてもらって記念撮影。リアルタイムのあのグラナダ版…!ジェレミー・ブレットがまだ生きていた頃…!この頃、私は生まれてはいたけれど、「ホームズ」は全く知らなかった頃。アニメ「名探偵ホームズ」さえ観てなかった。この部分は衝撃的でした。

 第2部では、スイスへ。ロンドンのシャーロック・ホームズ会がスイス観光局の協力を得て実現した、「ホームズ」のスイスツアー。しかも、参加者(取材する記者たちも)は皆「ホームズ」シリーズに出てくる誰かに扮装しなければならない。つまりコスプレ…!日本人である小林さんと東山さんが選んだのは…なるほど。「ホームズ」でスイスと言えば「最後の事件」ですが、「フランシス・カーファックス姫の失踪」ではローザンヌが舞台になっている。参加者たちは時々寸劇も披露して、どっぷり「ホームズ」の世界に浸れる。シャーロキアンたちが集まって、皆それぞれ「ホームズ」の世界の人々になりきって楽しむ。ライヘンバッハの滝も勿論訪れる。本当に楽しそうだ。もし私が参加するなら、「まだらの紐」のヘレン・ストーナーがいいなぁ(人形劇のイメージもある。人形劇のストーナー先生は特に好きなキャラクタです)。ワトスンの妻になるメアリー・モースタンはハードル高いかなぁ…。アイリーン・アドラーはムリ、無理…w

 写真や地図も多く、読みやすいです。ただ、この本は1987年のもの。今はかなり変わっているのだろうな…。変わってしまっていても、イギリスにはたくさんのホームジアンがいるだろうから、「ホームズ」を愛する人たちの力で守られているものもきっとあると思う。

 この本、続編もあります。続編も読みます。
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by halca-kaukana057 | 2015-06-13 22:35 | 本・読書

旅から日常へシフトする時

 旅から帰ってきて2週間近く経ちました。今回の旅は、行く前に色々あり、不安なことも沢山あり…無事に出発できたこと、そして無事にやることもやって帰ってこられたこと。それだけでも十分、行くことができてよかったと思う旅でした。プラス、やってみたかった風景印めぐりや、その過程も楽しめた。私は頻繁に旅に出られる身ではない。今度はいつ、どこに行けるかもわからない。行きたいから予定を立てておく、というよりも、予定があってそれに行けるかどうか。遠距離なら尚更。

 今日、線路の近くを通り、電車が走っているのを見て、電車でどこかへ行きたいな…と思ってしまいました。約2週間前に東京まで行ったじゃないか。いや、新幹線と普通の電車は違う。近場の秋を探しに行きたいな、と。でも、思っているだけで終わる。今の私は近距離であれ、日帰りであれ、旅に出ている場合じゃない。もう日常、いつもの現実に戻ってきてしまった。

 やってみたかった風景印めぐりの過程も、予定が決まっていたその他の日程も、今の私にとっては"冒険"だった。不安なことがあって、実際やれるかどうかわからない、散々な結果になるかもしれないと思っていたから。でも、思う存分楽しめた。楽しんで、自分もここまで出来たんだな、出来るんだなという自信につながった。帰ってきても、その充実感や自信は続いていた。旅に出て、いいものを吸収して来ることができたと実感した。

 が、時間が経つと、どうしてこう薄れてくるものか。その充実感も、自信も、薄れてきている。帰って来たが、環境は何ひとつ変わっていない。現実の問題の数々にため息が出る。結局元通りか…。いや、いいものを吸収して帰って来たなら、その自分が変えていくしかない。でも、すぐにたくさんは変えられない。ひとつひとつ、やっていくしかない。

 充実感と自信を長続きさせる方法とか、無いのかなぁ…。そんな今日の独り言でした。
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by halca-kaukana057 | 2014-10-30 21:38 | 日常/考えたこと

東京風景印めぐり 東京駅周辺編

 前回の記事の続きです。風景印をめぐる冒険、場所を移しまして東京駅周辺の郵便局をまわります。
・前回の記事:東京風景印めぐり 渋谷編
・参照記事:旅に出てました 渋谷NHK編

