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四人の交差点

 前回もフィンランド発の本について書きましたが、今回もフィンランドでベストセラーになった小説の日本語版を。フィンランド文学が次々と日本語に翻訳され、日本に紹介され読めるようになるのは嬉しいです。


四人の交差点
トンミ・キンヌネン:著、古市真由美:訳 / 新潮社、新潮クレスト・ブックス / 2016

 フィンランドの北部のある村で、マリアは助産師をしていた。その娘のラハヤは写真技師。ラハヤの息子のヨハンネスの嫁のカーリナはその家に漂う重い空気を変えたかった。ラハヤの夫のオンニは大工で、家を建て大きくしていった。その家には100年の歴史と、暮らしと、重さと、秘密があった。


 この本のあらすじを書けと言われても、ちょっと難しいです。マリアは19世紀末からこの家に住み、助産師として働いていた。それから20世紀末までの、一家・一族、この家にまつわる物語が始まる。4人の視点で物語が語られる。それはどこにでもありそうな家族の姿でもあるし、この家にしかない秘密でもある。

 読んでいて、シベリウスの後期の交響曲(4番以降)を聴いているような気持ちになった。静かで、美しく儚くもあり、重く暗い。家族に何かが起こり、怒ったり怒鳴ったりもするが、その声もそこに残らず、すぐに消えてしまう。楽しいことがあっても、楽天的ではない。根底にあるのは静けさで、森のような、日照時間の短い冬の夜のような暗さである。

 そして、閉鎖的でもある。この家はどんどん建て増しをして大きくなるが、外に開かれていない。この家族だけで終わってしまう。孤独で、何かあっても助けも何もない。フィンランドというと福祉国家で、子育てや介護などが充実しているイメージがあるが、それは明るい部分、いい部分だけを見ていたのかもしれないと思ってしまう。ヘルシンキから遠く離れているのも鍵かもしれない。この作品で描かれる喜びも悲しみも、嘆きもこの家族だけで完結してしまう。奔放に見えるようなラハヤも、やはり閉鎖的な苦しみを抱いている。

 でも、描かれる日常は、どこにでもある日常だ。料理…パンケーキやスープ、サウナ、サマーハウスなど、フィンランドの日常にあるものが、リアリティをもって描かれている。詳しくて、その部分は鮮やかだ。鮮やかなのに、根底はモノクロの雰囲気。

 この家に嫁いできて、家の空気を何とか変えたいと思うヨハンネスの嫁のカーリナ。頑固な姑のラハヤに抵抗し、自分の思い描く"家"を作ろうするが…。カーリナとラハヤの関係に、胸が痛む。

 そして、カーリナの方が後の時代だが、最後にラハヤの夫オンニの物語を語るのは理由がある。フィンランド、北欧ならずっと進んでいそうなことだが、解説を読むとそうでもなかった。オンニが、現代に生まれていたら…と思う。オンニが教会の礼拝堂で祈るシーンは、心が痛む。

 物語では、第二次大戦中の継続戦争も鍵となります。フィンランドも第二次大戦の敗戦国。継続戦争中、一般市民はどうしていたのか、出兵した男たちはどうなったのか。これもフィンランドの歴史で現実。フィンランドも紆余曲折あった国なんだなと思う。

 前回の記事の「マッティは今日も憂鬱」では、面白おかしく、自虐ジョークも入れてのフィンランド人が描かれていたが、この「四つの交差点」はもっと生々しい部分でのフィンランドの人々と暮らしと歴史を描いている。フィンランドの静けさと深さと、強さを感じられる物語です。

・過去関連記事:マッティは今日も憂鬱
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by halca-kaukana057 | 2017-07-01 22:43 | 本・読書

Im ~イム~ 6・7

 漫画を読んでも感想を書けずにいたので、何巻かたまってしまった作品もあり…。まとめて書きます。エジプト神話をモチーフにしたマンガ「イム」の6巻と7巻です。この2巻は続いている部分が多いので、まとめて書いてもいいかもしれない。

Im~イム~(6)

森下 真 / スクウェア・エニックス、ガンガンコミックス/2017



 支部長を助け出したイムたち。羽羽方家でパーティーを開くことに。陽乃芽はイムがエジプトに帰ってしまう前の送別会だと思っていたが、パーティーで、羽羽方父がアメン神官団に事務員として入団することになったこと、それに伴い、陽乃芽も夏休みはエジプトに行くことが決まった。
 そしてエジプトにやって来た一行たち。観光している間、荷物を盗まれ、盗んだ男を追うと、晴吾の攻撃に対して人間離れした能力を使い逃げようとした。そして、蛇のような黒いアザが体中に現れ、死んでしまった。イムは、かつて大神官として"地獄の番人"をしていた時、負の感情に飲まれた者たちにそのアザが現れていたのを何度も見たことがあった。そのアザに何があるのか、コンスが本部から呼んだ、ラトの弟であるワジトユートと共に、黒アザの原因を探りに街へ出たが…

