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ReLIFE 1・2

 本屋さんで何気なく見つけて、1巻を読めるようになっていたので読んでみたら面白かったので、2巻まで読んだ。その1巻を開いて驚いた…全編オールカラー…!?無料漫画アプリ「comico」で連載中の漫画で、アプリでも毎回オールカラー。今の時代、そういうことも出来るのか…。漫画誌で好きな漫画がカラー表紙になると喜んでいたのはもう昔の話というのか…!?


ReLIFE 1

夜宵草(やよいそう)/泰文堂・アース・スター コミックス/2014





ReLIFE 2

夜宵草/泰文堂・アース・スター コミックス/2014





 海崎新太(かいざき・あらた)は27歳。2浪で大学に入り、就活から逃げるために大学院に進み、卒業後就職したがとある理由で3ヶ月で退職。その後、再就職を目指すも落ち続け、コンビニでバイトをしている。更に、田舎の実家から、田舎に帰ってこないなら仕送りを凍結するとの連絡が入る。キャリアを積んでゆく友人たちにはフリーターになってしまったことは言えず、会うといつも嘘をついている。そんな帰り道で、新太は夜明了(よあけ・りょう)という男から声をかけられる。初対面なのに何故か新太のことを全て知っている夜明。夜明は「リライフ研究所」の社員で、新太が「リライフ」被験者に選ばれた、と告げる。「リライフ」とはニートを社会復帰させるための実験で、新太にその実験に協力して欲しいという。1年間、高校生になって高校生活を送る、と。研究所が開発した薬を飲めば、見た目は高校生ぐらいまで若返られる…。怪しい話だと思いつつも、新太の心の中を全て見抜いている夜明の言葉に動揺し…。翌朝、起きて鏡を見た新太は、高校生ぐらいの年齢に若返ってしまった自分の顔に驚く。酔った勢いで薬を飲んでしまっていた。そして、再びやって来た夜明に、「リライフ」実験に協力することを決意する。4月、見た目17歳・3年生の新太は編入生として高校に入り、高校生活が始まった、が…。


 「もし、人生をやり直せたら」。たまに思うことがあります。でも、いつからやり直すか。中学や高校だと勉強も大変だし、思春期の友人関係も複雑でやり直したくないなぁと思ってしまいます。大学も結構ハードだった。でも、それは、自分の時間を遡るという意味での「やり直し」。この作品では、見た目は若返って、現在の高校でやり直す、というもの。今の高校では学ぶ内容も異なり、友人関係も携帯は必須でSNSも使いこなして…ついて行けるのか、と正直思ってしまう。学生時代いじめも経験しましたが、いじめも変化している。ネットで陰湿化していることも。やっぱりもう一度高校生になるなんて嫌だなぁ、と思ってしまった。

 でも、新太のように、実際に今の高校生と、自分も高校生の姿で接したらどうなるんだろう?読みながら思っていました。時代は変わっても、高校生の子たちが思っていること、悩むことはそんなに変わらないのかもしれない。

 見た目17歳(あくまで見た目だけ。中身は27歳のまま。体育は辛いし、怪我の治りも普通の17歳に比べると遅い!)の新太は、登校初日から様々なクラスメイトに出会う。成績優秀だが所謂「コミュ障」で人付き合いが苦手、友達をつくりたいと思っている日代千鶴(ひしろ・ちづる)。新太の隣の席で、バレー部員で勉強も部活も頑張る努力家だが、どちらも一番にはなれないことにコンプレックスを抱いている狩生玲奈(かりう・れな)。新太の前の席で、イケメンで見た目は軽いノリだが成績優秀、でも鈍感な大神和臣(おおが・かずおみ)。新太の斜め前の席で、同じく編入生の小野屋杏(おのや・あん)。そして、夜明も新太の担当として新太の行動を記録・報告と研修のために、同じく薬を飲んで高校生になっていた。

 登校初日から、何かと騒動を起こしてしまう新太。学業も散々で、追試続き。物語はシリアスな部分もありますが、大体はコメディタッチで描かれているので笑いながら読めます。そんなコメディの部分が続いているところへ、新太の過去や登場人物たちが抱えているものが出てくると、余計にシリアスに感じてしまう。仕事を3ヶ月で辞めてしまい、「大人」「社会人」になりきれない、前に進みたくても進めない辛さを抱えている新太。一方、新太が出会ったクラスメイトたちも様々なものを抱えている。友達をつくりたいのにできない千鶴。努力しているのに、勉強も運動・部活も叶わない相手がいて、近づきたい人にも想いが届かない…それを心の中に溜め込んでいる玲奈。1年の頃からこの高校に通っているはずなのに友達がおらず(仕事上他者と深く関わらないようにしている)、何かを隠しているような夜明。人それぞれ、様々な抱えているものがあって、毎日もがいているのだな、と…。それぞれのキャラクタの抱えているものが、自分も経験があるので共感し、過去の苦しかったことを思い出して読んでいました。

 本来は存在しない17歳の新太。「リライフ」実験後、新太に関わった人々からは新太の記憶が消されてしまう。もし新太が本当は17歳ではないことがバレてしまった場合は、「リライフ」実験もそこで中止。「リライフ」実験の間の新太の記憶も消されてしまう。どうせ記憶に残らないのだから、無難に、目立たなく…と思っていた新太だが、いつの間にかクラスメイトたちや夜明のことを気にかけるようになる。自身の心の変化に葛藤する新太。大人の視点でクラスメイトたちを見て、他人事と思えなくなっている。