 東京駅に着いて、まず向かったのが、八重洲地下街局。今まで東京駅に何度も来たけど、郵便局があったんだ。東京駅と繋がっているはず。ということで、八重洲方面に向かい、探すが…ない。わからない。こういう時は駅員さんに訊いてみよう。そしたら…
「無くなりましたよ。東京中央郵便局が新しくなったから」

 ええええええ!!?そんなバカな!!!公式の郵便局検索でもちゃんと出てきますよ!?
日本郵政:八重洲地下街郵便局

 さてどうしようか…。この時お昼は既に過ぎて、お腹も空いていた。疲れてきたのでひと休みしたい。駅ナカの飲食店はどこも混んでいる。八重洲地下街局のことも、郵便局のことは郵便局で訊くのが一番いいかもしれない。次に行く予定の日本橋南局で訊いてみよう。その前に、お昼にしよう。ということで、駅の外に出て、お昼にしました。駅から出て、日本橋方面へ歩いている間、NHKBSプレミアム「世界ふれあい街歩き」をしているような気分に。観光客もいるし、お仕事中の人もいる。お店も様々なお店がある。八重洲口方面にはあまり来たことがなかったので新鮮でした。見知らぬ街を歩くのは、ワクワクします。

 お昼を食べ、休憩して、元気充電。では、日本橋南局を目指します。日本橋タカシマヤが目印。日本橋のデパートは、万年筆売り場が充実しているんだよなぁ…と思いつつ。日本橋南局到着。新しい、広い郵便局でした。

 中に入ると、フロアにご当地フォルムカードやオリジナルポストカードがたくさん。これは!!!知らず知らずのうちに、手が伸びていました…。東京の郵便局はこんなグッズも充実しているのか…。素晴らしい。
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 日本橋南局の風景印。日本橋が図案です。背景にあるのはオリジナルポストカード。
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 これも。シンプルなデザインが可愛い。
 さて、問題の八重洲地下街局について、局員さんに尋ねてみました。八重洲地下街局はあります!!無くなってなんていませんでした。局員さんが詳しく、丁寧に行き方を教えてくださいました。ご親切にありがとうございます。

 でも、次に目指すのは日本橋局。この日発行の「正倉院の宝物シリーズ」切手の特印も貰うのです。日本橋方面を初めて歩きました。地図で見た時は大した距離じゃない。すぐ着く。こんなすぐ近くに郵便局がいくつもあるの?と思っていたのですが、実際歩いてみると、意外と遠い。実際に歩かないとわからないこと、たくさんあるなぁ。

 日本橋局は、1階に集配所(?)があり、郵便局窓口は2階にあります。まず2階へ。風景印と特印の手押し印を貰いました。次に、1階の押印機特設会場で機械印を貰います。押印機を見るのは初めてです。集配所の片隅にひっそりとありました。押す位置を確認して、機械でガチャン。写真を撮れなかったのが残念。これが押印機か…とまじまじと見つめていました。

 まず、日本橋局風景印。
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 前島密(まえじま・ひそか)の銅像と日本橋が図案です。前島密氏は日本の近代郵便制度創設者の一人で「郵便制度の父」と呼ばれている方。「郵便」や「切手」、「葉書」という名称を定めたのもこの人。へぇ。
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 日本橋局には、「郵便発祥の地」とありました。便利な郵便は、ここから始まったのか。

 次に、正倉院の宝物特印。
日本郵便:特殊切手「正倉院の宝物シリーズ 第1集」の発行
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 左が押印機。右が手押し印。押印機は普段だと郵頼しないと入手できないので、自分で行って貰って来られたのが嬉しいです。正倉院切手は、切手そのものもきれいです。

