もう9月です。今年のプロムスも終わりが近づいてきました。毎年、本当にあっという間なんだよなぁ…。
ということで9月の私の選んだプロムリストです。9月は大御所が次々来ます。
プロムスについてのちょっと詳しいこと、オンデマンド配信、アプリでの聴き方などは以下記事に書いてます。
・7月分の記事:【BBC Proms 2022】 プロムス2022私選リスト その1 [7月15日~7月31日]
・8月前半の記事:【BBC Proms 2022】 プロムス2022私選リスト その2 [8月前半]
・8月後半の記事:【BBC Proms 2022】 プロムス2022私選リスト その3 [8月後半]
今年のプロムスのオンデマンド配信期間は基本11ヶ月!と喜んでいたのですが、いつの間にかBBC Radio3のサイトを見るとラストナイト30日後になっていました。どのプロムも同じです。
来年のプロムスが始まるまで聴ける!余裕で聴ける!と喜んでいたのに…。いつも通りです。
では、9月のプロムス、私の選んだプロムリストです。
◇9/1 : Prom61 : Prom 61: Chineke! performs Beethoven’s Ninth Symphony
・On Radio3
・ジョージ・ウォーカー:Lilacs
・ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」
/ニコル・キャベル Nicole Cabell(ソプラノ)、Raehann Bryce-Davis(メゾソプラノ)、Zwakele Tshabalala(テノール)、ライアン・スピード・グリーン Ryan Speedo Green(バスバリトン)
Chineke! Chorus
ケヴィン・ジョン・エドゥセイ Kevin John Edusei:指揮、チネケ!オーケストラ
/プロムスで毎年どこかのオーケストラが演奏する定番曲について以前書きました。ホルスト「惑星」とベートーヴェンの第九。「惑星」もですが、第九も昨年、一昨年は演奏出来ませんでした。今年は演奏できます。今年はイギリスのオーケストラ・チネケ!オーケストラ。プロムスの常連オケなのですが、今まであまり注目してきませんでした。黒人やアジア人、多様な民族がメンバーのオーケストラです。どんな第九になるんだろう。楽しみです。
◇9/3 : Prom62 : Berliner Philharmoniker and Kirill Petrenko – Mahler’s Seventh
・On Radio3
・マーラー:交響曲第7番 ホ短調 「夜の歌」
/キリル・ペトレンコ:指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
/今年はベルリンフィルがプロムスに登場です。まずこのマーラー7番回。キリル・ペトレンコさんが指揮なのですが、先日足を怪我して手術したそうで、このプロムは指揮しますが翌日のProm65は降板だそうです。マーラー7番は指揮できる…こっちの方が大変そうに思えるのですが…。とにかく、マーラー7番はようやく聴きどころをつかめてきた感じなのでベルリンフィルの演奏も楽しみです。
◇9/4 : Prom64 : Sir András Schiff plays Beethoven Piano Sonatas
・On Radio3
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 op.109
:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 op.111
:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 op.110
/アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
/シフさんのソロ回です。今年はベートーヴェンの最後のピアノソナタ3作品です。ここ数年はバッハでした。じっくり聴きたいプロムです。
◇9/4 : Prom65 : Berliner Philharmoniker plays Schnittke and Brucker
・On Radio3
・シュニトケ:ヴィオラ協奏曲
・ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」
/タベア・ツィンマーマン(ヴィオラ)
ダニエル・ハーディング:指揮、ベルリン・フィルハーモニー交響楽団
/ベルリンフィル2回目は、足の怪我をしたキリル・ペトレンコさんに代わってハーディングさんが指揮します。後半はショスタコーヴィチ10番だったのですがブルックナー4番に変更です。
前半はシュニトケのヴィオラ協奏曲。ヴィオラは大好きなのですがこの協奏曲は聴いたことがない、というよりはシュニトケをほとんど知らない。ロシアの20世紀の作曲家。是非今回ので聴いてみよう。
◇9/5 : Proms at Glasgow: Piano Trios by Haydn and Smyth
・On Radio3
・ハイドン:ピアノ三重奏曲 第19番 ト短調 Hob XV:19
・エセル・スマイス:ピアノ三重奏曲 ニ短調
/トリオ・ガスパール Trio Gaspard
