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「シンフォニック・マンボNo.5」を聴き比べてみた

 宮川彬良さんの代表作(?)「シンフォニック・マンボNo.5」.ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」第1楽章と、ペレス・プラード「マンボNo.5」をまさかのミックス。大阪フィル・ポップスコンサートの時代から演奏され続け、現在では新日本フィル「コンチェルタンテⅡ」の目玉楽曲に。以前、千葉少年少女オーケストラ演奏で「題名のない音楽会」でも放送され、動画サイトを通じて南米で話題になっている…など、密かに(?)注目されている作品です。アキラさんの編曲センス、遊び心満載。でもオケの魅力も満載。

 これまで、大阪フィル演奏のCDが出ていたのですが、先日、新日本フィル演奏のも発売されました。

アキラさんの大発見オーケストラ!!

宮川彬良/大阪フィルハーモニー交響楽団/Columbia Music Entertainment,inc.


 ↑こちらが大阪フィル盤

コンチェルタンテII マンボver.

宮川彬良/新日本フィルハーモニー交響楽団/フォンテック


 ↑こちらが新しい新日本フィル盤

 「シンフォニック・マンボNo.5」の2度目の録音。ということで、聴き比べてみた。

 まず、大阪フィル盤。中盤での「ジャジャジャジャーン!!」が物凄く力強い。全力フォルテッシモ。全体的に流れるよう、流暢で、ゆったりと踊るよう。弦の表情が豊か、聴かせるなぁと感じました。最初は重く、徐々に軽やか、滑らかに。打楽器、特にティンパニもアクセントを強く、力強い。

 新日本フィル盤。大阪フィルと比べると、キレがある。若干速め。管楽器がメリハリのある音を出している。踊るよう。金管が特にノリがいい気がする。1分45秒ぐらいで、ピッコロ(フルート?)の下降フレーズがはっきりと聞き取れる。大阪フィル盤ではそんなにはっきりとは聞こえなった。
 そして、大阪フィル盤にはなかった歌も入ってます。これは歌ってるところ観たいぞw

 この種の楽曲が複数録音されることはあまりないと思ったので聴き比べてみました。両方の録音を交互に聴いていると、とにかく楽しくなりますwどうやったらあの「運命」第1楽章とマンボNo.5が融合するんだよwとわかっていてもツッコまずにはいられない。とにかく聴いて楽しむ。演奏している方も楽しいだろうなぁ。「コンチェルタンテⅡ」ではもっとはっちゃけているらしいので、いつか生演奏、コンサートに行って聴けたらなぁ。

 ちなみに、「どれみふぁワンダーランド」にはじまり、「題名のない音楽会」で完成(?)した、「運命」第1楽章の歌詞。聴いていると、この歌詞も脳内で再生されます。「運命」第1楽章を聴くたびに、脳内で自動的に再生されてしまって困っていますw「クインテット」でスコアさん(故・斎藤晴彦さん)が「ドイツじーん!ド・イ・ツ・じーん!!」と歌っていたのも覚えていて、もうどうしたらいいのだろうか…。

交響曲第5番「運命」第1楽章(作詞:宮川彬良)
 ↑その放送での歌詞書き起こし。


 ちなみに、新日本フィルの新CDは、彬良さんの舞台音楽を組曲化・オーケストラ編曲した「音楽劇『ハムレット』より5つの主題」も聴かせます。シリアスでドラマティックな6曲…聴けば聴くほど様々な想いがこみ上げてきます。これはまた別記事で書ければ書きます。これ以上の言葉にできるかどうかわからない。音楽そのものを聴き、味わう、自分の中で反芻する。胸の中にしまっておく。そんな音楽があってもいいのかな、と。

 「サンダーバード」のテーマはとにかくカッコイイ。以前、「ショータイム」で聴いた時、これはカッコイイ!!と感激した演奏なのですが、CDに収録されて嬉しい。これでいつでも聴ける!!
・「ショータイム」第5回で放送、その感想:その想いをミュージカルで代弁します 「宮川彬良のショータイム」第4・5・6回感想まとめ
 ↑映像もかっこよかったんだよなぁ~。
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by halca-kaukana057 | 2014-09-05 22:43 | 音楽

船に乗れ! 2 独奏

 音楽青春小説「船に乗れ!」の2巻です。
・1巻:船に乗れ! 1 合奏と協奏

船に乗れ! 2 独奏
藤谷治/ポプラ社・ポプラ文庫ピュアフル/2011
(単行本は2009年ジャイブ)

 津島家のホームコンサートで北島先生とのトリオを演奏して以来、サトルと枝里子の距離は縮まり親しくなっていった。2人でオペラを観に行き、喫茶店や電話で音楽のことを語り合う楽しい日々。そして、2人で藝大を目指すこと、これから2人でどんな曲を演奏したいか、将来についても語り合うのだった。
 2年になり、サトルたちは新1年生の演奏技術のレベルの高さに驚かされる。これまでは中等部からはエスカレーター式に進学できたのが、出来なくなったらしい。練習室である”長屋”で練習していると、レベルの高い演奏があちらこちらから聴こえてくる。焦りながらも、今年のオーケストラ演奏曲が発表された。リストの交響詩「プレリュード」。昨年の「白鳥の湖」よりも格段に難しくなった。しかもサトルはチェロのトップ(首席)に。鮎川もコンマスの隣のトップ、枝里子も第2ヴァイオリンのトップになった。今年も”カミナリ”と鏑木先生の厳しいレッスンが始まった…。
 そんな中、サトルはドイツに住む叔父の整と妻でヴァイオリニストのビアンカから手紙を貰う。夏休みにドイツに短期留学しないかという誘いだった。ビアンカが所属するオーケストラのチェリストの指導を受けられる、という。サトルはドイツに行くことを決めたが、枝里子と離れるのが気がかりだった…。


