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オペラ事始・番外編 オペラ歌手が本気で歌のたのしみを伝える声楽アンサンブル

 オペラ・声楽をもっと聴いてみようと色々手をつけてみています。こんな時便利なのが、テレビやラジオでの放送。過去の名演から、最近のオペラ公演・演奏会まで放送してくれるのがありがたい。しかも放送だと、全く知らない歌手・曲にも巡り会える。そこから興味を持ってハマってしまうことも多い。と言うわけで、オペラ・声楽関係の番組は片っ端から録画し、ラジオも聴けるものは聴いています(出来れば録音も)。クラシック音楽を聴き始めた頃も、こんなことをしていたなぁ。今もクラシック番組は片っ端から観て聴いて録画録音しています。

 先日、テレビの番組表を見ていたら、「びわ湖ホール四大テノール演奏会」というのが合った。NHKBSプレミアムの「クラシック倶楽部」。びわ湖ホール?四大テノール?声楽だし、これも録画しておこう…と予約し、今日放送、観ました。
 観て、なんだこれは!!?ぶっ飛びました。めちゃくちゃ楽しい、面白い!!

NHK番組表:クラシック倶楽部 びわ湖ホール四大テノール演奏会
◇この公演のお知らせ:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール:2014年1月22日:びわ湖ホール四大テノールコンサート

◇公式:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール:びわ湖ホール四大テノール
◇非公式まとめ:NAVERまとめ:【BST】びわ湖ホール四大テノールがすごい!【Biwako Super 4 Tenors】

 メンバーは、関西を中心に活動している若手テノール歌手。清水徹太郎さん、竹内直紀さん、二塚直紀さん、山本康寛さん。それぞれ、オペラなどでも活躍している。昨年の日本音楽コンクール声楽部門では、清水さんが入賞、山本さんが2位を受賞。この日本音コン声楽部門も、昨年末に放送され、「こんなこともあろうかと」(ないw)録画しておいたので、再び見直しました。お二人とも豊かな声、表情。伸びやかな歌に聞き惚れました。日本音コン、他の受賞者の方々の歌も素晴らしかった。

 話を元に戻して、「四大テノール」演奏会。いつものこの番組なら、演奏者のインタビューが入ったり、すぐに演奏が始まるのだが、何故か開演前のホールの様子が。そして開演前のアナウンス(カゲアナ)。何故そんなものを?と思ったら、内容がぶっ飛んでたw
「携帯等を鳴らしたら、メンバーが一緒に歌います」
「公演中の会話は、メンバーへのブラボーや日本一!等以外はお控えください」
「メンバーが客席のそばを通っても、触ったり、エサをあげないでください」
(※全て意訳です)

 なんだこれはww場内のお客さんも笑っている。

 そして演奏会スタート。「琵琶湖周航の歌」から、リーダーでMCの竹内さんメンバー紹介。4人それぞれのヴェルディやプッチーニ、レオンカヴァルロ、ドニゼッティのオペラアリア独唱集。テノールと一言で言っても、個々人で声の雰囲気も質感も異なる。オペラそのものは知らないものもあるのですが、実際オペラでもこんな風に歌っているのだろうなと思うと、劇場でオペラそのものも聴きたくなります。こういうところからオペラに入っていくのはいいなぁ。

 4人での迫力ある「タイム・トゥ・セイ・グッパイ」のあとは、「テノールdeコント」…コント?ロッシーニ「猫の二重奏」を、日常風景で再現。ネコの被り物をした竹内直紀さんと二塚直紀さんが、夫婦コントをwニャーニャーとネコの鳴き声で歌いながら会話、サラリーマンの夫と妻、飲んで遅く帰って来た夫と、それを怒っている妻。おかしくて爆笑しました。これ、会場で生で観たら大変なことになりそうですw
 ちなみに、コントを考えているのも、リーダーの竹内さんだそうです。

 更に、NHK繋がり?で「あまちゃん」が。あのテーマ曲のピアノ演奏が流れると、出てきたメンバーは「北の海女」の扮装、アキちゃん、ユイちゃん、夏ばっぱ。歌うは勿論「潮騒のメモリー」!後から太巻さんも出てきたwテノール4人で「潮騒のメモリー」は新鮮でした。アキちゃん&ユイちゃんの可愛らしい歌、春子さんの清楚な歌、鈴鹿さんのしっとりとした歌もいいですが、テノール四重唱もいい!

 そして名物だというクリスタルキングの「大都会」。扮装がまた笑えますが、歌は本気。「♪あーあ~果てしない~」たっぷりの声量でハーモニーもきれい、高音も伸びやか。凄い。高いド(ハイC)が出てくるテノールにとって難易度の高い歌らしい(実際大変そうな表情をしていた)のですが、迫力満点です。

 「サンタ・ルチア」や「カタリ・カタリ」などのイタリア・カンツォーネ・メドレーは馴染み深い歌を豊かに楽しく歌っていて、ますます楽しくなる。「ヴォラーレ」はジャズ風でかっこいい。「フニクリ・フニクラ」は2番が「鬼のパンツ」の歌詞wあの振りもちゃんと付いてます。子ども向けのコンサートをすることもあるそうで、これは子どもたちも喜ぶだろうな。凄い歌のお兄さんたち…。「おかあさんといっしょ」にゲスト出演して、だいすけお兄さん(国立音大卒、同じくテノールです)と一緒に歌って欲しい…なんてw

 「アンコールは、第3部です」とツッコミたくなるようなMCで始まったアンコール。レハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」から「女・女・女」は、踊り出し、その踊りもEXILE風w最後は扇の組体操でキメるwあんな踊りをしながら、あの声量・発声で歌うのは大変そう…と思いつつ、それをやってのけるのオペラ歌手の本気の実力に脱帽しました。しかも笑いまで取るなんて。
 「オー・ソレ・ミオ」も4人のハモリと同時に高音を競って出しているサービスも。楽しい放送でした。
 ちなみに、放送ではカットされてしまった曲、曲順の違いもあるそうです。「潮騒のメモリー」も実際にはアンコールだったそう。


 これまで、声楽のコンサートには何度か足を運びました。でも、日本の歌曲や童謡・唱歌、好きな作曲家歌曲(ドイツリート、シベリウスの歌曲)ぐらい。イタリア語もフランス語もわからない。オペラも詳しくない…ということで、声楽のコンサートはちょっとハードルが高いと感じていました。オーケストラ、室内楽なら、知らない曲や作曲家の作品でも聴いてみようと思うのに、オペラのアリアや歌曲になると、「歌詞がわからないから…」という壁を作ってしまう。語学の壁。日本の歌曲でも、親しみやすいとは言えない現代作品もある。歌い方も独特。それでも、歌そのものに惹かれれば、語学の壁だろうがなんだろうが聞き入るのだろうが…なかなかそんなコンサート・歌手には出会えていません。

 しかし、このびわ湖ホール四大テノールは、クラシックから民謡・唱歌・歌謡曲にコントまで、ジャンルの壁を取っ払って、歌のたのしみを伝えようとしている。テノールという声域もちょうどいい。明朗で快活、且つ男声の迫力もある。そして、先述したとおり一言でテノールと言っても、声の高さや質、声色は異なる。4人できれいに揃い、ハモる。そんな歌で、クラシックのオペラも、馴染み深い流行歌やカンツォーネ、民謡・唱歌も全部「歌」なんだよ。「歌」の世界はこんなに広くて、楽しいよ!と伝えている。メンバーの想いが伝わってきました。
 これはいつか生で聴けたらいいなと思う声楽アンサンブルです。この録画は永久保存版にします。

【ふと思ったこと】
・滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール…立派な劇場、ホールじゃないですか!!これが「県立」なのだから凄い。滋賀県羨ましい…我が居住自治体が貧弱過ぎる…(音楽面では。他の面では、公立でも充実しているところもある。どこかがいいと、どこかがよくない?)