Im~イム~(7)

森下 真 / スクウェア・エニックス、ガンガンコミックス/2017



 8年間もとり憑き、イムによって離れた"マガイ・セクメト"を、精霊(カー)として自分の中に戻した陽乃芽。イムを助けるため、その力で戦うも、魔力を制御しきれず倒れてしまう。ひとまず停戦し、去る新たな敵・ラムセス2世。陽乃芽が何故マガイ・セクメトを精霊(カー)に出来たのか。それには、陽乃芽の母・ひまわりが関係していた。羽羽方父は、ひまわりと出会った時のことをイムたちに語りだす…。


 この6・7巻で急展開です。舞台はエジプトへ。支部長誘拐事件で、浮かび上がったいくつかの謎。支部長にとり憑いていたマガイには、「創世九柱神(エネアド)」が関係している…?エネアドたちは何を考えている…?何かを隠している…?それらの謎を解きに、エジプトへ向かいます。
 エジプトに行くことに関して、イムは故郷を皆に見せられること、羽羽方パパは妻・ひまわりと出会った国を陽乃芽に見せられることを喜んでいる。そんな2人がいい感じです。

 エジプトでは、新キャラも登場。そのひとりが、ラトさんの弟というワジトユート君。上位神官です。まだ少年ながら、かなりの力を持っています(その理由は7巻で明らかになります)。そして、敵方はラムセス2世。クレオパトラの次はラムセス2世!強いけれども、ちょっと変わったところもある敵です。

 一方、ユート君の登場で、陽乃芽にある事実が発覚します。その事実をユート君に突きつけられた6巻の144ページからの陽乃芽の自分を責める気持ちが苦しい。そこからの、陽乃芽の本心が、7巻へと続きます。7巻では陽乃芽ちゃんが表紙。しかもカッコイイ!本編でも強くてカッコイイ!

 7巻では、これまでの伏線、謎が一気に解けます。展開が早くて、読み返さないと理解しきれない。古代エジプトの神々をうまく創作に当てはめていて、面白いです。7巻の読みどころは、若き羽羽方父と妻となるひまわりとの出会い。羽羽方パパがカッコイイ、なかなかのハンサムで、心意気も男前です。陽乃芽を産む時のひまわりさんの決意が、とても強くて…、陽乃芽は強い両親から、強いもの、強い心を受け継いでいるんだなと感じました。

 7巻ではついにアメン神官団の本部へ。更に新キャラが登場します。精霊(カー)を診察する医師の神官・ヘシレさんがなかなかいいキャラです。黒アザを発症するメカニズムも解明されます。エジプト神話を題材にしたファンタジーですが、普通の人間の心理に通じるものがあります。そして本部でまさかのあの人が登場。怒涛の展開でした。8巻が待ち遠しい。陽乃芽ちゃんが…どうなってしまうのか!

 謎めいた部分を持つコンスに関しても、徐々に明らかになっていきます。あのシーンのあれはそういうことだったのか…。よくわからないところが多いけれども、コンスの言うことは筋が通っているし、人間的でもある。イムを思いやってもいる。ただ、これからコンスが無茶をしないか…心配です。

 2巻一緒に書くと、まとまりに欠けます。細かい部分も欠けます。どう書いていいかわからない。下手するとネタバレになってしまう…。漫画の感想は溜めないほうがいいね。負の感情もね。そんな6・7巻でした。

Im ~イム~ 5
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by halca-kaukana057 | 2017-06-12 22:43 | 本・読書

Im ~イム~ 5

 10月はあまりブログを書けなかったので、今月は少し増やしていきたいです。まずは読んで感想を書いてない漫画がまた増えたのでそれを…


Im ~イム~ 5
森下真/スクウェア・エニックス、ガンガンコミックス/2016

 クレオパトラにさらわれた八咫黒烏(やた・くろう)支部長を助けるため、船に突撃するイムや晴吾たち。そんな時、コンスから連絡が入る。支部長は15年前、マガイに憑りつかれていて、そのマガイをクレオパトラやジェゼルは狙っているという。15年前…晴吾の家・御空神社での事件。支部長の中にいるのは、御空神社で祀っていたマガイだった。15年前、御空神社で本当に起こったことは何だったのか。支部長は何をして、何故そのマガイが支部長の中にいるのか。そしてそのマガイは何のマガイなのか…。


 話がどんどん壮大になっていきます。古代エジプト神話の創世神話も出てきます。古代エジプト神話をおさらいし直しました。神話と、古代エジプト史と、熱い友情とバトル。5巻はそれらが全部詰まってます。