/今年のプロムス最後の室内楽回はハイドンとエセル・スマイスのピアノ三重奏曲。演奏するトリオ・ガスパールはハイドンのトリオを積極的に演奏、録音しています。プラス、今年のプロムスで集中的に取り上げているエセル・スマイス。ピアノ三重奏曲は録音は1枚だけありました。レア曲を発掘する楽しみはプロムスならでは。
◇9/6 : Prom67 : Nicola Benedetti plays Wynton Marsalis
・On Radio3
・アデス:歌劇「彼女に化粧を」より3つの組曲
・ウィントン・マルサリス Wynton Marsalis:ヴァイオリン協奏曲
・ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」4つの海の間奏曲
・バーンスタイン:「ウェストサイドストーリー」シンフォニックダンス
/ニコラ・ベネデッティ(ヴァイオリン)
トーマス・セナゴー:指揮、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
/セナゴーさんとロイヤル・スコティッシュ管です。昨年来日出来ませんでしたが、いつかまた来日機会があるかなぁ。オペラやミュージカルに由来する作品、アメリカがルーツの作品が混ざったプロムと言えばいいのかな。マルサリスはアメリカのトランペット奏者。ヴァイオリン協奏曲はマルサリス初めてのクラシック作曲作品でベネデッティさんがソロを演奏しています。
このプロム(バーンスタイン、ブリテン、マルサリス)は、翌7日のProm 68: Relaxed Promでも演奏されます。
ちなみに、セナゴーさんはミネソタ管弦楽団の新首席指揮者に決まりました。
◇9/7 : Prom69 : Beethoven’s Missa solemnis
・On Radio3
・ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス op.123
/ルーシー・クロウ(ソプラノ)、アン・ハレンベリ Ann Hallenberg(メゾソプラノ)、Giovanni Sala(テノール)、ウィリアム・トーマス(バス)
モンテヴェルディ合唱団
ジョン・エリオット・ガーディナー:指揮、オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック
/プロムスの常連大御所ガーディナーさん指揮回です。今年はベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」。2020年のメモリアルイヤーにも思いましたが、ベートーヴェンは本当に幅広く多作な天才だったのだなと思います。愛らしいピアノやヴァイオリンの作品から、第九のような大曲まで。しかも交響曲やピアノ協奏曲も最初の作品と最後の作品では全然違う。室内楽、器楽曲も多数。この「ミサ・ソレムニス」は教会音楽としてのミサ曲にとどまらない作品。じっくり聴きたいです。
【追記 2022.9.9】
9月8日(現地時間)エリザベス女王がお亡くなりになりました。心から哀悼の意を表します。
プロムスはProm70、71(フィラデルフィア管の2回)と72(ラストナイト)は中止になりました。
女王が亡くなられたことが伝えられたのはProm70の開場後。お客さんも入っている状態で、オーケストラの準備も出来ていたそうです。開演前に中止が発表され、イギリス国歌とエルガー:エニグマ より 二ムロッドを演奏して女王を追悼したそうです。
女王が亡くなられたことはとても悲しいです。プロムスが途中で中止になったことも悲しいです。こればかりはどうしようもないです。プロムスが途中で中止なんて滅多にないことだろうな…。
中止にはなりましたが、演奏されるはずだったプログラムは記録として残しておきます。
ラストナイトで演奏される予定だった世界初演の作品は今後どこかで初演の機会があるのだろうか。
BBC Radio3も特別編成です。
ラストナイトを放送する予定の時間に、ロイヤル・アルバート・ホールのオルガンリサイタルが予定されています。プロムスのプログラムではありません。
◇Radio 3 in Concert : Royal Albert Hall Organ Recital
演奏者もプログラムもまだ記載されていませんが予定はあるようです。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◇ 以下のプロムは中止です ◇
◇9/8 : Prom70 : The Philadelphia Orchestra and Yannick Nézet-Séguin
・On Radio3
・バーバー:ノックスヴィル 1915年の夏
・ヴァレリー・コールマン Valerie Coleman:This is Not a Small Voice
・ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 「エロイカ」
/エンジェル・ブルー(ソプラノ)
ヤニック・ネゼ=セガン:指揮、フィラデルフィア管弦楽団
/ネゼ=セガンさんとフィラデルフィア管がプロムスに登場です。1回目の前半はアメリカの作曲家。コールマンはフルート奏者で作曲家なのだそう。後半はベートーヴェン3番。
◇9/9 : Prom71 : The Philadelphia Orchestra with Lisa Batiashvili
・On radio3
・ラフマニノフ:死の島
・ショーソン:詩曲
・サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