・この「びわ湖ホール四大テノール」のノリ…「宮川彬良&アンサンブルベガ」のノリに似ている!wテノールアンサンブルか、室内楽かの違い。
 アンベガも、日本各地のオーケストラのコンサートマスターや首席奏者を集めた実力派揃い。宮川彬良さんの軽妙なMCと、原曲の魅力をふんだんに味わえる編曲のクラシック名曲の数々。宮川さんが作・編曲しない純クラシック作品の演奏もある。そして、実力派のメンバーが普段は見られない一面を見せてくれるコントと巧みな演奏で、音楽を読み解いてしまう「音符の国ツアー」。…この「クラシック倶楽部」の枠で出来るじゃないですか!!放送の検討を、前向きにお願いします!
 NHK教育「クインテット」の演奏を担当したメンバーがいるアンサンブル、というNHK繋がりもありますし。アンコールの「ゆうがたクインテット テーマ」は外せませんね。と言うことで、検討お願いします!!


 今日はFMで新国立劇場の「カルメン」の放送も。途中から聴いたのが残念でしたが、全曲になるとこうなるんだ、と聴いていました。再放送されないかなぁ。録音したい。
 ということで、オペラ・声楽堪能の一日でした。
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by halca-kaukana057 | 2014-03-21 23:19 | 音楽

アバドのたのしい音楽会

 先日亡くなられた指揮者、クラウディオ・アバド(Claudio Abbado)。その訃報が流れた時に、この本の存在を知りました。アバドの演奏と共に読んでみました。


アバドのたのしい音楽会
クラウディオ・アバド:文/パオロ・カルドニ:絵/石井勇・ 末松多壽子:訳/評論社・児童図書館・絵本の部屋/1986

 アバドが子どもたちに音楽の魅力や楽しさを優しく語りかけている本です。音楽一家に生まれ、子どもの頃から音楽に囲まれて暮らしていた。ヴァイオリニストの父の演奏、更にはミラノ・スカラ座オーケストラを聴いて感動し、指揮者になりたいと決意。それからピアノを習い始め、家族でも、様々な機会でも演奏をし、そして指揮者になった。
 後半は室内楽やオーケストラの規模や仕組み、楽器の種類とそれぞれの個性、指揮者の役割、オーケストラやオペラの練習と本番など、詳しく親しみやすく説明してある。


 ヴァイオリニストの父が練習・演奏するのをそっと見て、聴いていた。その父がヴァイオリンを演奏している時の表現が素敵だ。
ある日、魔法のような音にひかれて、居間にそっと近づいてみると、ドアがちょっと開いていて、なにかぼくにはわからない言葉でバイオリンに話をさせているパパが見えた。それは、とても美しい言葉だった。ぼくは、ドアのかげにかくれたまま黙って聴いていた。パパとバイオリンとの魔法の対話を邪魔してはいけないと思ったからだ。
(4ページより)

 そしてミラノ・スカラ座でのコンサートを聴いて、指揮者になると決意し(後に本当にミラノ・スカラ座を指揮する指揮者になってしまうのだから凄い)、ピアノを習い始める。ある日父のヴァイオリンの伴奏をすることになった時の話も印象深い。思うようにいかない。ヴァイオリンについていけない。その時、父がこう教えてくれた。
誰かといっしょに音楽をやるときには、自分がうまく弾けるとか、よい耳を持っているとかいうことはそれほど重要ではない。音楽的”対話”のある伴奏とは、その会話を感じとり、受けいれ、その神秘的な意味の端々まで完全に理解することなのだ。音楽においても日常生活においても、ほかのひとの言うことに耳を傾けることが最も大切なのだ
(15ページ)

 父が大事にしていた音楽的”対話”。耳を傾け、意味を理解しようとする。音楽というものを、とても神聖な、手で優しく包み込むような大事なものと考えて、指揮・演奏されていたのだなと思う。ちなみに、音楽評論家の故・黒田恭一さんの「尋ねる耳」の話を思い出しました。

 指揮者の役割や、オーケストラの仕組み、楽譜や楽器のこと、コンサートまでの練習…特にオペラについては詳しく書いてある。指揮者は一体何をしているの?オーケストラはその指揮者の何・どこを見て演奏しているの?オーケストラには色々な楽器があるけど、それぞれどんな楽器なの?オペラって何?交響曲・協奏曲って何?どんな練習をしているの?…普段からクラシック音楽に親しんでいる人ならなんてことないことだが、高尚で、近寄りがたい雰囲気がする…クラシック音楽家って一体どんな人たちなの?そんな疑問にも答えてくれます。これは子どもたちだけでなく、大人にも一読をおすすめしたい。もし、初めてクラシックコンサートに行く機会が出来たなら、この本を読んでから行くことをおすすめします。楽器のイラストも精巧で、きれい。弦楽器やオーボエ、トランペットなどの精巧なスケッチがとてもきれいで、見惚れてしまいました。全体像を見たい、全部の楽器で見たい!と思うほどでした。楽器って、描くのが本当に難しい…。

 最後に、アバドから、音楽家を志す人、よい聴衆になるであろう人々へのメッセージが書かれています。音楽を「聴く」とは。作曲された作品、音楽と実社会は常に密接な関係を持っていること。そして、もしよくわからない音楽に出会った時に心に留めておいてほしいこと。
君たちが、なんだかよく理解できそうもない音楽を、初めて聴いたとき、「つまらない」の一言で片付けてしまわないでほしいということです。私も、現代の新しい音楽を耳にして、まごつくことがあります。それでも、自分が理解できなかったからといって、一方的にドアを閉じることはしません。私は、どんな音楽も、よく聴いて学ぶ努力をしています。その音楽も一つの表現として、私たちの時代を、歴史を、そして私たち自身を語っているのだと確信しているからなのです。
(49ページ)


 私は、アバドの訃報を知るまで、それほどアバドの演奏を聴いてこなかった。全く恥ずかしいことに、アバドが大指揮者であることも知らなかった。何曲かは録音は持っていたので、訃報の後聴いてみた。そして、今、オペラも聴き始めたこともあって、アバドの演奏に前よりも耳を傾け始めた。好きな演奏も見つけ始めている。訃報の時、twitterでアバドの来日公演に行った、生であの演奏を聴いた、というツイートをいくつも見かけた。私にそのチャンスは無い。CDやDVDなどで触れるしかない。しかし、それらの演奏・指揮をしていた時、アバドはこの本に書かれていることを忘れずに演奏していたのだろう。アバドの演奏を聴いて、アバドがその時代を、歴史を、この世界をどうとらえて、どう表現しようとしていたか、じっくり耳を傾けたい。

 アバドは、若手の育成にも力を入れていた。ユースオケを作り、指揮をして支え、若い音楽家たちを育てていた。この本も、そんな気持ちで書かれたのだろう。アバドが伝えたかったことは、演奏でも、この本の言葉でも、残って受け継がれていっている。今更かもしれないけれど、私もアバドの言葉・音楽に触れられてよかった。

 この本の中で、アバドが子どもの頃ミラノ・スカラ座で聴いて感動したという、ドビュッシー「ノクターン」(Nocturnes)より第2曲「祭り」(Fêtes)。聴いたことが無かったので、探しました。
C. Debussy - Nocturnes ( Fetes at Argenteuil ) - Claudio Abbado

 トランペットに、近づいて遠ざかる音に、ワクワクする。子どもの頃の感動を思い出しながら演奏していたのかなぁ。


 ちなみに、昨日、こんなことを書いたけれど、この本を読んで、「優劣」「うまい・へた」よりも気にすべきことがあると実感しています。もっと大事なことがある。
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by halca-kaukana057 | 2014-03-17 22:55 | 本・読書

オペラ事始 その2 ビゼー「カルメン」(ハイライト)

