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クリスマスの再会 クインテット クリスマス・スペシャル2016

 先日予告した通り、「クインテット」クリスマス回を再編成した「クインテット クリスマス・スペシャル」が放送されました!

【予告】「クインテット」のクリスマス再び! 祝・再放送(再構成版)決定!

NHK:Eテレ:お願い!編集長:再放送決定!「リトルドラマーボーイ」(クインテット)

 放送された内容は以下です。
・2008年12月24日放送回
 明日は月の上で/フラットさんの口笛・ホワイトクリスマス/クラリネット・ポルカ
・2005年12月15日放送回
 聖夜/チョップスティックス
・2004年12月14日放送回
 もみの木・肩たたき/アキラさんのピアノ・クリスマスメドレー
・2004年12月17日放送回
 サンタさんへの手紙/ブラームスのワルツ


 テーマ曲は、最初に新テーマ、最後に冬テーマ。冬テーマのアニメは、後期でお蔵入りになってしまった赤い雪だるま入りのものです。テーマ曲を聴いた途端、ああ、クインテットだ!クインテットにまた会えた!!嬉しくなりました。

 「明日は月の上で」これもクリスマス回でしたね。すっかり忘れてました。クリスマスプレゼントに本物のロケットをお願いするとは、さすがシャープ君wフラットさんの口笛シリーズのクリスマスバージョン「ホワイトクリスマス」は、結構楽しみにしてました。コンサート前には、「ハッチポッチステーション」のジャーニー君がサンタで登場するシーンも。コンサート前のシルエットなど、クインテットとハッチポッチのコラボを見つけるのが楽しみでした。コンサートは「クラリネット・ポルカ」、フラットさんのクラリネットと、他のパートの掛け合いが楽しい曲です。

 「聖夜」(「きよしこの夜」)、CDにも収められていますね。でも、映像で観たことがある人はもしかして少ない…?(放送3年目)厳かにクリスマスを過ごそうと言ってるのに、結局賑やかなアレンジでノリノリ、大はしゃぎする5人wこの楽しさですよ、クインテットのよさは。テープでピアノが大変なことにw掃除するの、大変だったんだろうなぁ…(そこかいw コンサートは、アキラさんとチーボーの連弾「チョップスティックス」。チーボーが幕の外に飛ばされたバージョンが観たかったなぁ。

 「もみの木」はドイツ民謡のあの曲です。シベリウスのピアノ曲じゃありません(それを思うのはお前だけだ)。シベリウスの作品、「クインテット」で聴きたかったなぁ…。「樅の木」もアレンジし甲斐のある作品だと思ったのに。そこから、肩こり、肩もみ、肩たたき…この強引な、支離滅裂さも好きですwこのあと、再登場することは多分なかった回のような気がします、多分。次に待っていたのは、クリスマスといえばこれ。Wアキラさんのピアノでクリスマスメドレー!!これを観ないとクリスマスが始まりません!今年は放送されて嬉しいです。初年度から登場したこの曲。最初観た時はビックリしたのを覚えています。

 オリジナルソングも。「サンタさんへの手紙」心優しいフラットさんの、可愛らしい歌です。手紙を書いているフラットさん、何気に万年筆で書いています。万年筆好きとして気になりました。以前は気にしなかった点も、時が経つと変化するものですね。そして無限に楽しめる。コンサート前は、来年のカレンダーに年賀状…一気に年末にwコンサートはブラームスのワルツ(op.39-15)。ゆったりとしていて、心休まります。

 以上、30分の放送で、約4本放送でした。

 あれ…あの…本来のリクエストの、「リトルドラマーボーイ」が放送されてないじゃないですか!!?これじゃリクエストに応えてない!?ええー…。クインテットの5人+チーボーの絆、「いつも5人は一緒だよ(You gotta Quintet)」のメッセージを強く、優しく感じられる素晴らしい回なのに…。NHKさん、Eテレさん、やり直し!来年も「クインテット クリスマス・スペシャル」をやりましょう!今度こそ「リトルドラマーボーイ」も放送で!
 クリスマススペシャルなのに、コンサート曲がクリスマスらしい曲がなかったのもちょっと残念。再編成なので、もっとフレキシブルな編成が出来たはずなのに…。

 とにかく、再放送されたことは嬉しいです。スコアさんの斉藤晴彦さんは鬼籍に、スコアさんの歌声が聴けるのも嬉しい。DVDに収録されていない初期回も観られました。「クインテット」は4:3、ハイビジョン画質ではありませんが、今のHDDで保存できたのもありがたいです。今回再放送を観て、もっと「クインテット」を観たいという方が増えればと思います。

 あと、毎回ツリーのデザインがお洒落です。さすがは藤枝リュウジさん。音符のデザインは「クインテット」らしいです。
 
 クリスマスもですが、やっぱりまた毎週、毎日「クインテット」を観たい。やっぱり「クインテット」が大好きです。
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by halca-kaukana057 | 2016-12-24 21:50 | Eテレ・NHK教育テレビ

一緒に音楽を楽しもう Proms(プロムス)2016 ラスト・ナイト・コンサート

 イギリス・ロンドンで7月から9月の2ヶ月にわたって開催される世界最大の音楽祭「BBC Proms(プロムス)」.その最終日の夜のコンサートは、「Last Night of the Proms」と呼ばれ、その年のプロムスの打ち上げ、最後に大騒ぎする類を見ないコンサートです。鳴り物(笛やホーン)、風船、国旗などの持込可。演奏や演奏の合間に国旗を振り回し、風船を飛ばす…クラシックコンサートですよ?さらに、4つの野外会場があり、どう見ても野外フェス。イギリス国内は勿論、海外でもテレビ・ラジオで生中継、BBCのネットラジオで世界中で聴くことが出来ます。一体何万人の人が観ているんだろう…?
 日本では生中継は無く(昔はやってたそうです…)、遅れて大体12月にNHKでテレビ放送されます。しかし、昨年は放送されず…悲しかったです。

 でも!今年は放送されました!おかえりプロムス!!今年最後のプロムスの記事を書くことが出来る…!

 プログラムは以前の記事に書いたのですが、表記に違いがあったり、細かいところも追記して、以下のプログラム、出演者でした。
Proms(プロムス)2016 私選リスト その5 [9月]

Prom 75: Last Night of the Proms

・トム・ハロルド:Raze(世界初演)
・バターワース:青柳の堤
・ボロディン:歌劇「イーゴリ公」第2幕より:だったん人の踊り
・ロッシーニ:歌劇シンデレラ」より:誓って、彼女を見つけ出そう(Si, ritrovarla io giuro)
・ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」より:人知れぬ涙(Una furtiva lagrima)
・オッフェンバック:歌劇「美しきエレーヌ」(La belle Hélène)より:イダ山の上で(Au mont Ida)
・ブリテン:マチネ・ミュジカル op.24
 (行進曲/ノクターン/ワルツ/パントマイム/常動曲)
・ジョナサン・ダウ:Our revels now are ended(宴はもう終わりだ)

・マイケル・トーキー:槍投げ(Javelin)
・ヴォーン=ウィリアムズ:音楽へのセレナード
・ドニゼッティ:歌劇「連隊の娘」より:ああ、友よ!(Ah! mes amis)
・アン・ダドリー(編曲):カリブの祭り(アンコール)
 (ムーチョ・コラソン/シナモン色の肌/グアンタナモの娘/今どきの薬草売り)

・ヘンリー・ウッド:イギリスの海の歌による幻想曲
 (小粋なアレトゥーザ/トム・ボウリング/ホーン・パイプ/夜もすがら/スカイ・ボート・ソング/ダニー・ボーイ(ロンドンデリーの歌)/ホーム・スウィート・ホーム/見よ、勇者は帰る)
・トマス・アーン:ルール・ブリタニア!
・エルガー:威風堂々第1番 ニ長調 「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」
・パリー(エルガー:編曲):エルサレム
・ブリテン編曲:イギリス国歌

 フアン・ディエゴ・フローレス Juan Diego Flórez(テノール)
 ダンカン・ロック Duncan Rock(バリトン)

 フランチェスカ・チェジーナ Francesca Chiejina、イヴ・ダニエル Eve Daniell、ローレン・フェイガン Lauren Fagan、アリソン・ローズ Alison Rose(ソプラノ)
 クレア・バーネット=ジョーンズ Claire Barnett-Jones、マルタ・フォンタナルス=シモンズ Marta Fontanals-Simmons、アナ・ハーヴェイ Anna Harvey、ケイティ・スティーヴンソン Katie Stevenson(メゾソプラノ)
 トライスタン・リル・グリフィス Trystan Llŷr Griffiths、オリヴァー・ジョンストン Oliver Johnston、 ジョシュア・オーウェン・ミルズ Joshua Owen Mills、ジェームズ・ウェイ James Way(テノール)
 ブラギ・ヨンソン Bragi Jónsson、ベンジャミン・ルイス Benjamin Lewis、ジェームズ・ニュービー James Newby、ブラッドリー・トラヴィス Bradley Travis(バス、バス・バリトン)

 BBCシンガーズ、BBCシンフォニーコーラス
 BBCプロムスユースアンサンブル
 サカリ・オラモ Sakari Oramo:指揮、BBC交響楽団

 ネットラジオの生中継、オンデマンドを聴きましたが、ラストナイトはやっぱり映像を観てこそだと実感しました。音だけではわからないものがたくさんあり過ぎる!今年は放送されてよかった…!!