 晴吾の過去にもようやく決着がつきました。かつての支部長と、晴吾の父の過去。15年前、本当は何が起こったのか。晴吾たちを育て見守ってきた支部長の思い、晴吾たちの思い。とにかく熱いです。これまで、こういうタイプの友情とバトルの少年マンガはあまり読んだことがないので、新鮮で面白いです。支部長に引き取られた子どもたちから浮いていた晴吾、御空神社の息子ということで敬遠してた子どもたち。でも、本当は仲良くなりたかった。そんなわだかまりが4巻で解けましたが、5巻では更に晴吾たちの友情が強くなります。熱いです。支部長の意外な過去にも驚きつつも、やっぱり優しくて強い人なんだなぁと。

 マガイ戦は迫力満点です。イムが月神トトを召喚できるのはラトさんも知らなかったのか。イムは強いけど、イムだけではこのマガイは倒せない。強いチームワークでこそ戦える。いいですね、こういうの。

 イムがクレオパトラと対峙するシーン
俺達古代人(過去の人間)が<現代>(いま)を脅かす権利はない!
(60ページ)

に対してクレオパトラ
妾にだって<現代>(いま)があった!!!
(62ページ)

 この部分が印象に残りました。イムは過去から甦った人間。所々で回想がありますが、クレオパトラの運命も辛いもので…。それ、その時を取り戻したいという気持ちは切ないです。

 マガイを倒して一件落着と思いきや…また混乱が。また話が壮大になりました。そんな相手でも、怖気づかない晴吾。強くなったというか、怖いもの知らずというか…(汗

 一方のコンス。今回の件は、支部の上層部が絡んでいたことを突き止める。支部の中には何があるんだ?倒したマガイがイムに言っていたことと、 コンスの身体にあったもの…あれは何だ?コンスは本当に何者なんだ?そしてラストシーン、え?コンスとあの人が?えええ…!?続きが気になります。

 晴吾編が終わったので、6巻からはまた新しい展開がはじまります。楽しみです。

・4巻:Im ~イム~ 4
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by halca-kaukana057 | 2016-11-08 22:08 | 本・読書

ヴィンランド・サガ 18

 読んだ漫画は早めに感想を書こう…でも1ヶ月ぐらい経ってしまいました。


ヴィンランド・サガ 18
幸村誠/講談社・アフタヌーンKC/2016

 ヒルドに弩で撃たれ負傷したトルフィン。鍋に毒は盛られておらず、皆無事だった。トルフィンの怪我が治るまで、一行はノルウェー・ベルゲンで冬を越すことにする。そして春。ヒルドも加わり、ギリシアへ向けて再び出航する一行。
 一方、デンマーク。フローキらヨーム騎士団のところへ、イングランドからトルケルがやって来た。そして、市場で、トルフィンはヨーム騎士団の一行と再会してしまう。トルケルと再会、そしてフローキとも会う。そして、ヨーム騎士団の現在の状況と、トルフィンの血縁について話をする…。



 ヒルドさんも仲間(トルフィンの監視役)に加わり、旅の再開です。ノルウェーを出て、バルト海を渡りデンマークへ。久々の北欧、嬉しくなります。が、18巻の展開は全く嬉しい、楽しいものではありません。

 久々にトルケルが登場します。8巻でアシェラッドが死んで以来ですね。再登場時は、ちょっとノイローゼ気味になっていた。その理由がなんともトルケルらしいです。ヨーム騎士団とフローキも再登場。そういえば、フローキがトルフィンに会うのは初めてでしたっけ…?トールズが殺された時、子どもの頃には少し会っていたかもしれない。成長してからは初めてですね。
 ヨーム騎士団が抱える問題…後継者探し。ヨーム騎士団の団長には、血統を重視する。かつて「ヨームの戦鬼(トロル)」と呼ばれたトールズが父、母のヘルガは2代目団長の娘。そしてイングランドでは小柄ながら、大柄のトルケルを負傷させるほどの強さで一目置かれていた「侠気のトルフィン」トルフィン・カルルセヴニ。団長にふさわしい、と言われてしまう。トルフィンは、ヴァイキングの過去を捨てたのに…。

 捨てたい過去、自分は変わろうとしているのに、周りがそうさせてくれないことがある。過去を掘り起こしたり、引きずり込んだり、変わらないものとして扱おうとしたり。ただ駒にされているような気にもなる。トルフィンはヴァイキングだった過去を捨て、ヴィンランドで新しい国をつくり、新しい人生を歩もうとしているのに、トルケルやフローキは過去へ引きずり込んだ。何故人生はこうもうまくいかないのだろう。

 団長のことは勿論断ったが、ただではおかないフローキとヨーム騎士団。トルフィンたちを追ってくる。トルフィンはエイナルやグズリーズたちを逃がし、ヨーム騎士団の追っ手に立ち向かう(ヒルドさんは監視でついて来た)。殺気に満ち、相手を力で素早く射止めるかつてのトルフィンです。穏やかだったトルフィンが、また…。ヨーム騎士団の追っ手との対決で、蛇さんのことを思い出すトルフィン。蛇さんの方が強かったって…。トルフィンもずっと戦場から離れているのに、この動き。トルフィンは暴力と過去を捨て、その生き方を応援しているのに、戦うトルフィンもかっこよく見えてしまう。多分、以前とは戦う理由が異なるからだと思う。でも、理由は何であれ、トルフィンは暴力を捨てたのに…。