 2巻は物語が大きく動きます。サトルと枝里子はお互いにとって特別な存在になる。負けず嫌いの枝里子の向上心は物凄い勢いで、サトルも刺激を受ける。2人が音楽では刺激し合い、一方で距離を縮めてゆく様がまさに青春。2人でモーツァルトのオペラ「魔笛」を観に行くシーンも、こんな風に気が合う、しかも音楽が好きな者同士でオペラを観に行けたらいいなぁ…と思っていました。1巻感想でも書いた通り、この物語は大人になったサトルが高校生の頃を回想して書いている。昔はオペラに字幕は無かったのか…大変だなぁ。オペラ初心者の枝里子のために、サトルが作ったものがとてもいい。全幕作るのは大変だが、好きなオペラならやってみてもいいかもしれない。…時間があれば。

 2年に進級したサトルたち。佐伯先生のチェロのレッスンも、オーケストラも、どんどん難しいものに進んでいきます。チェロのレッスンではバッハの無伴奏チェロ組曲、さらにフォーレ「エレジー」も登場。フォーレを集中して聴いている現在、これは嬉しい登場でした。フォーレとチェロはよく合う気がする。
 オーケストラは、学校の方針が少し変わったのを示しているような難しい曲に。リスト「プレリュード」…好きな曲です。が、これを演奏する…オーケストラ経験が無いので何とも言えないのだが、悪戦苦闘するサトルたちを応援せずにはいられない。”カミナリ”先生も鏑木先生も1巻以上に厳しい…!!

 そんな中、サトルにドイツ留学の話が。サトルにチャンス到来。しかし、枝里子が気にかかる…。ましてや負けず嫌い、しかも音楽を志すには不利な家庭環境。枝里子がかわいそうに感じました。私が枝里子だったら、きっと同じように思う…かもしれない。サトルは音楽一家に生まれ、しかも祖父は新生高校の創設者。留学も叔父さんと妻のビアンカさんのコネ。きっと私も羨ましがるなぁ…。

 そんなドイツ(ちなみに、この時まだドイツは東西に分かれていた)での留学は…サトルの自信が一気に崩れるものだった。佐伯先生だって(この物語では)N響の楽団員のいい腕のチェリスト。しかし、ドイツでのチェロの先生・メッツナー先生は、サトルにチェロをゼロから始めさせる。これまで積み上げてきたものは何なんだ。更に、これまでのように哲学書を読んでも、「自分は何もわかっていなかった」ことに気付いてしまったサトル。一気に落ち込んでゆく…わかる。成長の過程で避けては通れないけど、なるべくなら気付きたくないもの…「本当は何もわかっていなかった」「わかった・できたフリをしていた」「持っていた自信は別の視点から見れば大したことの無いものだった」サトル、完全に挫いてしまった…。それでも、メッツナー先生のレッスンで、変化したサトル。これがいい刺激になれば、と思ったのだが…。

 帰国後、サトルは更なる困難にぶち当たる。枝里子が…。こんな展開になるなんて…。ワイワイ騒ぐ仲だった鮎川ともギクシャクした関係に。もはやオーケストラ発表会どころじゃなくなった…。枝里子に何が起こったのか、知った後のサトルが更にとんでもないことに。金窪先生の熱心さが、この時のサトルにとって逆効果になってしまった。確かに信じられないような現実に向き合うことになり、サトルがあまりにも混乱していて、周囲はそれを知らず…もう私も読みながら混乱していた。そのとんでもないことの鍵となるのが、サトルの担任で祖父の弟子でもある久遠先生。久遠先生は、サトルの言葉を信じただけなのが、ますます辛い。サトルの行動も、混乱しているのはわかるけど、でも…。混乱しているサトルにとって金窪先生は、力強い味方になってくれそうな存在だったのに…。サトルや鮎川、枝里子がこれほどの目に遭わなければならない理由って何だろう、とも考えてしまった。いくらなんでも、救いが無い、無さ過ぎる。

 終盤で、北島先生と演奏することになったサトル。その演奏が少しは救いになっただろうか。でも、現実は変わらない。その音楽はその時にしか無く、二度と同じ演奏は出来ない。そう思うと、ますますやるせない。これも音楽、なのだろうか…。音楽以外の要素があまりにも強烈過ぎて、どうしたらいいのかわからない…というのが読後の感想です…。

 最終巻となる3巻も読み始めています。サトルはどうなってしまうのか。
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by halca-kaukana057 | 2014-08-06 22:58 | 本・読書

船に乗れ! 1 合奏と協奏

 昨年冬に舞台化(音楽が宮川彬良さん)されたことで存在を知った作品です。本屋大賞にもノミネートされた話題作だそうですが、全く知らず…。音楽ものと聞いて、読んでみました。まずは第1巻。


船に乗れ! 1 合奏と協奏
藤谷治/ポプラ社・ポプラ文庫ピュアフル/2011
(単行本はジャイブより2008年)

 チェロを演奏する津島サトルはチェリストを目指して芸高を受験したが、失敗。祖父が創設した新生高校音楽科に入学した。レベルはそんなに高くなく、サトルは入学早々、先輩よりもチェロのうまい新入生として話題になっていた。サトルも、高校生ながらニーチェなどの哲学書を読み、チェロの腕前もよかった。学校では、フルート専攻の数少ない男子のひとり・伊藤慧や、元気なヴァイオリン専攻・鮎川千佳、同じくヴァイオリン専攻の鮎川の友達の南枝里子たちと出会う。毎年、学校では生徒達によるオーケストラ発表会があった。演奏曲はチャイコフスキー「白鳥の湖」から数曲。楽譜を見て簡単だ、副科でオーケストラの楽器をやる生徒にとっても大丈夫だと思っていたサトルだが、オーケストラの練習は予想以上のものだった…。