 そして、彼らが「抱えているもの」を敏感に察し、配慮しようとする新太。本当は10歳もの年齢差があるのに、すぐに高校生たちに溶け込んだ。本当に羨ましいぐらいにコミュニケーション能力は高いのに、何故新太は社会からドロップアウトしてしまったのだろうかと思う。いや、コミュニケーション能力が高い、周りのことをよく見ていて、人の心の動きに敏感で、優しくて、困っていたら何とかしたいとすぐ行動するからこそ、「大人」社会に馴染めなかったのか…。配慮をして「何とかしよう」とする新太に対して、夜明がこう話すシーンが印象的です。
石をどけたキレイな道を歩かせてあげることが 果たして本当に本人のためになるのかどうか
転んでも許してもらえる若いうちに その痛みや起き上がり方を学んでおくのも大切かな…
って思いますがね(2巻、139ページより)

あがいて下さい 精一杯
小さな物事にも大きな反応をして
思春期の学生たちと一緒に 頭じゃなくて心をいっぱい動かして
(2巻、142ページより)


 それにしても、努力しても報われない玲奈の心の奥底が…。どんどんネガティヴなものを心の中に溜め込んでいる。自分もよくあるので、わかる…と思いながら読んでいました。そんな玲奈の溜め込んでいたものがついに…。3巻はこの3月末に発売。と言っても、アプリ「comico」で最新話まで読んでしまいましたがw

 無料の携帯アプリで連載中の漫画を実際の書籍に、単行本として発売する。携帯でも読めますが、じっくり読むならやはり本だなと思ってしまうアナログ人間です。オールカラーなのは嬉しいのですが、背景の色で台詞がつぶれたり、台詞が細々していて読みにくいところがあるのは残念なところ。台詞も元々多い。言葉での心理描写が多いのはいいのですが、「絵で語る」漫画のよさを活かしたらもっと面白くなると思います(もしかすると小説向きなのだろうか?)。元々アプリでは縦スクロールで読むようになっているので、本にするとコマ割の印象も変わります。いい方向に変わっているところもあり、コマ割りもやはり細々しているところもあり…。この漫画も"実験"しているようで、新太たちと共に"成長"してゆくのを見守りたいです。

 ちなみに、来年、アニメ化も決まっているそうです。凄い勢いです。元々オールカラーなのでアニメになっても違和感は少ないだろうなぁ。
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by halca-kaukana057 | 2015-03-09 23:05 | 本・読書

暮らしのヒント集 3

 毎号読んでいる雑誌「暮しの手帖」。その中のひとつのコーナー「暮らしのヒント集」。毎号まず読むのがこのコーナーです。これまで、選集やムックも出版されてきました。今回の記事で取り上げるのが、選集の第3集。
・これまでの選集やムック:暮らすこと、生きること 「暮らしのヒント集」

暮らしのヒント集 3
松浦弥太郎/暮しの手帖社/2013

 第3集も、「暮らすこと」「生きること」に関するちょっとしたアドバイスやヒントがまとめられています。どこから読んでもいい、自由な本です。「暮しの手帖」本誌では、短いヒントしか書いていませんが、選集では解説が書いてあるものもあります。解説が書いてあっても、ゆるさ、余裕、自由な雰囲気がある。読者に問いかけるような内容のものもある。例えば、
164:
一休みして心を落ち着けましょう。どんなことにもすなおである自分の心を確かめましょう。今、すなおでしょうか?(81ページ)

217:
自己紹介の内容を紙に書いてみましょう。自分は、何が出来て、何がしたくて、何を考えているのか。他人に知ってもらいたいことを書くのです。(102ページ)

など。「では、自分ならどうする?、どう思う?」と問いかけながら読む。問いかけるような内容でなくても、「これは忘れていた、おろそかにしていることだ」「これは私も大事にしている、わかる」と自分と対話しながら読んでいる。この本は、自分を見直し、自分と対話する本なのかな、と。

 「まえがき」で、「暮らしのヒント集」を執筆している「暮しの手帖」編集長の松浦弥太郎さんは、こう書いている。「暮らしのヒント集」は、日々の暮らしを「観察」することから生まれている、と。
 「観察」とは、ものをよく見るとということです。見るということは、どういうことでしょう。見ることは、誰もがあたりまえのようにしています。しかし、見つめることを意識的にしているか、というとどうでしょうか。
 見つめること、それはそのものに隠れているものを、見つけるということではないでしょうか。そしてまた、そのものを、深く考えることではないでしょうか。
(中略)
 「観察」とは、目に見えないものを見つめるということかもしれません。一日の中で、どのくらい心を使って、目に見えない、はっと思う美しさを見つけられるか。それは、暮らしに好奇心を持ち、すなおで、飽くなき観察者の瞳を持つことでしょう。
(6~7ページより)

 「見る」と「見つめる」、「見つける」。同じ「みる」でも全然違う。ただボーっと眺めるだけになっていないか。たまにはそんなことも必要ですが、その眺めた景色の中に、何を見つけて、どう見つめるか。この本は、ヒントは書いてありますが、それに対してどう思うかや、答えを出すのは読者一人ひとりだと思っています。私はちょっと違う、と思ってもいいと思います。それが、自分の心を見つめて出した答えなら。

 そういえば、年始に自分の「暮らしのヒント集」を作りました。
自分の「暮らしのヒント集」つくってみた
 今日から12月。その後どうなったか…書いてつくったはいいものの、読み直すことは徐々に減り、机の上の本立てに収められたまま数ヶ月…。なかなか難しい…。この12月は自分の「暮らしのヒント集」を読み返して、一年を振り返り、また年明けにつくってみようと思います。
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by halca-kaukana057 | 2014-12-01 22:28 | 本・読書