・前記事:オペラ事始 その1 オムニバスから始めてみる

 今年は私にとってのオペラ・声楽強化年ということで、引き続き色々と聴いてみています。これまで、オペラに抱いていたイメージは、「長い」「物語が難しい、理解しづらい、とっつきにくい」「派手すぎる」「オペラの歌い方に耳が慣れない」「外国語の歌詞で意味がわからない」「地方では生の舞台に触れる機会が非常に少ない」「チケットが高い」などなど…(こうやって並べると随分と酷い…)。更に、歌手と配役、声域が覚えられない。また、歌劇・オペラとミュージカルの違いはわかるようになった。しかし、グリーグ「ペール・ギュント」やビゼー「アルルの女」、メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」、フォーレ/シベリウス「ペレアスとメリザンド」、バルトーク「中国の不思議な役人」などの演劇は劇中歌、合唱もあるし、オペラには入らないのか…(何となく違いはわかるのだが、何となく。はっきりとはわからないまま)。わからないので、オペラに関する本を読めば、わからない用語ばかり。結局わからない…。これが、これまでオペラを敬遠していた理由です…。

 今は、理論や知識よりもまず聴いてみる。ということで、オムニバスから始まって、聴きやすそうなもののハイライトを聴こうというところまできました。選んだのがこれ。

ビゼー : 歌劇「カルメン」ハイライト

テレサ・ベルガンサ(MS)、プラシド・ドミンゴ(T)、イレアーナ・コトルバス(S)、シェリル・ミルンズ(Br)/アンブロジアン・オペラ合唱団、ジョージ・ワトスン・カレッジボーイズ・コーラス/クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団/ポリドール



ビゼー:歌劇「カルメン」(ハイライト)

レオンスタイス・プライス(S)、フランコ・コレルリ(T)、ロバート・メリル(Br)、ミレルラ・フレーニ(S)/ウィーン国立歌劇場合唱団、ウィーン少年合唱団/ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーンフィル/ SMJ



 「カルメン」は「前奏曲」も有名ですし、ハバネラ「恋は野の鳥」、闘牛士の歌「諸君の乾杯を喜んで受けよう」など歌も有名なものが多く、聞きやすい。最初は物語や歌詞はあまり見ずに音楽や歌を聴いてみてから、物語や歌詞、誰(音域も)がどの歌を歌うのかを、ライナーノートを読みながら追っています。面白い。ドラマティックな恋物語。しかもラストが切ない…(オペラになかなか親しめずにいたのは、悲劇であることもひとつの理由でした。悲劇が嫌いなわけではありませんが、重い)
 物語を追いながら歌を聴いていると、オペラ特有の歌い方が合うと感じます。情感豊かに、ふくよかな迫力のある声量。これがマイク無しで、広いホールにオーケストラをバックに歌い響かせているのだから凄い。

 まず聴いたのが先日亡くなったアバド盤。闘牛士の歌の冒頭で、合唱の人々が雄叫び(掛け声?)をあげるのが、気持ちが高揚してていいなと感じます。
 カラヤン盤は、同じハイライトでも収録曲が若干違う。こうなると次は全曲か。まだ誰がどの歌を歌っていて、物語全体が把握できてないので、もう少しハイライトで楽しみます。ちなみに、「カルメン」は台詞を普通に語っているものと、後にグランド・オペラ形式になった台詞がレチタティーヴォになっているものの2種類があるそうで、全曲を聴く場合はどちらの形式なのか把握しておいた方がいいらしい。ふむふむ…。

 オペラ事始めの道、まだまだ長い道程です。でも楽しい。面白い。「カルメン」はフランス語ですが、ヴェルディやプッチーニなどのイタリアオペラ、モーツァルトやワーグナーはドイツ語。ヨハン・シュトラウス2世「こうもり」やレハール「メリー・ウィドウ」のようなオペレッタ(喜歌劇)もある。やっぱり長い道程だ…。
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by halca-kaukana057 | 2014-03-06 22:34 | 音楽

オペラ事始 その1 オムニバスから始めてみる

 昨年末と、年初めに、今年はオペラを聴く、と書いた。少しずつ聴いています。これまでクラシック音楽は聴いてきたけれど、オペラは敬遠してきた。有名な作品の序曲は何となく知っている程度、アリアもわからないものが多い。歌手・声楽家も名前は聞いたことがあっても歌はあまり聴いたことがなかった。声楽は歌曲ばかり聴いてきたからなぁ…。というわけで、オペラ分野に関しては全くの初心者。クラシック音楽を聴き始めたころのことを思い出す。手当たり次第、図書館でCDを借りて聴いてみる。今また同じようなことをしています。

 1作品丸ごと聴くのがいいのだろうけど、まずはオペラの歌・歌い方に慣れるつもりで、オムニバスCDから始めています。

清きアイーダ (不滅のオペラ・アリア集)〔男声篇〕

オムニバス(クラシック)/ EMIミュージック・ジャパン


 まずこれ。ヴェルディ「アイーダ」より「清きアイーダ」や、「リゴレット」より「女心の歌」、ビゼー「カルメン」より「闘牛士の歌」や「花の歌」、モーツァルト「フィガロの結婚」「ドン・ジョバンニ」「魔笛」、ロッシーニ「ゼビリャの理髪師」より「何でも屋の歌」、そして「プッチーニ」より「誰も寝てはならぬ」などなど、「これなら知ってる」「聴いたことがある」という曲ばかり。歌詞はあまり見ずに、まずは歌声そのものを楽しんでいます。
 この中に、ワーグナー「タンホイザー」より「夕星の歌」があるのですが、歌っているのはご存知名バリトン、フィッシャー=ディースカウ。フィッシャー=ディースカウと言えば、シューマンやシューベルトの歌曲でばかり聴いてきました。そうか、オペラも歌うんだ(当たり前だ)。新鮮でした。

 こんなCDもありました。

テノール御免! バリトン&バス名デュエット集

トーマス・ハンプソン(Br),サミュエル・レイミー(B)/ミゲル・ゴメス=マルティネス指揮ミュンヘン放送管弦楽団/ ダブリューイーエー・ジャパン


 タイトルで惹かれて聴いてしまったwテノールは一切出てこない、バリトンとバスだけのオムニバス。テノールの伸びやかな歌声も好きですが、渋く物語を引き立てるバリトンとバスが好きです。楽器でも低音の楽器の方が好みなのですが、声域でも低音が好きらしい。こちらは知っている曲はあまりありませんが、聴いてみていいなと思う作品はありました。

 ちなみに、どちらも男声だけ。そういえば、合唱曲はこれまでそれなりに聴いてきましたが、男声合唱が好きだったなぁ…。可憐なソプラノ、迫力のあるメゾソプラノや落ち着いたコントラルト(アルト)の女声も好きですが、どうしても低い方に惹かれがちです。

 ここから、気になる作品を全曲で聴いてみることにします。有名な歌オムニバスから始められるのは、オペラの入りやすい点かも知れないなと思っています。交響曲も有名な楽章だけ聴いて、その後全楽章聴いてみるという手もありますが、私はあまりやらなかったなぁ。ピアノソナタや管弦楽組曲ならその手も使っていたのに、交響曲だけは最初から全曲聴くスタイルでした。何故だろう。
 オペラでクラシック音楽を聴こうとした初心に戻ってみる。いい機会です。
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by halca-kaukana057 | 2014-02-03 23:02 | 音楽

森のうた 山本直純との芸大青春記

 お友達に教えていただいて、興味を持ったので読みました。


森のうた ―山本直純との芸大青春記
岩城宏之/講談社・講談社文庫/2003
(単行本は1987年朝日新聞社、1990年朝日文庫で文庫化)

 昭和27年、東京藝術大学の器楽科の2年生で打楽器を専攻していた岩城宏之さんは、作曲科の1年生にすごいのがいる、とその男を紹介された。初対面の挨拶は「イヨーッ」となれなれしく、服装もちょっと変わっていた。しかし、凄い才能の持ち主だという。それが、山本直純さんだった。