 今年のポイントかなと思われるものをいくつか挙げてみます。まず、南米。リオデジャネイロ・オリンピック/パラリンピックで、今年のプロムスは南米の指揮者、演奏家、オーケストラ、作品をよく取り上げていました。このラストナイトのスターソリストは、ペルー出身のテノール:フローレス。オペラアリアと4曲アンコール、「ルール・ブリタニア」、更に会場のロイヤル・アルバート・ホールの隣のハイド・パーク会場でもギターと歌を披露し大活躍。案内役のアナウンサーさんが「こき使っています」と言っていたのに、確かに、と思ってしまいましたw甘く優しい歌声で、魅了されました。アンコールのラテンメドレー「カリブの祭り」はラテンの情熱的な恋を歌った曲ばかり。ノリノリです。ヴィジュアル面でも魅了されますよこれはw
 フローレスさんの十八番、ドニゼッティ「連隊の娘」より「ああ、友よ!」見事なハイC(三点ド)の連発(9回も!!)には驚きました。声のハリも迫力、強弱もうまい。フローレスさんがリハーサルの際のインタビューで仰っていた男声合唱との掛け合いも楽しい。声楽をやっているものとして、聴く・観るべきところがたくさんありました。
 そのフローレスさんが「ルール・ブリタニア!」を歌います。衣装に驚きました。インカ帝国の王様。カッコイイ!仕草も歌も威厳ある。素晴らしい「ルール・ブリタニア」でした。
Thomas Arne: Rule, Britannia! - BBC Proms

 2つ目のポイントは、シェイクスピア。今年は没後400年。プロムスもシェイクスピア作品を元にした楽曲を数多く取り上げました。ラストナイトもシェイクスピアです。ジョナザン・ダウの「宴はもう終わりだ」は「テンペスト」から。ダンカン・ロックさんの渋いバリトンが、儚い世界を歌い上げます。歌詞には出てきませんが、音楽も儚いものだな…と感じました。ヴォーン=ウィリアムズ「音楽へのセレナード」は「ヴェニスの商人」から。音楽の美しさを讃える箇所を、16人の若手声楽家たちがそれぞれソロを受け持ち、歌います。以前も書いたのですが、本当に美しい作品です。

 3つ目のポイントは、若手音楽家。1曲目、トム・ハロルド「Raze」を演奏したBBCプロムス・ユース・アンサンブルは10代の音楽家の卵たちがBBC響の楽団員さんたちと一緒に演奏。10代でラストナイトの大舞台で演奏できるなんて凄い!また何年後かにこのロイヤル・アルバート・ホールの舞台に戻ってこいよ!と応援したくなります。作曲したトム・ハロルドさんも25歳。これから、またプロムスで新曲を世界初演するんだろうな…。Razeは「打ちのめす」という意味で、観客にガツンと響け!という思いを込めて作曲したのだそう。ガツンときました。とてもかっこいい作品です。ヴォーン=ウィリアムズ「音楽へのセレナード」を歌った16人の声楽家たちも若手。また歌声を聴きたい方ばかりです。指揮のサカリ・オラモさんの指揮者スピーチで、これからもプロムスは世界中の様々な音楽を紹介し続けますと仰ってましたが、その時は彼らのような若手音楽家たちが活躍するんだろうなと思いました。

 4つ目のポイントは、「イギリスの海の歌による幻想曲」。ラストナイトの定番曲なのに、2012年以降演奏されていませんでした。今年は完全復活!嬉しいです。トロンボーン、ユーフォニアム、チューバの低音域が活躍する「小粋なアレトゥーザ」。チェロのソロが観客の涙を誘う(観客のみなさんはハンカチで涙をぬぐう仕草をするのがお約束。そのハンカチはBBCがちゃんと用意していましたw)「トム・ボウリング」。コミカルで、指揮者vs.オケvs.観客の屈伸と手拍子とホーンのガチ対決の「ホーン・パイプ」。速さが足りない!ともう一度演奏するのもお約束です。BBC響の皆さんを応援したくなります。一方のオラモさんは踊って指揮してる箇所もあるしwその後はしっとりと、ウェールズ民謡「夜もすがら」、スコットランド民謡「スカイ・ボート・ソング」「ダニー・ボーイ(ロンドンデリーの歌)」。この3曲はウェールズ、スコットランド、北アイルランドの野外会場での演奏を生中継していました(ラジオではロイヤル・アルバート・ホールでのBBC響の演奏)。この3曲も涙が…。タイトルの通り哀愁が漂うオーボエが聴きどころの「ホーム・スウィート・ホーム」。表彰式でよく聴く「見よ、勇者は帰る」。最後は観客大合唱の「ルール・ブリタニア!」観客も一緒になって、演奏に参加できるのもラストナイトの魅力。巨大なホールで大観衆のコンサートなのに、どこかアットホームな感じ。気取らず聴けて楽しめる。この後に続く「ルール・ブリタニア」、「威風堂々(希望と栄光の国 Land of Hope and Glory)」、今年誕生100年の「エルサレム」、イギリス国歌「God save the Queen」そして締めの「Auld Lang Syne」(「昔なじみ」、「蛍の光」は日本独特の歌詞になってしまっているのでちょっと違う)も、プロムスの最後に大騒ぎして打ち上げ、また来年会いましょう!というものなんだと思います。歌詞がイギリス万歳な内容ですが(しかも今年はEU離脱も持ち上がり、EUの旗も振られていました)、根底にあるのは、観客も黙ってないで演奏に参加できる楽しさなんだろうと私は思います。

 その他の曲、今年没後100年のバターワース「青柳の堤」はとても美しいし、ボロディン「だったん人の踊り」は大迫力の合唱にしびれました。演奏後、オラモさんが「パーフェクト!」と言ったとか。ブリテン「マチネ・ミュジカル」も優雅でコミカルで楽しい。どのプログラムも楽しかった。録画を何度も観ては、ああ、今年のプロムスも楽しかったな、これでようやく終われる、来年に繋がると思っています。
 NHKさん、来年も放送よろしくお願いします!


 残り、細かい気になったところを箇条書き。

・ラストナイトの歴史や、今年誕生100年の「エルサレム」の歴史を解説していたのはよかったです。わかりやすかった。
・第1部でフローレスさんが曲の合間に足元に置いていたペットボトルで水分補給。「気にしないで」と言っていたフローレスさん、やっぱり素敵です。
・第1部では普通のタイをしているBBC響の楽団員さん、第2部ではユニオンジャックカラーのタイに変えたりもしていました。粋です。
・第2部、いつもの通り指揮台はカラーテープや国旗、風船でデコレーション。最初の曲「槍投げ」で、譜面台にあった緑色のカラーテープを首に巻いて指揮を始めたオラモさんwしかし、テープの色がシャツについてしまいました…。クリーニング大丈夫だったかなぁ…
・切手になり、結婚式は生中継…フローレスさんはペルーの英雄ですね。
・ドニゼッティ「ああ、友よ!」で、指揮台についていた風船を殴りながら歌うフローレスさんwどういう演出だw最後は風船を割って勝利!!途中風船が指揮台の内側へ。さりげなくオラモさんが元に戻してました。ナイス。
・フローレスさんがくまのパディントンのぬいぐるみをどう受け取ったのか、映像でようやく確認できました。パディントンもペルー出身だったのか。このラストナイトで初めて知りました。
・第2部のフローレスさんのアンコール中、フルートの2人(BBC響の第2フルートは日本人、向井知香さん。日本人演奏者もがんばってるのですから、NHKさん放送お願いしますよ!)が何かを指差して笑っていた。何があったんだろう?気になる。
・オーボエさんが、頬をふくらませ一生懸命演奏しているのが印象に残りました。MVP楽団員です。
・でも、どのパートにも魅せ場があって、BBC響の楽団員さん全員を応援していました。BBC響いいですね。
・オラモさん、今年の指揮者スピーチもいいこと言ってました。音楽は調和、時間や場、人を繋ぐ。そしてプロムスの意義、世界中の音楽を紹介し続ける。まさに音楽の祭典です。
・でも真面目なだけじゃないオラモさん。お茶目なところもあちらこちらで。「ルール・ブリタニア」のインカ王フローレス様が登場の際には、指揮台の上で跪きひれ伏してましたw「イギリスの海の歌~」の演奏前では、飛んでいる風船を指揮棒でつつこうとするwバーミンガム市響、フィンランド放送響初期時代は眼鏡のせいか、とても真面目そうに見えたのに…。
・指揮者スピーチの演奏者紹介で、BBC響のコールの後「Love you!」と、更に観客に向かって「もっと拍手!もっと拍手して!!」とジェスチャーするオラモさん。全プログラム終了後に、オケの皆を穏やかな笑顔で讃えねぎらっていたのも印象的でした。BBC響といいコンビです。
・BBCの他の放送でも気になっているのですが、サカリ・オラモさんのファーストネーム Sakari サカリと発音せずに英語読みのZachary ザカリーと発音してません?(聖書由来の男性名Zechariah ゼカリアが英語だとZachary、フィンランド語だとSakari)日本人から見ると、普通に見たままローマ字読みすればいいのに…と思ってしまうのですが…。
・BBC響は、イギリス国歌をチェロ以外起立して演奏します。
・「エルサレム」、イギリス国歌、「Auld Lang Syne」の流れがじわじわ来ます。「Auld Lang Syne」はオケの演奏は無く、指揮者も舞台袖で見守る形だったのが、去年・マリン・オールソップさんから指揮ありでオケも演奏するようになりました。

 来年のプロムスは、2017年7月14日スタートです!公式ガイド買って、また来年も楽しみます!

【追記】
 夏のBBCでの放送・オンデマンド、NHKでの放送を聴き逃した、見逃した…という方へ。年末年始はプロムスの公演のいくつかが再放送されますが、ラストナイトもありますよ!オンデマンドで聴けますよ!
BBC radio3 : BBC Proms 2016 : Prom 75: Last Night of the Proms
 ラジオ放送のMCや、指揮者スピーチの一部が端折られていますが、全曲聴けます。オンデマンドは1月30日ごろまで。

 ちなみに、この再放送はグリニッジ標準時 12月31日夜9時から始まりました。終わるのは日付、年が明ける午前0時。つまり、「ルール・ブリタニア」や「Land of Hope and Glory」で大騒ぎして年越ししてたんですよイギリスは。そして今年も残り少ないところで締めは、「Auld Lang Syne」.「蛍の光」でその年の締めって…紅白ですかwイギリスでも年越しの時間に「Auld Lang Syne」を歌っていたのかもしれませんw

◇BBC公式、3分で振り返るラストナイト:Last Night of the Proms 2016 in 3 minutes!