宇宙兄弟 24

 いつも感想が読んでからしばらく経ってからになってしまいます…。今頃になってしまいました、「宇宙兄弟」24巻です。


宇宙兄弟 24
小山宙哉/講談社、モーニングKC/2014

 六太たち「ジョーカーズ」CES-66の打ち上げが近づいてきた。しかし、カルロがいない。カルロがいなくなる前、カルロとエディが話しているのを偶然聞いてしまった六太。そして、カルロがいない間に、バックアップクルーのモッシュと一緒に訓練する「ジョーカーズ」。モッシュとカルロの交代が正式に決まろうとしていた…。
 一方、カルロは生まれ育ったイタリアにいた。父親であるリベリオの死期が迫っていた。リベリオは、マフィアの幹部で、刑務所に収監されている。カルロは16歳で家を出て、それ以来リベリオとも会っていなかった。カルロが宇宙飛行士になったことを知り、喜ぶリベリオ。そして、リベリオはいつもしていた指輪をカルロに手渡す。金庫の鍵にもなっている、というその指輪。金庫の中にあったものを観たカルロは、幼い頃のことを思い出した。

 23巻のラストで、いなくなってしまったカルロ。カルロに何があったのか。24巻で明かされます。そして、カルロの過去も。イケメンで軽い雰囲気だったカルロに、こんな過去があったとは。しかも、その過去も、あくまでカルロの主観によるもの。過去と父を否定し、名前も変えてアメリカに渡り、宇宙飛行士になったけれども…そこにはいくつもの、否定してきたものから繋がってきたルーツがあった。カルロの父の真実。否定してきたものが、本当は今のカルロに繋がるものだった。
「俺はもう何の心配もなく晴々と月へ行けるようになる」(#225)
「それで俺は―晴々と月へ行けるようになる」(#228)

 どちらもカルロの台詞です。真実を知る前と知った後、同じような台詞ですが、込められている意味が全然違う。

 後半はムッタが日本に一時帰国し、シャロンに会う話。シャロンは日本ALS協会のサポートを受け、同じ病気の人たちと仲良くなっていた。ALS協会の人たちに会うムッタ。同じALSでも、その患者によって症状は異なる。普通に話せないけれど、特殊な技術や専用の装置を使えば話せる。呼吸が出来なくなったら、人工呼吸器を使う。宇宙飛行士の交信や船外活動と似ている、というところになるほどと感じました。
 でも…やはり誰でも不安はある。あのシャロンでも。どんどん動けなくなっても、生きている意味はあるのか…。「尊厳死」にも関係する内容ですし、誰でも様々なことで「こんな状況に陥ってしまっても、自分は生きている意味はあるのか…?」と思ってしまうことは少なくないはず。私もあります。そんなシャロンに希望を見せてくれたのは、ALS協会の患者さんの仲間たち。何かの補助やサポートを受ければいいのなら、それを受け入れる。生きてさえいれば、それでいい。ALS協会の患者さんたちの姿勢に、私も励まされます。ここで、かつて子どもだったムッタがシャロンから受け取った言葉…
誰かに― "生きる勇気"を与えるために生きてるのよ
誰かに― 勇気をもらいながら
(#232)

 ネタバレになるかも知れませんが、この言葉を引用せずに話すことはできないと思い、引用しました。これまで、ムッタは様々な人たちから勇気をもらってきた。会社をクビになったが、子どもの頃に夢を見た、そして弟・日々人一緒にと叶えると誓った宇宙へ行くために、宇宙飛行士を再び目指した。宇宙飛行士になってからも、様々な挫折や困難があり、その度に乗り越えてきた。誰かに勇気をもらい、それが知らないうちに誰かに勇気を与えることにもなっていた。
 24巻前半のカルロの話も、そうだと思った。クールに振る舞っているカルロも、父の真実を知ることで、父から勇気をもらった。NASAに戻ってきたカルロの"変化"は、その父に勇気を与えるため、とも言える。
 本当に、この言葉、232話そのものがグッと来ます。私は、どうだろうか…。

 月へ行き、シャロン月面天文台を建設する。ムッタの想いも、もうすぐ叶う…が、カルロはどうなってしまうんだ…?このまま、カルロは「ジョーカーズ」に戻れないままなのか?帯にも書いてあるエディの言葉を信じています。カルロのいない「ジョーカーズ」なんてないよ…!

・23巻:宇宙兄弟 23
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by halca-kaukana057 | 2014-11-03 22:37 | 本・読書

船に乗れ! 3 合奏協奏曲

 2巻の感想から間が開いてしまいました。青春音楽小説「船に乗れ!」3巻、完結編です。

・1巻:船に乗れ! 1 合奏と協奏
・2巻:船に乗れ! 2 独奏


船に乗れ! 3 合奏協奏曲
藤谷治/ポプラ社・ポプラ文庫ピュアフル/2011
(単行本は2009年ジャイブ)

 高校3年になったサトルたち。昨年も新入生の演奏レベルの高さに驚かされたが、サトルたちが3年になった年、新生高校はこれまでとは全く異なる、音楽エリート育成に力を入れ始めた。毎年恒例のオーケストラ演奏会では、副科の生徒は参加しなくてもよいことになった。オーケストラの楽器を専攻する生徒達だけで構成されるオーケストラ。しかも、それはその全員参加ではなかった。与えられた曲もこれまでとは違う。
 更に、3年になると文化祭でミニコンをやることが決まっていた。サトルは鮎川たちと考え、サトルはある曲を探し当てる。こうして、オケとミニコンの練習が始まったが、サトルはひとつ、大きな決断をしていた…。

 2巻があまりにも辛い状況で、サトルはこのままどうなってしまうのだろう…そんな想いで3巻を読み始めたのですが、厳しい状況は続いていました…。学校の教育方針の転換、その渦中に巻き込まれるサトルたち。そんな中、サトルは大きな決断を下す。サトルにとって大切な存在であった枝里子も、金窪先生もいなくなってしまった。金窪先生に関しては、サトルが原因でもある。だが、それ以上に、サトルが感じた”限界”…。