 この物語は、大人になったサトルが過去を回想する形で書いています。このサトルが高校生だったのは、明記はされていませんがかなり昔。高校生だけで喫茶店(勿論今の大手チェーン店などではなく、「喫茶店」)に入ることは校則で禁止されている。1980年代?多分、そのくらいです。

 サトルはいかにもそんな一昔前の「インテリ」高校生、と言えばいいのか。生まれ育った環境もあり、クラシック音楽に小さい頃から親しみ、英才教育を受けていた。でも、ピアノはいまいちで、ふとしたきっかけでチェロをやってみることになる。N響楽団員でもある佐伯先生を紹介され、先生の指導を受け、サトルはチェロの腕前を上げていく。芸高は落ちたが、落ちた原因は学科試験。そして入学した新生高校音楽科は二流・三流の学校。サトルの自信、自慢げな感じに若さを感じます。別の言い方をすると「痛い」。厭味な感じはしない。

 そんなサトルに、大きな変化が。まず、オーケストラの授業。これまでチェロの腕前には自信を持ち、オーケストラでも1年生ながら首席の隣、トップで演奏することになる。だが、これまでサトルは誰かと一緒に演奏することは無かった。オーケストラで演奏するのも初めての経験。オーケストラで皆が合わせて演奏することがいかに難しいか描かれます。ここまでオーケストラの初歩の初歩から描いた作品は他に無いんじゃないか。楽譜通り、指揮の通り、皆で合わせて演奏することがオケの基本。その基本が難しい。いつも指導している”カミナリ”先生や、指揮の鏑木先生は、その基本をみっちりと叩き込み、厳しく怖い。さすがのサトルも、必死で食らい付いていく。音楽は表現、心が大事と言う。しかし、その前に、楽譜があり、その楽譜には作曲者が込めたものがある。それを忠実に演奏してこそ、その先の表現に進める…。普段何気なく、CDやテレビでプロのオーケストラを聴いてしまっていますが、オケって本当に難しいのだなぁ…と感じました。オケの楽器は何ひとつ演奏できないので、興味もあります。

 もうひとつの変化…同じ1年のヴァイオリンの女子・南枝里子の存在。完全に恋してしまったサトル。しかも、枝里子の友達であり、サトルのクラスメイトである鮎川千佳の働きかけで、2人の音楽への情熱が似たものだと知る。音楽をやるための家庭環境はそんなによくないけれど、負けず嫌いで向上心の強い枝里子は、サトルのチェロに刺激を受ける。サトルも枝里子の熱意に刺激を受け、後にサトルのピアノの先生である北島先生とともにメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲を演奏することになる。ここでも、自分自身の腕前や、アンサンブルの難しさにぶち当たる。が、それ以上に一緒に刺激し合いながら演奏するのが楽しい。いいですねぇ青春ですねぇ。ピアノの北島先生も素敵な先生。アンサンブルの練習以外では、携帯もメールも無い時代。アナログなサトルと枝里子の会話と想いの交流がまたいい。これが携帯でサッと…だったら味が半減してしまいそう。そんな雰囲気。

 サトルが刺激を受けるのは、枝里子だけではない。フルートの伊藤慧。見た目”王子様”で、フルートの腕前もかなりのもの。楽器は違えど、伊藤の演奏にサトルも、ほかの生徒たちも魅了される。
 更に、公民(倫理)の金窪先生。教科書どおりの授業をせず、哲学とは、生きるとは何かをサトルたち生徒に問いかける。哲学書を読みふけっているサトルとも親しくなる。金窪先生のお話がとても面白い。中学高校時代、こういう先生が学校に1人や2人は必要、絶対にいて欲しいと思う。

 オーケストラの合宿練習、文化祭、発表会、そしてとある場でのサトル・枝里子・北島先生のトリオの演奏…。音楽は難しい。なかなか思うように演奏できないし、たくさん練習したからと言ってその分うまくなるとも限らない。でも、音楽は楽しい。誰かと演奏できれば、もっと楽しい。サトルたちトリオの演奏シーンで、音楽で会話するってこういうことなんだろうな…と思いながら読んでいました。

 オーケストラの演奏曲であるチャイコフスキー「白鳥の湖」、サトルがトリオで演奏するメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番、サトルが普段練習しているバッハの無伴奏チェロ組曲…様々なクラシック音楽が登場し、また演奏家もカザルスをはじめ色々な演奏家が出てきます。サトルたちが聴くのはCDではなくレコード。レコードというのもまたいい雰囲気です。

 痛い、苦い、でもどこか微笑んでしまう青春小説。3巻まであって、2巻は既に読んでしまっています。2巻は…大変なことになってます。近々感想書きます。3巻を読むのも楽しみです。どうなっちゃうんだ…。
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by halca-kaukana057 | 2014-07-29 22:58 | 本・読書

天にひびき 9

 相変わらず漫画を買って読んでから、感想を書くまでの間が長い…遅いです。「天にひびき」9巻、ようやく書きます。


天にひびき 9
やまむら はじめ/少年画報社・ヤングキングコミックス/2014

 文化祭で演奏するひびき指揮秋央コンマスのBオケの本番が近づいてきた。秋央から連絡を受け、美月と父・直昭も帰国、演奏を聴きに来る。直昭は、9年前、まだ小学生だったひびきが突然指揮をし、演奏をした時オケのコンマスを務めていた。それ以来のひびきの指揮。美月もひびきと秋央のリハを聴きに来る。そのリハの後、ひびきは美月に初めて演奏を聴いた感想を求める。そこで、ひびきは…。その言葉に美月も…。
 そんな中、ドイツからやってきているアウエルバッハがひびきを呼び出す。アウエルバッハがマネージャーを務めるバイエルン・フィルの指揮者・ローレンツが急病で来日できなくなった、ローレンツはその代役にひびきを指名している、と。バイエルン・フィルの練習場にひびきを連れてきたアウエルバッハ。そこでひびきは…