◇BBC公式、ラストナイトのバックステージ写真集:BBC radio3 : Proms : Backstage at the Last Night of the Proms 2016

◇ガーディアン紙による舞台裏写真集the guardian : Last Night of the Proms - behind the scenes

【過去のプロムス記事】
・7月編:Proms(プロムス)2016 私選リスト その1 [7月]
・8月前半編:Proms(プロムス)2016 私選リスト その2 [8月前半]
・8月後半その1:Proms(プロムス)2016 私選リスト その3 [8月後半のその1]
・8月後半その2:Proms(プロムス)2016 私選リスト その4 [8月後半 その2]

・2014年ラストナイト:こんなクラシックコンサート観たことない! 「Proms(プロムス)」ラストナイトコンサート2014

・ヴォーン=ウィリアムズ「音楽へのセレナード」について:美しい月と音楽と
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by halca-kaukana057 | 2016-12-17 16:43 | 音楽

Proms(プロムス)2016 私選リスト その5 [9月]

 ロンドンの夏ももう終盤、クライマックスです。BBC Proms、9月の私選リストです。9月は大御所が続々登場、そしてラストナイトです。


Prom 63(9/1): Bach – Mass in B minor
・J.S.バッハ:ミサ曲 ロ短調 BWV232
 キャサリン・ワトソン(ソプラノ)、ティム・ミード(カウンターテナー)、レイナウト・ファン・メヘレン(テノール)、アンドレ・モルシュ(バリトン)
 ウィリアム・クリスティ:指揮、レザール・フロリサン
/バッハの大曲を。演奏しているレザール・フロチサンは、マルカントワーヌ・シャルパンティエの作曲した劇音楽「レザール・フロリサン(花咲ける芸術)」から取った古楽アンサンブル。プロムスはバロック・古楽から現代まで幅広いのが魅力です。

Prom 64(9/2): Berlin Philharmonic and Sir Simon Rattle – Boulez and Mahler
・ブーレーズ:エクラ(Éclat)
・マーラー:交響曲第7番「夜の歌」 ホ短調
 サー・サイモン・ラトル:指揮、ベルリン・フィル
/毎年恒例、ラトルがベルリンフィルを連れてきました!来年秋から、ラトルはロンドン交響楽団の首席指揮者に。もしかしたら、プロムスでのベルリンフィルとの共演は今年が最後かもしれません(来年ももしかしたらあるかも)
 今年亡くなった作曲家・ブーレーズの作品と、マーラーの7番を休憩なしで演奏します。今年のプロムスでは多かったマーラー作品、トリは7番。私、まだ7番には親しめていません。以前聴いた時は、途中で飽きて止めたことが…。ラトル&ベルリンフィルのは通して聴けるかな?魅力を見つけられるかな?
 →この記事を書きながら聴きました。今回は通して聴けました!どこが、と具体的に言えないのが悔しいのですが、楽しみました、楽しいです。

Prom 66(9/3): Berlin Philharmonic and Sir Simon Rattle – Julian Anderson, Dvořák and Brahms
・ジュリアン・アンダーソン:Incantesimi(イギリス初演)
・ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 第1集 op.46
・ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73
 サー・サイモン・ラトル:指揮、ベルリン・フィル
/ラトル&ベルリンフィル2日目。イギリスの現代作曲家ジュリアン・アンダーソンの作品は、ラトルとベルリンフィルのために作曲した作品。続いてドヴォルザークの8曲のスラヴ舞曲、メインはブラームスの2番。

Prom 67(9/4): Simón Bolívar Symphony Orchestra and Gustavo Dudamel
・ポール・ドゥゼンヌ:Hipnosis mariposa(イギリス初演)
・ヴイラ=ロボス:ブラジル風バッハ 第2番
・ラヴェル:ダフニスとクロエ 第2組曲/ラ・ヴァルス
 グスターボ・ドゥダメル:指揮、シモン・ボリバル交響楽団
/リオデジャネイロオリンピックで南米の作曲家、オーケストラにスポットを当てている今年のプロムス。南米のオーケストラと言えば、ドゥダメルが指揮するシモン・ボリバル交響楽団でしょう!北欧での公演後、ロンドン・プロムスにも登場です。南米の作曲家ドゥゼンヌの作品に、ブラジル風バッハと南米作品も演奏します。アンコールは勿論、あの曲ですよね…?(楽しみ。あるなら映像を観たい…)

Prom 69(9/5): Staatskapelle Berlin and Daniel Barenboim – Mozart and Bruckner
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ長調 K491
・ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」
 ダニエル・バレンボイム:ピアノ・指揮、シュターツカペレ・ベルリン
/Prom43でも指揮したバレンボイムが、今度はシュターツカペレ・ベルリンと再登場です。モーツァルトのピアノ協奏曲と、ブルックナーの交響曲。今年2月の来日演奏会、ブルックナーチクルスと同じ構成です(曲の組み合わせは異なります)2月の演奏会を聴きに行った人も、聴けなかった人も、プロムスでもどうぞ。ブルックナーの交響曲もProm60でも9番を取り上げたので、多めなのかなぁ今年。

Prom 70(9/6): Staatskapelle Berlin and Daniel Barenboim – Mozart and Bruckner
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番 ニ長調「戴冠式」 K537
・ブルックナー:交響曲第6番 イ長調
 ダニエル・バレンボイム:ピアノ・指揮、シュターツカペレ・ベルリン
/バレンボイム&シュターツカペレ・ベルリンのモーツァルトとブルックナー2日目。6番は初めて聴くかも。聴いてみよう。
 ところで、ブルックナーといえば、ノヴァーク版とかハース版とか、改訂稿が複数存在しますが、プロムスのHPにもガイドブックにも書いてありません。2月の来日公演と同じなのかな?
(同じなら、Prom69の4番はノヴァーク版第2稿(1878/80)、Prom70の6番はノヴァーク版
東芝グランドコンサート 公式サイトより)

Prom 71(9/7): Staatskapelle Dresden, Christian Thielemann and Daniil Trifonov – Mozart and Bruckner
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 ハ短調 K467
・ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調「ワーグナー」
 ダニール・トリフォノフ(ピアノ)
 クリスティアン・ティーレマン:指揮、シュターツカペレ・ドレスデン
/モーツァルト&ブルックナーのプログラムを、何故かティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデンが引き継ぎます。モーツァルトのピアノはトリフォノフ!しかも21番。モーツァルトの方が楽しみですが、ブルックナーもこの際なので聴きますよ。これも何版なのかわかりません。

Prom 73: Handel – Coronation Anthems
・ヘンデル:ジョージ2世の戴冠式アンセム 第1曲:司祭ザドク HMV258/第4曲:わが心は麗しい言葉にあふれ HMV261
・ムファット:調和の捧げもの 弦楽と通奏低音のためのソナタ第5番 ト長調
・ヘンデル:ジョージ2世の戴冠式アンセム 第2曲:汝の御手は強くあれ HMV259
・J.S.バッハ(レオポルド・ストコフスキー:編曲):管弦楽組曲 第3番 BWV1068 より第2曲「エール(アリア)」
・パーセル(レオポルド・ストコフスキー:編曲):歌劇「ダイドーとイニーアス」Z.626 第3幕:ダイドーのラメント「私が地に伏す時」
・ヘンデル:ジョージ2世の戴冠式アンセム 第3曲:主よ、王はあなたの力に喜びたり HMV260
 リチャード・エガー:指揮、エンシェント室内管弦楽団
/エンシェント室内管が登場です。バロックの名曲が次々と。ヘンデルの「ジョージ2世の戴冠式アンセム」は分けて全曲演奏します。ロンドンで聴くとまさに本場、という感じがしますね。お馴染みの「G線上のアリア」も。

Prom 75(9/10): Last Night of the Proms
・トム・ハロルド:Raze(世界初演)
・バターワース:青柳の堤
・ボロディン:歌劇「イーゴリ公」第2幕より:だったん人の踊り
・ロッシーニ:歌劇「チェネントラ」より:もう一度見つけだすと誓う(Si, ritrovarla io giuro)
・ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」より:人知れぬ涙(Una furtiva lagrima)
・オッフェンバック:歌劇「美しきエレーヌ」(La belle Hélène)より:イダ山の上で(Au mont Ida)
・ブリテン:音楽のマチネー op.24
・ジョナサン・ダウ:Our revels now are ended(宴は終わった)