 親しくなった岩城さんと山本さんは、副科で指揮を選択する。その先生はあの渡辺暁雄さん。学内オケで実際に指揮をする授業もあったが、勉強不足で臨んでしまい、渡辺先生に怒られてしまう。そして何とか指揮がしたい、指揮をする機会をつくろうと、学内の有志のオーケストラ「学響」を立ち上げることに。最初は練習に誰も来ず、もどかしい想いをしていた2人だったが、徐々にメンバーも集まり始める。渡辺先生のもとでの勉強、2人で意見を出し合い批判しあったこと、「学響」での練習・指揮、恋の思い出、N響やカラヤン指揮のコンサートにもぐりこんだこと、「学響」の演奏会。2人の友情と音楽の日々が綴られています。

 岩城宏之さんに関しては、「フィルハーモニーの風景」などを読んでいた(感想を1記事も書いていないことに気がついた)。山本直純さんに関しては、以前読んだ「やわらかな心をもつ ぼくたちふたりの運・鈍・根」(小澤征爾・広中平祐)で「オーケストラがやってきた」で山本直純さんにも触れていた。とは言え、「オーケストラが~」を私は観たことが無く、岩城宏之さんの指揮した演奏もそんなに聴いたことがなく…世代なのかタイミングなのか、残念だなと思う。

 それでも、この本を読んでいて、一昔前の音大生のいい青春だな、と思う。お2人とも、こんな青春時代があって、この時期に沢山の音楽を吸収して、その後活躍していったのだから。山本直純さんがやりたい放題な性格で、岩城さんは少し冷静ではあるけれども、2人がとても痛快で笑える。いい学生の青春時代だ。

 一方、音楽ともなれば2人とも熱心。スコアはなかなか手に入らないけれども、有志オケを立ち上げて、最終的にはショスタコーヴィチの大作「森の歌」を演奏するまでにもなる。それまでの過程がとても熱い。いい熱さだ。渡辺暁雄先生が出てきたのにも驚いた。渡辺暁雄先生のシベリウスは愛聴しているので、こんな先生だったんだと一面に触れることも出来ました。

 そんな岩城さんが、音楽の道を志した経緯も語られます。戦時中、身体が弱かった子どもの頃。その頃ラジオで聴いた木琴奏者の平岡養一さんの演奏を聴いて、おもちゃの木琴から始まり、だんだん本格的に。高校生の頃からオーケストラで演奏もするほどになり、芸大を受験した。この芸大の受験の経緯やエピソードもまたとんでもない。今の時代では考えられない…。

 この本のあとがきで、岩城さんがこの本を書く経緯についても語っている。平成14年、山本直純さんは亡くなり、追悼番組も多かった。映画の音楽や、テレビ番組でも活躍した山本さん。それを観た岩城さんはこう書いている。
どれも確かにナオズミだった。でも、それは一面でしかない。ぼくは、この本を通してナオズミの音楽家としての本質、彼の指揮法への真摯な探究心を、今の人たちにも知ってもらいたいと考えたのだった。
(221ページ)

 私は残念なことにテレビで活躍する山本さんを知らない。もしかしたら、知らなくてよかったのかもしれない。今後、山本さんの生前の映像に触れることがあったら、この本のことを思い出したい。その山本さんは、この本に書かれた学生時代があったということを。

・関連:やわらかな心をもつ ぼくたちふたりの運・鈍・根
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by halca-kaukana057 | 2014-01-27 21:48 | 本・読書

初夢がんじつクインテット 「ニューイヤイヤコンサート」&「ぼくのカゲ」再放送

 昨日元日のNHK教育(Eテレ)「クインテット」リクエスト再放送。番組の放送は終わったのに、年初めから40分間も、普段の4倍も「クインテット」を楽しめて最高でした!
・予告記事:【予告】2014年は「クインテット」ではじめよう 再放送決定!

NHK:Eテレ:お願い!編集長:「クインテット」どうしても見たいものがあります!シャープ君の声を担当されている大澄賢也さんが振り付けし、人形のシャープ君とアリアさんがダンス(タンゴだったかと思います)を踊ったドラマ。「乾杯の歌」で、メンバーが酔っ払ったまま演奏をしているコンサート。…
NHK:Eテレ:お願い!編集長:「クインテット」 「クインテット」と「ハッチポッチステーション」のコラボがあった「ニューイヤイヤコンサート」の再放送をお願いします!…

 この2件の再放送リクエストに応えての再放送でした。「ニューイヤイヤコンサート」は2009年の放送。当時まだVHSビデオで、HDに保存できたのが嬉しい。
 放送されたのは、予告どおり2009年1月2日放送の新年特番「ニューイヤイヤコンサート」(30分)と、2010年6月21日放送のドラマ「ぼくのカゲ」回。「ぼくのカゲ」はお願いどおり、ドラマで来ました。パート3の歌PV版ではありません!リクエストどおりの再放送、ありがとうございます!

・「ニューイヤイヤコンサート」当時の感想記事:あけましてクインテット ニューイヤーコンサート
・「ぼくのカゲ」は新作の回でした(この感想は翌週の再放送の時のものです):チャレンジング・クインテット&レイア様SP! 今週の教育テレビ


 まず、「ニューイヤイヤコンサート」。上にも書きましたが、1月2日の放送だったんです。元日ではなかった。でも、今回元日に再放送。この再放送の後に、本家ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートもあり、「クインテット」とウィーンフィルの両方を元日に楽しめることになりました。元日に「クインテット」の新年特番があればいいなぁと思っていたんです。それが、放送が終了した再放送で実現するとは…!まさに初夢です!

 オープニングはいつものテーマ曲ではなく、コンサート形式で「一月一日」(作詞:千家 尊福、作曲:上 真行)。コンサート形式で歌うのも珍しい。歌は、1893(明治26)年に文部省より出た「小学校祝日大祭日歌詞並楽譜」に掲載されたもの。作詞の千家尊福(せんげ・たかとみ)は出雲大社の宮司さんだったそう。そんな歴史のある歌なんですね。まさに元日にぴったりな歌。

 新春時代劇「鞠と殿様」。歌はCD「エッ!センス?」にも収録されています。冒頭、「ていへんだていへんだー!」と走ってくるシャープ君の背景、「五人囃し」とある。「クインテット(Quintet)」は日本語訳すると「五重奏」ですが、より日本語らしく「五人囃子」…おお!これには初めて気がつきました!「鞠と殿様」のインパクトのある低音が好きです。アコーディオンもいい。
 更に新春大神楽、新春かくし芸、クインテットかるたとミニコーナーと、フラットさんの寝正月など寸劇も盛りだくさん。クインテットかるたでは、フラットさんの口笛「口笛吹きと犬」、シャープ君のにらめっこも。おおう…!パート3の各キャラクターコーナーが。特にシャープ君のにらめっこは久しぶり、放送終了前でもあまり放送されてなかったはず。また、アリアさんがベートーヴェン「交響曲第7番」第1楽章から一部分を披露。全曲聴きたい!と思う華麗な、つややかな音色でした。さすがアリアさん!アキラさんはピアノで新年のご挨拶。このアキラさん・宮川彬良さんがピアノ演奏だけで表現していた「クインテット」、今となっては貴重になったのかなぁ。音楽担当舞台では演奏に徹しているから、そこでは観られるか。ただ、全国区のテレビ放送という場の影響力は大きいからなぁ。

 コンサートは4曲。当時新曲だったヴィヴァルディ「四季」より「冬」第2楽章、チャイコフスキー「くるみ割り人形」、ヨハン・シュトラウス2世「トリッチ・トラッチ・ポルカ」、「美しく青きドナウ」。「くるみ割り人形」は獅子舞付きの特別バージョンです。また、舞台にもお花を飾っている(ように見せて)、ウィーン・フィル・ニューイヤーを完全に意識。「美しく青きドナウ」を本家の前に聴けるなんて、何たる至福。元日から「クインテット」コンサートを4曲も堪能して、幸せだ幸せだ…とひたすらつぶやいてましたw(元日のツイート参照)

 最後は、これも当時新曲「ことしこそ」。元日からこの歌詞wこの「クインテット」のノリ、ユーモア、「あるあるw」というところをついてくる痛切さが大好きです。「目はおこってる」「おわびのスキャット」「ただいま考え中」などなど。脚本・作詞の下山啓さんのセンスが大好きです!