 物語がまた大きく動き出しました。秋央をめぐる人間関係も。秋央君、どこでそんなにもてるかねぇ…w波多野さんの反応も可愛いのですが、美月のいわゆる”ツンデレ”(でもまだデレてないか)な反応も可愛いのですw

 Bオケで、ひびきの指揮のもと、コンマスとして一生懸命やってきた秋央。ひびきの音楽を理解したい、ひびきの音楽を形にしたい、伝えたい!と頑張ってきました。しかし、ひびきには何かが「足りない」模様。
 コンサートマスターは、指揮者の意図をオーケストラのメンバー全員に伝え、音楽を形にするまとめ役。指揮者とオケの橋渡し役…と今まで考えてきたけれども、そうでもない?ひびきが感じている物足りなさ…ひびきの音楽、ひびきの意図をしっかりわかって伝えてくれているのに、何かが足りない。この9巻の山場で出てくるのですが、コンマスは指揮者の手兵じゃない、指揮者に従っていればいいってものでもない…?このあたり、オーケストラにとって、また指揮者にとってコンサートマスターという存在がどういう存在であるかがよくわからないので、わからない…。コンサートマスターも、ひとりの音楽家。個性を持った音楽家。オーケストラも、一人ひとり個性を持った音楽家の集団。2、3人だけの管楽器ならまだしも、10人はいる弦楽器では、個は個でも同じメロディーを揃えて演奏しなければならない。個と集団。その先頭にいるコンマス。コンマスの存在って何なのだろう…。

 8巻の如月先生と、かつてカルテットを組んでいた桂木さんの話。格段に巧い桂木さんに当たっているスポットライトを、如月先生はカルテットのメンバーとして一緒に浴びていただけと気がついた。一方でひびきと秋央も、ひびきに当たっているスポットライトを秋央も一緒に浴びたかったのではなく、秋央はひびきとオケ全体にスポットライトが当たるように、と感想で書いた。ひびきの音楽をオケが形にしていることをアピールするコンマスを目指してきた。須賀川先生とひびきが最初のコンマスについて話している場面からも、指揮者の意図を形にする、それだけでは足りない、のか…?足りない、のかもなぁ。

 そしてひびきに大きな転機が。バイエルン・フィルを1公演だけだが振るチャンスが。8巻冒頭で来日したドイツ人・アウエルバッハさんの来日の意図がわかりました。とは言え、代振りは想定外ですが(多分…まさかローレンツさん、最初からそのつもり…なわけないよねぇ…)。その公演と、Bオケの公演の日が被ってしまった…勿論、バイエルン・フィルを選んだひびき。その後の秋央…目標を完全に見失ってしまいました。そこへ美月が…!!美月かっこいい。
 一方、波多野さんも波多野さんなりに、秋央を励まし、文化祭では演奏で想いを表現。オケだけではなく…”音羽良の黒姫”ソロリサイタル。演奏曲は、勿論大好きなショスタコーヴィチ。波多野さんが演奏するショスタコーヴィチ、どんな音なんだろう。鋭利だけど情熱的、キレがあるけどつやつやした感じなんだろうか。あるけど実際には演奏を聴いたことがない人や、架空のこの人が演奏したらどうなる?というのを想像しながら、CDで聴くのも面白いですね。

 ひびきの大抜擢のショックは、秋央だけじゃない。Aオケで初指揮の梶原も、また引き離された…と。でも、Aオケでがんばるしかない。落ち込む秋央が南条君と話している時の会話が凄くよかった。8巻、桂木さんの演奏を聴いて、一生かかっても追いつけない…追いつけなくても続ける意味って何だろう、と尋ねる秋央にこの答え。
一生追いつけないってことは 一生努力できるって事でどう?
一生追いつけない事くらいでやめちゃえる程 チャチな目標を選んだ訳じゃないだろって事
 (秋央)それが自分の器じゃないとしても?
それは他人が決めればいい事だよ
(92~93ページ)

 さすがは南条君。南条君、本当にいい子だ。というわけで、秋央もめげてないでがんばれ!Aオケでは梶原、Bオケは須賀川先生の代振りで公演は盛況。秋央も、秋央なりの答えを見つけた模様。秋央が目指すものを見つけたか。ひびきとは異なるアプローチで。Bオケと同じ頃、ひびきも道を拓いた…本当にこの子はどこまで行ってしまうんだろう…梶原じゃないけど、そう思ってしまう。

 そしてそれぞれの道へ進み、秋央たちは4年に。それぞれ進路も決まり…秋央はまだ、という…。そこへ…。4年、もうすぐ卒業ということで、そろそろクライマックス?どうなるか、楽しみになってきました。

 恒例の吉松隆先生のクラシック音楽コラムは、クラシックがどう生き残るか。日本人が西洋音楽を演奏する・聴くことも含め、クラシック音楽と現代社会、人間の関わりについて。クラシック…古くて格式がある、敷居が高い…それがプラスになることもあるしマイナスに働くこともある。でも、CMや映画などで使われることもある。「クラシック」と特別扱いしてしまっているのかな、と思いました。分類すると便利、ですが…。

 そういえば、先日、こんな言葉を読んだので引用します。
調布音楽祭監修の鈴木雅明さんの言葉。「私も、クラシックは大の苦手です。なにしろ、『クラシック』という言葉は『もう聞き飽きて聞きたくもない話』のことだからです…バッハはもちろん、シューマンやドヴォルザークの名曲を、決して『クラシック』にしないために、この音楽祭は存在しています」
Twitter:NUKATANI, Sorahiko (@umui):2014年7月7日

 鈴木雅明さん、バッハ・コレギウム・ジャパンでおなじみ、古楽のエキスパートですね。だからこそ、「クラシック」=昔の音楽、ではなく、今も演奏され”生き続けている”音楽にしたい…と思ってらっしゃるのかもしれません。

 最後は漫画本編から脱線しましたw

・8巻感想:天にひびき 8
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by halca-kaukana057 | 2014-07-14 23:02 | 本・読書

「クインテット」「鉄道唱歌 山手線」再放送リクエストについてお知らせ

 先日記事を書いて、投票を呼びかけていたEテレ「お願い!編集長」での「クインテット」「鉄道唱歌 山手線」へのリクエストですが、続報が。
・元記事:「クインテット」の「鉄道唱歌 山手線」をもう一度観たい!

