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【予告】今年もやります!NHKFM「今日は一日"家族三世代NHKキッズソング"三昧」

 NHKFMラジオの話題ですが、内容としてはEテレ・NHK教育なので、このカテゴリで書きます。

 昨年こどもの日に放送された「今日は一日“家族三世代NHKキッズソング”三昧」。今年も放送が決定しました!
・昨年の記事:皆でたのしむ「キッズソング」 NHKFM「今日は一日NHKキッズソング三昧」

NHK:NHKFM:今日は一日○○三昧(ざんまい)
「今日は一日“家族三世代NHKキッズソング”三昧」 リクエスト&メッセージ
 ↑リクエストとメッセージも募集開始しています。

 今年も坂田おさむお兄さん、神埼ゆう子お姉さんの出演が決定。ゲストは中西圭三さんが今のところ決定しているようです。中西圭三さんと言えば、あの歌とかあの歌とか…生歌期待したいです!

 昨年は初めての放送とあり、NHKキッズソングとは異なる曲がゲストの関係で流れたり(しかもかなりの時間…)、それぞれ「みんなのうた三昧」「アニソン三昧」のある「みんなのうた」Eテレ・教育テレビアニメとの線引きが難しいなと感じたり…今年は改善されると思います。そして、更にパワーアップしてくれると思います。
 ※番組サイトには「リクエストは、NHKのキッズソングであれば、何でもOK!」とありますね。線引きしない模様?

 懐かしいNHK教育の番組から、最近のEテレの番組まで、キッズソング…こども向け番組で流れた歌をまたたっぷりと楽しめるのが楽しみです。少し前、昔の歌をどんどん聴きたいです。

 「クインテット」ロスの皆さん…「クインテット」ソングをリクエストして流せるチャンスですよ…!思いの丈をメッセージに込めて、リクエストして、流しましょう!昨年は「鉄道唱歌 山手線」「ニドネノサンバ」の2曲のみ…。今年は曲数を増やしたいところ。基本CDに入っている歌が流れやすいと思いますが、NHKの完璧な(多分)アーカイヴでCD・DVD化されてない歌も流れたらいいなぁ。リクエストしたいです。ソング…歌なので、基本歌、コンサート曲は難しいかもしれません。ダメ元でリクエストもあり?かな?

 5月5日の放送中でもリクエスト・メッセージは受け付けているのですが、聴きたい歌、思い入れのある歌を今のうちから選んでおきたいと思います。

 以上、お知らせでした。
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by halca-kaukana057 | 2015-04-26 20:43 | Eテレ・NHK教育テレビ

冒険を彩る音楽 人形劇「シャーロックホームズ」サントラ

 もう購入して、聴き始めてから1ヶ月以上。NHK人形劇「シャーロックホームズ」サントラCDのことを。

NHK パペットエンターテインメント シャーロックホームズ オリジナル・サウンドトラック

平松加奈(作曲、Vn)、ダニエル・ハーディング(指揮)マーラー・チェンバー・オーケストラ、ナノ(歌)/ IMX



 音楽について、平松加奈さんご自身によるライナーノーツが「完全メモリアルブック」の中にあります。何故CDのブックレットに収めなかったのかなぁ…。

シャーロックホームズ 完全メモリアルブック: NHKパペットエンターテインメント (ワンダーライフスペシャル)

三谷幸喜 / 小学館



 まず、何と言っても私の注目は、演奏にダニエル・ハーディング指揮のマーラー・チェンバー・オーケストラ(MCO)が参加していること。このサントラでハーディング&MCOが演奏しているのは5曲。「友情のテーマ」(Track1)、「ビートン校迷宮のテーマ」(2)、「シャーロック・ホームズのテーマ」(3)、「モリアーティのテーマ」(15)、「Scarlet Story(Orchestra Version)」(27)。意外と少ない…ですが、聴き応えばっちりです。トラック1の「友情のテーマ」、2話のスタンガスンの部屋へ向かうシーンや、9話の犯人追跡のシーンで流れていた疾走感溢れる明るく爽やかな曲です。聴いた瞬間、澄んだ弦に魅了されました。管楽器も打楽器も援護するけれども主張し過ぎない。バランスがいい。

 この曲から始まって、人形劇本編で流れた音楽が次々と出てきます。聴くと、あのシーンだ!とか、台詞が脳内自動再生。シーンを思い浮かべながら聴くのもよし、純粋に音楽だけを聴くのもよし。本編では部分的にしか使われてなかった音楽が、フルで聴くと意外と長かったと気付いたり、同じ曲でも別の部分を使うと合わせるシーンの雰囲気も変わる。MCO以外の、平松さんを中心にした弦楽四重奏、海沼正利さんのパーカッションの音楽も聴きどころ満載です。演奏者、形態が変わっても弦は澄んでいるし、パーカッションは楽器の種類も多くそれだけ多様な音楽になる。人形劇では出てきませんでしたが、ホームズはヴァイオリン演奏が得意ということで、サントラでもヴァイオリンが中心。平松さんのヴァイオリンソロの協奏曲のような感じの曲が多いです。弦楽四重奏でもオーケストラでの協奏曲のような広がりと深みがある。聴いていて楽しい。

 本編で聴いて気になっていた曲…9話のメアリーが謎の絵葉書のことを話すシーンや、13話の頼もしいワトソンとメアリーのシーンなどで流れるマリンバの可愛らしい曲。「そっと寄り添う心」(14)。優しい気持ちになれる曲です。「ラングデール・パイクのテーマ」(11)は、「シャーロッQ!」でも流れている曲。パイクのコミカルな雰囲気が思い浮かびます。「Taking Block」(10)はワトソンメモの音楽。聴くとあのワトソンメモの日記帳のアニメーションとともにワトソンの語りが自動再生ですw「華麗なる思考」(13)は、ホームズが早口で推理を述べるシーンでよく流れる曲。ホームズの早口での推理と、テンポのよいスリリングな曲がよく合います。「ハドソン夫人のテーマ」(4)はご存知、ハドソン夫人が「♪タララッタラッタララ~ララッララッラ~」と歌っている曲。ハドソン夫人の歌声は入ってませんwでも、部屋や車の中などで一人で聴いている時は歌ってしまいますw

 サントラで聴いて気に入った曲は「ジョン・H・ワトソンのテーマ」(7)。ワトソン好きだから…と言うのもありますがw、いい曲です。ゆったりとした波の大海原のような弦に、南太平洋を思わせるパーカッション。この曲ではあまりヴァイオリンが主張せず、弦のハーモニーが優しく美しい。後半からは力強くなる。人の感情・和を大事にして寛大で優しい、力強さもある、オーストラリアからやって来たワトソンにピッタリの音楽です。「すれ違い」(16)、「犯人の言葉」(17)、「心の窓辺」(24)、「ワトソンの憂慮」(25)のような、しんみり、しっとりとした曲もCDだからこそじっくりと聴ける。これらの曲はヴィオラやチェロがいい味出してます。