 ここで、重要なことに気がついた。この時の時刻、4時過ぎ。郵便局の窓口受付は通常5時まで。駅に戻って、あの八重洲地下街局を探さねば!!早足で東京駅方面へ戻ります。

 東京駅の前にある、八重洲地下街へ入る階段を下りて、八重洲地下街へ。ここは今まで来たことが無かった。教えられた通りに進むと…ありました!!八重洲地下街局!新しい、きれいな郵便局でした。
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 東京駅と、新幹線と、この不思議な顔の像は何だ?調べたら、「ヤン・ヨーステン像」。オランダの航海士、ヤン・ヨーステン・ファン・ローデンスタインのことで、江戸時代、日本にやってきた。八重洲の地名は彼の名前から来ている、という説も。へぇ。なるほど。

 さて、時間が無いぞ。東京駅を通り抜け、丸の内方面へ。丸の内南口そばの東京中央局(KITTE)に。ここにも、オリジナル郵便局グッズがたくさんあり、また思わず手が…w
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 ミニクリアファイル付きのポストカードセット、マスキングテープをお土産に。可愛い。いいなぁ、東京の郵便局は充実してて…。
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 東京中央局風景印。丸の内駅舎と、KITTEの建物が図案です。風景印を頼んだら、ミニフォルムカードをいただきました。非売品です。ありがとうございます!

 ここで、5時。窓口終了の時間。限られた時間でしたが、結構まわれました。こんなに風景印を集められたのも初めて。各局の局員の皆さん、親切に対応してくださってありがとうございます。
 …今気付いたのだが、東京中央局の窓口は夜9時まで…?あれ…。千代田丸ノ内局にも行きたかったのだが、先にそっちに行って、東京中央局はあとでもよかった…?まぁいいか。また次の機会に。
 それに、自由行動時間もこのあたりまでだったので、これでよしとします。十分だよ!

 オマケ。この後、ディズニーランドへ行きました。夜のシンデレラ城のショーがきれいでした。ディズニーランド内のポストに投函すると、オリジナルスタンプ(風景印、つまり消印ではない)が押されて届く、という話を聞いたので、やってみました。
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 えっ…何故こんなところに押されてるの…?見た瞬間、喜びよりも驚きが大きかった。切手のそばに押されると思って、切手のそばを空けておいたのですが、スタンプが大きくて押せなかったのかな…?きれいなスタンプを欲しかったのですが…残念です。ディズニーなんて滅多に行かないのに…(中学の修学旅行以来

 オマケがちょっと後味の悪い終わりになってしまいました。が、風景印めぐりそのものはとても楽しかったです。また旅先でやりたいです。
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by halca-kaukana057 | 2014-10-24 22:33 | 旅・お出かけ

東京風景印めぐり 渋谷編

 週末、東京に行ってきました。
・参照記事:旅に出てました 渋谷NHK編

 土日は所用。金曜は自由行動時間。
 この日、「正倉院の宝物シリーズ」切手の発行日でした。
日本郵便:特殊切手「正倉院の宝物シリーズ 第1集」の発行
 いつもなら、いつも行く郵便局に行って購入して、特印を貰って…なのですが、地元にいない。東京にいる。いや、東京にいても郵便局に行けば買えるし、特印はいつもの手押し印だけでなく、押印機もあるぞ!!それならば、この正倉院切手の特印を2種類もらうのに合わせて、東京風景印めぐりをしよう!!郵便局が開いている平日だからこそできることをやってみよう!

 というわけで、風景印めぐりの冒険にでることにしました。出発前、行く郵便局を決めて、地図をプリントアウトして(スマートフォンでも確認出来るけど、さっと出せる紙・アナログの方が私はわかりやすい)、距離や時間を計算して…。そして台紙も用意。準備万端で出発しました。

 新幹線で東京に着いて、まず向かったのが渋谷。渋谷神南局と、NHK放送センター内局を目指します。ついでに、NHKスタジオパークも見学しよう。NHKスタジオパークでのことは、上記記事に書きました。

 渋谷駅、ハチ公口を出て、スクランブル交差点を渡り、坂を登ります…渋谷の坂はきつい…。神南局は、小ぢんまりとした郵便局でした。
 中に入ると、混んでいる。さすが渋谷。まず、切手が無いので切手を買うために並び、その後台紙に切手を貼ってまた並び…結構時間がかかりました。混雑している中、風景印は時間がかかるかなぁ…と思ったのですが、引き返すわけにも行かない。今度いつ来られるかもわからない。黙って並びます。
 待って、貰えました。
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 ハチ公像に、代々木体育館が図案になっています。ハチ公が可愛い!