・マイケル・トーキー:ジャベリン(Javelin)←※追加の模様
・ヴォーン=ウィリアムズ:音楽へのセレナード
・ドニゼッティ:歌劇「連隊の娘」より"ああ、友よ!なんと楽しい日!(Ah! mes amis)
・エルガー:威風堂々第1番 ニ長調 「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」
・ヘンリー・ウッド:イギリスの海の歌による幻想曲
・トマス・アーン:ルール・ブリタニア
・パリー(エルガー:編曲):イェルサレム
・ブリテン編曲:イギリス国歌
 ファン・ディエゴ・フローレス(テノール)
 フランチェスカ・チェジーナ、イヴ・ダニエル、ローレン・ファガン、アリソン・ローズ(ソプラノ)
 クレール・バーネット=ジョーンズ、マルタ・フォンタナルス=シモンズ、アンナ・ハーヴェイ、ケイティ・スティーヴンソン(メゾソプラノ)
 トライスタン・リリュル・グリフィス、オリバー・ジョンストン、 ジョシュア・オーウェン・ミルズ、ジェイムズ・ウェイ(テノール)
 ブラギ・ジョンソン、ベンジャミン・ルイス、ジェイムズ・ニュービィ、ブラッドリー・トラヴィス(バス)
 BBCシンガーズ、BBCシンフォニーコーラス
 BBCプロムスユースアンサンブル
 サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
/ラストナイトです。2ヶ月って長いと思ってるとあっという間です。今年のソリストはペルー出身のテノール・ファン・ディエゴ・フローレスさん。オペラアリアがたくさん、フローレスさんの歌声を堪能できます!
 1曲目のトム・ハロルド(91年生まれ!の若手現代作曲家)の世界初演作を演奏するのは、このプロムスのために結成されたユースアンサンブル。若い作曲家と演奏家たちの演奏が楽しみです。
 ジョナサン・ダウ「Our revels now are ended」は、シェイクスピア「テンペスト」の台詞の一部。この部分の合唱曲とのこと。ラストナイトもシェイクスピアです!
 ヴォーン=ウィリアムズ「音楽へのセレナード」では、16名の声楽家たちが共演。この「音楽へのセレナード」プロムスを半世紀以上指揮し続けたヘンリー・ウッド(ステージ中央にウッドの銅像があります)のデビュー50周年のお祝いに作曲。シェイクスピアの「ヴェニスの商人」から歌詞を取っています。まさに今年のプロムスにぴったりな作品。ヴォーン=ウィリアムズとウッドは16人の歌手を選び、彼らを想定して作曲。というわけで、こんな大人数になってしまったわけです。
 最後はお約束の「Land of Hope and Glory」、「ルール・ブリタニア」「イェルサレム」、イギリス国歌と定番曲で締めます。今年は、定番曲なのに最近演奏されていなかった「イギリスの海の歌による幻想曲」が復活の模様。是非とも今年はフルで聴きたいです。
 ファーストナイトのところで、BBC交響楽団の首席指揮者がファーストナイト・ラストナイト両方指揮するのは何年ぶりだったっけ…?と書きましたが、先代ビエロフラーヴェクさんが最後に両方指揮したのは2010年。現首席指揮者のオラモさんが両方指揮するのは初です。オラモさんは2度目のラストナイトの指揮ですが、前回初登場の2014年は様々な楽しいネタを披露してくれましたw今年も期待w指揮者スピーチにも注目です。
 イギリスは今年EU離脱という大きな問題が持ち上がりましたが、ラストナイトは盛大にお祭り騒ぎで終わって、2ヶ月の音楽の祭典を締めてほしいものです。
 ちなみに、昨年2015年のラストナイトを、毎年放送しているNHKは放送しませんでした…。とても悲しかった。ラストナイトはやっぱり映像で観たい!!今年は放送してください、NHKさん!(リクエスト送りましょう、送ります)
(10月、CSスカパーのクラシカ・ジャパンで、今年の2公演と、昨年2015年のラストナイトを放送するそうです。CSか…)

【追記】
 2016年のラストナイト、12月12日、NHKで放送されました!!感想記事はこちら:一緒に音楽を楽しもう Proms(プロムス)2016 ラスト・ナイト・コンサート

【過去記事】
・7月編:Proms(プロムス)2016 私選リスト その1 [7月]

・8月前半編:Proms(プロムス)2016 私選リスト その2 [8月前半]

・8月後半その1:Proms(プロムス)2016 私選リスト その3 [8月後半のその1]
・8月後半その2:Proms(プロムス)2016 私選リスト その4 [8月後半 その2]

 まだ聴けていないものも結構あります…大丈夫か?たくさんあり過ぎる!でもそこが楽しいプロムス!
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by halca-kaukana057 | 2016-09-04 17:25 | 音楽

音楽の旅・絵の旅

 涼しくなってきたので、読書にも集中できるようになってきました。読むのにかなりの時間がかかった本です。


音楽の旅・絵の旅 吉田秀和コレクション
吉田秀和/筑摩書房・ちくま文庫/2010

 音楽評論家の吉田秀和さんが、1976年にバイロイト音楽祭を聴きにドイツをはじめヨーロッパ各地を旅行した日記と、「音楽の光と翳」という短いエッセイ集の2部に分かれている本です。

 前半のバイロイト音楽祭。ワーグナー「ニーベルングの指輪」四部作の完全上演100年にあたる1976年。演出はシェロー、指揮はブーレーズ。このバイロイトでの演奏会の記録・日記は、私にとっては読むのは大変なことでした。ワーグナーのオペラ(楽劇)はあまり馴染みがない。序曲やアリアの抜粋ならいくつかは聴いているけれども、オペラを通して聴いたことはなく(長い、物語が難しそう、壮大過ぎる、という先入観で…すみませんワーグナーファンの皆様…)、バイロイト音楽祭も馴染みがない。NHKFMで年末に放送されていますが、聴いたことがない。
 それでも、吉田さんがどれだけワーグナーのオペラに惹かれていて、魅力的な部分をスコアつきで語るのは、半分よくわからないけど、ひきつけられるものがありました。吉田さんはプロの音楽評論家。スコア(ワーグナーのオペラはポケットスコアでも分厚いのでピアノ版のスコア)を確認しながら聴いている。音楽理論・楽典の裏づけから、あるシーンの曲の魅力を語っているのを読んでいると凄いな、と思う。そんな吉田さんですら、こんなことを書いているので驚いた。
だが、そうしてみると、今度は私の和声学の知識が不十分であり、穴があることに気づく。若い時、もっと勉強しておくのだった。だが、そういってもいられない。手もとにある武器や弾薬が不足とわかっていても、私はまだまだ、前進したい。たとえ一歩でも半歩でも。
 こう書いたら、いつか新聞でよんだ貴ノ花の言葉というのを思い出した。「もっと立合いを鋭くして、一歩踏みこまなければいけない」という解説者の註文をきいた時、この軽量の大関は「そんなことをいっても、相撲では一歩はおろか、半歩前に進むんだって、本当に大変なんだ。相手だって前に出てくるんだから」といったというのである。私の相手は音楽。それがだんだんやさしくなるどころか、これまでそう思わなかったことまで、むずかしくなるのだ。
(109ページより)

 今、私はバイロイト音楽祭ではなく、ロンドンの夏の風物詩、プロムスの各公演を手当たり次第ネットのオンデマンドで聴いている。様々な作品がある。現代作品も多い。初めて聴く作品も、今まで全く知らなかった作品、苦手だと思っている作品もある。好きな作品もあるが、指揮者やオーケストラも様々。聴いていてそれまで気がつかなかったことに気づいたり、疑問も出てきたり、余計わからなくなることもある。プロムスに限らず、普段聴く音楽でもそうだ。なので、吉田さんの仰っていることがよくわかるとも思う。それでも、音楽にもっと近づきたい。プロムスを聴き、この本を読んで、もっと音楽を楽しく聴くにはどうしたらいいのだろう?と思うようになった。知識や聴く作品を増やせばいいのだろうか。それもひとつのやり方だ。でもそれだけじゃ足りない、全てではない気がする。私の音楽の旅も、まだまだこれからだ。

 バイロイト音楽祭だけではなく、カラヤン指揮ベルリンフィルの演奏会や、黛敏郎のオペラ「金閣寺」、ポリーニのシューマン、若き日のサー・エリオット・ガーディナーの合唱つき作品の演奏会も出てくる。現代作品も出てくる。現代作品に対しての視点が興味深い。音楽だけではない。タイトルの「絵の旅」とあるとおり、美術館で絵画作品を分析しながら鑑賞している。その分析方法が本格的で、吉田秀和さんは絵画にも造詣が深かったのか!と驚かされた。音楽は総合芸術。他の分野とも繋がりが深い。美術にも通じるものがあるのだろう。

 旅はイギリス経由で、ロンドンでも美術館などをめぐる。そこでこう書かれている。
いかにイギリスという国が、イギリス人のものであると同時に、世界中の人たちの前に開放されたものであるかということが、もう一度、頭に浮かぶ。この美術館だって、いつかかよった大英博物館だって、世界中の人に無料で解放されているのだ。どんなに貧乏しようと、金をとろうとしない。それもイギリス人に対してだけでなく、世界中のどんな人に対しても同じなのだ。こういうのを見ていると、将来、もしイギリスの没落という事態が起こったとすれば、それはイギリス人にとってというだけでなく、世界中にとっての損失を意味するだろうという気がしてくる。
(197ページ)

 ここを読んで、イギリスのEU離脱への顛末を思い浮かべずにいられなかった。EUから離脱したからといって、大英博物館などが有料になるわけではないだろうが、イギリスという国の大きさを思い知る。やはり世界の「大英帝国」なんだなぁ、と。吉田さんが想像した没落、損失がないことを祈るばかりである。

 後半のエッセイ集、「音楽の光と翳」は短く、吉田さんの身近なところにある音楽から思ったことが書かれていて、読みやすかった。前半が難しいなと思ったら後半から入るのも手かも知れない。どちらにしても、吉田さんの優しく、音楽への愛情の深い文章は素敵だ。私の知らない音楽の世界を、この本で垣間見れた。音楽の世界は広いなぁ。
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by halca-kaukana057 | 2016-09-02 23:32 | 本・読書

Proms(プロムス)2016 私選リスト その4 [8月後半 その2]

 昨日の続きのプロムス私選リストの続きです。8月後半、聴きたい演奏会が多い…!
・8月後半その1:Proms(プロムス)2016 私選リスト その3 [8月後半のその1]

Prom 51(8/24): São Paulo Symphony Orchestra and Marin Alsop
・マルロス・ノーブレ:Kabbalah(イギリス初演)
・グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 op.16
・ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ 第4番 序曲
・ラフマニノフ:交響的舞曲 op.45
 ガブリエラ・モンテーロ(ピアノ)
 マリン・オールソップ:指揮、サンパウロ交響楽団
/リオデジャネイロオリンピックにちなんで、南米のオーケストラの登場です。指揮は昨年のラストナイトコンサートの指揮のアメリカ人指揮者オールソップ。1曲目のノーブレはブラジル出身、ピアノのモンテーロはベネズエラ出身。南米のクラシック音楽と言えば、ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」。
 グリーグのピアノ協奏曲のアンコールは、ラストナイトに欠かせないあの曲、エルガー:威風堂々第1番(Land of Hope and Glory)のラグタイム風演奏。バッハっぽくも聴こえました。素敵な演奏です。