 音楽などの芸術や体育は特に、それだけでなく世の中にある色々なことは、「才能」や「天性」で大きく左右されることがある。それでも、「努力」「練習」「訓練」も大事で、それらによって磨きをかけなくては、「才能」も「天性」も錆び付いてしまう。
 以前、ある試験のために、私はとても苦手だったものを克服しなければならなかった。自分にその「才能」はない。だから、「努力」するしかない、とひたすら「練習」した。なかなか思うようにいかず、他の人は軽々と出来ているのに自分はいつまで経っても出来ない…ひとり涙を飲んだこともあった。だが、そんな「努力」をしていると誰かは見ていてくれるもので、私の苦手なところを克服するコツを掴んだ練習方法を教えてくれる先生に出会えた。それによって、私も少しずつ上達していって、試験には危うい状態だったが何とか間に合った。ところが、試験の内容が変わって、そこまで習得する必要は無かった…というのは後でわかった話。それでも、自分でもコツを掴んで練習すれば、あんな苦手だったことでも上達できるのだなぁ、と自分の可能性が広がったように感じた。あと、出来る出来ないの結果に限らず、努力し続けることが大事だということも。

 だが、サトルの場合は、私のようなギリギリ間に合ってもいい状態では通用しない。子どもの頃からチェロやピアノを習い演奏し、音楽を専攻できる学校に進学する。その世界がいかに厳しいか。趣味で音楽をやっていても感じる。それが専門だったら…。サトルの苦悩はいかほどだろうか…。

 それでも、オーケストラの練習もあるし、ミニコンの練習もある。ソロ発表会もある。レッスンも続く。決断はしても、音楽は止まらない。なかなか練習できないこともあるが、嫌々ではなく、演奏を続ける。社会と同じだな…と感じてしまった。

 そして、ミニコンで、ある「事件」が起きる。もうひとり、ある決意を抱いて、ステージに上がった者が。彼らを繋いでいたのは、まぎれもなく音楽だった。心の中で、重いものを抱えていても、その時の音楽、演奏に集中する。その音楽、演奏はその時だけのものだから。残された手紙が切なくて切なくて…。
 そしてオーケストラでも、サトルは懸命に演奏する。しかし、その時サトルが気づいたことに、深く頷いた。ひとりで演奏していたとしても、ひとりじゃない。その音楽を聴いている人がいる。自分自身という人が…。

 最後の金窪先生の言葉・ニーチェの翻訳は、何度も読み返しました。その翻訳を受けてのその後の話も。「船に乗れ!」というタイトルの意味は、こういうことだったんだ。どんな船にのっていようと、航海は続く。航海を続けるしかない。この物語も、私に繋がっている、開かれた物語のように感じている。

 この物語は、大人になったサトルが高校生の頃を回想して書いている形になっているのですが、最後、その大人になったサトルについて語られます。どんな船であれ、船に乗り続けているサトル。2・3巻でサトルはこのまま救われないのか…と思ったのですが、最後、少し救いがあってよかった。船に乗り続けていれば、どこかにたどり着ける。伊藤との番外編「再会」も、そんな雰囲気だった。やはり2・3巻の辛さは残るけれども、誰だって大小様々な辛さを抱えている。抱えながら、船に乗っている。

 辛いな、苦しいなと思ったら、時々読み返したい本です。

 しかし、この作品は舞台化されたわけだが…どんな舞台だったんだろう?
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by halca-kaukana057 | 2014-09-12 22:34 | 本・読書

恋と病熱

 「海とドリトル」1巻と同時期に刊行された、磯谷友紀先生のもうひとつの作品。連載誌を読めなかったので、単行本化が待ち遠しかった。「本屋の森のあかり」「海とドリトル」とは世界観が全く違います。


恋と病熱
磯谷友紀/秋田書店・A.L.C.DXもっと!/2014

 兄弟姉妹が忌み嫌われるようになった世界。もし兄弟ができた場合は、内密のうちに子どもができない家庭に養子にだされることになっていた。学校入学を目前にして、クロエは、コランという兄がいることを母から告げられる。コランも学校に通っており、もしかすると会うかもしれない、でも近づかないように…と。クロエも兄がいることにショックを受ける。そして、入学…クロエは突然声をかけられる。眼鏡をかけた、足が悪い男…コランだった。会ってみたかったと言うコランを気味悪がるクロエ。一方、クロエの周囲では兄弟がいることが発覚した生徒のことが話題になっていた。兄弟という存在を気持ち悪がるクラスメイトたち。クロエも気持ち悪がっていたが、コランのことを思い出す。兄弟は「どうしようもなくお互い惹かれてしまうらしいよ」というクラスメイトの言葉が気になっていた…

 クロエとコランの兄妹の物語他、姉弟、三姉妹、兄弟の物語がおさめられています。兄弟姉妹が忌み嫌われる…兄弟がいるのは当たり前の時代を「前時代」と呼んでいるので、未来の世界の物語と思われます。

 私は一人っ子で、きょうだいはいない。子どもの頃から、きょうだいのいる友達から、「一人っ子はいいね」と言われてきた。部屋や両親、おもちゃやお菓子をひとりで独占できる。きょうだいで比べられることもない。「お兄ちゃん(お姉ちゃん)だから」と言われ責任を問われることもない。きょうだいケンカをすることもない。
 確かにその通りだ。一人っ子は自由だ。ひとり部屋を独占できる。お菓子も取り合いなどすることもなく、ひとりでゆっくり食べられる。おかげでマイペースな性格に育ったようだ(自分自身では、結構人に影響されたり、人と比較して落ち込むことが大人になってから多くなってきたと感じている)。でも、反対にきょうだいがいるってどういうことなのか、と考えることはよくあった。ひとりで寂しい時もある。一人っ子だって、「わがままだ」とか、「協調性がない」とか「自分の世界にばかり閉じこもっている」「人付き合いが下手」などと言われ続ける。きょうだいケンカって、どういうものだろうか。他のケンカと違うのだろうか。きょうだいで出かけたり、遊んだり、相談したり…そういうのは楽しそう、羨ましいなと思っている。でも、どうしようも出来ない。私にはきょうだいはいないのだから。