 そんなトルフィンの前に現れた2人のヨーム騎士団の戦士たち。彼らはちょっと違うようで…。そして、現実を突きつけられるトルフィン。なんとも辛い。ヴィンランドどころか、ギリシアにもたどり着けるのか…かなり不安になってきました。19巻を待ちます。月刊連載でもう20巻目前なんだな。どうなるんだろう。

 あと、シグルドたちはどうなっちゃうんでしょう…。

・前巻:ヴィンランド・サガ 17
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by halca-kaukana057 | 2016-09-25 22:09 | 本・読書

Im ~イム~ 4

 溜まってる漫画の感想です…。

Im ~イム~ 4
森下 真 / スクウェア・エニックス、ガンガン・コミックス/2016

 ラトの提案で、イムと晴吾をマガイ退治のコンビとして組ませることになった。が、やはりケンカばかり。そんな中、アメン神官団の神官が次々と失踪する事件が起きていた。家族をマガイに殺され、晴吾を引き取ったアメン神官団・日本支部長・八咫黒烏(やた・くろう)まで失踪してしまう。側近の話によると、女が同胞とともに支部長を連れ去った、と。また、鳥取砂丘の港に不審な大型船が停泊しているとの情報もあり、ラトを班長にイム、晴吾、晴吾と同じように孤児になり支部長に引き取られた稲羽、姫子が砂丘側から捜索にあたることになった。班の中はずっと険悪なムードだった…。

 4巻は神官団の内部、そして晴吾の過去が語られます。神官団がどのようにマガイを退治し、どのような組織になっているのか。そのメンバーや、どうやって神官団に入ったのかも明らかになります。

 晴吾はマガイに家族を殺され、神官団に入った晴吾。同じようにマガイによって孤児になり、支部長に引き取られて育てられた子どもたちがいた。稲羽や姫子たち。しかし、その中で晴吾は浮いていた。マガイを祀っていた御空神社は、彼らからマガイ教と呼ばれていた。そんな晴吾をかばい、謝罪するイム。何だかんだ言っても、イムは自分の罪を潔く認め、謝罪し、仲間と信じるものを守ろうとする。そして強い。口調が偉そう(元々神官)で、態度も偉そうなところが相手を怒らせてしまうことがあるが、イムのいざという時に素直な姿勢は、晴吾のこの4巻での成長に影響を与えていたと思います。

 この4巻、もうひとり鍵になるのがラトさん。コンスの護衛の上位神官。とても可愛くて強い。ラトたちが砂丘で出会ったのは…その「女」。3巻の最後で出てきた新キャラ・クレオパトラです!以前も話したとおり、古代エジプトは時代がとても広い。ジェゼルとイムホテプが出てきたのは古王国時代。クレオパトラが出てくるのは古代エジプトも末期、プトレマイオス朝。古代ローマが進出してきた時代で、美術も古王国~新王国時代のものとは違いがあります。古代ローマ文化の影響を大きく受けています。…という薀蓄はここまで。クレオパトラも名前と大まかな人物像だけ借りています。どんどんフィクションでやってくれたほうが気持ちいい。
 ラトさんに話を戻して、砂丘で出会ったはクレオパトラと、同じくコンスの護衛のセド。セドにピンチが。そんなセドを守ろうと、信頼して戦うラトさんがとてもカッコイイです。しかも、コンス、ラト、セドにはある秘密がありました。コンスも何やら不思議な動きを。この3人、一体何者なんだろう…。

 晴吾は、神官団のメンバーたちと、真正面から向き合い始めました。勿論、それまでは大変だったのですが…。晴吾を見ていたメンバーたちの、本当の気持ち。晴吾が孤立した理由。思いのすれ違い。かなしい、さみしい、仲間になりたいけれど、どう人に伝えていいかわからない。この気持ちは、私もわかります。そんな晴吾に正面からぶつかってくる、素直になれと言い続けるイム。イムは偉い神官なだけではないのだな。人間としてもできている。やり方はまずい時もあるけれど、本当に憎めません。

 3巻でジェゼルが、今回クレオパトラが使っていた術の謎も気になります。一体、マガイは誰が仕組んだものなのか。ジェゼルとイムが元凶ではないのかもしれない…仕組まれたというだけで。

 5巻ではいよいよ仲間と本丸に乗り込みます。
 しかし、陽乃芽ちゃんの出番がないですね…名前の由来は、以前1巻感想で書いた通りでした。

・3巻感想:Im ~イム~ 3

・1巻:Im ~イム~ 1
・2巻:Im ~イム~ 2
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by halca-kaukana057 | 2016-07-08 22:02 | 本・読書