 残念なことに、「ごめんなさい」リクエスト投票取り下げになってしまいました。

NHK:Eテレ:お願い!編集長:「クインテット」クインテットでもう一度山手線の歌が聞きたいです。この歌で私は電車が好きになりました。

 リンク先、見事に「ごめんなさい」になってます。理由は、以前「クインテット」への別の再放送が実現したから。以前と同じ”門前払い”です。方向転換したかと思いきや、”門前払い”にされてしまいました…。残念無念。また「クインテット」再放送への希望の光が見えた!と思ったのに…。がっかり。

 昨日の時点で、票は40票集まってました。100票越えは可能だったはず。それを思うと、本当に残念です。

 私がリクエストを出したわけではありませんが、応援、投票のお願い記事を書いた身として…私の記事ならびにツイートを読んで投票された皆様、本当にありがとうございました。

 でも、このお願いが残ってます。
NHK:Eテレ:お願い!編集長:クリスマスプログラムの集中再放送(もちろん12月に)があったらとてもうれしいです。「リトル・ドラマー・ボーイ」「サンタさんへの手紙」をぜひ。
 こちらは、再放送検討中なので、投票、応援コメント受付中です。こちらにお願いします。クリスマス回再放送を実現させましょう。

 斎藤晴彦さんのこともあり…もう「クインテット」は観られないの?と思うとやはり残念でなりません。お蔵入りさせるには本当に勿体無い、音楽面でもパペット操演面でも、ドラマ面でも、大人もこどもも皆で音楽を徹底的に楽しめる最高の番組なのに…。
 NHKに直接お便り・要望メール出すしか道は無いんでしょうかね…。
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by halca-kaukana057 | 2014-07-02 21:34 | Eテレ・NHK教育テレビ

「クインテット」の「鉄道唱歌 山手線」をもう一度観たい! 

【おことわり】
 この記事に書いてあるリクエスト投票は、Eテレ編集部の意向により既に打ち切られています。ご了承ください。
 記事そのものは、私のこの時の想いの記録として残しておいています。
・投票打ち切りについて:「クインテット」「鉄道唱歌 山手線」再放送リクエストについてお知らせ




 久しぶりに、Eテレの再放送リクエスト企画「お願い!編集長」に「クインテット」へのリクエストが来ていました!
 あれ、「クインテット」への再放送要望は、これまで100票突破して再放送検討が実現したものがいくつかあったため、これ以上は…と「ごめんなさい」。”門前払い”されていました。
 あれ、方向転換。何があった?まぁいい。
 リクエストを受け付けてくれるなら、投票するまで!100票突破して、再放送実現させるまで!!

 そのお願いはこちら。
NHK:Eテレ:お願い!編集長:「クインテット」クインテットでもう一度山手線の歌が聞きたいです。この歌で私は電車が好きになりました。
 「鉄道唱歌 山手線」へのリクエストです。これは観たいですねぇ。少し前、山手線に新駅ができるとニュースがありましたが、そのニュース、「NHKニュースウォッチ9」で、この「クインテット」の「鉄道唱歌山手線」の歌・映像が流れ、twitterで一時騒然となりました。私はその時テレビを観ておらず…観たかった!!!
 そんなタイムリーな「鉄道唱歌 山手線」。新駅が出来たら、新駅を加えた新バージョンを作ってほしい、歌ってほしい、と思っていたのですが、昨日の記事の通り、スコアさん役の斎藤晴彦さんが逝去され…叶わぬ夢になってしまいました。
 でも、今の山手線を歌で伝える重要な資料でもあり、何より歌そのものが楽しい。昨年10月14日に再放送された時、10月14日は「鉄道の日」なんだから鉄道回やってよ!!と言ってたなぁ。

・2013年10月14日の再放送(2本立て):【祝・再放送】今日の朝、「クインテット」が帰って来たよ ~また会えた、そしていつかまた会えるよね

 今年の鉄道の日(またはその近辺)に再放送してもいいのですよ?
 
 と言うことで、上記投票サイトから、是非とも投票をお願いします!(私がお願いを出したわけではありませんが、クインテットファンのひとりとして、これは再放送を実現させたい!)コメントも出来るので、賛同・応援コメントも投稿できます。「クインテット」への想いを書いて、Eテレ編集部に伝えましょう!!
 これまでも、この枠で再放送を実現させてきました。今度も100票突破させて、再放送を実現させましょう!!

 ちなみに、再放送検討中のお願いもあります。まだまだ投票受付中です!
NHK:Eテレ:お願い!編集長:クリスマスプログラムの集中再放送(もちろん12月に)があったらとてもうれしいです。「リトル・ドラマー・ボーイ」「サンタさんへの手紙」をぜひ。
 「リトル・ドラマー・ボーイ」への再放送リクエストです。「リトル・ドラマー・ボーイ」の回は、「You gotta Quintet」=「君には5人の仲間がいるよ」の通りの、「クインテット」らしい心温まる回です。「クインテット」のクリスマス回は素晴らしい回がとにかく多い。今年の元日には2009年正月特番「ニュー・イヤイヤ・コンサート」の再放送も実現したし、今度はクリスマスに再放送、してほしいな。
 投票、コメントは受け付けています。まだの方は是非!コメントも受付中!