 神南局を出て、更に坂を登り、NHKへ。NHKスタジオパークを見学後、放送センター内局へ。放送センター南側の、渋谷税務署に面した道を歩いていくと、NHKへの入り口があり、その横に郵便局がありました。ここも小さな郵便局です。
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 代々木体育館にNHK放送センター。スタジオパーク内のガシャポンで出てきたどーもくんピンバッヂも一緒に。
 切手は、NHKのキャラクターものとかがあればよかったんだけどなぁ。何も無かった。

 歩くのに疲れたので、渋谷駅へはNHKから出ているバスで戻ります。再び山手線に乗って東京駅へ(NHK教育「クインテット」の「鉄道唱歌山手線」を心の中で歌いながら、駅を確認。山手線に乗るとついつい出てきてしまいます。いや、これで山手線の駅名と順番を覚えられた…偉大です)。正倉院の宝物切手の特印がある日本橋局をメインに、東京駅周辺の郵便局をめぐります。

 次回に続く!

 郵便局の画像を撮っておけばよかったなぁ…(今気付いた
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by halca-kaukana057 | 2014-10-22 21:42 | 旅・お出かけ

旅に出てました 渋谷NHK編

 前回のエントリ以後、おとなしくしていた遼です。というのも、所用で東京に行っていました。1日目は半日自由行動、2日目は今回の上京の本題。そして今日帰ってきました。3日間、お天気にも恵まれ、楽しい旅になりました。

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 いつ観てもこの丸の内駅舎はきれいですね。気に入っています。東京に来たら、これを見ないと気が済まないw

 その自由行動の間に、やってみたいと思っていたことをやって来ました。ちょっとした冒険です。ツイッターには少し書いているのですが、後日書こうと思います。

 その途中で立ち寄った…いや、ちゃんと目的があって行ったNHK渋谷放送センター・NHKスタジオパーク。
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 渋谷の坂を登り、来ましたよ。奥にNHKホールが。2月に上京した時、行きたかったところですよ!!尾高忠明さん指揮のオール・シベリウス・プログラムを聴きに来たかったNHKホールですよ!まさかの大雪に阻まれてたどり着けなかったのですよ…(涙)しかも、雪には慣れている雪国人なのに…←まだ言ってる

・その時の記事:大雪の東京へ
 でも、渋谷の坂を登っていて、いくら雪に慣れていてもこの坂を歩くのは危険だなと感じました。あの夜の雪は吹雪くように降っていましたし、ビル風も怖い。

 NHKの入り口にあった、NHK放送60年の歩みという大きなパネル。
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 「クインテット」があるのを見つけて、大喜びで撮影しました!ちゃんとあるよ、歴史に残ってますよ「クインテット」!!
 その上には「リトル・チャロ」。隣のストレッチマンの存在感が半端無いw
 ちなみに、この画像のフラットさんをよく見てください。口ばかりで、顔があまり写ってない…wさすがのフラットさん。こんなところでも、いつものフラットさんですw「どうして!?どうして私だけこんな写りなの!!?」なんて言ってそうです…w


 スタジオパーク内では、連続テレビ小説「マッサン」展もやってました。はい、観てます。エリーがけなげで可愛い。でも、覚悟を決めて家族と別れ祖国・スコットランドを離れ日本にやってきた。その強さにも魅入ってしまいます。政春の国産初のウィスキーにかける情熱もいい。そしていつもラブラブなこの2人…もう可愛いよ!w
 1話冒頭で出てきたウィスキーのボトルや、エリーとの結婚を許さない早苗さん(泉ピン子)からの手紙、さらに、エリー役のシャーロット・ケイト・フォックスさん用の台本が展示されていました。日本語、英語とローマ字で書かれた台本に、たくさんの書き込みがありました。フォックスさんの努力が伺えます。エリーと同じく、けなげで頑張り屋さんなんですね。これからドラマを観るのがますます楽しみになりました。
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 番組ポスターデザインのポストカードももらえました。このポストカードは、スタジオパークだけでなく、全国各地のNHKにも置いてありますよ。