ヴィンランド・サガ 17

 この漫画を買ったのはいつだろう…またしても遅れに遅れて感想書きます。

ヴィンランド・サガ 17
幸村誠/講談社・アフタヌーンKC/2016

 ギリシアを目指すトルフィン一行。ノルウェー、ベルゲン近郊の「凪の入り江」で女猟師のヒルドに出会う。ヒルドはトルフィンたちに熊の鍋をふるまうが、トルフィンを弩(いしゆみ)で狙い撃とうとする。ヒルドは子どもの頃、村がアシェラッドたちに襲われ、父はかつてのトルフィンに殺された。トルフィンに復讐するチャンスと考えたヒルドは、トルフィンに熊の鍋に入れた毒の解毒剤が欲しければ一人で森に来い、と言う。トルフィンは言われるとおり、武器も持たず一人で森へ行く。ヒルドに過去を詫び生きて罪を償いたいと訴えるトルフィンを、ヒルドはじっと見つめていた…。

 16巻で登場した女狩人のヒルド。表紙はヒルドさんです。金髪碧眼、弩を持ってカッコイイですが、心の中はトルフィンへの復讐で燃えています。
 父は大工で、ヒルドの村は船を造っていた。ヒルドも大工・設計の才能があり、水車を動力源とした自動のこぎりも設計するほどの腕前。ヒルドも子どもの頃から普通の女の子とはちょっと違う子だった。その辺り、そのうちグズリーズと分かり合えそうな気がする。父はヒルドの才能を認め、好きなように生きろと言い、幸せな生活を送っていたのだが…アシェラッドたちの襲来で全て壊された。アシェラッドの標的はヒルドの父。そのヒルドの父を、かつてのトルフィンが殺した。「オレが狩る側で、お前らが狩られる側だ」(91ページ)という言葉を残して。かつてのトルフィンが言いそうな言葉です。その一方で、ヒルドの父は、恨みと憎しみに押しつぶされそうになったら、「人を赦しなさい。赦す心だけがお前を救ってくれる」(77ページ)とも。

 その後、ヒルドは何とか生き残り、狩人の「師匠」に助けられ、狩人になろうと狩りを学ぶ。しかし、女の力では弓を引くのは困難。破壊力のある弩も、装填するのにやはり力が要る。女の腕力でも扱いやすく、装填も素早くできる弩を設計し、造り、実用化する。ヒルドさん凄い。師匠も、ヒルドの怒りや憎しみを読み取り、それを捨てろと言っていた。その師匠も、熊に襲われてしまう…。
 このヒルドさんの回想シーンは読んでて辛かった。

 そして現在。森の中でトルフィンを「狩ろう」とするヒルド。かつてトルフィンに言われた言葉を、そっくりトルフィンに返している。これも辛い。一方で、トルフィンは武器も持たず、ヒルドに今の自分を伝えようと必死に駆け回る。トルフィンが心を入れかえたことをずっと理解しているエイナルや、トルフィンに助けられたグズリーズたちも、今のトルフィンは違うと訴える。この物語…「プラネテス」でも幸村先生の物語には「愛」がテーマとして出てきますが、トルフィンも「愛」(キリスト教においての)を持っているし、エイナルやグズリーズ、レイフのおじさんたちからも「愛」を受け取っている。かつてのトルフィンも、今のヒルドと同じように、父・トールズをアシェラッドに殺され、復讐に燃え、怒りと憎しみだけで生きていた。それだけで生きるのは苦しい。人を苦しめ、自分も苦しむ。それがヒルドに伝わればよいのだが…。ヒルドさん強いです。改良した弩が凄い。トルフィンの想像以上。それでも無抵抗で立ち向かってゆくトルフィンも強いです。

 でも、ヒルドさんも「愛」を受け取っていた。父、師匠から。ラストのシーンがよかった。奴隷をしている間、憎しみや怒りから解放されていった(それでも、今でも多くの人々を殺したことでうなされている)トルフィンのように、ヒルドさんもその怒りや憎しみが和らいでいけば…と思う。復讐相手を目の前に…ってやっぱりかつてのトルフィンと同じだ。今後のヒルドさんに注目です。

・16巻:ヴィンランド・サガ 16
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by halca-kaukana057 | 2016-05-05 21:57 | 本・読書

レベレーション 啓示 1

 読んだのに感想を書いていない漫画の感想を。この作品は単行本化を待ってました!!