 最後を飾るのが、オーケストラバージョンの主題歌「Scarlet Story」。前奏の部分は最終回、ミルヴァートン先生とのシーンで流れました。そして歌の部分はホームズを見送るシーンで。同じ曲でも使う部分で変わる。オーケストラ、しかもハーディング指揮MCOとはなんて豪華なんだ…と実感する曲です。通常のバージョンでは速くて聴き取れない、歌いづらいと感じていても、このオーケストラバージョンならゆったりめのテンポで聞き取りやすく歌いやすいです。

 少し前に、NHKFMのクラシック音楽番組でハーディング指揮MCOの演奏会の録音が放送されました。勿論聴きました。メインの演目は、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。いい演奏でした。MCOはオーケストラでも少人数の室内オーケストラ。でも、音の厚みや広がりは普通のオーケストラに負けていない。和と個のバランスがうまいのだな、と。ホームズとワトソンのコンビのチームワークのよう。前にも書きましたが、若い人たちが人形劇「ホームズ」でオーケストラや弦楽奏に親しんでもらえたらな、とあらためて思います。

 夏の新作では新曲があったりするのだろうか?気になります。

 しかし、人形劇の音楽もよいのですが、「ホームズ」映像作品は今まで私が観てきた作品はどれも音楽がいい!グラナダ版、BBC「SHERLOCK」、ロバート・ダウニー・Jrがホームズの映画、アニメ「名探偵ホームズ」。映画はオペラのシーンが印象的でかっこいい。「名探偵ホームズ」は作曲がハネケン・羽田健太郎さん。「ホームズ」は音楽も楽しめます。人形劇もその仲間入りです。
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by halca-kaukana057 | 2015-03-26 22:49 | 音楽

天にひびき 10[最終巻]

 昨年読んだ本は昨年のうちに…ができませんでした。年またぎましたが書きます。「天にひびき」いよいよクライマックス。完結です。



天にひびき 10
やまむらはじめ/少年画報社・ヤングキング・コミックス/2014

 大学4年、卒業も近づいた秋央。ヨーロッパで活躍しているひびきが帰って来た。秋央の部屋を懐かしそうに見るひびき。そんなひびきが、日本に「忘れ物」をしていることを思い出した、と。秋央に「コンサートやらない?」ともちかける。秋央も即答。いきなりアマオケを立ち上げてのコンサート。かつての21Cオケのコンマス・友田は呆れながらも、相談にのってくれることに。そして、音羽良の仲間たちとも再会。そこで、ひびきがやりたいと言ったのは、マーラーの「大地の歌」。声楽付きの交響曲。オケは何とか集められそうだが、テノールとアルトのソロはどうする?ひびきはその場にいた梶原をテノールに、波多野をアルトに指名。無理と言いつつも、2人はひびきからのオファーを受けてしまう。それを聞いた友田は、素人に声楽をやらせるなんて、とマネージャーだけ紹介して、話から降りてしまう。友田に対して、ひびきは本気だと強く断言するが…。

 最終巻です。9巻のラストでひびきが秋央の部屋の前に立っていたのを見て、続きが気になっていました。文化祭でのひびき指揮秋央コンマスの演奏会は、ひびきが来日中の名門オーケスストラ・バイエルン・フィルを代役として指揮し、ひびきは大成功。一方、秋央は念願だったひびきの指揮のコンマスの夢が破れてしまった。それから、ひびきはヨーロッパへ。秋央は進路も決まらず、結婚式場でのヴァイオリン演奏のバイトをしながら、卒業を目前に控えていた。

 そこへ帰って来たひびき。しかも、コンサートをやる、と。即答した秋央。以前なら、秋央が友田さんのようにオケの人はどうする、会場は、演目は、と現実的問題をひびきに投げかけるはずなのですが…。友田さんの現実的な質問に、あっけらかんと「なんとかなるでしょ」「(コンサートをやる意味は)ある!」「(その理由は)それは私にもわからない!」と答えるのは、実にひびきらしい…wさらに、「大地の歌」の声楽ソリストに、直感で梶原と波多野さんを選ぶあたりも。でも、声楽の先生の初レッスンで、2人の意外な声楽の素質が判明。波多野さんの暗めのアルト…ショスタコーヴィチをはじめとした近代ロシアもののヴァイオリンも聴きたいですが、波多野さんの暗めのアルトも聴きたいです。あと、クラシック音楽漫画では、何故か声楽は敬遠されているように思える。私がそんなに読んでいないから知らないだけかもしれないけど、声楽はほんの少ししか出て来ない。ピアノやヴァイオリンなどの弦楽器、管弦楽とは別に吹奏楽、あと指揮。54話で、梶原と波多野さんが声楽のレッスンを受けるのですが、まさに声楽の第一歩!基礎基本が取り上げられてて、声楽をやっている身としてとても嬉しかった。その後の体力づくり、発声練習、発声の際どの筋肉を意識するか、体調コントロール…。声楽は身体が資本。梶原がはちみつ一気飲みしているシーンでは笑いましたw
 漫画家の先生方、声楽をメインにしたクラシック音楽漫画、是非描いてください!!合唱でもいいですが、ソロの声楽は特に。オペラを演奏家の視点で取り上げるのが難しいのかなぁ。もっと声楽は注目されてもいいと思うんだ。色々と誤解されている分野でもあると思うんだ。

 ひびきのオーケストラには、これまで出てきた登場人物が総出演!元21Cオケの皆さん、ヴァイオリンには如月先生に榊先生も。如月先生も出る、と聞いて俄然がんばる南条君…本当にけなげな子です。チェロには7巻で登場した清水さんも。普段は作曲の外山さんも、マンドリンで参加。ピアノの萩原さんも、チェレスタで参加。マーラーは編成が大きい、楽器も種類が多いので普段オーケストラに参加できない楽器の人も参加できる。オールスター集結状態で嬉しい。第一、普段は指揮の梶原も、テノールソロでひびきと共演…滅多にない。

 そんなひびきが、マーラーの「大地の歌」。秋央も梶原も、「らしくない」と言う。歌詞も暗い。何故、ひびきは「大地の歌」を選んだのか。しかも、声楽ソロに梶原と波多野さんを指名したのか。それは演奏会で明らかになるのですが…それまでの声楽ソロ2人の奮闘、本当に大変だよなぁ…しかも「大地の歌」、大編成のオーケストラに対して声楽のソロ、コンサートホールで。フィクションですが、ひびき、おそろしい子…!!