 なので、きょうだいとは何かがわかっていないので、この作品を読むのは少し難しかった。でも、きょうだいを「忌み嫌う」のはまた違う。一人っ子がいい、のではなく、一人っ子で無ければならない。この物語の世界で何故兄弟姉妹が忌み嫌われるようになったのか、説明されている部分もあります。何人も子どもを産むこと、兄弟姉妹がいることは「気味が悪い」。同じ母親のお腹から産まれ、似た遺伝子を持つことが「気持ち悪い」。子孫を残す…ただ残すのではなくより多く残す、という生物の生殖の目的から外れてしまっている。私のように、ひとりしか産まれなかったのだから、ではなく、ひとりだけ産むことが望まれる。現代でも、両親の仕事上の理由や経済的理由などで、意図的にひとりしか産まない(つくらない)ということはある。だが、この物語の世界はそれともまた違う。そんな世界観にまず驚きました。私の想像の及ばない世界。想像力の世界って凄い。

 きょうだいがいることを知って、忌み嫌いつつも気になってしまう。きょうだいを忌み嫌う社会に反し、きょうだいを大切にしようと主張するコミューンも出てくる。きょうだいで、産みの親に会いに行く。死んだ友人の弟にその姿を重ねる。
 きょうだいは「どうしようもなくお互い惹かれてしまうらしいよ」という言葉の通り、意味嫌っていても、無意識のうちに惹かれてしまう。その感情は、恋愛なのか、兄弟愛なのか。きょうだいという関係が成立しない社会、社会が成立させないこの世界では、恋愛にも似ているのかもしれない。…でも、私たちが通常イメージする「恋愛」とも違うような。

 「どうしようもなく惹かれてしまう」…言い換えると、「どうしようもなくお互いを想う」。この物語に出てくる登場人物たちは、それぞれのきょうだいのことを、忌み嫌っていても、どうしようもなく想ってしまう。気になってしまう。一緒にいたいと思う。それが徐々に「惹かれてしまう」のだろう。「どうしようもなく想う」気持ち…それは、恋愛だろうと兄弟愛だろうと同じことなのかなと思う。それが、忌み嫌われるものであっても、想いは止められない。病のように。

 止められない想いはどこへ向かうのか。どの物語も、はっきりとした結末は無く、余韻を持って終わります。想いにはっきりとした結末なんてない(失恋して、意図的に相手を忘れようとする場合や吹っ切れた場合とはまた違う)。誰かを想う気持ちは、空気のように漂いながら、見えなくてもそこにあり続けるのだろう。はっきりすることよりも、そんなはっきりしない、余韻が漂い続けることの方が多いような気がする。

 磯谷先生の作品に「屋根裏の魔女」という作品もあり、これも不思議な雰囲気の作品だったのですが、とても好きな作品です。この「恋と病熱」も。磯谷先生の不思議な世界、もっと読んで、味わってみたいです。
・その感想記事:屋根裏の魔女
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by halca-kaukana057 | 2014-09-03 22:55 | 本・読書

あなたは欠けた月ではない

 かなり前に、光野桃さんのエッセイ「可愛らしさの匂い」を読みました。久しぶりに、光野さんの著書をまた読みました。
・過去記事:可愛らしさの匂い


あなたは欠けた月ではない
光野桃/文化出版局/2011

 以前読んだ「可愛らしさの匂い」やその前に読んだ「実りを待つ季節」でも、光野さんはファッション誌編集者を経て、イタリア・ミラノへ移住。その経験を活かして、ファッションや女性の生き方に関するエッセイなどを執筆している。あたたかな文章で、今回もその文章に惹かれた。ただ、おしゃれや生き方に対して詳しく、洗練されたセンスをお持ちの方なんだろうなと勝手に思ってきた。この本を読んで、違うと感じた。

 この本では、おしゃれや生き方に関するエッセイもありますが、光野さんがご自身のこれまでを振り返り、書いています。それは、想像以上につらいものだった。子どもの頃から、人間関係・交友関係に悩み、自己評価も他者からの評価も低かった。光野さんがご自身の性格を分析した文章に、私もだ…とうなづいてしまった。この後、私の場合「だから私はダメなんだ」と続く。
 一方の光野さんは、ファッション誌に魅了され、編集者になることを志す。その夢を叶え、仕事に邁進し成功もおさめる。だが、自己評価は低いまま。「みんなとおんなじ」、そして「女性ならこうでなければならない」という暗黙の価値観に心を痛めていた。その後、思い切って結婚し、子どもも生まれる。そして、仕事一筋人間だった光野さんが、「ファミリーガール」として仕事を辞め、夫の転勤でミラノへ移住する。ミラノでの生活は、光野さんにとってショックの連続だった。ミラノの女性たちは、どの年齢の人も、女性であることに自信をもっている。おしゃれも似合うものを楽しんでいる。光野さんはそんなミラノの女性たちと比べては劣等感を抱いていたが、その姿を観察し、それが帰国後の執筆活動に繋がってゆく。帰国後も、お子さんの事故や、光野さんご自身の年齢など、苦労は絶えない。だが、年齢を重ねるごとに、だんだん自由になってきたという。