 そしてこの「ニューイヤイヤコンサート」の見どころは、あの「ハッチポッチステーション」との夢の共演。普段からもハッチポッチメンバーからお花が届いたり、影がうつったりしていましたが、はっきりと確認できるほどに出演したのはこの回ぐらい(クリスマス回などでちらりとうつったりもしてましたが)。「ハッチポッチ」も作・脚本は下山啓さん。そして数々の教育テレビの子ども向け番組を生み出した近藤康弘プロデューサーも、「ハッチポッチ」、「クインテット」で下山さんとタッグを組み続けました。このお二方の存在無しに、「ハッチポッチ」も「クインテット」は生まれませんでした。伝説とも言えるこの2作品を生み出してくださったことに、感謝感謝です。

 エンディングは冬テーマ。1月の放送なので冬テーマです。でも、映像は今回のダイジェスト。スタッフエンドロールの仕方もいつもと違います。ここ重要。

*****

 さて、もう1本。ドラマ「ぼくのカゲ」回。上記当時の感想では、ドラマのことについては詳しく書いてなかった。再放送2年間の間も、ドラマは再放送されなかったので。書いておきます。
 手影絵をして遊んでいるクインテットメンバーたち。フラットさんもスコアさんもアリアさんも、手で色々な動物の影絵を作って遊んでいる。アキラさんも真似をしてみている(この表情がコミカル)。シャープ君は感心して見ている。シャープ君の作った影絵は…巨人。スクリーンに近づくと普通の大きさなのに、ライトに近づくとシャープ君の影が大きくなって巨人のよう。影って面白い!と話す4人。
 ここで「巨人」に吹きましたwはい、巨人…「進撃の巨人」。前日の紅白で主題歌のLinked Horizon「紅蓮の弓矢」が歌われたばかり。紅白は完全にアニメ「進撃の巨人」の演出・アニメ映像でしたね。シャープ君が巨人化…シャープ君なら立体機動に最初は苦戦してもいつの間にか器用に操ることが出来そうw巨人化しても結構強そうな気がする。「クインテット」メンバーで一番強そうなのは、怒ったアリアさんだと思う…w(但し人類側にも被害が及ぶ危険性大)すみません「クインテット」から脱線しました!!w

 話を「クインテット」に戻して、歌。オリジナル曲「ぼくのカゲ」、映像はシャープ君振り付けのダンス。シャープ君が振り付けしました。そして踊るシャープ君。間奏ではアリアさんも一緒に踊ります。楽器演奏の操演だけでもリアリティを追及している「クインテット」ですが、ダンスでも操演の巧みさはリアル。歌詞も何度聴いても深い、哲学的だと感じます。自分本体と影。両方があって存在する。この存在とは何だろう、と。

 パート3は、「ニドネノサンバ」アニメ。シャープ君の歌を堪能できます。こちらはゆったりと。二度寝、お正月にぴったりですね。アニメではピンクのくまさんが踊っていますが、この歌でもシャープ君振り付けのダンスが観たいと思いました。

 そしてパート3もう一本。おたよりイラスト紹介コーナー「展覧会の絵」。えっ!!再放送で「展覧会の絵」!!?再放送2年間の間、ルールが2つありました。ひとつ、「展覧会の絵」は無い。ふたつ、エンディング無しの回も無い。その法則が破られました!放送終了したから法則なんて無いけど…でも驚きです。「クインテット」のイラスト紹介は、絵も得意なシャープ君がトランペットで「展覧会の絵」プロムナードを演奏しながら、届いたイラストを紹介する。シャープ君がしゃべることは無い。朗々としたトランペットの演奏と、最後に「素敵な絵をありがとう!」と言わんばかりのジェスチャーのみ。そう、アキラさんと同じ。言葉を言わず、言葉を使わず、音楽だけで表現し伝えようとする音楽番組である「クインテット」ならでは、「クインテット」らしい演出に、いいなぁと思っていました。他の番組では絶対に真似できない。

 コンサート前、鏡の前にいるフラットさんとシャープ君。フラットさん、「痩せていい顔になったと思わない?」と話しかけてくる。いや、いつもと同じだと思う…。シャープ君もいぶかしげ。そんな態度に怒ったフラットさん、ならば多数決。「フラットさんが痩せていい顔になったと思う人~!」と聞いて、自分で手を挙げる。ひとり、ふたり…鏡に映ったフラットさんも入れて2人。えええ!?wそんなの無いですよフラットさん!wしてやったり、ドヤ顔なフラットさんでした…。

 コンサートはグリーグ「ペール・ギュント」第1組曲より「山の王の宮殿で」。おお、久しぶりです。イプセンの戯曲「ペール・ギュント」の劇付随音楽として作曲され、後に組曲に。「山の王の宮殿で」は、魔王の娘に結婚を申し込んだ主人公ペール・ギュントが、魔王に合うために山の宮殿に行くのですが、そこで魔王の手下のトロル(北欧神話に出てくる妖精…風貌は怖い)たちに追われ、娘に結婚を申し込んだことで魔王は怒り…大変なことに。劇付随音楽原曲では、男声合唱が入ります。
 「クインテット」版も、緊迫感のあるピアニッシモからフォルテシモへ、おどろおどろしいメロディーが迫力満点で演奏されます。この緊張感、迫力、グロテスクでダークな雰囲気にビリビリ来ます。殺気、狂気に満ち溢れたフォルテシモの部分はスリルも満点。管弦楽版の迫力にも劣らない。「クインテット」コンサートの本気です。

 エンディングは無しのまま終了。えっ!上述した再放送の法則、二つ目も破られました。異例。本当に珍しい形の再放送です。驚きました。せっかくだからエンディング(6月なので夏テーマ)も聴きたかったのですが…仕方ないので自分で歌ってましたw


 あっという間の40分でした。40分も観られると思っていたら、あっという間だった。音楽も演奏も歌も寸劇も次々とやって来て、密度の高い40分でした。ああもっと観たい。また再放送してください!
NHK:Eテレ:お願い!編集長:クリスマスプログラムの集中再放送(もちろん12月に)があったらとてもうれしいです。「リトル・ドラマー・ボーイ」「サンタさんへの手紙」をぜひ。
 クリスマス回「リトルドラマーボーイ」の再放送要望が、まだ検討中なんですね。これの実現をお願いします!投票、応援コメントはまだまだ受付中です!

 あと、コンサートでは、ああこのヴァイオリンが、チェロが、クラリネットが、そして表にはいないけど裏にいるコントラバスが…とアンサンブル・ベガのコンサートのことを思い出していました。放送は終わったけど、「クインテット」の元であり、演奏にメンバー数人が参加している「宮川彬良&アンサンブル・ベガ」のコンサートは今年も各地で開催予定。まずは明日3日、兵庫でニューイヤーコンサート。5日日曜にも新潟であります。今度は生で、リアル「クインテット」ミュージック(サウンド)を楽しんでみてね。

 本当にいい初夢でした。いや、夢じゃないね現実だったね。この”夢のつづき”また観たいなぁ。観たい。また再放送してください。このままお蔵入りなんて、残念過ぎます。
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by halca-kaukana057 | 2014-01-02 23:09 | Eテレ・NHK教育テレビ

2014年 あけましておめでとうございます

 あけましておめでとうございます

 新しい年を穏やかに楽しく迎えることが出来ました。毎年恒例の夜中の初詣は雨でしたが、清々しい気持ちになれるものでした。
 そして、NHK教育(Eテレ)「クインテット」2009年新年特番「ニューイヤイヤコンサート」&「ぼくのカゲ」回再放送、ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサートをたっぷりと楽しみました。「クインテット」とウィーンフィルニューイヤーの両方を楽しめる元日なんて夢のようです。幸せな新年です。ウィーンフィルは、「ラデツキー行進曲」のバレンボイム氏のまさかの行動に驚いたり笑ったりでした。いやはや…初めてだあんなラデツキー…w