 ヨーロッパで数々の公演を経てのひびきの指揮者としての成長も見どころです。音羽良にいた時の延長線上なのですが、オーケストラを、演奏者ひとりひとりをちゃんと見ている。元21Cオケのトランペット・入谷さんから見たひびきの指揮のよさを読んでいると、本当にひびきの指揮で「大地の歌」を聴きたくなってくる。練習、リハーサルの段階から。声楽の2人を入れてのリハがボロボロだったにも関わらず、ひびきは動じず指揮を続ける。今度こそコンマスの秋央も、その指揮を信頼してオケをまとめようと音を出す。秋央も成長したなぁ!!そのリハの後、ぐったりと疲れている梶原と波多野さん。その2人に明るく、威勢よく声をかけるひびき。そのひびきがやって来た後の梶原の言葉が、ひびきの力を表している。
なんとなく判った様な気がする 曽成の力
あの真っ直ぐな目が問うてくるのだ
"あなたはどの位 本気?"
応えるしかないだろ?自尊心があるならば
(113ページより)

 演奏者の適性をつかみ、その気にさせる。声楽の2人も、完全にひびきが指揮しています。モチベーションを上げるのも、指揮者の役目。

 マーラーの交響曲はまだ全曲聴けていませんが、「大地の歌」は好きな曲のひとつです。梶原が「暗い」と言っていた歌詞も好きです(波多野さんと同じくw)

 そんなひびきのオーケストラを、外から冷静に見つめるのは美月。秋央から全てを聞いて、ひびきにとって秋央の存在とは何なのか、ストレートに聞きます。ついにこの時が!秋央について語るひびきは、いつもの明るく楽天家なひびきとは随分違います。4巻で、高校生の頃、有志のブラスバンドを指揮していたひびきについてひびきの父から語られますが、その時も、その前も、ひびきはずっと"ひとり"だったのかもしれない。ひびきは表向きは明るく楽天家で、サッパリとした性格で、誰とでもすぐ仲良くなり、場に馴染み、皆を盛り上げたり励ましたり…常に人の中にいるような子に見える。でも、"ひとりでいること"抱えていたんじゃないか。小学生のひびきが、美月の父がコンマスを務めるオーケストラの練習で代理と勝手に指揮しはじめ、見事な演奏になった。それを目撃、聴いた秋央。音大に入り、ひびきと再会。仲良くなって、ひびきは自分の部屋の風呂は静かじゃないので音楽について考えるのに集中できないからと、秋央の部屋の風呂を借りるようになる。そのぶっ飛んだ要求も渋々受け入れ、それがひびきの深い音楽の世界に秋央が触れる機会にもなる。これは秋央からの視点。ひびきが美月に語った、秋央の存在。ひびきの音楽に、そしてひびきに追いつこうと、触れようとしてきた…。

 そんなひびきの内面を知ってからの、演奏会本番。梶原と波多野さんの歌う歌詞も記されています。暗いけれども、やはり惹かれます。ひびきが、「大地の歌」を選び、込めた意味。1巻冒頭の吉松隆先生の交響曲第2番の一節を思い出さずにはいられませんでした。

 この漫画を読んで、「音楽はその時その場限りのもの」とより強く思うようになりました。どんなにいい機材で録音しても、最高画質で録画しても再現できないものがある。生の演奏の微細な部分、空気を伝わってくる迫力、会場の雰囲気や熱気、演奏後の拍手…。音楽はライヴ、生き物なのだということ。同じ曲を何百回演奏しても、全く同じ演奏は存在しない。再現できない。音楽は空気を伝わって、耳に、五感に届くけれども、音楽そのものが空気のようなものなんだ…。この10巻を読み終わって、あらためて感じます。

 でも、「その時その場限りのもの」だけれども、心には残る。いい演奏を聴いた演奏会の帰り道の高揚感。その時の演奏が消えてしまうのが嫌で、CDなどで他の演奏を聴きたく無くなる。逆に、もっと聴いてみたいとCDで聴いて、新たな聴きどころを発見する。もしくは、自分もあの曲を演奏してみたい!と楽譜を探し始める。その演奏会の演奏家に憧れることもある(これは生に限らずCDやテレビ放送などでも)。あんな演奏をしてみたい。あんな音を出したい。自分ももっとこの曲を深いところから演奏したい、と。

 秋央も、ずっとひびきの音楽に惹き付けられ、憧れ、ひびきの指揮でヴァイオリンを演奏したい、コンマスを務めたいと思うようになる。コンマスは指揮者の音楽をオーケストラ全体に伝える。それは指揮者のコピーのようで、そうじゃない。翻訳、が近いだろうか。翻訳も、ひとつとは限らない、その訳者の個性が出るから。そのことに10巻でようやく辿り着けた秋央。後日譚の秋央と梶原の会話が、実に爽やかです。
 その後日譚で、梶原が聞きつけた秋央の噂が気になります…!一体誰!?ラストのラストは、また1巻に戻ったような。音楽は、永遠に続いてゆく。音楽に終わりはない。

 吉松隆先生のクラシック音楽コラムも最後。「音楽って何?」前にも書きましたが、クラシック音楽と特別扱いしないで、どんなジャンルだろうと音楽は音楽。楽しめばいいじゃないか。吉松先生のメッセージも心強いです。私も音楽を趣味でやってる端くれとして、色々楽しもうと思います。毎回面白く、興味深いコラムをありがとうございました!

 そして、音楽の楽しさも難しさも、若い演奏家たちの奮闘も表現してくれたやまむら先生、お疲れ様でした。素敵な作品をありがとうございます!

 ただ、最後に秋央、梶原、友田さん以外のキャラクタたちがどうなったのか、ひとコマだけでも観たかったなぁ…。

天にひびき 9
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by halca-kaukana057 | 2015-01-08 23:10 | 本・読書

池田綾子:こころたび/心のふるさと

 年末年始、帰省していた方もいらっしゃると思います。今日から仕事始め。故郷から離れて日常に戻った人も少なくないと思いますが…それに逆行するような歌を。

 BSプレミアム「にっぽん縦断 こころ旅」。俳優の火野正平さんが自転車で、視聴者からの思い出の場所にまつわるお手紙をもとに、自転車でその場所に向かう番組。火野さんのマイペースさ、自転車からならではの風景、お手紙に綴られた思い出。普通の紀行番組とは異なる雰囲気の旅に、つい見入ってしまいます。

 この番組の主題歌「こころたび」を歌うのが、池田綾子さん。 NHK教育アニメ「電脳コイル」の主題歌「プリズム」「空の欠片」以来、とても好きな歌手さんです。アルバムについても何度か記事を書いてきました。その「こころたび」と、挿入曲の新曲「心のふるさと」を含むCDがこれ。

NHK-BSプレミアム「にっぽん縦断こころ旅」ソングコレクション

池田綾子/火野正平/ SMD itaku (music)


 「こころたび」は、「こころ旅」サントラCD第1弾と、アルバムバージョンが池田さんのアルバム「この時の中で」にも収録されています。「この時の中で」もいいアルバムです。今回は「心のふるさと」も聴きたかったのでこちらを。あと、このCDには歌無しカラオケバージョンも入ってます。

 故郷には、物理的な場所と心に残る思い出の精神的な場所があると思う。出身地は具体的な地名を挙げるけれども、思い入れは人それぞれだと思う。生まれた場所ではあるけれどもすぐ引越して記憶が無いとか、あまりいい日々を過ごせず苦い思い出ばかりがあってあまり思い出したくないとか、市町村合併で地名が変わってしまったというのも少なくないと思う。その一方で、精神的な故郷は、もっと細かく、繊細。人生の一時期を過ごした町、事あるごとに通ったその人にしかわからない特定の場所、行ったのは一度だけだけど強烈な経験をして記憶にこびりついている場所、何気なく訪れたら景色に惹かれた場所、旅先でハプニングが起きたけどその土地の人に助けてもらい人のあたたかさに触れた場所…本当に様々だと思う。ひとつとも限らない。日本、世界のあちこちにあると思う。