レベレーション 啓示 1
山岸凉子/講談社・モーニングKC/2015

 1425年、フランス・ロレーヌ地方・ドンレミ村。ジャンヌ・ダルク、13歳。ジャネットと呼ばれていた彼女は気が強いが、信心深く、事あるごとに祈りを捧げる少女。17歳の姉・カトリーヌは他の村の村長の息子・コランに嫁ぐことが決まっていた。当時はフランスとイギリスの間での「百年戦争」の真っ只中。人々の間に不安と怒りが募っていた。そんなある日、ジャネットが家事をしていると、教会の方から光のようなものを感じた。そして「汝 善きことのみを行い 教会へ繁く通え」と聴こえた…。


 ジャンヌ・ダルク…百年戦争で活躍したが、"魔女"と呼ばれ、処刑された女性…この程度のことしか知りません。ジャンヌ・ダルクは小説、映画、漫画…様々なメディアの題材となっている。何故そこまで取り上げられるのか。ジャンヌ・ダルクとは一体どんな人だったのか。「日出処の天子」「ツタンカーメン」などで歴史ものを描いてきた山岸先生はどう描くのか。しかも連載(週刊誌で隔月ペース)されているのが「モーニング」。最初、「モーニング」で山岸先生が連載を始めると聞いた時は驚きました。少女漫画誌のイメージだったので。でも、「テレプシコーラ 舞姫」は書籍情報誌「ダ・ヴィンチ」だったなぁ…。とにかく、単行本で読めるのを楽しみにしてきました。

 物語は処刑直前のジャンヌの回想で綴られます。何故ジャンヌがこんなことになったのか。いつから"啓示"を受けるようになったのか。
 13歳、少女のジャンヌ(ジャネット)は、中世フランスのどこにでもいそうな普通の少女。フランスののどかな村で、家を手伝っていた。気が強く、物事に敏感。信仰心が篤く、教会の鐘が鳴るとお祈りを欠かさない。そんなジャンヌが、"啓示"を受け始める。最初は夢で。次に光のようなもの。さらに、その姿が見えるようになるまでに。教会の司祭に告解もするが、司祭様もその内容に戸惑う。ジャンヌが預言を聞く描写がシンプルでうまい。言葉が空間に漂っている。耳で聞くというよりも、声が心の中に入りこんでくるような。徐々にその姿を現す様にドキドキします。
 ちなみに、ジャンヌがはっきりと預言を聞く前の地震のようなものを感じるシーンで、「ツタンカーメン」の"揺れる墓"を思い出しました。「ツタンカーメン」は史実に基づくもフィクション多めでしたが、「レベレーション」はどうなるか。楽しみです。(とはいえ、「ツタンカーメン」は20世紀初頭、「レベレーション」は15世紀、時代が全くことなりますね)

 啓示を受けるジャンヌも、普段は普通の少女。当時の農村での生活、結婚などのしきたり、人々にとって教会はどんな存在だったのか、そして百年戦争がのどかな農村にも影を落としていたこと。当たり前の日常の中に、戦争の影響があり、解雇された兵士たちは村を焼き略奪し、村人たちは逃げるしかなかった。戦乱に明け暮れる中世のフランス。歴史やイギリス・フランスの王家の状況の骨太な部分と、農村の日常ののどかな部分。この対比が面白いです。百年戦争はややこしいと学生時代世界史を勉強していた時に感じたのですが、漫画でもやっぱりややこしい。あらためて勉強するかたちでも読みます。
 のどかな農村の生活、と書きましたが、カトリーヌの結婚は穏やかではなかった。読んでいて辛いです。こんな辛さが、ジャンヌが"啓示"を受けやすくしたのだろうか…?

 物語は始まったばかり。これからが楽しみです。

・「ツタンカーメン」についてはこちら:思い出の"発掘" 山岸凉子「ツタンカーメン」再読
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by halca-kaukana057 | 2016-03-17 22:58

Im ~イム~ 3

 漫画の感想がまた溜まっています…。


Im ~イム~ 3
森下真/スクウェア・エニックス、ガンガンコミックス/2016


 マガイが生まれる原因となったジェゼル王子と、ジェゼル王子を守ろうとした行動が裏目に出てマガイを世界中に広めてしまったイム。封印されるまでの経緯を語り、コンスはイムに「記憶抹消魔法」でジェゼル王子の存在そのものを消し、マガイも消せと命令する。親友の存在を消す…イムにとっては酷なこと。陽乃芽は反発する。明日エジプトに帰るために迎えに来ると言って去るコンス一行。イムは朝早く出かけていった。
 一方、マガイ退治をしていた晴吾は突然何者かに襲われる。そして、ジェゼルとの思い出、誓いを回想していたイムの目の前に現れたのは、封印されているはずのジェゼルだった。親しげにイムに話しかけてきたが…。


 表紙はジェゼル。ですが、2巻と雰囲気は全く異なります。2巻でイムとジェゼル、マガイがどうして生まれたかも明らかになりました。マガイ退治のための神官団の現在も。さらに、マガイを崇拝し、ジェゼルを祖と崇める人間も存在することも。ジェゼルを守れず、マガイを生んでしまったことを思い悩むイム。しかし、イムは自分が守るべきなのは今生きている人…陽乃芽たちだとも考えている。イムの苦悩の深さは計り知れません。