 皆様にとって、よい一年でありますように。私にとっても、よい変化をしていける年でありますように。

 と言うわけでご挨拶状。
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 昨年撮影したバラの花。空に向かって咲く姿が美しいです。

 万年筆で書き初め。
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 ろうそくの灯のように、明るさ、光のある一年でありますように。

 「クインテット」再放送感想は明日書きます。
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by halca-kaukana057 | 2014-01-01 22:18 | 日常/考えたこと

天にひびき 8

 今年読んだ漫画の感想を今年中に書く…まだあります。こちらは割と最近の「天にひびき」8巻。


天にひびき 8
やまむら はじめ/少年画報社・ヤングキングコミックス/2013

 成田空港。ひびき、梶原と同期の指揮科・大場がウィーンに留学するのを見送っていたひびき、秋央たち。ちょうど同じ時、成田に降り立った2人…ドイツから来た女と男。ひびきたちが帰ろうとするところで、その女と如月はぶつかってしまう。それを見ていた男に、如月は見覚えがあった…いや、よく知る男だった。翌日、大学で練習している秋央と南条の話に割って入ってきたその男・桂木和弥。音大生だった頃、如月とカルテットを組み、そのリーダーだった。ヴァイオリンの腕前はかなりのもので、卒業後はカルテットを引きつれヨーロッパへ。しかし、如月はその直前に腕を故障、渡欧せず演奏活動から離れていた。如月にも、秋央や南条にも厳しい言葉を投げつける桂木。如月も南条も憤るが、演奏家としては一流。数日後、3人は桂木のコンサートへ向かう。そこで3人が聴いた桂木の演奏は…。


 7巻から打って変わって、新キャラ登場です。そしてこれまで少しずつ話に出てきた如月先生の過去も語られます。桂木さん…全く遠慮も気遣いもしない、キツイ、口が悪い、オレ様人間です。でも、ヴァイオリニストとしては一流。秋央もそれをちゃんと理解してて、
できる人ってのは大抵みんな強気だったり押しが強かったり
まァ あれだけ口の悪い人も滅多にいないと思うけど
でもああいう人達ほど 人一倍努力してるし
自分に厳しいってのもわかってきたから
(25~26ページ)
と言っている。そして、リサイタルの演奏で、圧倒される3人。特に南条君。如月先生のことが気になっていて、その如月先生と過去に何かあったと思わせるような雰囲気。前の7巻、コンクールで自分の課題も自覚し、如月先生のもとでうまくなろう、うまくなろうと努力している…。それなのに、世の中にはとてつもなく巧く才能のある人がいて、海外でも活躍している。桂木の演奏を聴きながら涙し、その後また大学にやってきた桂木に演奏の際のコツを(半強制的に)教わった南条君。如月先生とのこと、性格の悪さで認めたくは無いけれど、その腕前も、演奏の際のコツも巧みなことに触れて成長しようとしている。7巻に続けて、南条君を応援したくなります。がんばれ南条君!

 そして、如月先生も、桂木と組んでいたカルテット、腕の故障、ヨーロッパへ行けなかったこと…そんな過去のしこりを乗り越えました。桂木は成功したが、渡欧したあとの3人のその後は知れないまま。そんな厳しい世界。そこへひとつの提案をした桂木…これが如月先生も、特に南条君も揺るがすわけですが、如月先生が桂木とカルテットを組んでいた時のことを冷静に見つめ、出した答えがとてもよかった。清々しい。桂木に当たっているスポットライトを、カルテットのメンバーとして一緒に浴びていただけ。その夢は、桂木のものであって、自分の世界のものじゃない。それよりも、自分は今ここで大切にしているやるべきことを、やりたいことをやる。如月先生の手紙の部分を、何度も何度も読みました。桂木だってただ巧いだけじゃなく、ちゃんと努力もしている。だから、南条君に的確なアドバイスもできた。桂木は桂木で、如月先生は如月先生で、それぞれの音楽の世界で生きてゆく。如月先生、素敵です。

 後半は、文化祭の2つの学内オーケストラを、ひびきと梶原がそれぞれ指揮をすることに。ひびきにとっても、梶原にとっても、オケを指揮するチャンスがめぐってきました。梶原が指揮するAオケ、ひびきが指揮するBオケ、指揮科の2人の対決…と梶原は意識している模様。今までオケを指揮できる機会が無かったからねぇ…。がんばれ梶原!普段はチャラいですが、3巻で苦学生であることも判明し、それを周囲にわからないように努力を続けてきた。梶原もがんばって欲しいです。

 一方のひびき。これまでの21cオケなどでの指揮の反省から、指示も明確に的確に、わかりやすくオケと曲をまとめあげてゆく。ひびきも成長したか…と思えたのですが、一緒に演奏している秋央から見ると「ドキドキしない」。何が出てくるかわからない、ひびきもコンサートマスター(21cオケの時の友田さん)もオケも必死でドキドキしてて…それがない。そしてついに秋央が、驚くべき行動に。何とコンマスに!?最初の頃の秋央くんを思うと、本当に思い切った、大それたことを…。秋央の目標、夢に向かっての第1歩と思ったが…そうは簡単にいかない。

 如月先生と桂木さんが組んでいたカルテットの話で、桂木に当てられたスポットライトを浴びていただけ、という話をしましたが、秋央くんもそうなりそうだったのかもしれない。指揮者としてまだまだ未熟なところがあるひびき。それでも、小学生の時にプロオケ相手に天才的な指揮をして、セミプロオケの公演も成功させた。才能はじゅうぶんにある。その音楽をずっと追いかけてきた、そしていつかコンマスとして一緒に演奏したいと思ってきた。そしてそのチャンスがめぐってきたけれども、秋央はひびきへ当てられたスポットライトを一緒に浴びたかっただけな感じになってしまった。

 普段、オーケストラを聴いていて、コンサートマスターの役割というのは、実際にコンサートに行くかテレビなどの演奏の映像を観ないとわからない。CDではわからない(わかる人はいるんだろうなぁ)。有名であればあるほど、指揮者に目が耳がいってしまうが、オーケストラのまとめ役はコンサートマスター・コンマス。指揮者の指示を、やろうとしていることを、オケ全体に伝える。言葉ではなく、その動き、演奏で。思い悩んだ秋央が友田さんからコンマスについて聞くシーン、勉強になります。そうか、オーケストラ内では楽器や奏者の位置によって届く音の速度が異なる…確かに。舞台の範囲じゃそんなに影響ないだろうと思っていたが、相手は秒単位で刻々と変化する音楽。しかも、その速度が違っても音を、演奏を合わせることが基本中の基本。オーケストラも物理だなぁ。
 その友田さんと秋央が話しているシーンで、ひびきについて友田さんが語る部分が気になりました。何かのフラグですかこれは?いや、これは1巻から出てきていることではあるけれども…。

 ひびきへ当てられているスポットライトを一緒に浴びる、のではなく、ひびきに、そしてオケ全体にスポットライトが当たるように…秋央の挑戦、奮闘は続きます。がんばれ!8巻は応援してばかりだなw

 ちなみに、冒頭に出てきたドイツ人女性…ひびきと少し話をし、そしてひびきの父とも会い、何かを決めていた…。一体何が始まるのでしょう…?ひびきに何が起こる?気になる。

 8巻の吉松隆先生のコラムは、才能について。音楽の話ですが、音楽に関わらず、才能や努力について悩んでいる人に読んで欲しい内容です。私も、読んでいて納得しました。

・7巻:天にひびき 7
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by halca-kaukana057 | 2013-12-30 20:25 | 本・読書

【予告】2014年は「クインテット」ではじめよう 再放送決定!

 10月の再放送がまだ記憶に新しい「クインテット」。年末年始、特番か何かあればいいのにな…と思っていたら、来ましたよ、来ますよ!!「クインテット」の再放送が来ます!
・10月の再放送:【祝・再放送】今日の朝、「クインテット」が帰って来たよ ~また会えた、そしていつかまた会えるよね

 しかも、来年、2014年元日です!