 そんな精神的な故郷を歌っているのが「こころたび」「心のふるさと」。「こころたび」は流れるような弦と池田さんの澄んだ伸びやかな声が、明るい曲に乗って、聴いていると旅に出たくなる。実際、旅先で聴くとこれからどんな出会いがあるんだろうとワクワクする。思い出のあの場所、一度は行ってみたい憧れの場所へ行きたくもなる。
「思い出す度にに笑顔になれる」
という歌詞が、過去のものでもあるし未来のものにも思える。
 一方の「心のふるさと」。こちらはギターのシンプルな伴奏に、静かに語るような歌。過去を思い出し、懐かしさを誘う。静かだけれども、暗くは無い。ゆらめくような、ほのかな明るさ。夕暮れの中、家路を行く雰囲気。
「私はここで待っている 遠く疲れたその時 思い出して」
自分が故郷に向かうだけじゃない、誰かを故郷で待っている視点でも歌われる。とてもやさしい歌です。

 帰省の時だけじゃない、心が帰る(還る)場所。そんな気持ちになりながら聴いています。火野正平さんの歌も収録。こちらもいいですよ。

 池田綾子さんの歌と言えば、これが気になっています。
NHK:松山放送局:NHK四国4局キャンペーン 四国遍路1200:題字・テーマ音楽
 このテーマ「時の旅人」を池田さんが歌っています。歌詞も掲載されており、四国以外からでも上記サイトで聴けます。NHKでのお仕事が本当に多い池田さん。これを収録したCDが早く出ないかなぁ。

 さらに、これも
山梨県立科学館プラネタリウム番組:きみが住む星
 山梨県立科学館のオリジナルプラネタリウム番組の音楽を、池田さんが担当しています。これも気になる。池田さんの活躍は幅広いです。
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by halca-kaukana057 | 2015-01-05 22:31 | 音楽

2015恭賀新年

 あけましておめでとうございます!

 例年通り、ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを堪能した元日の夜。今年の指揮はズービン・メータ。「ウィーンの科学」をテーマに、シュトラウス一族が書いた科学や工学に関する選曲が多くありました。ヨハン・シュトラウス(父)「常動曲」、「加速度ワルツ」、「電磁気ポルカ」、エドゥアルト・シュトラウスのポルカ「蒸気をあげて」。「美しき青きドナウ」の前には「爆発ポルカ」なんて曲も。曲の最後、花吹雪が本当に大爆発して、びっくりするとともに大笑いしましたwシュトラウス一族は、当時の社会や世相を反映させた曲をたくさん書いていたのだなぁと実感しました。「加速度」に「電磁気」…名前だけ聞くと一体どんな曲なんだ?と思ってしまいます。実際は楽しいポルカ、優雅なワルツ。面白いです。ウィーンフィル・ニューイヤーで音楽からシュトラウス一族が生きた当時のことがわかる。本当に興味深いです。

 年明けは初詣に行っていたのですが、東急ジルベスターコンサートを録画していきました。カウントダウンはシベリウス「フィンランディア」。しかも「フィンランディア讃歌」の合唱付き。いいカウントダウンでした(リアルタイムじゃないけど)
 そう、今年はシベリウス生誕150年です!フィンランドでは既に企画サイトもいくつか立ち上がっています。私もいつも聴いてますが、有名曲からあまり演奏されないマニアックな曲まで、大好きなシベリウスをとことん聴こうと思います!「フィンランディア讃歌」も歌いたいなぁ。ピアノは「樅の木」(「5つの組曲」op.75-5)に挑戦出来るかなぁ…?シベリウスのピアノ曲は「樅の木」の他にも魅力的で、レベルも様々。ただ、日本で出ている楽譜が少ない…。生誕150年で、出版増えないかなぁ。声楽曲も!日本版のシベリウス声楽作品の楽譜は皆無なのです…。

 もうひとり、生誕150年の作曲家が。デンマークのニールセン。昨年交響曲全集を図書館から借りたのですが、まだ全部聴いていません。折角なので聴きます。
 あと、昨年好きになって聴き始めたフォーレも生誕170年(ちなみに昨年は没後90年でした)。今年も聴きます。

 宇宙関係も、今年も色々あります。油井亀美也宇宙飛行士の初飛行は5月の予定。JAXA宇宙飛行士5期生から初飛行。そういえば今年だった!と先日気がつきました。衛星はX線天文衛星「ASTRO-H」の打ち上げがあります。X線天文観測は日本のお家芸。「すざく」の後継機、楽しみです。
 星見も今年もたくさん楽しめたらと思っています。


 趣味の面ではこんな感じですが、実生活の方は様々な山を越えなければならない年になります。今は意気込んで山と感じているけれども、近くまで行ってみたら坂道程度かもしれない。気負い過ぎず(気負い過ぎて逆にストレス溜めて自滅すること多し)、今年が終わる頃、自分成長したなと思える一年にしたいです。

 どうぞ本年もよろしくお願いいたします。新年のご挨拶を、手書きで。
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by halca-kaukana057 | 2015-01-01 22:48 | 日常/考えたこと

人形劇ホームズの世界を支える人たち 人形劇「シャーロックホームズ」特別編

 今日のNHK人形劇「シャーロックホームズ」は特別編。「シャーロックホームズ賞(アワード)」。キャラクターたちや製作スタッフを表彰しながら、番組の裏側も見せます。

 司会は、ホームズとワトソン…ワトソンは風邪でお休み。「中継:ベイカー寮」でまず笑ったwしかも、その風邪の原因が、ホームズが夜通ししていた実験のせい。夜中に風の抵抗がどうのこうの…と、かなり、迷惑そう。実験していた本人は元気で、巻き込まれたワトソンは風邪…ワトソン苦労人です…。と言うことで、ワトソンが代理に司会をお願いした、というのが、"Mr.マウント・テンプル"氏…バレバレですってwww

 今日の特別編。本放送直前特番でもそうでしたが、番組制作の舞台裏にスポットを当ててくれているのが嬉しい。
・本放送直前特番感想:NHK人形劇「シャーロックホームズ」本放送直前特番&「冒険ファンブック」

 まず、パペットの操演。操演という言葉は、人形劇業界用語…?でも、観ていると覚えますよね。何もしない、立ててあるだけの人形たちは黙っているのに、操演の方々が持つと、とたんに命が吹き込まれる。ワトソンを担当している友松さんが、ワトソンの操演について解説していたのですが、右手だけであの躍動的なワトソンの動きを表現出来るのが凄い。友松さんに命を吹き込まれたワトソンの動き、手や身体だけでなく、それに伴う服の動き、造形にも魅入ってしまいました。一方のホームズは眼の動きが重要。そしてしなやか。
 過去にも書きましたが、私は学生時代人形劇をやっていたことがありました。普段は読み聞かせなのですが、時々人形劇も。黒い服を着て、まさに今日の放送のように。本当に体力勝負。でも、実際はプロは全然違うなと感じました。