 そんなイムの目の前に、ジェゼルが…!?しかも、イムと駆けつけた晴吾に攻撃をしてくる。大バトルシーンの迫力がたまりません。死闘の間にも、イムは自分が何をすべきか考える。

 2巻の感想で、この漫画のテーマは友情と、何かの犠牲の上に何かは成り立っているということなのかなと考えました。何かの犠牲…ジェゼルは世界を守るために生贄となり、イムはそれを執行するための神官という宿命。2人は宿命の犠牲になっている。自由に自分の生き方を選べない。陽乃芽が8年間、一言も発することができず孤独な毎日を過ごしていたのも。しかし、陽乃芽やこぶしはイムに助けられ、自由になった。自由とは自分で何かを選ぶこと。それが残酷なことだったとしても。かつての親友と戦い、トドメをさすことになっても。
 自由と何かの犠牲になること。これもこの漫画の大きなテーマのようです。

 イム・晴吾とジェゼルの戦いに、コンスも参戦。コンス…ではなく、コンスの護衛のセドとラト。この3人も古代エジプトの神話が元になっています。この2人、とにかく強い。イムも強かったが、ジェゼルを倒すことはできなかった。コンスはこのジェゼルが何なのかを見破り、セドとラトが追い詰める。コンスのキャラが面白い。俺様キャラの一方で、イムを何かに利用しようとしているのか…実は腹黒いのかもしれない。コンスはこれからも注目です。

 第11話、バトルもひと段落し、日常パート。イムが陽乃芽の学校に…!?イム、さすがは大神官。教科書をちょっと見ただけで現代の学問も全て習得。おそろしい(羨ましいw)。一方陽乃芽は、進路希望調査で悩む。ここでも、選択できる自由が大きな鍵になります。イムが陽乃芽に言った言葉がとても好きです。イムは見た目は少年ですが、やはり古代エジプトから来た大神官。その後のエジプトで起こったことも知りません。そして、全て終わって、現代にもし生きられるなら…。イムの笑顔、また見ることができるだろうか。いい笑顔です。
 この11話には、古代エジプト神話の神がちょっと登場します。何かと話題の…メジェド神。「メジェド様」、私もほしいです!w

 イムの新たな、いや、本当の戦いが始まりました。これからどうなるのか。4巻が楽しみです。4巻では、また古代エジプトの有名な人が出てくる予定。

【過去記事】
・1巻感想:Im ~イム~ 1
・2巻:Im ~イム~ 2
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by halca-kaukana057 | 2016-03-10 23:14 | 本・読書

[コミック版]天地明察 9 (完結)

 これも昨年発売され、昨年読んだ漫画です。最終巻ということで、感想書いたら本当に終わりになってしまうような気がして…。

天地明察 9
冲方丁:原作/槇えびし:漫画/講談社・アフタヌーンKC/2015

 酒井に久々に呼ばれた渋川春海は、もともとは保科公が望んで授けたもの、今度の改暦の儀には差しておくようにと二刀を手渡される。また、春海の「分野」や新しい暦に感銘を受けた陰陽寮の土御門泰福(つちみかど・やすとみ)が春海に会いに来る。春海を敵対視している陰陽師の中にも春海の味方となる心強い存在がいることを知り、春海は改暦へ着々と動き出す。そして、春海は授時暦が何故蝕の予報を外したのか、その答えにたどり着いた…。

 最終巻、別れもいくつもあります。闇斎先生…。でも、喜ばしいこともあります。春海とえんの間に子どもが。そして、泰福との出会いは春海にとって大きな力となります。泰福は以前少し登場しましたが、春海と会うのは初めて。とてもいい人です。そして、若い頃の春海を見ているかのよう。若さゆえ足りないところもあるのですが、何に対しても興味を持ち、精進し学ぼうとする姿はまさに若い頃の春海です。一方の春海は、この手がダメなら次の手、その手にも様々な作戦をたてておく…策略家になりました。ちょっと怖い、腹黒い?雰囲気はありますが、改暦はそのぐらいの手を用意しないと成し遂げられない。碁を打つように、あらゆる作戦、あらゆる手を駆使する。ことさんと暮らしていた頃の春海は心優しい(優し過ぎて弱さもある)、えんさんと暮らしている今は強さ、強靭さを感じます。妻の性格が映るのでしょうか。

 そして授時暦が何故うまくいかなかったか、原因を突き止めた春海。原作ではこの部分で、今で言う緯度と経度を混同していた部分があったのですが、漫画では修正?違う言葉でうまく置き換えていました。とにかく、春海の天文の話には心躍ります。その話を聞いた関さん…いい表情です。