NHK:Eテレ:お願い!編集長:「クインテット」どうしても見たいものがあります!シャープ君の声を担当されている大澄賢也さんが振り付けし、人形のシャープ君とアリアさんがダンス(タンゴだったかと思います)を踊ったドラマ。「乾杯の歌」で、メンバーが酔っ払ったまま演奏をしているコンサート。…
NHK:Eテレ:お願い!編集長:「クインテット」 「クインテット」と「ハッチポッチステーション」のコラボがあった「ニューイヤイヤコンサート」の再放送をお願いします!…

 この2本を、2014年1月1日、17時から再放送します!!やりました!
 まずは、2009年に放送された新年特番「ニューイヤイヤコンサート」。
・その時の記事(ネタバレしたくない人は読まないでくださいね):あけましてクインテット ニューイヤーコンサート
 「クインテット」の初めての新年特番でした。これが最初で最後だったのですが…。新年の放送は、10分間コンサートだけというものも合ったのですが、通常放送の枠の中。30分も「クインテット」を堪能できたのはとても嬉しかったです。しかもコンサートの新曲も。新年らしい演出や楽曲、正月も相変わらずな5人が楽しかった。

 次に、「ぼくのカゲ」の回。上記Eテレのサイトでは「タンゴダンス」と書かれてます。さて、どの回の再放送だろう?「ぼくのカゲ」の部分だけの放送にはならないだろうし…。あれ、これは、「ぼくのカゲ」のドラマの回ですよね?まさか、パート3で歌の部分だけのものにはならないですよね…?「ドラマ」とお願いにも書かれているので、きっと大丈夫なはず…。きっと…。信じてますNHKさん、Eテレさん!
 ちなみにこのお願いでは、コンサート「乾杯の歌」の最初のバージョン…メンバーがワインを片手にほろ酔い(一部泥酔?)で演奏、中間部でしゃっくりが入るものもリクエストされていたのですが、通らなかった模様。残念。一度後期でも放送されたが、お蔵入りしてしまったので、また観たい。ほろ酔い気分で演奏なんて、お正月に合うと思います。

 しかも、この放送時間が17時から。夕方5時。「クインテット」のある夕方が久々に帰ってきます!!テーマ曲・五重奏団名が「ゆうがたクインテット」であり、ずっと夕方5時台に放送されてきた「クインテット」。2011年度からの再放送でも、最初の頃は夕方にもちゃんと放送があった。その後朝だけの放送に。何故夕方放送を無くした。でも、この元日の放送は夕方。「ゆうがたクインテット」が帰ってきます。久々に夕方に観られます。とても嬉しい!!

 ちなみに、このEテレの「お願い!編集長」枠で、残る「クインテット」の再放送検討中のお願いがこれ。
NHK:Eテレ:お願い!編集長:クリスマスプログラムの集中再放送(もちろん12月に)があったらとてもうれしいです。「リトル・ドラマー・ボーイ」「サンタさんへの手紙」をぜひ。
 クリスマス回「リトルドラマーボーイ」の再放送要望。「クインテット」のクリスマス回は、どれもいい。
 「アキラさんのピアノ・クリスマスメドレー」はダブルアキラさんが華麗にクリスマスソングを演奏する。これを観ないとクリスマスが来た気がしない!(本気です)
 「しあわせクリスマス」は皆であたたかなクリスマスを迎えることが出来たよろこびを、アリアさんが優しく歌います。この歌が大好きだ。
 「きよしこの夜」は、ノリノリでゴージャスなアレンジと歌が魅力。
 クリスマス後も、「サンタさんへの手紙」…これは名作です。クリスマスプレゼントを貰ったフラットさんが、サンタさんへお礼とあるお願いのお手紙を書くのですが、これがまた素敵なんだ。
 そして「リトル・ドラマー・ボーイ」は、クリスマスなのに誰もいない、シャープ君がひとりドラムを叩いているところへ…「クインテット」らしい音楽・演奏、言葉は無くても表現できるものでクリスマスの幸せを味わえる。「クインテット」のクリスマス回は、音楽で笑顔になれる。素敵過ぎる!
 ということで、是非このお願いも実現お願いします!!投票・応援支援コメントもまだまだ募集中です!

 もう元日が楽しみです。「クインテット」のニューイヤイヤコンサートと「ぼくのカゲ」を堪能して、その後ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートも。今から楽しみなお年玉です。
 録画予約はお忘れなく!HDD残量のチェックもお忘れなく!!
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by halca-kaukana057 | 2013-12-19 21:36 | Eテレ・NHK教育テレビ

”主張”と”和”の生きている”音楽” 宮川彬良&アンサンブル・ベガ@岩手矢巾 全体感想

 これまで、覚え書きを前編(第1部メイン)と後編(第2部メイン)に分けて書いてきた、”宮川彬良&アンサンブル・ベガ”岩手・矢巾公演。では、全体感想を。
・覚え書き前編:宮川彬良&アンサンブル・ベガ @岩手矢巾 覚え書き・前編(第1部)
・覚え書き後編:宮川彬良&アンサンブル・ベガ @岩手矢巾 覚え書き・後編(第2部)

 その前に、覚え書きではざーっと書いてしまったプログラムを、ちゃんと書きます。

【プログラム】
○第1部
・F.デーレ/宮川彬良:すみれの花咲く部屋
・ブラームス:ハンガリー舞曲 第5番
・J.S.バッハ(ペツォールト):バッハのメヌエット(ラヴァーズ・コンチェルト)
・ルロイ・アンダソン:プリンク・プランク・プランク
・ルロイ・アンダソン:ワルツィング・キャット
・宮川彬良:パーセルの主題によるフーガ
 (”アン・ベガ名物「音符の国ツアー」~必ず良い大人になるための音楽入門!”)
・ジョン・レノン、ポール・マッカートニー/モーツァルト:抱きしめたい with MOZART

○第2部
・ロッシーニ:弦楽のためのソナタ 第1番ト長調
 (第1・第2ヴァイオリン、チェロ、コントラバス)
・ヴェルディ:女心の歌(歌劇「リゴレット」より)
・プッチーニ:私のお父さん(歌劇「ジャンニ・スキッキ」より)
・宮川彬良:室内楽のためのソナタ「ブラック・ジャック」

○アンコール
・宮川彬良:ゆうがたクインテット テーマ
・宮川彬良:サヨナラの星(作詞:ヒビキトシヤ)
・ジョン・レノン、ポール・マッカートニー:P.S. I Love You
(編曲:宮川彬良 ※ロッシーニ「弦楽のためのソナタ」を除く)

第1ヴァイオリン:辻井 淳、第2ヴァイオリン:藤村 正芳(客演)、ヴィオラ:馬渕 昌子、チェロ:近藤 浩志、コントラバス:新 眞二、クラリネット:鈴木 豊人、ファゴット:星野 則雄、ホルン:池田 重一
音楽監督・作編曲・ピアノ・司会:宮川 彬良
構成・脚本:響 敏也

********


 聴いていてまず思ったのが、意外と各パートがはっきりと、”主張”するように演奏していたことでした。皆でハーモニーを保って、きれいに合わせているだけではなかった。でも、「我が我が」という”主張”ではない。”個”を”主張”しつつも、楽曲とアンサンブル両方の”全体”の”和”が保たれている。これまで、オーケストラよりも器楽(ソロ、デュオ、トリオ、カルテット)を聴くことが多かったのだが、各々の楽器・パートがこんなに”主張”しつつも”和”のハーモニーになっていると思ったことはあまりなく、驚いた。それぞれの楽器・パートの特性・個性・音色と、メンバー各々の個性・性格。それらが絶妙につりあっていて、でもここぞと言う時に雄弁に”語る””歌う”。主旋律だけが目立っているわけでもなく、伴奏・内声・低音パートも主旋律を支えつつ、存在感を示ししっかりしている。メロディーをより際立たせるための、安定した土台。その土台にまわることの多い第2ヴァイオリンやヴィオラ、コントラバス、ファゴットにも、土台であっても主旋律を受け持つことがあっても「魅せ場」がある。室内楽としては大人数なアンベガ。彬良さんのピアノも入れると9人。大人数、楽器が多いからこそ、より鮮やかで陰影も深い演奏になるんだな、と思った。そのためには、やはり”個”の”主張”と”全体”の”和”をバランスよく保つことが大事なんだと。アンベガの個々の力量・表現と、チームワーク・一体感。後で詳しく書きますが、CDには収まりきれなかった音・雰囲気がありました。