 次は音楽。待ってました!!作曲の平松加奈さん、指揮のダニエル・ハーディング氏、演奏のマーラー・チェンバー・オーケストラの演奏の様子が流れました!!テレビの前で、来た来た来た、これを観たかったんだ!と興奮していましたw
 毎回、流れる音楽には注目しています。人形に命を与えるのが操演者なら、物語に命を与えるのは音楽。音楽ひとつ違うだけで、シーンの雰囲気もガラリと変わります。そんな音楽に、マーラー・チェンバー・オーケストラという世界有数のオーケストラを起用したのは凄い。しかも、音楽監督のハーディング氏も一緒に。ハーディング氏はイギリス人、「ホームズ」のお国の方。番組内でハーディング氏のメッセージが流れたのが本当に嬉しかった。まさか日本が制作した、人形劇で学園もの、ホームズとワトソンは15歳…というこれまでにない設定の「ホームズ」に音楽で参加するとは思わなかっただろうなぁ。
 ちなみに、マーラー・チェンバー・オーケストラ(MCO)は、今年亡くなられた世界的指揮者・クラウディオ・アバドが若い演奏者を育てようと設立したオーケストラが基になっています。ハーディングもまだ若い、39歳。人形劇ホームズを観ている若い世代が、その音楽でオーケストラに親しんでくれたらいいなぁと、クラシック好きとして思います。その意味でも、若い指揮者と演奏者で構成されているオーケストラ、MCOが選ばれたのはいいなぁ、と。ハーディング氏はよく来日して、新日本フィルとの関係も深い。軽井沢大賀ホールの音楽監督もしている。MCOとの来日も多いので、今度の来日の際、機会があれば是非。

 音楽は、主題歌も忘れてはいけません。ナノさんの「Scarlet Story」。ナノさんの普通に話している声を初めて聞きました。タイトルの「Scarlet」…「緋色の研究」に絡めたミステリーの世界観に、10代の心の葛藤を加えた歌詞。2番の歌詞の一部とナノさんのコメントが出てきましたが、これは10代だけではなく、大人も頷きます。この物語を観ていて励まされることが多いのは、主題歌にも込められていたのかな。

 もう、何度も言いますが、早くサントラ聴きたいです。主題歌フル聴きたいです!

 そして、パペットデザイン。井上文太さんが、デザインについて語ってくださいました。ホームズの捜査に協力する犬・トビィのデザインについて。ただ、原作(正典)「四つの署名」に出てくる「トビー」を挿絵を元にデザインしたわけじゃなかった。脚本の三谷幸喜さんの愛犬が関係してくる。
 井上さんは子どもたちに絵を描く楽しさを伝える活動をしている。そこで、パペットのデザインも子どもたちが似顔絵を描いて親しみやすい、落描きしやすいデザインにした、と。以前このお話を聞いた時、いやいや難しいですよ!!と思ったのですが、井上さんの言葉になるほど、と思いました。
絵にうまいとか下手とかあんまないですからね。それよりもいっぱい描いてください

 何よりも絵を描いて楽しむこと。そうか…大人のうまく描こうとする気持ちよりも、まずは楽しむこと。黒板に落描きしているキャラクタたちが可愛い。ホームズも普段と違う雰囲気。可愛い。井上さん直伝のロイロット先生の描き方は面白かった。うん、ロイロット先生は楽しんで描ける。怖い先生なんだけど、憎めない。11話を観るとなおさら。あと、描く時のポイントは、顔のカタチ、目の位置、髪の色。

 これからの物語の予告も。次回12話は「バスカーヴィル君と犬の冒険」。勿論原作は「バスカヴィル家の犬」。原作の中でも特に好きな、スリリングなワクワクする物語です。第15話「青いシロクマの冒険」の原作も明らかに。そう来るか!!タイトルでそのまま予想したけど違ったか…。第16回「ダグラスさんのお屋敷の冒険」、原作は「恐怖の谷」。まだ原作読めてない…お正月中に読もう!まさかのあの人が声優に。どうなるんだろう…?
 ラストでも今後の展開がちょこちょこと出てきましたが、パイクが持ってたあのぬいぐるみは何だ?エイリアン?あのキャラクタは再登場が楽しみ。そして、モリアーティ教頭とマイクロフト…!?ホームズも、ワトソンが手をかけた瞬間…!!?どうなるんだこれは!?今後も楽しみです。

 笑いどころとしては、トビィやソフィ、ウィギンズ率いるベイカー寮遊撃隊の話していることを「字幕通訳:シャーマン」とあったのが笑ったw
 ワトソン、最後にもまた「中継:ベイカー寮」で登場するけど、風邪が…。「夜はちゃんとあったかくして寝てなきゃ駄目だ」と気遣うホームズ。いや、だからあなたのせいですから!「皆も風邪には気をつけてね、夜中に実験する奴にもね!」と言うワトソンwワトソン、次回は出たいと言うが、次回はあるんだろうか。かわいそうなワトソンのために第2弾を是非!
 ラストの山寺宏一さん無双www海外ドラマのエンディングみたいでしたw

 次回、12話「バスカーヴィル君と犬の冒険」(前編)は1月4日の放送です。予告で、まさかの、まさかの展開が…!!思わず「ワトソン!!」と叫んでしまった。どういうこと、どういうこと!?9話感想で書きましたが、三谷さん…それは無いですよ!!
 とにかく、お正月のうちに「バスカヴィル家の犬」、再読しておきます。
 今日の特別編再放送は1月3日(土)お昼12時30分からです。

 井上文太さんがどんどん描いてねと仰っていたので、今日も描いた。落描きです。
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 例のロイロット先生落描き。それをいぶかしげに観るロイロット先生初描き。ちょっとカッコよ過ぎになった?折角描き方覚えたのに、ロイロット先生いなくなっちゃったしなぁ…。
 開いたスペースにレストレードとシャーマンを。シャーマンのぷっくりぷにぷにほっぺを描けません…。
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by halca-kaukana057 | 2014-12-28 23:37 | Eテレ・NHK教育テレビ

学校放送に音楽番組復活へ! 「おんがくブラボー」プロト版

 「ホームズ」「クインテット」以外でEテレ(NHK教育)番組について書くのは久々です。

 Eテレの重要な使命のひとつ、学校放送。学校の授業で活用できる番組。懐かしい「たんけんぼくのまち」(中学年社会)や「おーい!はに丸」(幼保・道徳)も学校放送。学校放送の枠を飛び出して広く話題になっている「歴史にドキリ」(高学年社会歴史)も、「ストレッチマン」(特別支援)も。

 その学校放送に、音楽の番組が数年間ありませんでした。「ドレミノテレビ」「あいのて」以降、無くなってしまいました。しかもこの2番組は幼保~小学校低学年向けの、身近な音に親しみ楽しむことが目標の番組。かつては「ふえはうたう」や「ワンツー・どん」とか、中学年・高学年にも演奏から歌を幅広く楽しみ学ぶ番組があったんですがね…。

 という学校放送に、音楽番組が復活する模様。しかも、中学年~高学年向け。おお!何年ぶり…何十年ぶりかもしれない。「おんがくブラボー」
NHK for School:NHK | 番組紹介 | おんがくブラボー (12/26)
子どもたちに、感じたことを考え語ることで音楽の仕組みを知り、より音楽を楽しめるようになってほしいと願い制作しました。冬休み、ぜひ音楽のおもしろさを感じてみてください♪

 とのこと。これは気になる。今日放送だったので観ました。

NHK:おんがくブラボー [音楽 小学校3・4・5・6年生]|NHK for School
 見逃した方も、上記サイトで番組丸ごと観られます。学校放送はその年度に放送した回は全て公式サイトで配信しています。