 年齢を重ねるのは怖い。年相応の生き方をしているか、自信が全く無い。キャリアも無い。それは、私だけの悩みではないようだ。ファッションの面では、顔立ち、体形、様々なコンプレックスを隠すように、目立たないようにものを着る。しかし、隠すことばかりでは、更に自信を失ってしまう。自分を輝かせてくれる装いに出会った時、人は外見も、内面も輝く。自信を持てる。それは、年齢とは関係ない。光野さんの言葉があたたかい。

 また、時代・社会の中での女性の立場に関しては、鋭い視点でこう書いている。
 婚活という言葉も、結婚をひとつのシステムとして捉えすぎてしまうのではないか、と危惧していた。仕事のキャリアや成功と同じように、結婚や出産を人生のキャリアアップの一環と考えるひとが増えてしまうのではないか、と。(23ページ)

 結婚や出産が、人生で勝ち取るべきものの一環として考えられているように感じる(24ページ)

 その通りだと思った。(最近の時事問題に当てはまると感じた。狙ったわけではない。何とリアルタイムな)

 この本を手にとって、パラパラと読んでいて、作曲家・ロベルト・シューマンについて書かれているのを見つけた。光野さんがシューマンについて、何を書いているのか気になり、この本を読むきっかけになった。ポーランド人ピアニストのピョートル・アンデルシェフスキさんのインタビューからの内容だった。シューマンの美しさと失敗。
 ピョートルさんは語る。
「今日の世界でわたしたちが必要としているのは、醜く成功するよりも、失敗と美なのではないでしょうか」
 成功するために醜く生きるより、美しく生きて失敗してもいい。
 美しくとは、自らを信じ、あきらめず果敢に挑戦し、常にその過程にいることだろう。結果ではなく、過程に意味を見出して生きることができたら、わたしたちはもっとずっと充足し、豊かでいられるはずだ。
(111ページ)

 私がシューマンの音楽に惹かれる理由が、わかったような気がする。シューマンを聴きたくなった。ピアノ曲や歌曲も美しくていいが、特に、オーケストレーションに文句をつけられがちな交響曲を。

 この本のタイトル「欠けた月ではない」。月は満ち欠けをするが、実際に欠けているわけではない。地球と月と太陽の位置関係、光の当たり方でどう見えるかだ。照らされず見えなくても、無いわけじゃない。暗闇で失敗しても、私はここに存在している。それを認めて、信じられるようになれたら…。やっぱりシューマンが聴きたい。
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by halca-kaukana057 | 2014-06-24 22:26 | 本・読書

物語ること、生きること

 「守り人」シリーズ、「獣の奏者」シリーズでお馴染みの上橋菜穂子さんのエッセイが出ました。


物語ること、生きること
上橋菜穂子/瀧 晴巳:構成・文/講談社/2013

 上橋菜穂子さんの元には、子どもたちから沢山の手紙が届くという。「どうやったら物語を書けるようになりますか」「どうやったら作家になれますか」「『獣の奏者』や『精霊の守り人』みたいな話は、どうやって生まれてくるんですか」などなど。上橋さんも、子どもの頃から物語が、本を読むのが大好きで、物語をつくる人…作家になりたいと思ってきた。この本は、構成・文の瀧晴巳さんが上橋さんを取材し、語った生い立ちや作家になるまでをまとめたものです。

 上橋さんの物語は、壮大で、その世界の歴史や政治・経済・産業などもしっかりとつくられていて、でも現実世界でもありうる矛盾や闇の面もあり、それが物語に大きく関係してくる。そんな世界で自分の弱さと向き合いながら強く生きる人々の、それぞれの生きる道が細やかに描かれている。そして出てくるごはんがどれも美味しそう。こんな物語は、どうやったら書けるのだろう?私も何度も思った。文化人類学の研究者で、オーストラリアのアボリジニを研究している。「守り人」シリーズのバルサや、「獣の奏者」のエリンのように、広い世界で行動範囲の広い、視野も広い、思い切りのいい強い方なのかな、と思っていた。

 ところが、この本に書かれている上橋菜穂子さんは、子どもの頃に聞いたお婆様が語る物語や、数多の物語・本を読むのが大好きな、身体の弱い夢見がちな女の子だったのだそう。物語だけでなく漫画も大好き。学生時代ノートに漫画の落書きをしていたほど。物語と現実の境界が曖昧で、物語の世界に惹かれてばかりだった。人見知りで、小心者で、臆病で、外に出るよりも家の中で本を読んでいるほうがいい…とご自身のことを語っている上橋さん。
 驚きました。私も、その方が好きだから。外に出るのは勇気がいる。正直怖い。私も実は臆病で、心配性だ。失敗したら、傷ついたら…悪いことばかりどうしようと考えて不安になり、行動する前から心配ばかりしている。
 でも、上橋さんは、いつまでも「夢見る夢子さん」でいたくない、とえいっ!と外へ、本当の旅に出た。一歩を踏み出した。そのことが、文化人類学の研究でも、作家にも向かうことになった。この上橋さんのお話に、とても勇気づけられた。外に出てみないと、実際に行ってみないとわからないことが沢山ある。上橋さんが一歩を踏み出すために机の前に貼っていたという「言葉」には共感した。私も張っておこうかな。