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 このNHK時計…いいですよね。見学コース内の、自販機がある休憩コーナーにありました。

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 どーもくん。朝のニュースのお天気コーナーで見かけます。

 ということで、前振り的な記事でした。

 日曜恒例、人形劇「シャーロックホームズ」第2話の感想記事も、明日以降書きます(もう第2話は書きたいことがたくさんで…!!後で、ちゃんと落ち着いてから書きたい)。ツイッターには載せてますが、このNHKで素敵なものを見つけてきました。

 以上、疲れているので寝ます。
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by halca-kaukana057 | 2014-10-19 21:49 | 旅・お出かけ

北欧の旅 カレル・チャペック旅行記コレクション

 そろそろ夏至ですね。ということで、北欧旅行記を。「ロボット」という言葉を世に出した「R.U.R」のカレル・チャペックによる旅行記です。


北欧の旅 カレル・チャペック旅行記コレクション
カレル・チャペック:著/飯島周:訳/筑摩書房・ちくま文庫/2009

 1936年7月、チャペックは妻と妻の兄とともにデンマーク、スウェーデン、ノルウェーの旅に出る。北欧とあるので、フィンランドも入っているかと思ったら無かった(残念)。その旅のことを、チャペック自身によるイラストとともに書き綴ったのがこの本。

 冒頭「北への旅」で、チャペックは北欧諸国(フィンランドは抜けているのでスカンディナヴィア3国)への想いを書いている。同じヨーロッパでも、北は少し違う、と。しなやかで厳しい自然、深い森。そんな北をひたすら目指したい、巡礼したい、と。

 皆が皆ではないが、北という地はどうしてこれほど人を惹きつけるのだろう。私も北国に住んでいるのに、更に北に惹かれている。今住んでいる北国でも、季節が巡るごとに発見すること、再確認・再認識することが多い。これまで様々な北欧に関する本を読んできたが、文章でその北国の魅力を豊かに描いている。チャペックの可愛らしいイラストも一緒に楽しめる。チャペックはこんなに絵を描く人だったんだ。

 自然の描写は、読んでいるだけで北欧の自然を思い描ける。色彩豊かな文章に惹かれる。深い森、トウヒやモミの木、白樺。シダやベリー。南の方とは表情が異なる太陽、陽の光。白夜。北へ行けば行くほど、無駄なものはそぎ落とされてゆく。船でノルウェーのヨーロッパ最北の地・ノールカップを目指す。黒い断崖絶壁がそびえるその地を、チャペックはこう記している。
ここはヨーロッパの終点ではない。これはヨーロッパの始発点なのだ。ヨーロッパの終点は、あの南のほうの、人々の間の、あの、この上なく忙しい場所だ――。
(230ページ)

 何もない、この北の地が始まり…納得できる。

 出会った人々の描写もあたたかく、ユーモラスだ。現地の人々の民族性に心惹かれたチャペック。人々が住む街も、人々も、無駄がそぎ落とされているように読める。一方で、アメリカから布教のために来た教団に対しては、皮肉たっぷりに語っている。そのユーモアに、思わずニヤリとしてしまった。ただ、アルコール販売に制限があることだけは、チャペックにとって困り事だったようだ。

 チャペックがデンマーク、スウェーデン、ノルウェーを旅したのは、1936年。第2次世界大戦への流れが表われてきた頃。この後、この3国も戦争に巻き込まれてしまうのかと思うと心が痛む。現在は様々な面で注目されている北欧諸国だが、約70年前の北欧諸国の空気を味わうのにもいい本です。

 ただ、私としては、やはりフィンランドが無いのが残念です…。
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by halca-kaukana057 | 2014-06-07 22:15 | 本・読書