 進行役はカエルのブラボーくん。まず、ある曲を聴いてもらう。動物のタイトルが付いているんだけど、何の動物でどんなことをしていると思う?と。
 聴いた子どもたちと白鳥久美子さん。それぞれイメージした動物と様子を話します。3人それぞれ違う。では、何故そんなイメージを持ったのか?それには、楽曲に秘密がある、と。その曲の楽譜が出てきて、音の流れと強弱が線で可視化されます。強いところは太い線。この楽譜と線を見て、もう一度そのイメージ・感覚をどうして持ったのかを考える。
 ちなみに、楽曲はサン=サーンス「動物の謝肉祭」より「白鳥」。古川展夫さんのチェロ演奏です。その分野のエキスパートによる演奏。

 ブラボーくん曰く、「音楽を聴いて、感じて、考える」ことが大事、と。この問題にひとつの正解は無い。人それぞれ、感じて考えたイメージなら全部正解、と。音楽は人それぞれの感性、個性も関わってくる。それをうまくまとめました。
 さて、ではもし、「白鳥」じゃなかったら?別の動物だったら?この「白鳥」はどんな曲になる?スギテツさんによる実験。変奏曲。ちょっと変えて、イメージはどう変わった?というのを考え話しておしまい。

 なかなか面白い番組でした。学校放送と言うことで、同じEテレの音楽系こども向け番組「クインテット」や「ムジカ・ピッコリーノ」とは雰囲気が違います。学ぶ側面が強いです。学校放送の音楽番組だ、と観ていて思いました。

 楽譜可視化は良かったです。楽譜は苦手、という子どもたちも少なくないと思います(私もだった)。楽譜は何をどう書いてあるのか。それを線の動きと太さで表現し、楽譜に記されていることは音楽を演奏する上で重要な情報であることを明示できていてよかった。そこから、音楽を聴いて感じたことを論理的に考える。感覚、イメージにも理由・根拠がある。感覚と論理的考え方の両方のバランスを取れていていい。

 10分じゃ短いな、取り上げられる楽曲は限られるぞと思ったのですが、これは学校放送。小学校の授業時間は大体45分。10分番組を観て、残りの35分で実際に子どもたちがそれぞれのイメージとその理由を考え、話し合う。楽曲を番組でフルで流さなくても、後で授業でフルで聴けばいい。

 音楽鑑賞の授業はなかなか難しい。ただ作曲した人、時代、その当時の社会、その曲が生まれた背景などの説明を聞いて、音楽を聴くだけではつまらないと思う子も少なくないだろう。音楽の授業での音楽鑑賞は教養じゃない。音楽を聴いて何を感じるか。そう感じた根拠は何か。それを考えるのは、大人でもなかなか難しい。子どものうちからそんな聴き方、考え方を養っていくのはいい。面白い。

 この「おんがくブラボー」はプロト版。来年10月から本放送予定です。ただ、今回1作しかないのが残念。3本ぐらい観たかったな。春、夏ぐらいにまた新作が出てくるだろうか。楽しみにしています。
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by halca-kaukana057 | 2014-12-26 21:46 | Eテレ・NHK教育テレビ

こんなクラシックコンサート観たことない! 「Proms(プロムス)」ラストナイトコンサート2014

 先日、NHKBSプレミアムで放送されていた「BBC Proms(プロムス)ラスト・ナイト・コンサート」を録画で観ました。イギリスで、7月中旬から9月中旬まで開催される、世界最大級の音楽祭。その最終日の夜、最後のコンサートが「ラスト・ナイト・コンサート」。演奏はBBC交響楽団。指揮は、主席指揮者のサカリ・オラモ。フィンランド人指揮者のオラモは、シベリウス作品を中心に聴いてきて、特に好きな指揮者のひとり。オラモ目当てに録画してみたら、とんでもないコンサートだった。

NHK:プレミアムシアター:プロムス2014 ラスト・ナイト・コンサート

 このプロムス・ラスト・ナイト・コンサート。普通のクラシックコンサートと随分違う。会場のロンドンのロイヤル・アルバート・ホールは、とても大きなホール。照明や大型スクリーンもある。観客は、曲の合間に国旗を振っている。前半はまだおとなしめなのですが、後半になると、風船を飛ばし、クラッカーを鳴らし、お祭り状態。指揮台もいつの間にか、クラッカーのカラーテープや国旗でデコレーションされている。何だこれ!?
 会場はこのロイヤル・アルバート・ホールだけではない。ロンドンのハイド・パーク、北アイルランドのベルファスト、スコットランドのグラスゴー、ウェールズのスウォンジーには野外会場が設けられている。ロックフェスか何かですか!?
 しかも、オラモはユニオン・ジャック柄のベスト!?蝶ネクタイもユニオン・ジャックカラー。楽団員さんや合唱団員さんにも、国旗カラーの蝶ネクタイの人がいる。何が始まるんです…!?

 前半は、イギリス人作曲家のアーノルドやウォルトン、イギリスもの以外でも、ショーソンや今年生誕150年のリヒャルト・シュトラウスも。
 後半は、ハチャトゥリアン「剣の舞」で勢いよく始まり、黒人霊歌「ジェリコの戦い」やミュージカル「ショウ・ボート」から「オール・マン・リバー」とバラエティに富んでいる。ヴァイオリンの超絶技巧にワクワクするラヴェル「ツィガーヌ」も。ヴァイオリンはジャニーヌ・ヤンセン。そのアンコール。ヤンセンがヴァイオリンをそっと鳴らすと、ヴァイオリンの音が聴こえる。舞台袖には、ヴァイオリンを持ったオラモが。ヤンセンとオラモで、メキシコ民謡「ラ・クカラチャ」ヴァイオリン二重奏!オラモは、元フィンランド放送交響楽団のコンサートマスター。オラモのヴァイオリンを初めて聴きました。息ぴったり、ユーモアも交えて楽しい演奏。
Traditional, arr. Aleksey Igudesman: La Cucaracha - BBC Proms 2014
 ↑「ラ・クカラチャ」公式動画が上がってますので、是非。

 さらに、今年公開50年という「メリー・ポピンズ」メドレー。演奏の前に、オラモが挨拶とMCをして、歌も会場の皆さんも一緒に。「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」は勿論歌えましたよ!(日本語訳詞で)
Mary Poppins - Medley - BBC Proms 2014

 その後が、イギリス万歳な曲が続きます。「ルール・ブリタニア」、エルガー「威風堂々」第1番(Land of Hope and Glory)、ヒューバート・パリーの「エルサレム」、そしてブリテン編曲のイギリス国歌。最後は演奏なしで「Auld Lang Syne(蛍の光)」。会場の観客も一緒に歌います。私も一緒に歌ってしまった。盛り上がりが凄い!「ルール・ブリタニア」は、ソロはバリトンのロデリック・ウィリアムズ。深く堂々とした歌声がかっこいい。「威風堂々」第1番の歌詞つきは初めて聴きました。これも熱くなる歌詞。イギリス万歳な曲が続くのですが、何故か不思議な一体感がある。振られている国旗はユニオンジャック、もしくはイギリス各地域の旗とは限らない。オラモの故郷のフィンランド国旗、ヤンセンの故郷のオランダ国旗。日本人もいるのか日の丸も。世界各国の国旗が振られている。世界はひとつ、のこの不思議な一体感。演奏中に各会場を中継するのもいい。その指揮をオラモがしていることに、とても感激しました。
 指揮者のスピーチも恒例なのだそうですが、オラモのフィンランド人ジョークに笑いましたwさっきまでノリノリで指揮してたじゃないですか!wそして、あのユニオンジャック柄ベストには、粋な仕掛けがありました…!テレビの前で大喝采でしたw
Elgar: Pomp and Circumstance - BBC Proms 2014