 天の理を制したなら、地の理…。人間の感情が一番厄介ですね。それでも、陰陽師たちや朝廷の様子を考え、手をまわしていく春海。2度目の春海の暦(大和暦)が敗れた後の、町中で天測のシーンはワクワクしました。かつて、春海もそうしたように。町中で天体観測、今で言うまちなか観望会ですね。今の望遠鏡のようにささっと持ち運べる機器ではない天測機器を、通りにどんと設置してしまうのがすごいです。これは楽しい。

 遂に、その時が…。これまで春海が出会い、「託された」人々の回想、全ての始まりとなった絵馬。原作でも絵馬が風に揺れて「からんころん」と音を立てるシーンが印象的に書かれていますが、漫画だとさらに印象的です。本当に感慨深い…!春海がいたからこそ、暦というものがいかに大事か、日本の天文学、天文観測も進んだ。渋川春海という人の偉大さを実感します。

 ラストは、原作とは異なります。そう来るか…!原作のラストも好きなのですが、漫画は漫画でいい描き方をした、こっちも好きです。

 「天地明察」は原作も、このコミカライズもどちらも面白い。誰かと出会い心を通わし手を結ぶこと。ひとりでも、目指すものに向かって突き進むこと。「精進」し続けること。好奇心を失わないこと。諦めないこと。こう書くとただの美談のようになってしまいますが、「天地明察」はそれだけで終わらない。渋川春海を中心に、様々な人々が描かれている。それぞれの立場で、それぞれの生き方で。原作を読んで、この素晴らしいコミカライズでまた読めて、とても楽しかったです。槇えびし先生のキャラデザ、絵、物語もよかったです。ありがとうございました!!

・8巻:[コミック版]天地明察 8
 
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by halca-kaukana057 | 2016-02-02 23:04 | 本・読書

世界一わかりやすいロケットのはなし

 久しぶりに宇宙開発方面の本を。

世界一わかりやすいロケットのはなし
村沢譲/KADOKAWA/中経出版/2013

 1955年、糸川英夫博士によるペンシルロケットの発射試験から始まった日本のロケット開発・打ち上げの歴史。この本は、そのペンシルロケットから現在のH2A,H2B、イプシロンまで、それぞれのロケットの特徴、搭載した衛星、打ち上げがどうなったか…などの記録になっています。

 冒頭ではイプシロンロケットの森田泰弘先生、「こうのとり」4号機・有人宇宙ミッション本部・宇宙船技術センター長の田中哲夫さんへのインタビューが。イプシロンも「こうのとり」も、今、そしてこれからの日本の宇宙開発を支え、引っ張っている重要な宇宙機。それぞれ、まだまだ進化途中(イプシロンはまだ初号機しか打ち上げられていない!!)。また、過去の様々な宇宙機・技術を引き継いでいる。そんな覚悟とやる気に満ちたお話でした。

 あとは、ひとつひとつの打ち上げを解説。日本のロケットの歴史を私はまだまだ知らない。知らないことがたくさんある(年齢の問題もありますが…)と感じました。ロケット、人工衛星、それぞれの失敗も結構多い。90年代の失敗続きはリアルタイムで見ていて辛いものがあったのですが、その前にも。また、旧宇宙開発事業団(NASDA)と宇宙科学研究所(ISAS)が共同で開発。しかし莫大なコストで1号機で終わってしまった「J-1ロケット」についても。実はJ-1ロケットについて詳しいことは知らなかったので、知れてよかった。ペイロードの「HYFLEX」は覚えていたのになぁ…?

 今、H2A,H2B,イプシロン(2号機打ち上げが待たれる)は順調に打ち上げ、衛星・探査機を宇宙へ送っている。天候不順以外の延期がないオンタイム打ち上げ、飛行も順調。過去にたくさんの失敗があって、今があるのだなと本当に思う。今につながる日本のロケットの歴史を手にとれる本です。

 明後日24日には、H2Aロケット29号機が打ち上げられる予定です。ペイロードはカナダの通信衛星、商業打ち上げです。しかも、「人工衛星にやさしい」ロケットを目指して、かなり難度の高い打ち上げに挑戦します。「はやぶさ2」の打ち上げの時、第2段ロケットと「はやぶさ2」を分離しないで一度エンジンを停止し慣性飛行で地球を一周、その後第2段エンジン再点火して、「はやぶさ2」を分離、という難しい方法がとられました。今度はもっと難しいです。更なる商業打ち上げ受注を目指して、まだまだ日本のロケットは進化します!
JAXA:H-IIAロケット29号機(高度化仕様)による通信放送衛星Telstar 12 VANTAGEの打上げ時刻及び打上げ時間帯について

 ちなみにこの本は「だいち2号」、「GPM/DPR」、「はやぶさ2」打ち上げ前だったので、少し紹介している程度です。
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by halca-kaukana057 | 2015-11-22 22:58 | 本・読書


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