Prom 53(8/25): Royal Liverpool Philharmonic Orchestra – Emily Howard, Shostakovich and Rachmaninov
・エミリー・ハワード:Torus (Concerto for Orchestra) (世界初演)
・ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲 第1番 変ホ長調 op.107
・ラフマニノフ:交響曲第3番 イ短調 op.44
 アレクセイ・スタドレル(Vc)
 ヴァシリー・ペトレンコ:指揮、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
/この演奏会、ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番をノルウェーのチェリスト・トゥルルス・モルクがソロを演奏するとあったのですが、モルクさん、病気のためキャンセル。なんと。スタドレルさんが代役です。モルクさん、大事でないとよいのですが…。メインはラフマニノフの交響曲第3番。ラフマニノフの交響曲は、実はあまり馴染みがない…この機会に聴きます。時代や国・地域、様々な作品を聴けるのはプロムスのよいところだと思っています。

Prom 54(8/26): Collegium Vocale Gent and the Budapest Festival Orchestra
・モーツァルト:アリア「この麗しき御手と瞳のために」K.612
・モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
・モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626 (ジェスマイヤー補完)
 ニール・ディヴィス→※変更:ハンノ・ミューラー=ブラッハマン(バス)
 アコシュ・アーチュ(Cl)
 ルーシー・クロウ(ソプラノ)
 バルバラ・コジェリ(メゾソプラノ)
 ジェレミー・オヴェンデン(テノール)
 コレギウム・ヴォカーレ・ゲント合唱団、イヴァン・フィッシャー:指揮、ブダペスト祝祭管弦楽団
/ブダペスト祝祭管で、オール・モーツァルト・プログラムです。バスはディヴィスさんからブラッハマンさんに変更になりました。

Prom 55(8/27): City of Birmingham Symphony Orchestra and Mirga Gražinytė-Tyla
・モーツァルト:歌劇「魔笛」 K.620 序曲
・ハンス・エブラハムセン:Let me tell you
・チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 op.36
 バーバラ・ハンニガン(ソプラノ)
 ミルガ・グラジニーテ=ティラ:指揮、バーミンガム市交響楽団
/私の注目公演のひとつです。ネルソンスの後任が決まっていなかったバーミンガム市響の新音楽監督が決まりました!リトアニア出身のミルガ・グラジニーテ=ティラさん。決まった時はようやく決まったか!と喜んだもいいが、お名前が読めない…とあちらこちらから声が…。無名で若手だけど実力のある指揮者を迎え、その後は出世するパターンのバーミンガム市響の音楽監督。バーミンガムで就任記念コンサートの後、プロムスに登場です。ミルガさんとバーミンガム市響の今後、楽しみにしています!

Prom 57(8/28): Thomas Larcher, Wagner and Richard Strauss
・トーマス・ラルヒャー:交響曲第2番(イギリス初演)
・ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集
・R.シュトラウス:アルプス交響曲 op.64
 エリザベート・クルマン(メゾソプラノ)
 セミヨン・ビシュコフ:指揮、BBC交響楽団
/ワーグナーのヴェーゼンドンク歌曲集、好きな作品です。ワーグナーの作品というと大規模な楽劇で、なかなか全曲を聴いたことがないのですが(抜粋なら聴きやすいのに)、このヴェーゼンドンク歌曲集は入りやすいです。メインも壮大な、リヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲。ロイヤルアルバートホールの舞台は広いので、サンダーマシンやウィンドマシンを置いても余裕がありそうです。

Proms Chamber Music 7(8/29): Armida Quartet
・シューベルト:弦楽四重奏曲第12番「四重奏断章」 ハ短調D.703
・サリー・ビーミッシュ:Merula perpetua(世界初演)
・モーツァルト: 弦楽五重奏曲第3番ハ長調 K. 515
 リーズ・ベルトー(Va)、アルミーダ四重奏団
/室内楽プロムスです。室内楽でも世界初演があります。オーケストラだけじゃないのがいいですね。モーツァルトの弦楽五重奏曲第3番はとても好きな曲。ヴィオラがいいんです、ヴィオラが。

Prom 59(8/29): Leipzig Gewandhaus Orchestra – Beethoven
・ベートーヴェン:レオノーレ 序曲 第2番 op.72a
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 op.73 「皇帝」
・ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 op.92
 アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
 ヘルベルト・ブロムシュテット:指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
/アンドラーシュ・シフとブロムシュテットの登場です!!オケもゲヴァントハウス管!オール・ベートーヴェンで来ました。王道中の王道というプログラムです。

Prom 60(8/30): Gustav Mahler Jugendorchester
・J.S.バッハ:カンタータ 第82番 「われは満ちたれり」BWV82
・ブルックナー:交響曲第9番
 クリスティアン・ゲルハーヘル(バスバリトン)
 フィリップ・ジョルダン:指揮、グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団
/バッハとブルックナー、荘厳な響きを連想させるプログラムです。しかもブルックナーは9番。バッハのカンタータを歌う予定のゲルハーヘルさんですが、9月から病気で長期休養に入ることがアナウンスされています。この公演はどうなるのか。まだ何もお知らせはありません。心配です。
【追記】
 ゲルハーヘルさんは変更なく歌ったそうです。よかった。お身体、無理されてないとよいのですが…。

 以上です。9月はビッグネームが続き、そして10日はラストナイトです。

【過去記事】
・7月編:Proms(プロムス)2016 私選リスト その1 [7月]
・8月前半編:Proms(プロムス)2016 私選リスト その2 [8月前半]
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by halca-kaukana057 | 2016-08-26 22:45 | 音楽

Proms(プロムス)2016 私選リスト その3 [8月後半のその1]

 2ヶ月にわたるプロムスも折り返し。という私は追いつけてません…。どんどん溜まる。聴きたいものを厳選しようとしても、なかなか難しいのが困ったものです。こちらはこれから涼しくなるはずなので、音楽をゆっくり聴く時間も増えるはず…。2ヶ月も毎日演奏会を開いていられるのは、夏のロンドンが涼しいからだろうか…?

 8月後半のプロムス公演私選紹介の前に、面白い試みを。プロムスの公演の一部を、3Dサウンドで収録し公開しています。
Proms in Binaural Sound
 いつまで公開しているかわからないのでお早めに!最初は少なかったのですがその後増えたと思ったら、また減ってしまいました。エルガーのチェロ協奏曲がなくなってしまったのが残念…。
 聴いてみて、通常の録音とは何か違うな、とは感じました。音の距離感や透明感、弾力のようなものを感じました。ロイヤルアルバートホール内ではこんな風に聴こえるのかな、と…。拍手の音も違うと感じました。ヘッドホンで聴いてみてください。

 では、8月後半の私選リストです。8月後半は多いぞ…選ぶのに困りました。なので、2つに分けます。8h月後半その1です。

Prom 40(8/15): Britten Sinfonia and Thomas Adès
・ベートーヴェン:交響曲第8番 ヘ長調 op.93
・フランシスコ・コール:Four Iberian Miniatures(ロンドン初演)
・トーマス・アデス:Lieux retrouvés(管弦楽版、イギリス初演)
・プロコフィエフ:交響曲第1番 ニ短調 op.25「古典交響曲」
 オーガスティン・ハデリッヒ(Vn)
 スティーヴン・イッサーリス(Vc)
 トーマス・アデス:指揮、ブリテン・シンフォニエッタ
/チェロのイッサーリスが登場です。演奏するのは、指揮のトーマス・アデスの作品。チェロ協奏曲になっているそうです。最初にはベートーヴェン8番、最後にはプロコフィエフの古典交響曲。

Prom 41(8/16): The Hallé – Mahler’s Das Lied von der Erde
・ベルリオーズ:序曲「リア王」op.4
・コリン・マシューズ:Berceuse for Dresden(ロンドン初演)
・マーラー:大地の歌
 レオナード・エルシェンブロイヒ(Vc)
 アリス・クート(メゾソプラノ)、グレゴリー・クンデ(テノール)
 サー・マーク・エルダー:指揮、ハレ管弦楽団
/今年のプロムスはシェイクスピア没後400年特集。ベルリオーズからは「リア王」こうしてまとめて聴いていると、もっとシェイクスピアを読まねばならんな…と思います。チェロ協奏曲は「冥王星」でお馴染みコリン・マシューズの作品。メインはマーラー「大地の歌」。マーラー後期作品はまだ親しめている作品が少ないのですが、その少ない親しんでいる作品が「大地の歌」。メゾソプラノ(コントラルト)が活躍する作品、じっくり聴きたいです。

Prom 42(8/16): The Sixteen sing Bach and Pärt
・J.S.バッハ:モテット 来たれ、イエス、来たれ BWV229
・アルヴォ・ペルト:今こそ主よ、僕を去らせたまわん(Nunc dimittis)
・J.S.バッハ:モテット 主に向かって新しき歌をうたえ BWV 225
・ペルト:トリオディオン Triodion
・J.S.バッハ:モテット イエス、わが喜び BWV 227
 ハリー・クリストファーズ:指揮、ザ・シックスティーン
/アカペラ合唱の回です。イギリスの合唱団The Sixteenが歌うのはバッハとエストニアの現代作曲家・アルヴォ・ペルト。ペルトは宗教合唱曲も多く作曲しています。

Prom 45(8/19): Janáček: The Makropulos Affair
・ヤナーチェク:歌劇「マクロプロス事件」
 カリタ・マッティラ(ソプラノ)
 アレス・ブリッシェン(テノール)、グスタフ・ベラチェク(バスバリトン)、ヤン・ヴァチク(テノール)、エヴァ・ステルポヴァ(ソプラノ)、スヴァトプラク・セム(バリトン)、アレス・ヴォラチェク(テノール)、ヤン・イェツェク(テノール)、イルジ・クレツカー(バリトン)、イヴォナ・スクヴァロヴァ(コントラルト)、ヤナ・フロコヴァ・ワリンゲローヴァ(コントラルト)
 BBCシンガーズ(男声合唱)、イルジ・ビエロフラーヴェク:指揮、BBC交響楽団
 イルジ・クレツカー(舞台技術)
/ヤナーチェクのオペラをコンサート形式で。チェコ語での上演です。主演はフィンランドのソプラノ・カリタ・マッティラ。他のキャストはチェコ人歌手、指揮もチェコ出身でBBC響前首席指揮者のビエロフラーヴェク。このペラそのものはどんな物語か全く知らないのですが、ビエロフラーヴェクさんは昨年チェコ・フィルとの来日公演の録画を観ていいなと思ったし、マッティラさんの歌は好きなので、聴いてみようと思います。