 会場内は動画撮影もOKらしく、動画もいくつかありました。
BBC Last Night of the Proms 2014 Rule Britannia, Land of Hope etc Highlights Royal Albert Hall
 クライマックスの部分を。これは燃えます。盛り上がります。

LAST NIGHT OF THE PROMS LONDON 2014 4K ULTRA HD
 観客総立ち。熱気がすごい。クラシックコンサートとは思えない。

Proms In The Park - London - 2014 - The Last Night Of The Proms !
 ハイド・パークの会場の様子を。昼間はクラシック以外も演奏されます。ピクニックみたい。ラスト・ナイト・コンサートの盛り上がりは野外でも変わりません。

 プロムスは、1895年、クラシックコンサートをもっと気軽に、気楽に楽しめるようにと始まりました。ロバート・ニューマンが企画し、指揮者のヘンリー・ウッドがプロムスを広めました。100年以上もの歴史と伝統のあるコンサートなのに、気楽に、お祭り気分で楽しめる。凄い、素晴らしいです。
 ラスト・ナイト・コンサート以外のプロムスのコンサートも、イギリス国外のオーケストラも参加し、多彩な音楽を楽しめます。会場に行けなくても、ネットラジオで生中継があります。これまで、時差の関係などで、気にはなっていたけれども聴かずにいた。来年はプロムスをもっと楽しみたいです。

 ちなみに、来年はシベリウス生誕150年。今年、リヒャルト・シュトラウスもやったなら、シベリウスもやりますよね。しかも指揮がオラモなら尚更。BBC響とオラモのコンビはまだ続きますし。イギリスは元々シベリウス好きでもある。これは期待します!

・サカリ・オラモ関係過去記事
NHK音楽祭2005
 オラモのことを知ったのは、このNHK音楽祭2005でフィンランド放送響と来日した時。もう10年近く経つのか。
さらに フィンランド人指揮者でシベリウス
 バーミンガム市交響楽団とのシベリウス全集。愛聴盤です。オラモ、2回目のシベ全やらないかなぁ。
 この頃はもっとスマートだったのに、オラモ…いつの間に恰幅よくなっちゃって…。来年50歳なのか。まだ若いというべきか、もう50になるのかというべきか…。
 ちなみに、若い頃のオラモに似たトランペット奏者さんがいて、気になってましたw

・2016年のラストナイト感想記事はこちら:一緒に音楽を楽しもう Proms(プロムス)2016 ラスト・ナイト・コンサート
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by halca-kaukana057 | 2014-12-18 23:42 | 音楽

地域の楽団を応援して伸ばす

 音楽、演奏会について、最近思ったことを。

 先日の「題名のない音楽会」は、2週に渡っての大阪市音楽団特集。この春、大阪市から独立し(3年間は市から独立のための補助は受けています)、以前から共演してきた宮川彬良さんを音楽監督に迎え、新しいスタートを切りました。
 2012年には、東京公演に行って生の演奏を聴いてくることができました。また、独立に関して、以前このブログで記事を書き言及しました。
・2012年東京公演・コンサートレポ:その1(第1部) / その2(第2部) / その3(アンコール・終演後・感想雑感)
 
↓独立とその支援に対しての私の意見記事
大阪市音楽団存続問題と「文化の空白」+存続支援運動に対して思うこと
大阪市音楽団存続問題に思うこと 続編
吹奏楽の強み 続々・大阪市音楽団存続問題に思うこと
 ↑この記事以後、静観し記事は書いていませんが、応援はしていました。

 「題名」では第1週は「出直しまっせ!」とタイトルに入れるほどの攻めの姿勢。勿論演奏は素晴らしかった。第2週は「市音の4つのS」と題して、市音の魅力を演奏で伝える形に。第1週では音楽監督である宮川彬良さんの指揮・編曲でしたが、第2週では指揮は吹奏楽ではお馴染みの丸谷明夫先生の指揮で、地元大阪の吹奏楽の名門校・淀川工科高校吹奏楽部との共演。最後は、髙谷光信さん指揮で、吹奏楽の名曲「指輪物語」(デ・メイ作曲)を。幅広く市音の魅力と精力的な活動が伝わってくる番組内容と、演奏で楽しみました。
 ここで、第2週で紹介されたのが、市音は地域に根ざした演奏活動を積極的にしていること。以前も書きましたが、無料・ワンコインコンサートや、学校での演奏会、吹奏楽部への指導などをしている。淀高も市音の指導で、力をつけてきた。淀高と市音の共演は圧巻でした。曲もカーペンターズの名曲のメドレーでとても楽しかった。

 もうひとつ、先日日曜のNHKEテレ「クラシック音楽館」。twitterでの実況も楽しく盛り上がるので、毎週楽しみにしています。いつもはNHK交響楽団の定期公演なのですが、先日日曜の放送は九州交響楽団の定期演奏会より。九州交響楽団は、九州で唯一のプロオーケストラ。しかし、先述した市音もそうですし、他の地域のプロオケもですが、財政難、演奏会に訪れる人が少なく苦しい状況…。それでも、九州響はボランティアスタッフや地域の人々の支援・応援で、地域に根ざした演奏活動をしてきた。今回、「クラシック音楽館」で全国放送されることをとても喜んでいるそうです。
 プログラムは、シューマンのピアノ協奏曲に、ブルックナーの交響曲第1番。ブルックナーの1番…あまり演奏されない曲です。お客さんを呼び込むなら、有名曲の方が呼びやすい。でも、こちらも攻めの姿勢の九州響。私はまだブルックナーはあまり親しめていないのですが、4番や9番は好きですし、重厚なオーケストラの音色、ブルックナーらしい荘厳さは1番からあったのだなぁ、と楽しめました。ちなみに、ブルックナーは交響曲0番も作曲しています…まだ聴いたことはありません…。

 この2つの番組を観て聴いて思ったのが、地域にプロの楽団があるのが羨ましい、と。もし住んでいる地域にプロの楽団があるならば、一度演奏会に足を運んで、その演奏を聴いてみて欲しい。もし気に入ったら、贔屓にして聴きに行く、定期会員になるなどして、応援してあげて欲しい、と。

 以前、市音存続問題について記事を書いた時に、もし無くなったら「文化の空白地帯」が生まれる、と書いた。クラシックなんて、吹奏楽なんて別に聴かないし、関係ないと思う人も少なくないと思う。でも、見えないところで、地域の芸術文化活動を支えている。学校や福祉施設などでの演奏会、音楽系の部活での指導。その地域での式典での演奏…知らないところで、実は耳にしていたことも少なくないかもしれない。