2つの表情のスカイツリー

 大雪の中の東京旅行その2です。
・その1:大雪の東京へ

 今回、行く予定でいたスカイツリー。しかし、この大雪。350m展望台へはのぼることが出来ませんでした。残念。
 それでも、雪の中のスカイツリーは、なかなか珍しい、見事でした。
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 タワーの足元。この構造が、スカイツリーを支えているのか。
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 タワーのてっぺんが見えません…。
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 ビルから見た東京の街。真っ白。
 のぼれないので、ソラマチでお土産をみたり、ムーミンカフェに行ったり。ムーミンカフェについては別記事で書きます。雪の中のムーミンカフェ…ムーミンのふるさと・フィンランドらしくていいじゃないか。
(今回の旅は、フィンランド成分が多め?意図したわけではなかったのですが)

 念のため確認に行ったら、翌日に振り替えられるとのこと。よかった。ということで翌日、再びスカイツリーへ。この日は晴れました。
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 おお!これがスカイツリー!!トラス構造が美しい。こんな高いものを、よく造ったなぁ。技術に惚れ惚れします。

 では、350m展望台へのぼります。エレベーターを降りて、目に入ってきた景色に思わず歓声を挙げてしまいました。
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 眼下の街がまだ白い。見える建物探しをしたり、ぼーっと眺めたり、写真を撮ったり。混雑していて、帰りの時間も限られていたので駆け足だったのが残念。ゆっくりとこの景色を見ていたかったなぁ。関東平野、東京湾…この高さから見える景色がこれなんだ、と。富士山は山頂は雲で見えませんでしたが、山は確認できました。340mからはまた違う感じに見えました。

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 帰り際、月が出ていました。青空と月とスカイツリー。いい光景です。
 駆け足になってしまったので、今度はもっとゆっくり来たいです。

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 ちなみに、お土産にこれを購入。セーラー万年筆クリアーキャンディの、スカイツリー限定モデルです。これがお目当てでしたw
セーラー万年筆:東京スカイツリー(R) x セーラー THE SKYTREE SHOP限定商品 : キャンディ万年筆
 カラーバリエーションが多く迷ったのですが、トラスゴールドにしました。
 使ってみた感想はまた今度。使うのが楽しみです。
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by halca-kaukana057 | 2014-02-11 22:38 | 旅・お出かけ

大雪の東京へ

 土日、旅行で東京へ行ってきました。はい、あの大雪の中。まさかこんなに降るとは思わなかった。雪国生まれの雪国育ち、雪国在住。雪は見慣れていますし、歩くのも普通のこと。しかし、雪国の在住地と、普段なら晴れているはずの東京の景色がほぼ同じ真っ白だったことに驚いてばかりでした。しかも、東京は高層ビルが多い。その高層ビルのビル風の突風吹雪は怖かったです。しかも除雪が入らないので、雪国よりも歩き難いと感じました。忘れられない旅行になりました。
 旅行のことを、何回かに分けて少し書こうと思います。主に写真アップです。

 まずは、雪の東京駅丸の内駅舎をどうぞ。白い。これはなかなか見られない光景。
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・一昨年の、晴れている時の丸の内駅舎:東京に行ってきました

 ちなみに、この旅行中、N響のコンサートに行くつもりでした。
NHK交響楽団:第1775回 定期公演 Aプログラム
 指揮は尾高忠明さん。何と、オール・シベリウス・プログラム。「アンダンテ・フェスティーヴォ」、ヴァイオリン協奏曲ニ短調op.47、「四つの伝説」op.22。1曲目から「アンダンテ・フェスティーヴォ」!!これは行く、行く!と楽しみにしていました。(ちなみに、このコンサートのこぼれ話をこの記事に書きました。友人を誘ったが反応無し、の部分)
 そして雪の予報に、これはシベリウスを聴くにはもってこいの天気じゃないか!と思っていたのに…交通などにより行けませんでした…。残念無念。スマートフォンでFMでのラジオ中継を録音しておいて、後で聴いたのですが、これは是非生で聴きたかった、という演奏でますます残念。旅行そのものは、友人との時間も楽しく過ごせてよかったのですが、ちょっと心残りです。
 自然だけはどうしようもなりません…。
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by halca-kaukana057 | 2014-02-10 22:13 | 旅・お出かけ