Prom 46(8/20): Mahler’s Rückert-Lieder and Mozart’s Mass in C minor
・ジェラール・グリゼイ:Dérives(イギリス初演)
・マーラー:リュッケルト歌曲集
・モーツァルト:ミサ曲 ハ短調 K427
 ターニャ・アリアーヌ・バウムガルトナー(メゾソプラノ)
 ルイーゼ・アルダー、キャロリン・サンプソン(ソプラノ)、ベンジャミン・ハレット(テノール)、マシュー・ローズ(バス)
 BBCシンフォニーコーラス、イラン・ヴォルコフ:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
/お目当てはマーラーの「リュッケルト歌曲集」。マーラー続きますね。モーツァルトのミサ曲と一緒に、声楽をたっぷり楽しめる公演です。

Prom 47(8/21): Ulster Orchestra and Rafael Payare
・ピアーズ・ヘラウェル:Wild Flow(世界初演)
・ハイドン:チェロ協奏曲第1番 ハ短調 Hob VIIb:1
・チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 op.64
 ナレク・アフナジャリャン(Vc)
 ラファエル・パヤーレ:指揮、アルスター管弦楽団
/指揮のパヤーレはベネズエラ出身。今年のプロムスは、リオデジャネイロオリンピックもあって、南米の音楽家・オーケストラも続々登場します。このプログラムも幅が広い。

Prom 48(8/21): Matthias Pintscher and Mendelssohn
・マティアス・ピンチャー:Reflections on Narcissus
・メンデルスゾーン:真夏の夜の夢
 アリサ・ワイラースタイン(Vc)
 キャサリン・ブロデリック(ソプラノ)、クララ・モーリッツ(メゾソプラノ)
 マーク・ベントン、アレックス・ハッセル、Simon Manyonda、シニード・マシューズ、サム・スワン、ミッチェル・テリー(俳優)
 フィンチリー児童合唱団、マティアス・ピンチャー:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
/前半のピンチャー自作自演はチェロ協奏曲。アリサ・ワイラースタインの登場です。後半はシェイクスピアと言えばやっぱりこの作品、メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」!全曲演奏版です。俳優さんたちは語りを担当します。この機会に全曲演奏を聴こう。

Proms Chamber Music 6(8/22): Louis Lortie
・ロッシーニ(リスト:編):音楽の夜会 ヴェネツィアの競艇、踊り
・プーランク:ナポリ FP 40
・フォーレ:舟歌 第5番嬰へ短調op.66、第7番ニ短調op.90
・リスト:ヴェネツィアとナポリ S162
 ルイ・ロイティ(ピアノ)
/プロムス室内楽。ピアノ回です。イタリアのヴェネツィアとナポリをイメージした作品が並んでいます。

Prom 50(8/23): Tchaikovsky, Rachmaninov and Prokofiev
・チャイコフスキー:幻想序曲「ハムレット」op.67
・ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 イ短調 op.43
・プロコフィエフ:交響曲第3番 ハ短調op.44
 スティーヴン・ハフ(ピアノ)
 アレクサンドル・ヴェデルニコフ:指揮、BBC交響楽団
/チャイコフスキーのシェイクスピア作品、今度は「ハムレット」です。この演奏会のお目当てはスティーヴン・ハフのピアノのラフマニノフ「パガニーニの~」。ハフさんのピアノはとても好きです。そして、ラフマニノフのこの作品も大好きな曲。ラフマニノフのピアノ協奏曲の中で一番好きかもしれない。2番や3番も好きですが。今年のプロムスはプロコフィエフも多いですね。というより、ロシア作曲家作品が多い?

 8月後半その2に続きます!

【過去記事】
・7月編Proms(プロムス)2016 私選リスト その1 [7月]
Proms(プロムス)2016 私選リスト その2 [8月前半]
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by halca-kaukana057 | 2016-08-25 23:11 | 音楽

Proms(プロムス)2016 私選リスト その2 [8月前半]

 暑い日が続いていますね。あと、リオデジャネイロオリンピックも盛り上がっていますね。4年前のオリンピック開催地・ロンドンではProms(プロムス)、絶賛開催中です(2012年のロンドンはオリンピックにプロムスに大変だっただろうに)。ロンドンは気温は25度程度。涼しい…過ごしやすそう。そんな中で毎日音楽三昧…いいなぁ。

 では、8月前半の私が選んだプロムス・コンサートラインナップです。
・7月編Proms(プロムス)2016 私選リスト その1 [7月]

Prom 23(8/1): Jörg Widmann, Schumann, Sibelius and Nielsen
・ヨルグ・ヴィットマン:Armonica(イギリス初演)
・シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
・シベリウス:テンペスト op.109 序曲
・ニールセン:交響曲第5番 op.50
クリスタ・シェーンフェルディンガー(グラス・ハーモニカ)、テオドロ・アンゼロッティ(アコーディオン)
トーマス・ツェートマイアー(Vn)
ヨン・ストゥールゴールズ:指揮、BBCフィルハーモニック
 /注目公演のひとつ。シューマン、シベリウス、ニールセン(ニルセン)と好きな作曲家ばかり。でも、この3人の作品はこの公演だけなんです…。今年のプロムスはチェロを主役にしているのに、シューマンのチェロ協奏曲が何故にない!?シベリウスとニルセンもこれだけか!去年は生誕150年でたくさんやりましたね…(遠い目)
 1曲目のヴィットマンの作品も、グラスハーモニカが入る面白い作品。
 指揮は、昨年N響に客演したのを聴きに行った、フィンランドの指揮者・ストゥールゴールズ(ストルゴーズ、ストゥールゴーズ:他、表記がたくさんある…)。元々ヴァイオリニストで、スウェーデン放送響のコンマスをしていましたが、ソリスト経験も多く、セーゲルスタム指揮タンペレフィルでこのシューマンのヴァイオリン協奏曲を演奏、録音しています。フィンランド出身ということで後半はシベリウス&ニルセンの北欧プログラム。シベリウスでも、「テンペスト」でシェイクスピア作品です。せっかくなら組曲全部聴きたかった…。ニルセン5番は既に病み付きです。

Prom 25(8/3): Dvořák’s Cello Concerto and Bartók’s Duke Bluebeard’s Castle
・ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 op.104
・バルトーク:青ひげ公の城 op.11
アルバン・ゲルハルト(Vc)
イルディコー・コムローシ(コントラルト)、ジョン・レリエ(バスバリトン)
シャルル・デュトワ:指揮、ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
 /今年のプロムスはチェロ特集。チェロ協奏曲といえば、ドヴォルザークの協奏曲が有名ですね。後半はバルトークの「青ひげ公の城」。今までちゃんと聴いたことがなかったので、是非聴いてみようと思います。指揮はデュトワ。

Prom 27(8/5): Helen Grime, Tchaikovsky and Stravinsky
・ヘレン・グライム:Two Eardley Pictures 1: Catterline in Winter(世界初演)
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
・ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ(1947年版)
ペッカ・クーシスト(Vn)
トーマス・ダウスゴー:指揮、BBCスコティッシュ交響楽団
 /チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、好きな曲です。ソロを演奏するのは、フィンランドのヴァイオリニスト、ペッカ・クーシスト。プロムス初登場です。アンコールでは、フィンランドのカレリア地方の民謡をヴァイオリンを弾き、歌います。曲名がわからない。クーシストさん、よくしゃべり、聴衆に一緒に歌おうと一緒に歌っちゃってます。ノリがいいですw
【追記】
 クーシストさんのアンコールのフィンランド民謡がわかりました。「Minun kultani kaunis on」(英訳:My Darling is Beautiful)です。聴いたことあるなと思ったら、タピオラ合唱団のCDに入ってました。
How to ace an encore in 8 easy steps Violinist Pekka Kuusisto's masterclass in how to delight a Proms audience.
 ここで歌い方?wとアンコールの映像が観られます。
 ストラヴィンスキーのペトルーシュカも好きな曲です。

Prom 29(8/6): National Youth Orchestra of Great Britain
・イリス・テル・シフォルスト:Gravitational Waves(ロンドン初演)
・R.シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき
・ホルスト:惑星 op.32
・コリン・マシューズ:冥王星
バーミンガム市交響楽団ユース合唱団(女声合唱)
エドワード・ガードナー:指揮、イギリス国立青少年管弦楽団
 /イギリスのユースオーケストラの演奏会です。「ツァラトゥストラ~」に「惑星」しかも「冥王星」付きという壮大なスケールの作品が並んでいます。まさに宇宙。
 プロムスでホルストの「惑星」は、毎年どこかのオケが演奏しています。今年は探査機「ニューホライズンズ」の活躍もあってか、「冥王星」付き。冥王星は惑星から外れてしまいましたが、「ニューホライズンズ」が送ってきた鮮明な冥王星の画像を思い浮かべながら聴くのは楽しそうです。どんどん演奏されればいいと思うよ。

Prom 32: Esa-Pekka Salonen conducts Schoenberg, Dutilleux and Mahler
・シェーンベルク:ワルシャワの生き残り op.46
・デュティユー:時間の影
・マーラー:交響曲第1番 ニ長調
ディヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(ナレーター)、フィルハーモニア・ヴォイス(男声)
エサ=ペッカ・サロネン:指揮、フィルハーモニア管弦楽団
 /サロネン指揮フィルハーモニア管の登場です!サロネンらしい、現代曲多めのプログラム。シェーンベルクの「ワルシャワの生き残り」(凄いタイトルだな)は初めて聴きます。ナレーションと男声が入る…どんな曲だろう。
 この公演から3公演には、今年生誕100年のデュティユー作品が入ります。まずは「時間の影」これも聴いたことがない。
 最後はマーラー1番。サロネンのマーラー、楽しみです。