 上橋さんが本を読んできて、感じたこと・考えたことに共感するところも多かった。2つ、いくつかの立場の境界に立っている人のまなざし・見方に惹かれるということ。
 特に惹かれたのが、この部分。引用します。
 境界線の向こう側には、まだ見ぬ地がある。
 もしかしたら「生きる」ということ、それ自体が、フロント=最前線に立つことなのかもしれない、と思ったりします。それぞれの生い立ちや境遇や、すごくいろんなものを抱えて、私たちは、いま、出会っている。誰もが自分の命の最前線に立っているのなら、それぞれに境界線を揺らす力、境界線の向こう側に越えてゆく力を持っているんじゃないか。
 相手を否定したり、恐れたり、あるいは自分の領分を守るために境界線を強くするのではなく、境界線を越えて交わっていこうとする気持ちを持てたら、どんなにいいだろう。
 私は、それを、子どもの頃からずっと願いつづけてきたように思うのです。
 そして、私の好きな物語に、もし共通点のようなものがあるとしたら、それは背景の異なる者同士がいかにして境界線をこえていくかを描いているところかもしれません。
(80ページ)


 この本では、上橋作品の引用も多くあります。引用されたシーンもですが、この内容ではこの作品のこのシーンかな?と自分でも他にも思い出しながら読んでいました。上橋作品の裏側、あのシーンにこんな想いが込められているとわかる本でもあります。

 また、研究職の方には、研究職の楽しみやつらさにも共感できる本かもしれません。私にとって、作家も憧れの職業ですが、研究職も憧れの職業でした。大人になって、研究職の方々の話を聞くと厳しい世界なんだなと思いますし、この本でも上橋さんが研究職も諦めそうになったエピソードは胸が痛みます。それでも、知の最前線をゆく研究職は、やはり私の中では憧れです。

 上橋さんの作品を読んだ後、その壮大さに圧倒されつつも、登場人物たちの生きる姿に清々しさを覚えるのですが、この本を読んだ後でも同じことを思いました。上橋さんご自身が、清々しく、力強く生きて、物語をつむいでいらっしゃるのだと。
 一歩を踏み出したい、広い世界を見たい。それを自分のやり方で表現したい、つくりたい。作家に限らず、そんな気持ちを呼び起こしてくれました。憧れを、形にする。自分の極限まで拡げて、掘り下げて、考えてみる。そして文章なり、何かにしてみる。
 上橋作品は、積読に何冊かあります。読みます。読むのが楽しみです。

 巻末には、上橋さんがこれまで読んできた本リストがあります。これはありがたい。

・全然関係ない(?)のですが、タイトルでこの本のことも思い出した:生きるとは、自分の物語をつくること
(小川洋子・河合隼雄)
上橋さんが、河合先生と対談したら、とても面白いことになったのではないかと思う…。
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by halca-kaukana057 | 2014-01-31 22:22 | 本・読書

続けて、積み重ねる

 今日の「ほぼ日」の「今日のダーリン」。とても共感したので記事にします。明日になって消えないうちに、引用しておきます。
このごろ、いままで以上に強く思うようになったのは、
「明日がある」ということです。
ま、あるに決まってるような気もしますが、あえて、
「明日がある」ということを思い出すことにしてます。
 
それまでの考えは、ぼくの考えということじゃないけど、
真剣にやるときには、これが最後だと思ってやる、
というようなものだったと思うんです。
一度一度に、全力を尽す。
その考え方、わからないではないです。
きっと、ぼくも無意識でそう思ってきたんじゃないかな。
次がない、後がない、背中に断崖絶壁がある‥‥。
だからこそ、後悔しないためにすべてを出し尽くす、と。
 
ほんとうに、そうしたほうがいい場面も、あるでしょう。
でも、たいていの場合、
その時どきの失敗は、その時どきの失敗で、
次がないわけでもないし、失敗の可能性も計算ずみです。
「それでも、次はないと思ってやります」っというのは、
ほんとうの力を出しにくいでしょうし、
1回1回のチャンスを、ある意味では
粗末にしてるとも言えるんじゃないでしょうか。
 
まぁ、こういうことを言うと、
「真剣にやってる人間に失礼です」とかね、
「明日があると思っていたら、いいかげんになります」
なんてことを言ってくる人もいるかもしれないけれど、
それは、外野の応援席みたいな人の考えでね、
実際に真剣にやってる当事者は、だいたい、
最終的な集中とリラックスと両方を求めているはずです。
 
「明日がある」ということは、
「やりなおしが利く」という意味じゃないんです。
今日、いまやっていることの結果の上に、
次や、その次の真剣さを重ねていけるってことなんです。
この一撃に、すべてを望んで最大効果を狙っても、
それじゃ1点にしかならないかもしれない。
でも、この一度の続き続きを連ならせたら、
5点にでも10点にでも100点にでもつながるわけです。
もっと若いときに、そう思ってればもっとよかった。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
いまやってる試合は、明日の試合の一部分でもあるんやで。

 私も、このチャンスは一度きり、今日は今日限り。後悔しないように、その時に全力を尽くす。そう思ってきました。せっかくのチャンスなのに、ちょっとしたことで逃がしたり、失敗してダメにしてしまったり。その度に後悔して、あれほど後悔しないように全力で、と思っていたのに…と悔しさを覚えたことは何度もあります。今もあります。あの時、行動に移せていたら。あの時、勇気を出して話していたら。後悔はしたくない。そうは思っても、人間完全には出来ないので、後悔することが出てきてしまう。それを認められずにいました。

 今日の「今日のダーリン」を読んでいて、「積み重ねる」について考えました。一度きりのチャンスに全力を出す、つまり、一発勝負。それがうまくいくとは限らない。一発勝負と考えれば考えるほど、プレッシャーもかかる、緊張してしまう。

 でも、人間は毎日積み重ねて、続けてゆくことが出来る。明日がある。ここぞという時に決める力は大事だけど、その決める力を毎日の練習や努力を続けて積み重ねていくことは出来る。毎日続けているからといって、なかなか思い通り積み重ねられないこともある。伸び悩み、マンネリすることもある。それでも、続けて、その続けている自分自身の成長を毎日こと細かく観察していれば、少しの変化にも気づくことだって出来る。また積み重なっている、伸びている自分を実感できる。