鳥と雲と薬草袋

 梨木香歩さんの最新刊です。


鳥と雲と薬草袋
梨木香歩/新潮社/2013

 西日本新聞に、2011年11月から12年2月まで連載されたエッセイです。鹿児島出身の梨木さんにとって縁があったり、これまで旅した土地の名前に関するエッセイです。

 土地の名前がテーマですが、梨木さんの観点・視点から書かれていて、それが瑞々しく清々しい。本のタイトルに惹かれ、でも何の本だろう?とページをめくると、「タイトルのこと」と冒頭にありました。土地の名前をテーマにしたい、でももっとふさわしい書き手がいるのではないかと思いつつも、梨木さんはこう書いています。
薬草袋にごちゃごちゃ入っているメモのように、いつか行った土地の名まえ、それにまつわる物語も、鳥や雲の話に合わせて、書いていけたらと思っている。一つのテーマに合わせて、というより、その方が伸びやかで、結局はぜんたいにいいような気がするのだ。
(11ページより)

 「薬草袋」は、梨木さんが旅の鞄に入れておいている、アドリア海の小さな島で貰ったハーブのブーケが入った袋のこと。旅の最中の色々なメモも入っている。「鳥」と「雲」は、梨木さんの机の前の窓から見える木立にやってくる鳥たちと空のこと。「鳥」は、梨木さんの以前のエッセイ「渡りの足跡」でも、渡り鳥について詳しく書かれています。梨木さんの身の回りから、旅先までが繋がっているように感じさせるタイトルだなと感じました。中身も、まさにそう感じました。

 土地の名前は不思議だ、と思う。自然の特徴からつけられたもの、歴史の中の出来事に由来するもの、そこを通る人々の感情が表れているもの…。あてられた漢字が独特な読みが難しい地名は、何故こんな地名になったのだろう?と調べたくなる。音の響きが印象的な地名も。そして、その地名が生まれた背景から、昔からそこに住んでいた・旅で通っていた人々の暮らしや思いが伺えて、地名が歴史と文化を語り伝えてきたように感じる。

 それぞれの地名の一篇は短く、でも味わい深い内容です。1000年以上も前から続いている地名から、市町村合併で生まれた新しい地名、それによって消えてしまった地名まで。新しい地名も、違和感を覚えつつもじきに慣れるのだろうか、と保留している。梨木さんのやわらかい姿勢。古くから続いてきた名前を残して欲しかったけど、新しいものも全くダメとは言えない…というような。

 西日本中心のため、東日本で暮らしてきた私は、この本で出てくる土地の名前の多くを知らないし、行ったこともない。でも、読んでいると、こんな土地なのかなと想像できるし、行ったような気持ちになれる。日本には、素敵な土地の名前が、名前の通りの素敵な土地が沢山あるのだな、と。知らない、行ったことがないからこそ、余計そう感じた。

 「岬」の言葉の意味と、九州で「岬」の代わりに使われる「鼻」の意味の対比が興味深かった。道の果て・終わりか、道の始まりか。島国だからこそ、そんな意味合いの違いが生まれるのだなと思った。

 本の装丁、イラストもシンプルできれい。一気に読んでしまいましたが、「あとがき」にあるように、「連載時と同じように一日一篇、と読んでくだされば、五十日間は持つ」…2回目はそうやって読みたいです。
 そして、同じく「あとがき」から、旅をしたことのある土地の名がふとした時に「薬効」となる…。旅をした土地の名前が、新聞やニュース、テレビ、小説などに出てくると釘付けになってしまうし、その土地で印象深い出来事があればそれを思い出すたびにまた行きたいなと思う。行ったことのない土地でも、こんな風に書かれていたら、「薬効」を持つのかもしれない。

 旅に出たら、その土地の名前を調べてみよう。自分の今いる場所・身の回りと、旅先が繋がるかもしれない。

・過去関連記事:渡りの足跡

渡りの足跡 (新潮文庫)

梨木 香歩 / 新潮社


 単行本に加筆した文庫版も出ています。
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by halca-kaukana057 | 2013-07-15 22:05 | 本・読書


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