 さて、これまで門前払いされていた「クインテット」への再放送リクエストが受け付けられたということは、この他にもリクエスト出来る…?出来るかもしれない。声を伝えるなら、今なのかもしれません。
 再放送リクエストしてみたい回があったら、投稿してみてください。私も再チャレンジしてみます。
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by halca-kaukana057 | 2014-06-30 21:39 | Eテレ・NHK教育テレビ

ありがとう、スコアさん、斎藤晴彦さん

 昨晩、寝ようと思って、寝る前にヤフーのトップを見て、眼を疑いました。次の瞬間、叫んでいました。俳優・斎藤晴彦さんの訃報。あまりにも突然です…。

NHK:俳優の斎藤晴彦さん死去 自宅近くで倒れ搬送
 NHKニュースの動画も観られます。NHK…勿論「クインテット」スコアさん役のことも…。

nikkansports.com:芸能ニュース:斎藤晴彦さん急死 前日まで稽古
 倒れて搬送された時のこと、最近の斎藤さんについて詳しく書かれています。2012年12月にも心不全で倒れ入院し、その後回復し舞台やコンサートにも出演。秋の公演に向けて稽古中とのことでした。あまりにも突然のことだったんですね…。
・2012年12月、「クインテット」感想記事で触れてました:冬はあたたかくにぎやかに 今週の「クインテット」(2012.12.1)

スポニチ Sponichi Annex:芸能:大澄賢也 斎藤晴彦さん訃報にショック…演劇界から追悼の声
大澄賢也オフィシャルブログ 「KENKEN blog」:惜別
 「クインテット」で共演した斎藤晴彦さん(スコアさん)と、大澄賢也さん(シャープ君)。「クインテット」では、若いシャープ君がスコアさんに励まされたり、たしなめられたり、人生を語られたり…。普段でも、斎藤さんは舞台俳優として、人間として、同じく舞台の道を進む大澄さんを心あたたかく見守り励ましていたんですね。
 大澄さんブログの、「クインテット」スタジオでのクインテットキャスト5人での写真に涙腺が…。

 2003年から始まった「クインテット」を観て、私は斎藤晴彦さんのことを知りました。「クインテット」を観ていなかったら知らなかったかもしれません。

 スコアさんの、やさしく穏やかな声と歌。メンバー最年長として、若造たちをまとめ、見守り、言い諭し、時に呆れ、時に一緒にはしゃぎ、とぼけてお茶目なところも見せる。「今だから話そう」では、経歴不祥?とも思える愉快で楽しい人生を歌い、「白鳥の湖」では、早口で楽器の歴史や身の回りのささいなものを替え歌にして歌う。「フィガロの結婚」序曲ではモーツァルト、交響曲第5番「運命」ではベートーヴェンの伝記を歌ったのも印象的でした。おかげで、「フィガロ~」では「♪モーツァルトのモーツァルトのモーツァルトのお話~」、「運命」では「♪ドイツじーん!ド・イ・ツじーん!!」の歌詞が強烈で、曲を聴くとその歌詞が脳内自動再生。まともにこの2曲を聴けなくなった…と嘆いていたのですが、それも今となっては”忘れられない”ものになってしまいました。

 スコアさんの歌やドラマで印象的なものは、たくさんあります。そのひとつに、「いつか星になったら」というオリジナル曲があります。2ndCDアルバム「アラカルト」に収録されています。スコアさんが、いつか私の命も果てる時が来る、と言い、星になるだろう…と歌うのです。とても印象的な歌なのですが、今まで怖くて、あまり聴けませんでした。いつか、その時が来るとは思う。でも、考えたくない。そんなの嫌だ。…その時が来てしまいました。あまりにも突然に。星になったスコアさん…演劇を、音楽を、私達を見守っていてほしいと同時に、シャープ君がその返事に歌った2番も思い浮かべます。スコアさんの星へロケットに乗って行く…ことは出来ないと思いますが、「クインテット」を観て聴いて、スコアさんの歌を聴けば、またスコアさんに会える。以前、アキラさん・宮川彬良さんが、人は死んでも、音楽は、作品は残る、と仰っていました。スコアさん・斎藤晴彦さんの歌は、演技は、作品は残り続ける。そう思います。

 「クインテット」で斎藤さんを知って、「クインテット」以外の活躍も観れる範囲で観てきました。「ロボット8ちゃん」のバラバラマン。「赤い夕陽のバラバラマン」の歌はコミカルだけど哀愁漂い、かっこいい。「クインテット」でも披露したクラシック音楽早口替え歌も楽しい。twitterで斎藤さんに関するツイートを検索したら、皆それぞれ思い出に残る作品を挙げている。その多様、多彩なこと。「レ・ミゼラブル」テナルディエ役他、舞台作品も。斎藤さんの舞台を観たかった、スコアさんとはちょっと違う斎藤さんを観たかったなぁと思うばかりです。

 上に挙げたNHKのニュース動画で、以前ゲスト出演した「N響アワー」の映像も流れていて、これも覚えています。録画(VHS)まだ持ってます。シューベルト「冬の旅」を日本語で歌っているとの話もされていました。「クインテット」でも、シューベルト「ます」、ヴェルディ「女心の唄」(歌劇「リゴレット」より)など、歌曲やオペラのアリアを歌うこともあり、クラシック音楽を楽しんでいた、「クインテット」に適任だった方だなぁ…と思っています。

 NHKで、斎藤さんの追悼番組を放送するのか気になります。ただ、追悼番組と言うかたちで「クインテット」が再放送されるのはとても複雑です。放送終了してしまった「クインテット」が再放送されるのは、いつもなら嬉しいのですが…いや、「クインテット」の雰囲気でいくなら、明るく送り出したい気持ちでもあります。