 先日、私も自分の地域のアマチュア楽団の演奏会に行ってきた。数年前から毎年行っている。普段馴染みのない曲も多く取り上げてくれて、こんな楽しい曲があるんだ、と演奏で教えてもらえる。アマチュアなので、仕事や学業などの合間に練習をしている。でも、毎年演奏会を開いて、地域の学校や施設に演奏会にも出かけている。演奏活動はプロと変わりない。演奏している姿が楽しそうで、また来年も来よう、と演奏会終了後に思う。毎年のように。何か気がついたことがあればアンケート用紙に書く。アマチュアでもレベルアップして欲しい。もっと音楽に惹き込んでくれる演奏を聴きたい。聴衆、ファンの存在が、その楽団を成長させると私は思う。マイナーな曲に挑戦する九州響のように。

 もう一度書きます。もし住んでいる地域にプロの楽団(オーケストラ、吹奏楽、オペラ団体)があるなら、一度演奏会に足を運んでみて欲しい。クラシックや吹奏楽曲なんて敷居が高そう…と思っても、親しみやすい有名曲を集めた親しみやすい演奏会もあるので、チェックしてみてください。そして、聴いてみて、気に入ったら、出来る範囲で構わないので聴いて応援してあげてください。コンサートを聴きにいくのが、一番の応援です。
 プロだけじゃなく、アマチュアでも同じです。

 また、団員さんやソリストさん、オペラ団体なら歌手で、気に入った演奏家がいたら、有名無名に関わらず応援してあげてください。あまり有名じゃない人、若手なら尚更、特に。有名な人、「○○コンクール優勝」などで特に売り出されている人は目立ちますが、有名じゃない、脇役でも「この人の演奏、いいな、好きだな!」と感じたらまた聴きに行ってみてください。感想はアンケートに書いたり、ブログやツイッター、FBなどでどんどん書いていいと思います。本人や関係者に読まれたら恥ずかしい…いえ、喜ぶと思います。たとえ厳しい意見だったとしても。

 楽団も、演奏家も、伸びてゆく過程を聞き続けてゆけたら…それはとても幸せなことだと思います。

 地域に根ざした楽団は、その地域にとっての財産だと思っています。
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by halca-kaukana057 | 2014-11-26 22:17 | 音楽

船に乗れ! 3 合奏協奏曲

 2巻の感想から間が開いてしまいました。青春音楽小説「船に乗れ!」3巻、完結編です。

・1巻:船に乗れ! 1 合奏と協奏
・2巻:船に乗れ! 2 独奏


船に乗れ! 3 合奏協奏曲
藤谷治/ポプラ社・ポプラ文庫ピュアフル/2011
(単行本は2009年ジャイブ)

 高校3年になったサトルたち。昨年も新入生の演奏レベルの高さに驚かされたが、サトルたちが3年になった年、新生高校はこれまでとは全く異なる、音楽エリート育成に力を入れ始めた。毎年恒例のオーケストラ演奏会では、副科の生徒は参加しなくてもよいことになった。オーケストラの楽器を専攻する生徒達だけで構成されるオーケストラ。しかも、それはその全員参加ではなかった。与えられた曲もこれまでとは違う。
 更に、3年になると文化祭でミニコンをやることが決まっていた。サトルは鮎川たちと考え、サトルはある曲を探し当てる。こうして、オケとミニコンの練習が始まったが、サトルはひとつ、大きな決断をしていた…。

 2巻があまりにも辛い状況で、サトルはこのままどうなってしまうのだろう…そんな想いで3巻を読み始めたのですが、厳しい状況は続いていました…。学校の教育方針の転換、その渦中に巻き込まれるサトルたち。そんな中、サトルは大きな決断を下す。サトルにとって大切な存在であった枝里子も、金窪先生もいなくなってしまった。金窪先生に関しては、サトルが原因でもある。だが、それ以上に、サトルが感じた”限界”…。

 音楽などの芸術や体育は特に、それだけでなく世の中にある色々なことは、「才能」や「天性」で大きく左右されることがある。それでも、「努力」「練習」「訓練」も大事で、それらによって磨きをかけなくては、「才能」も「天性」も錆び付いてしまう。
 以前、ある試験のために、私はとても苦手だったものを克服しなければならなかった。自分にその「才能」はない。だから、「努力」するしかない、とひたすら「練習」した。なかなか思うようにいかず、他の人は軽々と出来ているのに自分はいつまで経っても出来ない…ひとり涙を飲んだこともあった。だが、そんな「努力」をしていると誰かは見ていてくれるもので、私の苦手なところを克服するコツを掴んだ練習方法を教えてくれる先生に出会えた。それによって、私も少しずつ上達していって、試験には危うい状態だったが何とか間に合った。ところが、試験の内容が変わって、そこまで習得する必要は無かった…というのは後でわかった話。それでも、自分でもコツを掴んで練習すれば、あんな苦手だったことでも上達できるのだなぁ、と自分の可能性が広がったように感じた。あと、出来る出来ないの結果に限らず、努力し続けることが大事だということも。

 だが、サトルの場合は、私のようなギリギリ間に合ってもいい状態では通用しない。子どもの頃からチェロやピアノを習い演奏し、音楽を専攻できる学校に進学する。その世界がいかに厳しいか。趣味で音楽をやっていても感じる。それが専門だったら…。サトルの苦悩はいかほどだろうか…。

 それでも、オーケストラの練習もあるし、ミニコンの練習もある。ソロ発表会もある。レッスンも続く。決断はしても、音楽は止まらない。なかなか練習できないこともあるが、嫌々ではなく、演奏を続ける。社会と同じだな…と感じてしまった。

 そして、ミニコンで、ある「事件」が起きる。もうひとり、ある決意を抱いて、ステージに上がった者が。彼らを繋いでいたのは、まぎれもなく音楽だった。心の中で、重いものを抱えていても、その時の音楽、演奏に集中する。その音楽、演奏はその時だけのものだから。残された手紙が切なくて切なくて…。
 そしてオーケストラでも、サトルは懸命に演奏する。しかし、その時サトルが気づいたことに、深く頷いた。ひとりで演奏していたとしても、ひとりじゃない。その音楽を聴いている人がいる。自分自身という人が…。

 最後の金窪先生の言葉・ニーチェの翻訳は、何度も読み返しました。その翻訳を受けてのその後の話も。「船に乗れ!」というタイトルの意味は、こういうことだったんだ。どんな船にのっていようと、航海は続く。航海を続けるしかない。この物語も、私に繋がっている、開かれた物語のように感じている。

 この物語は、大人になったサトルが高校生の頃を回想して書いている形になっているのですが、最後、その大人になったサトルについて語られます。どんな船であれ、船に乗り続けているサトル。2・3巻でサトルはこのまま救われないのか…と思ったのですが、最後、少し救いがあってよかった。船に乗り続けていれば、どこかにたどり着ける。伊藤との番外編「再会」も、そんな雰囲気だった。やはり2・3巻の辛さは残るけれども、誰だって大小様々な辛さを抱えている。抱えながら、船に乗っている。

 辛いな、苦しいなと思ったら、時々読み返したい本です。

 しかし、この作品は舞台化されたわけだが…どんな舞台だったんだろう?
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by halca-kaukana057 | 2014-09-12 22:34 | 本・読書


好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


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