Prom 33(8/9): Mark Simpson, Dutilleux and Elgar
・マーク・シンプソン:Israfel(ロンドン初演)
・デュティユー:チェロ協奏曲「遥かなる遠い国へ」
・エルガー:交響曲第1番 変イ長調 op.55
ヨハネス・モーザー(Vc)
ファンホ・メナ:指揮、BBCフィルハーモニック
 /デュティユー2日目は、ディティユー作品の中で一番有名じゃないかと思うチェロ協奏曲「遥かなる遠い国へ」。これ大好きです。後半はエルガーの1番。エルガーの交響曲は1番、2番ともに好きです。どちらかというと1番が好きかな。第1楽章の最初から、じわじわとこみ上げてくるものがあります。

Prom 34(8/10): Dutilleux, HK Gruber and Beethoven
・デュティユー:音色、空間、運動または「星月夜」(Timbres, espace, mouvement)
・ハインツ・カール(HK)・グルーバー:Busking(ロンドン初演)
・ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 op.67
ホーカン・ハーデンベルガー(トランペット)、マッツ・ベリストレム(バンジョー)、クラウディア・ブデル(アコーディオン)
サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
 /デュティユー3日目は、タイトルが不思議な作品。これは聴くのが楽しみ。メインはベートーヴェン5番。マイナーな曲よりも、超有名曲ほど難しいと感じています。皆が知っているからこそ、どんな演奏・解釈になるのか注目(うるさすぎるほどに)する。どんな演奏になるのかな。

Prom 35(8/11): Bartók, Malcolm Hayes and Dvořák
・バルトーク:舞踏組曲
・マルコム・ヘイズ:ヴァイオリン協奏曲(世界初演)
・ドヴォルザーク:交響曲第7番 ニ短調 op.70
タイ・マレイ(Vn)
トーマス・セナゴー:指揮、BBCナショナル・ウェールズ交響楽団
 /バルトークの「舞踏組曲」、ドヴォルザークの7番に惹かれました。間のヴァイオリン協奏曲の新曲のMalcolm Hayesは調べても情報が出てこず…謎です。

Prom 37(8/12): BBC National Orchestra of Wales and Thomas Søndergård
・ウォルトン:管弦楽のためのパルティータ
・ヒュー・ワトキンズ:チェロ協奏曲(世界初演)
・ウェーベルン:パッサカリア op.1
・ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 op.98
 /再びセナゴー指揮BBCウェールズ。Søndergårdを読めるようになるまで大分時間がかかりました…。
ウォルトンにウェーベルンにブラームス、さらに世界初演作品とバラエティ豊かなプログラムですね。

Prom 39(8/14): Haydn, Charlotte Bray and Mahler
・ハイドン:交響曲第34番 ニ短調 Hob I:34
・シャルロット・ブレイ:Falling in the Fire(世界初演)
・マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
ガイ・ジョンストン(Vc)
サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
 /こちらも再びオラモ指揮BBC響。プロムスの間、BBC響は本当に忙しいですね…。このコンビ、残すはラストナイトです。
 古典から現代まで幅広いプログラム。今年のプロムスのチェロ特集に、世界初演作品も入れてくる…現代作品がこうやって演奏されるのはいいですね。
 今年は(他の年も?)マーラーが多めです。今度は5番。

 以上、8月前半のプロムスセレクションでした。また追記します。
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by halca-kaukana057 | 2016-08-09 23:43 | 音楽

Proms(プロムス)2016 私選リスト その1[7月]

 夏です。夏と言えば、皆さん色々なものを思い浮かべると思いますが、私はBBC Proms(プロムス).イギリスの世界最大級の音楽祭。7月から9月にわたって2ヶ月間、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールをメイン会場に毎日コンサート。最終夜のラストナイトコンサートのお祭り騒ぎはクセになります。

 今年はついに、これを買ってしまいました。
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 プロムス公式ガイドブック。全公演リストから、特集記事、著名人が語る音楽とプロムス、鑑賞ガイド…などが書かれています。広告も多いですが、結構ずっしり。ボリュームのあるガイドブックです。別にコンサートカレンダーポスターがついてきます。

 ということで、今年は徹底的にプロムスを聴きまくるぞ!私が独断と偏見で(?)選んだ公演リストを覚え書きの意味でも記事にしようと思います。ただ、2ヶ月もある。数も多いので、7月、8月上旬、8月下旬、9月の4回に分けようと思います。後から追記も随時していきます。
 公演が終わると、リンク先で30日間オンデマンドがありますので、夏のお供にどうぞ!各ページをスクロールして、中ほど右側にある「Broadcast of this performance」のBBC Radio3から聴くほうが聴きやすいかもしれません。
日付はグリニッジ標準時です。

【7月】
Prom1(7/15):First Night of the Proms
・チャイコフスキー:幻想序曲 ロミオとジュリエット
・エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 op.85
・プロコフィエフ:カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」op.78
ソル・ガベッタ(Vc)、オリガ・ボロディナ(メゾソプラノ)、BBCナショナルウェールズ合唱団、BBCシンフォニーコーラス、サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
 /まずはともあれファーストナイト。今年はシェイクスピア没後400年で、イギリスは特に盛り上がっています。幕開けも「ロミオとジュリエット」です。ロマンティックで、でも悲劇。
 エルガーのチェロ協奏曲では、開幕前にこんなプロモーションビデオが。
BBC Proms:Cello
 チェロのソル・ガベッタさんが演奏を始めると、チェロに映像が。チェロをスクリーンにしたプロジェクションマッピング。凄い。最初、これをファーストナイト本番で正式にお披露目なのかと思ったのですが、プロモーションだけでした。本番でも、ガベッタさんの深いチェロの音が心に響く演奏でした。
・メイキング:How 'Cello' was filmed
 プロコフィエフの「アレクサンドル・ネフスキー」は初めて聴きました。ファーストナイトが合唱が豪華でいいです。
 公演では、フランス・ニースでのテロ事件への追悼に、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が演奏されました。リアルタイムで聴いていたのですが、突然でびっくり、ああ、そういうことか…と感じました。プロムスの2ヶ月間、何事もなく無事に皆が楽しんで終われますように…。
 オラモ&BBC響のコンビは、ラストナイトでも登場します。ファーストナイトとラストナイトがBBC響首席指揮者で一緒というのは、久しぶりな気が。何年ぶりなんだろう?

Prom3(7/17):Mozart, Haydn and Fauré
・モーツァルト:エクスルターテ・ユビラーテ K.165
・ハイドン:ミサ曲第7番 ハ長調 戦時のミサ Hob. XXII-9
・フォーレ:パヴァーヌ
      ラシーヌ賛歌(雅歌)op.11
レクイエム op.48
ルーシー・クロウ(ソプラノ)、ポーラ・ムリヒー(マリヒー)(メゾソプラノ)、ロビン・トリシュラー(テノール)、ロデリック・ウィリアムズ(バリトン)
ケンブリッジ・キングス・カレッジ聖歌隊、ステファン・クレオベリー:指揮、エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団
 /後半のフォーレの3作品を聴きました。ロデリック・ウィリアムズさんのバリトンが好きです。穏やかな気持ちで合唱、声楽を堪能できるプログラムです。

Proms Chamber Music 1(7/18): Debussy, Dutilleux and Mozart
・ドビュッシー:チェロソナタ
・デュティユー:夜はかくの如し
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番 イ長調 K414
ビョルク・ルイス(Vc)、ポール・ルイス(P)、ヴェルターヴォ・カルテット
 /プロムスには室内楽もあります。デュティユーは今年生誕100年。他にも数々の作品が演奏されます。モーツァルトのピアノ協奏曲を、ピアノと弦楽四重奏で演奏するのはユニーク。でも合ってる。協奏曲もモーツァルトならこの規模で、サロンで演奏しているような感覚で聴くのもいいですね。

Prom 7(7/20): Faure, Stravinsky and Poulenc
・フォーレ:シャイロック op.57
・ストラヴィンスキー:プルチネッラ
・プーランク:スターバト・マーテル FP148
ジュリー・フックス(ソプラノ)、ジュリアン・ベーア(テノール)、BBCシンガーズ
マルク・ミンコフスキ:指揮、BBC響
 /フォーレの「シャイロック」、シェイクスピアの「ヴェニスの商人」を下敷きにした劇付随音楽です。シェイクスピア作品、本当に多いです。ガイドでも徹底的に特集しています。フォーレでも知らない作品だったのですが、楽しんで聴きました。

Prom 9(7/22): Le Cercle de l’Harmonie
・モーツァルト:交響曲第39番 変ホ長調 K543
・メンデルスゾーン:演奏会用アリア「不幸な女よ」op.94
・モーツァルト:「ああ、私は予想していた」とアリア「ああ、私の目の前から消えて」 K272
・メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調「イタリア」op.90
ローザ・フェオーラ(ソプラノ)、ジェレミー・ローレル:指揮、セルクル・ドゥ・ラルモニー
 /指揮者もオケも初めて聴きます。こんな演奏家・オケに出会えるのもプロムスの楽しみ。モーツァルト39番とメンデルスゾーン「イタリア」を聴いたのですが、結構好きな音です。キリッと引きしまってる。ティンパニが固く強い音で印象的です。

Prom 13(7/24): Beethoven – Symphony No. 9
・マグヌス・リンドベルイ(リンドベリ):Two Episodes(世界初演)
・ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125「合唱付き」
ミア・パーソン(ソプラノ)、アンナ・ステファニー(メゾソプラノ)、ジョン・ダザック(テノール)、クリストファー・パーブス(バス)、ロンドン・フィルハーモニック合唱団
ウラディーミル・ユロフスキ:指揮、ロンドン・フィルハーモニック
 /プロムスでは数多くの世界初演、イギリス初演があります。BBCで委託して、プロムスで披露という作品も少なくありません。現代の作曲家にとって、プロムスで初演されるって嬉しいことだろうなぁ。そんな世界初演作品のひとつが1曲目。フィンランドの現代作曲家・マグヌス・リンドベルイの作品。リンドベルイ作品は少しずつ聴いているので、どんな作品か楽しみです。
 メインは第九。第九は日本では年末のイメージがありますが、真夏のロンドンでどう響くのか。