 長くなりましたが、スコアさん・斎藤さんの思い出を語ると止まりません。今も、クインテットの音楽を聴きながらこれを書いています。

 スコアさん・斎藤晴彦さん、たくさんのすてきな歌をありがとうございました。どうぞ、ゆっくりと休んでください。ご冥福をお祈り申し上げます。ありがとうございました。

 最後に、追悼イラスト描きました。でも、スコアさんはなくならないよ!スコアさん、スコアさんの魂はきっとずっとなくならないよ!
f0079085_1653144.jpg


 ちなみに、モデルは、ピアニスト・ヴィルヘルム・ケンプのCDジャケット写真です。

【関連過去記事】:クラシック音楽自由自在
 斎藤晴彦さんのクラシック音楽エッセイ。舞台に関することも書いてます。
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by halca-kaukana057 | 2014-06-29 17:05 | Eテレ・NHK教育テレビ

フォーレを聴こう その1「シシリエンヌ」

 最近、よくフォーレを聴いています。最近気になっている作曲家です。これまで、フランス近代ものはあまり聴いてきませんでした。どうもフランス近代もの、とりわけドビュッシーに苦手意識があったから。しかし、以前、サン=サーンスやプーランクに興味を持ち、聴いて少しずつその苦手意識も無くなってきました。最近、またプーランクも聴いているのですが、同時に気になっているのがフォーレ。合唱曲や歌曲(今年はオペラ・声楽強化中ということで)、室内楽、ピアノ・器楽曲を中心に聴いています。が、これまでの持っているCDや図書館から借りたCDを調べてみたら、ほとんどフォーレが出てこない…!有名な曲はいろいろあるのに、全く眼中に無かった…。自分でも驚くほどでした…。

 まず、取り上げるのがフォーレの超有名代表作「シシリエンヌ(Sicilienne)」。「シチリア舞曲」、「シシリアーノ(シチリアーノ)」とも表記されます。「シシリエンヌ」だとフランス語表記ですね。劇付随音楽「ペレアスとメリザンド」op.80の第3曲(声楽つきの「メリザンドの歌」が入る場合だと第4曲)。「ペレアス~」は様々な作曲家によって音楽がつけられたり、オペラにもなった戯曲。これまで、シベリウスの「ペレアス~」ばかり聴いてきました。フォーレのは、もともとはチェロとピアノのために書かれた曲(op.78)でした。

 あまりにも有名で、これまで、オーケストラの小品、アンコールピース程度にしか思っていませんでした…ごめんなさい…!集中してよく聴いてみると、とても美しい。とにかく美しい。オーケストラ版は、フルートのソロにハープや管弦楽がやさしく呼応する。この曲はト短調。そういえば短調だった。しかもト短調は荘厳で少し重めの調性。モーツァルトにとっては特別な調性として有名です。モーツァルト(交響曲第25番、第40番、弦楽五重奏第4番)だと重く暗く響くのに、フォーレだと雰囲気が違う。これは面白い。

 もともとのチェロとピアノでの演奏は、チェロの落ち着いた内面を押さえた音が深い。ピアノも静かに寄り添っている。オーケストラでも、チェロとピアノでの演奏でも、4分程度の短い小ロンド形式の曲なのに、ひとつの物語になっているように感じる。聴いているとじわりとこみ上げてくることもある(疲れているのか…?)。ちなみに、聴いたのはフレデリック・ロデオン(Vc)、ジャン・フィリップ・コラール(P)盤。

 この曲は様々な楽器で編曲されて演奏されていますが、どんな楽器で演奏してもいい。ミカラ・ペトリのリコーダー版は、フルートとはまた異なる笛の音。フルートよりも素朴であたたかい。今日、偶然ラジオでN響オーボエ奏者の池田昭子さんのオーボエ版も聴いたが、これもきれい。オーボエの透き通る音色が爽やか。
 動画サイトでピアノソロ版も聴いたのですが、しっとりと、どこか憂いがある。他にも様々…。オーケストラ版もたくさんあるので、聴き比べが楽しそう。今後も様々な版で聴いてみようと思っています。

 これまで、ほとんど気にしてこなかった、軽く聞き流していた曲なのに、あらためて聴いてみると惹きこまれることがある。フォーレの「シシリエンヌ」は、私にとってそんな存在の曲になりました。「ペレアスとメリザンド」全曲もまだちゃんと聴いていないので、こちらも。
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by halca-kaukana057 | 2014-05-30 22:37 | 音楽

静けさの中から ピアニストの四季

 1年以上も前に本屋で見つけ、無性に気になり、物凄く惹かれたので購入。その後、何度も何度も読み返している本。いい加減感想書こう…と何度も思ったのに感想を書けずにいる本。


静けさの中から ピアニストの四季
スーザン・トムス:著/小川典子:訳/春秋社/2012

 著者はイギリス人のピアニスト。ピアノソロ演奏の他、「フロレスタン・トリオ」というピアノ三重奏団を組んでの演奏活動もしている。演奏会などで各地を旅し、その旅先で出会ったものや人々、演奏会でのこと、子どもの頃ピアノとどう向き合っていたか、演奏する作曲家について、聴いた他の演奏会のこと、家族のこと、ふと見たもの聞いたこと考えたこと…トムスさんの「音楽家の日常」に触れられる本です。

 サブタイトルに「ピアニストの四季」とあるのですが、12ヶ月間に分けて、日記のようなエッセイになっています。読んで思ったのが、トムスさんの目の付け所がとても鋭い。しかもそれを読み手にまっすぐ届くような言葉で表現している。素直で、飾らない。時にユーモアも交えて。同じくピアニストである小川典子さんの訳もすばらしいのだろう。音楽のことも、音楽に関係ないことも、「音楽家」の視点だったり、一般人とあまり変わらないような視点で語られる。ピアノや楽譜、音楽に向き合うのは、楽しいけれど、サボりたいと思うこともある…プロの演奏家でも練習が嫌いなこともあるのか、とちょっと身近に感じてしまうことも。それでも、「芸術」を希求する心が表現する文章の強さに、何度も何度も読み返してしまっています。