 寧ろ、何の積み重ねも無しに一発勝負で決まるものの方が少ないんじゃないかと思う。

 私は以前から毎日続けているものが、いくつかあります。ノートに書いている日記など。毎日、思ったこと、思いついたこと、悩んでいること、頭の片隅にあること、夢中でいること…色々と書いていると、ふと思いつくこともあります。

 このブログも、毎日ではないですが、今年で通算9年…?そんなに続けているとは思わなかった。何かしら、書きたいことがあるんだなぁ。書いていたら、こんなになってました。

 今日の真剣さを、明日も明後日も真剣さを積み重ねてゆく。その中でみえてくるものがあると信じたい。
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by halca-kaukana057 | 2014-01-14 21:36 | 日常/考えたこと

自分の「暮らしのヒント集」つくってみた

 新しい年になり、心も新たに、一年の抱負や目標を…と毎年思うもの。しかし、意識しているのは1月あたりだけで、年末にはすっかり忘れ、また新年に目標を掲げ…まさにNHK教育「クインテット」の「ことしこそ」状態。ちょっと今年は変えてみよう。と思って、これを思い出した。
暮らすこと、生きること 「暮らしのヒント集」

 雑誌「暮しの手帖」の一コーナー「暮らしのヒント集」。「暮しの手帖」はずっと愛読していて、「暮らしのヒント集」も毎号楽しみにしています。また、増刊で各界の各年齢層の人の「暮らしのヒント集」を教えてもらう特集も。この「暮らしのヒント集」は松浦弥太郎編集長が考えているのだそうですが、増刊では様々な人たちの「暮らしのヒント集」が出てくるし、書籍を読んで自分の「暮らしのヒント集」を作ってみようかな、なんて思っていた。あれから数年…。ならば、今年の抱負・目標は自分の「暮らしのヒント集」をつくってしまおう。今の自分の状況、環境に沿った、合った、暮らしの中で大事にしたいこと、心がけたいこと、どんな暮らしをしたいのか…それを考えてみよう、書いてみようと、元日から考えてきました。

 そして、出来ました。ノートに、1ページにひとつ。
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 こんな感じです。勿論万年筆大活躍。下に余白をつけて、あとから気づいたことやメモ、更に発展した内容も書けるようにしておきます。ノートはページ多めのものを選んで、まだ増やせるようにしました。
 これを事あるごとに読み返して、心がけ行動しながら、自分の日々の暮らしをよりよくしていきたいです。


暮らしのヒント集

暮しの手帖編集部 / 暮しの手帖社


暮らしのヒント集2

松浦弥太郎 / 暮しの手帖社


わたしの暮らしのヒント集

暮しの手帖編集部 / 暮しの手帖社


続・わたし暮らしのヒント集

暮しの手帖社


暮しの手帖別冊 暮しのヒント集3 2014年 01月号 [雑誌]

暮しの手帖社


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by halca-kaukana057 | 2014-01-04 22:50 | 日常/考えたこと

はまっているパターンから離れてみたい

 最近のブログは、規模の大きめのものもよく書いた。書き終えて(一旦。書いたらここで終わり、ではない)、読み返してみてふと思った。

 自分が、あるひとつのパターンにはまっているように思える。この「はまっている」とは、「枠にはまる」という意味でもあるし、「夢中になる」というニュアンスの「ハマる」、両方の意味を持っている。
 何かを考えている時、自分の思考パターンがあるなと思う。本を読んでも、音楽を聴いても、それらを自分の中で咀嚼する時、ひとつの傾向がある。とらわれてしまっているような気持ちになる。そこから離れたい、違う考え方も持てるようになりたい。一度、今あるパターンをぶち壊してみたくなる。
 posted at 21:31:09

 その思考パターンも、常に一定ではない、変化し続けているとは思う。ひとつのパターンのように思えて、徐々に変化しているのを自分で気が付いていないかもしれない。もっと自分を客観的に見られたらなぁ。主観のなんと強いことか。
 posted at 21:34:45

 使う言葉も、語彙も表現も幅を広げたいなぁ。新しい言葉も、古くからある言葉も、理解して使えるようになりたい。
 posted at 21:36:14


 今日のツイートより引用しました。何かの影響を強く受けている…という自覚はある。それが、自分にとって大きなものだったのだから、影響は受ける。でも、それに「はまり過ぎている」自覚もある。自覚はあるけど、いざ何かに向き合おうとすると、またそのパターンが出てくる。ここで、冷めた目で「ああー…まただ」と思っている自分もいる。

 その考えを、より深めようとしているのかもしれない。より深めたいと思うほどになっている。それはそれでいいような気がするけど、時にはそのパターンから外れてみたい。別の考え方もあるんじゃないの?考える時に使う言葉も、いつも使っているような言葉ばかり。「他に語彙はないの?表現が貧しいんじゃないの?」そう自分に問いかける自分もいる。

 今の自分は、前とは違うかと思う。変化していると思う。でも、変化の途中で、もうひとつの変化を望んでいる自分もいる。ひとつの道を歩むと決めたら、他の道を歩むことは出来ない。出来ないけれど…考えること、表現することなら、それが出来るような気もする。そんなことしたらまとまりが無くなる…いや、実験としてやってみたい。試しに別の考え方もしてみたら、思わぬ発見があった。ああ、「道草をする」ということか。

 そんな、柔軟さと、自分を客観視することと、考えも言葉も表現も磨き続けることを、怠らず、続けてゆきたいと思っています。

【過去関連記事】
"柵"の中で気付いたこと(2006.12.24)
自分を型にはめない(2010.7.27)
自分の”型”の外へ出よう(2010.10.14)
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by halca-kaukana057 | 2013-12-08 22:49 | 日常/考えたこと


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