Prom 15(7/26): BBC Symphony Orchestra and Sir Andrew Davis
・チャイコフスキー:テンペスト op.18
・アンソニー・ペイン:Of Land, Sea and Sky(世界初演)
・ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 op.26
・ヴォーン=ウィリアムズ:未知の世界(Toward the Unknown Region)
レイ・チェン(Vn)、BBCシンフォニーコーラス
アンドリュー・ディヴィス:指揮、BBC響
 /シェイクスピア作品の「テンペスト」、イギリスの作曲家・ペインの世界初演、ブルッフのヴァイオリン協奏曲1番にヴォーン=ウィリアムズ…惹かれるプログラムです。

Prom 16(7/27): Prokofiev – Romeo and Juliet
・デュカス:ラ・ペリ
・マイケル・バークレー:ヴァイオリン協奏曲(世界初演)
・プロコフィエフ:ロメオとジュリエット op.64
ヤク・ファン・ステーン:指揮、BBCウェールズ交響楽団
 /ファーストナイトでチェイコフスキーの「ロメオとジュリエット」が演奏されましたが、今度はプロコフィエフの。同じロシアの作曲家でも時代も違う。同タイトル作品聴き比べも楽しいです。

Prom 17(7/28): Roger Norrington conducts Berlioz, Beethoven and Brahms
・ベルリオーズ:ベアトリスとベネディクト 序曲
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 op.58
・ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68
ロバート・レヴィン(P)
ロジャー・ノリントン:指揮、シュトゥッツガルト放送響
 /「ベアトリスとベネディクト」、シェイクスピアの「空騒ぎ」を原作に書かれたオペラから、序曲を。ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中で4番は特に好きな作品のひとつなので楽しみ。

Prom 18(7/29): Mahler – Symphony No.3
・マーラー:交響曲第3番ニ短調
サラ・コノリー(メゾソプラノ)、ロンドンシンフォニーコーラス(女声合唱)、ティフィン少年合唱団
ベルナルト・ハイティンク:指揮、ロンドン交響楽団
  /大本命の回です。ハイティンク&ロンドン響のマーラー3番。マーラー3番は長いですが、とても好きな交響曲です。


 以上、7月分のプロムス、自選リストでした。書ききれなかった公演も、後で聴いて追記すると思います(あまりにたくさんあって力尽きた)。7月だけでもこんなにたくさん。こんなコンサートが毎日、値段もそんな高くない。アリーナ立ち見なら800円程度で聴ける。ロンドンはいいなぁ。

英国ニュースダイジェスト:プロムス2016 音楽の祭典 BBC Proms 2016
 この記事も参考にどうぞ。
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by halca-kaukana057 | 2016-07-27 23:24 | 音楽

おとの教室

 まだ感想を書いてない漫画がありました。久々のクラシック音楽漫画です。しかも、「天にひびき」のやまむらはじめ先生の新作です。


おとの教室
やまむらはじめ/バンブーコミックス MOMOセレクション・竹書房/2016

 武部都は音楽教室のチェロ講師。音大ではない普通大学の学生。生徒は様々な生徒がいる。アニメがきっかけの少年少女。弾きたい曲があるという人。また、同僚の講師たちも個性的。音楽教室の生徒達とのレッスンや発表会、演奏活動で出会う人々との日常の中で、彼女はどう音楽と向き合うか薄々と考えていた…


 やまむら先生、今度はチェロです。そして舞台は音楽教室。東京の大きな音楽教室だと、チェロや様々な楽器・コースがあるんだろうなぁ…こっちでチェロを習える教室なんてあまり見ないなぁ…(地方の小さな教室で声楽を習っている自分の視点)。

 しかも、この漫画は四コマ漫画誌に掲載されたもの。四コマ漫画は無理と普通の形式での連載になりましたが、1回12ページ。短いです。四コマ漫画誌ということで、ギャグ、笑いの要素は強めです。「天にひびき」でもコミカルなシーンは結構ありましたが、またそれとは違う感じ。この短さに収めるのは大変なんだろうなぁ。

 都は普通大学に在籍し、チェロを演奏している。音大・芸大に対してアレルギーを持っている。というのも、都の姉は音大で、優れたヴァイオリニストだった。将来も有望されていたが、卒業後、結婚すると音楽をきっぱりと辞めてしまった。都も元々はヴァイオリンを演奏していたが、姉と比べられるのを避けるためにチェロに変えられた。目標であり、立ちはだかる壁でもあった姉が音楽をやめてしまったことで目標も消えてしまい、これからの道をどうしようか悩む都。
いつまでもお姉さんと自分を比べるんじゃなくて 自分の喜びを自分で発見しなくちゃあ
(39ページ)

 都と姉の話を聞いた同僚・しおりの言葉。姉だけでなく、都が片想いで終わってしまった元同僚でヨーロッパへ留学に行ってしまった日乃原も、そんな存在。また、チェロを習いに来た女の子のきっかけとなった音楽学園アニメでも、学園内での腕前の序列が描かれる。一度意識すると呪縛のように取り付かれてしまう、音楽での「人と比べること」。以前、ピアノを弾いていた時、私も感じていた。また、プロの音楽の世界には根深くあるんだろうな…と思う。でもそれを本人が意識したらキリがない、音楽を見失ってしまうんじゃないかと思う。

 一方で、同僚(先輩?)の依光さんは、音楽教室の仕事の傍ら、同人活動をしている。同人誌の原稿の締め切り前の追い込みのシーンが描かれ、とてもコミカル。…と読んでいたのですが、もしかしたら、姉と比べて自分と音楽を見失いがちになる都とは対照的なのかなと思った。誰と比べるわけでも無く、同人誌で自分の「好き」「楽しい」を貫く。仲間と修羅場に追い込まれるも、活き活きと楽しんでいる。
 また、生徒のひとり、ゆちかちゃんはそんなに上手いわけではないが、レベル高めの選曲をし、ヨレヨレの演奏でも発表会で堂々と演奏している。都も問題は感じているが、その度胸や意識は都や他の生徒にも刺激になる。いい意味で「夢中になり」「自分を貫く」。これが自分と誰かを比較すること無く、成長の鍵になるのかなと思う。

 そして、都はある決意をする。チェロを探していたトリオに参加することに。やはり夢中になり比較せず自分を貫く。コミカルなようで、結構深い漫画だなぁと感じました。短い中に詰めたのは大変だったと思う、本当に。
 音楽教室の講師たちはこんなことを考えているのかとも思いました。発表会のシーンは、わかる、と思いました。

 ちなみに、あとがきに「天にひびき」のキャラクタを登場させたかった…と。それ見たかったです!ひびきや秋央、美月や波多野さんたちがちょこっと登場したりとか…見たかった。この物語はこの1冊で完結です。これはこれでいい終わり方だけど、もう少し読みたいな、せめてあと1巻、と思いました。

天にひびき 1
 ↑全10巻。こちらは音大が舞台。こちらも面白いので興味があれば是非。
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by halca-kaukana057 | 2016-07-18 22:26 | 本・読書

北欧の夏至の音楽 スウェーデン編

 今日は夏至。当地は朝は曇っていましたが、昼間から晴れ、珍しく爽やかな初夏の陽の光がふりそそぐ夏至でした。
 夏至と言えば、北欧の夏至祭。フィンランドのユハンヌス(Juhannus)は夏至当日ではなく、6月19日の直後の週末にお祝いするとのこと。今年は、24日(金)が前夜祭、25日(土)が夏至祭なのだそう。きっと今の時間でも明るいのでしょうね。

 ということで北欧クラシック音楽で夏至をお祝い、日本で夏至祭気分!今年はスウェーデンでやってみたいと思います。(フィンランドは何曲か候補はあるものの、間に合わず)

スウェーデン管弦楽名曲集

オッコ・カム:指揮/ヘルシンボリ交響楽団/ Naxos


 以前ペッテション=ベリエルのピアノ曲集「フーレスエーの花々」の記事で紹介したアルバムです。「フーレスエーの花々」第1巻にも「夏の歌」という夏至祭っぽい曲がありますね。

 このアルバムの最後に収められている、ヒューゴ・アルヴェーンのスウェーデン狂詩曲第1番「夏の徹夜祭(Midsummer Vigil)」op.19.
 シベリウスやニールセンと同世代のステーンハンマルと同世代のアルヴェーンもスウェーデンを代表する作曲家。夏至祭を描いた作品です。冒頭、フルートが牧歌的なメロディーを奏でるのですが…某料理番組のテーマ曲に似ているw
Hugo Alfvén: Swedish Rhapsody Nr.1, op.19 "Midsommarvaka"

 次第に楽器が増え、踊りの輪が広がっていくように音楽のスケールも増し、賑やかに。どんちゃんお祭り騒ぎな箇所や静かに牧歌的な箇所を繰り返す、とても楽しい曲です。北欧の短い夏、夜遅くても明るい、この限られた時間を楽しもうとするスウェーデンの人々の楽しい気持ちが伝わってくるよう。
 中間部、音楽は一転します。楽しげなメロディーはどこかへ。弦が静かにささやき、オーボエが静かに歌います。徐々に暮れゆく陽を惜しむような。そして日が暮れたのか、ホルンがゆったりとした歌を歌い、弦は暗い。この暗い弦とハープが美しくて、切なくて。夏至でお祭りをしていても、どこか陰りがある。この季節が儚いものであることをわかっているような…そんな北欧の明るさの中にある陰りが好きです。
 音楽は終盤、再び賑やかさを取り戻します。ただの夏至祭じゃない。夏至の徹夜祭。夜も歌い踊り明かす。最後は威勢よく終わります。ああ楽しい。

 この週末は、フィンランドもスウェーデンも、北欧諸国のあちらこちらで人々が短い夏を謳歌するのでしょうね。楽しいんだろうなぁ。

・以前の夏至の北欧音楽の記事:夏至の夜にメリカント
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by halca-kaukana057 | 2016-06-21 23:07 | 音楽


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