 もうひとつ、読んでいて思ったのは、「音楽家」といっても、「芸術家」と「優等生」に分かれるのかな、ということ。楽譜の通り、間違いなく演奏している生徒の話が出てくるのだが、それだと「優等生」になる。音楽だけじゃない、この本ではスポーツやバレエなどについても語られているが、ただより速く、より高く、より遠く、正確にやって勝てることもあるけれど、「芸術家」はそれだけではない。身体の一連の動きや演技の流れが自然で、かつ高度。難易度の高い技をやっても、無理をしていると感じさせない。技巧の他に何かがある。それを、私達は「芸術性」と呼び、スポーツでも芸術的な面、表現力が評価の対象、得点に関わるものもある。音楽は芸術のひとつだが、私はこれまで、音楽が「芸術」であることを忘れていたかもしれない…と読んでいて冷や汗をかきました。「芸術」とは何か。表現力とは何か。技巧・テクニックだけがよくても、表現力がなければ…と思っていたけれども、その表現力って何?しかも、音楽・演奏は、その時その場限りのもの。二度と同じ演奏は出来ないし、録音してもその時の演奏をそのまま再生できるわけではない。一瞬の一音一音にこめるものの大きさを実感し、その中で何をどう表現するのか。今も考えています。

 「優等生」は、ひたすら練習、努力する。「芸術家」も人の何倍も練習、努力しているけれども、他の人には真似できない繊細な動きや、楽譜からより多くのことを読み取って演奏で表現する。それは才能だけなのか。どんなに小さい頃から音楽の勉強をしても、プロの音楽家になれるのは一握り。さらに、第一線で活躍するとなれば、一つまみぐらいのものだろう。音楽をやる=プロになる、ではない。技巧がおぼつかないアマチュアの演奏でも、心惹かれる時もある。「優等生」と「芸術家」。音楽を少しかじっている者としても、この違いは、何なのだろう…考えてしまっています。

 という私の悶々とした問答はさておき、本当に面白い本です。トムスさんが接した演奏会の聴衆の不思議な、奇妙な言動も笑えるけれども、自分はさてどうだろうか…と自らを省みる。世の中に音楽はあふれている。その音楽の中から、音楽を通して、トムスさんは様々な発見や問いかけをしてくる。何度読んでも面白いです。

 と、読んだのはいいが、トムスさんは一体どんなピアニストなのだろうか。演奏を聴いたことが無い。この本を読むまで、トムスさんのことも存じ上げませんでした。聴いてみよう。
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by halca-kaukana057 | 2014-05-29 22:32 | 本・読書

皆でたのしむ「キッズソング」 NHKFM「今日は一日NHKキッズソング三昧」

 今日のNHKFMの特集番組「今日は一日“家族三世代NHKキッズソング”三昧」。10時間たっぷり楽しんでしまいました。久々にNHK教育好きの血が騒ぎました。最近の、Eテレに移行してからの新しい番組はほとんど観てません。なので、昔の懐かしい番組も、少し前の番組もOKというこの企画はたのしみにしていました。

NHK-FM:今日は一日○○三昧(ざんまい):今日は一日“家族三世代NHKキッズソング”三昧
 放送された曲のリストがあります。

・参考: Twilog:遼 【ゆっくり運用】(@halcakaukana)/2014年05月05日
 今日の私のtwitter。すみません、実況してました。お騒がせしました…。

 10時間の長丁場。坂田おさむお兄さんと神崎ゆうこお姉さんの生歌に感動。現役のキャラクター、懐かしのキャラクターたちがゲストで遊びに来て、番組からは解放(?)されたようなフリーダムな会話に爆笑。懐かしのキャラクターたちの同窓会のような雰囲気で、今も元気なんだなと声が聴けて嬉しかった。

 一方で、これはキッズソングじゃないだろう…という曲も流れてげんなりしたり。ゲストがいくらNHKキッズソングに欠かせない方だからとは言え、あまりにも方向性が違う。脱線し過ぎで…。この辺りは番組の趣旨を考えて欲しい。

 というのもありましたが、全体としてはとても楽しかった。改めて、「こども向け」の歌と言いつつも、大人も子どもも関係なく楽しめるのが「キッズソング」。易しいけれども意味が何通りにもとれる歌詞。一緒に踊ったり、すぐに覚えて口ずさめる曲。身の回りの身近な出来事やもの。言葉にするよりもストレートに伝わる感情…悲しみもさみしさも皮肉も恥ずかしさも…。子どもの頃は何気なく歌っていた歌も、大人になって聴くとあれ?と思う発見があったり。楽しくて、深くて、しんみりして、じんわりと来る。そんなキッズソングの魅力を堪能しました。

 懐かしい歌もいくつもあったなぁ。あと、一昔前の「みんなのうた」の童謡は、歌手も歌がとてもうまくて、今とは違う雰囲気がよかった。声楽・クラシックのような歌い方をする歌手が今のEテレにはいないと思うのだが、「みんなのうた」などでそんな本格的に歌う歌があってもいいなと思った。

 私の気になるポイント…「クインテット」から何曲流れるか。リクエスト送りまくりました。が、「鉄道唱歌 山手線」と「ニドネノサンバ」の2曲だけでした…。少ない…。
 「ピタゴラスイッチ」も意外と2曲だけ(「こたつたこ」「アルゴリズムたいそう」)。

 是非、来年も第2回をやって欲しいです。さらに「クインテット」からの歌を流す意味でも(相変わらずですw
 第2回の時は、「みんなのうた」は「みんなのうた三昧」もあるし、アニメは「アニソン三昧」もあるので、その辺の境界をどうするか考えて欲しいなぁと思います。
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by halca-kaukana057 | 2014-05-05 23:30 | Eテレ・NHK教育テレビ


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