 アンベガでの、彬良さんの存在も絶妙で、ちょっと不思議だと感じました。司会として、MCになると相変わらずのトークで目立つ。でも、演奏だとそんなに目立っているわけでもない。ピアノパートがない曲も少なくない。音楽監督・指揮ではある…のだけど…。アンベガとしてのリーダーはコントラバスの新さんだし、コンサートマスターは第1ヴァイオリンの辻井さん。”絶対的な頭”がいない?でも、演奏もコンサートそのものもまとまっている。室内楽としては人数多めなのに。8人各々が、それぞれのリーダーシップを発揮している?不思議な感じがしました。

 この”絶対的な頭”もいない?こともそうだし、他の点でも、アンベガには「”境界”がない」と感じるところが多々あります。宮川彬良さんの他のコンサート、音楽作品でもこれは感じていることなのですが、まず音楽のジャンル・分類という”境界”がない。クラシックのようだけど、ビートルズのようなポップス・ロックも演奏する。「ライト・クラシック」なんて言葉もあるけど、そんなやわい、甘いものでもない。
 そして、アンサンブル・ベガというアンサンブルも、室内楽に分類されるのだろうけど、オーケストラのような音色・迫力・深みがある。これも、室内楽・アンサンブル…?
 もはや分類できない。ただ、「音楽」である、「音楽」なんだ、これだけははっきりしている。コンサートの最初、彬良さんが「音楽家がニヤニヤして音楽をしているところを見て、聴いていって欲しい」と仰ってましたが、まさにその通りです。

 そして、もうひとつの「”境界”がない」と感じたところは、ステージと客席の間の「”境界”がない」。どういうことかというと、身近で親しみやすい。コンサートの規模や、響さんの構成・脚本(特に「音符の国ツアー」)、彬良さんのMCで、親しみやすくなっている。でもそれだけじゃなくて、ホール全体が、演奏者とっての公演の場になっているように感じた。客席の聴衆が、何かするわけでもない。手拍子とか(一部の曲でしている人はいたけど、自然に出てきたもので舞台上から促されたものじゃない)、質問に答えるとか、そんなものはない。演奏者はステージの上にいて、演奏している。それだけなのに、演奏を遠くに感じなかった。メンバーひとりひとりの演奏が、語りかけてきているような。私の席の位置がどちらかと言うと前の方だったから、かもしれない。でも、その演奏が、あの田園ホール全体を、場を「音楽」そのものにしてしまったように思える。しかも聴衆がいるからこそ、また音楽に、演奏に変化が生まれたような。
 カーテンコールでのフレンドリーな感じも、そう思わせる要因でもありました。

 これまで、CD/DVDでアンベガの音楽・演奏を聴いてきた。NHK教育(Eテレ)「クインテット」は、ベガメンバーも演奏に参加、クレジットでも「アンサンブルベガ+フレンズ」と表記され、それをずっと放送を観て、聴いてきた(でもイコールアンベガじゃない)。
 それなのに、生で聴いたら、「CDと全然違う!!別物だ!!」と感じた。CDには収まりきらなかった音、迫力、雰囲気、空気感がとても強烈だった。覚え書き後編の「ブラック・ジャック」で特に感じたのだが、生のアンベガはもっと荒削りだった。雑という意味ではなく。CDではきれいに収まっているのが、生だともっと、弾力があって、大きな音から小さな音・強い音からかすかな音までダイナミックで、立体的で、勢いがあって、躍動感に溢れていて、もっと自由にのびのびしている。そして、”全体”の”和”を保ちながらも、各々が”個”を”主張”してもいる。ああ、これがライヴ、LIVEだと思った。LIVE=生きている、命がある。「ブラック・ジャック」のテーマではあるけれど、「ブラック・ジャック」だけじゃなくて全部。結成して15年。その間に育ててきた調和の様なんだろう。生きているから、また次の公演(12日・長崎)では同じ曲を演奏しても、違う演奏・音楽にもなるだろう。長崎公演では、第2ヴァイオリンはアンベガ通常メンバーの日比浩一さんに戻ります。今回の岩手公演では、客演の藤村さんで、いつもとはまた違ったアンベガを聴けた…これはこれでおいしいなと思う。

 この公演の日の朝、ラジオで彬良さんがビートルズの話をしていました。次々とヒットを飛ばしてゆく中、アイドル視されることに抵抗があった。録音技術の発達により、全員がその場にいなくてもレコーディングしてひとつの作品をつくれるようになった。ジョンとポールも音楽性が異なり、解散はまだしないけれども、それぞれが違う雰囲気の音楽を製作、発表していった。その後、ビートルズはこのままでいいのかと、4人で最後のライヴをする。色々あっだだろうけれども、音楽は4人を繋ぎとめていた。

 この話を聴いて、その後アンベガのコンサートを聴いて…何かを思わずにはいられなかった。私の身の回りには、全員がその場にいなくても、別々にレコーディングしても、最後にはひとつの楽曲になっている音楽がたくさんあると思う。それはそれで、完成度が高くなる。納得がいくまでレコーディングして、納得のいく部分を切り取って…。
 でも、生のコンサート、ライヴでしか出来ない音楽、その時、その瞬間にしか生まれない演奏、一体感もある。だから、「ライブ(LIVE)」=「生もの」。その時が過ぎれば、消えてしまう。私が今、思い出しながら書いている間、もうこの時の演奏を聴くことは出来ないけれども、頭の中にあの演奏が蘇ってきている。その迫力、勢い、音色、響きに、その時の感情のうねりも同時に蘇ってくる。いつまでこの感覚を保っていられるだろう?心には残る、忘れない。でも消えない…とは断定出来ない。薄れてしまうかもしれない。人間はそういう生き物だから。だからこそ、また新しい、その時その場でこそ生まれる演奏が出来るんだと思う。
 でも、あの時は、ずっとこの音の余韻に浸っていたくて、ホールをなかなか出たくありませんでした。何とも言えない心地よさを思い出します。

 ここには書かないのですが、個人的に抱えていたことに関して、今回の公演でひとつの答えを出せたこともある。意外な、思わぬ発見で、自分でも驚いている。驚くと同時に、決意も固まった。
 念願の生のアンベガの公演を、聴きに行けて本当によかった。素晴らしい演奏を、楽しい音楽のひとときを、本当にありがとうございました!カーテンコールで、何度ありがとうと言っても足りないと心の中で思っていたのですが、今もそんな気持ちです。感謝するばかりです。アンベガが大好きです!

 今度は、日比さんがいるアンベガを聴きたい。そしていつかは、ホームの宝塚ベガホールに行って聴いてみたいなぁ。
 最後にもう一度、ありがとうございました!!

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おふぃすベガ:レポート:宮川彬良&アンサンブル・ベガ:11月30日(土)岩手・田園ホール(矢巾町)
 アンベガ事務局・おふぃすベガさん公式の、公演レポートです。
 「ブラック・ジャック」に関して、とても興味深いことが書かれています。…えっ!?じゃぁ、私が聴いた「ブラック・ジャック」は…「CDと全然違う!別物だ!」と感じたのは…はて…?

 尚、来年の公演予定ももう決まっています。詳しくは上記おふぃすベガ公式サイトで!

【追記】
Facebook:おふぃすベガ Office VEGA Ltd.:*大長編レポート
 おふぃすベガさんの公式フェイスブックにて、当ブログの岩手公演レポ記事を紹介していただきました。紹介のお言葉を読んで、驚くとともに大変光栄です。どうもありがとうございます!!
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by halca-kaukana057 | 2013-12-07 17:26 | 音楽


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