・フローレンス・プライス:交響曲第1番
/リサ・バティアシュヴィリ(ヴァイオリン)
ヤニック・ネゼ=セガン:指揮、フィラデルフィア管弦楽団
/ネゼ=セガンさんとフィラデルフィア管2日目はバティアシュヴィリさんとショーソン、サン=サーンスのヴァイオリンの名曲を。後半はCDもリリースしているアメリカ初の黒人の作曲家・フローレンス・プライスの1番。昨年のラストナイトでも第3楽章が演奏され気に入りましたが、今度は全曲聴けます。プロムスのプログラムが発表された時から楽しみにしてました。
さて、残すは1日。ラストナイトです。
◇9/10 : Prom72 : Last Night of the Proms 2022
・On Radio3
・サミュエル・コールリッジ=テイラーSamuel Coleridge-Taylor:深い河
・カルル・ダヴィドフ Karl Davydov:泉にて
・ジェイムズ・B・ウィルソン:1922(世界初演)
・ワーグナー:「タンホイザー」より「おごそかなこの広間よ」
・シベリウス:スネフリード op.29
・マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」より「天の女王、喜びませ(復活祭の讃歌)」
・ヴェルディ:「マクベス」より「いらっしゃい、急いで!」
・ドリーン・カーウィゼン Doreen Carwithen:序曲「ODTAA」(次から次へとむかつくことばかり)
・ヘンリー・ウッド:編曲:イギリスの海の歌による幻想曲
アーン:ルール・ブリタニア
・エルガー:威風堂々第1番 (Land of Hope and Glory)
・パリー:エルサレム
・ブリテン:編曲:イギリス国歌
・スコットランド民謡:オールド・ラング・サイン Auld Lang Syne
/リーゼ・ダヴィドセン Lise Davidsen(ソプラノ)、シェク・カネー=メイソン(チェロ)、ハリエット・ウォルター Harriet Walter(朗読)
BBCシンガーズ、BBCシンフォニーコーラス
ダリア・スタセフスカ:指揮、BBC交響楽団
/ラストナイトです。今年はオケも合唱団もフル編成。いつものラストナイトが戻ってきます。「イギリスの海の歌による幻想曲」や「威風堂々第1番」はこの2年間小編成オケ編曲で演奏されていた(例:イギリスの海の歌による幻想曲の「小粋なアレトゥーザ」の冒頭がユーフォニアムではなくバスクラになっていた)のですが今年は通常の編成で演奏出来ます。指揮はBBC響首席客演指揮者のスタセフスカさん。ラストナイトは2回目ですが、前回初登場は2020年の無観客の回。曲目も少なく指揮者スピーチもなかったので、今度は本来のラストナイトを指揮するのが楽しみです。
最初の2曲はチェロのための作品。カネー=メイソンさんがソロを演奏します。ノルウェーのソプラノ・ダヴィトセンさんのオペラアリアも楽しみな曲ばかり。
ラストナイトにシベリウスの「スネフリード」を持ってくるとは思わなかった。合唱に朗読の付いた珍しい、あまり演奏されない作品。朗読は俳優のウォルターさんが務めます。テキストはスウェーデン語なのですが、朗読部分を新訳するらしいです。どんな感じになるんだろう。
いつものラストナイトは戻ってきますが…ロイヤル・アルバート・ホールの隣のハイド・パークに野外会場があったのですがそれは今年はあるのかわからない。ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの地方野外会場についても書いてないなぁ。ラストナイトが近くなったら何か新しい情報が出てくるかも。
以上、今年のプロムスはここまで。日本でのラストナイトのテレビ放送はいつになるかな。
―――――――――――――――――――――――――――
以上、中止になる前に書いた記事をそのまま残しました。
ラストナイトそのものがないから、当然のことながら日本で後日テレビ放送されることもありません。
別のプロムが放送されるのかなあ。プロムスそのものの放送がないのかな…。
ということで9月の私の選んだプロムリストです。9月は大御所が次々来ます。
プロムスについてのちょっと詳しいこと、オンデマンド配信、アプリでの聴き方などは以下記事に書いてます。
・7月分の記事:【BBC Proms 2022】 プロムス2022私選リスト その1 [7月15日~7月31日]
・8月前半の記事:【BBC Proms 2022】 プロムス2022私選リスト その2 [8月前半]
・8月後半の記事:【BBC Proms 2022】 プロムス2022私選リスト その3 [8月後半]
今年のプロムスのオンデマンド配信期間は基本11ヶ月!と喜んでいたのですが、いつの間にかBBC Radio3のサイトを見るとラストナイト30日後になっていました。どのプロムも同じです。
来年のプロムスが始まるまで聴ける!余裕で聴ける!と喜んでいたのに…。いつも通りです。
では、9月のプロムス、私の選んだプロムリストです。
◇9/1 : Prom61 : Prom 61: Chineke! performs Beethoven’s Ninth Symphony
・On Radio3
・ジョージ・ウォーカー:Lilacs
・ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 「合唱付き」
/ニコル・キャベル Nicole Cabell(ソプラノ)、Raehann Bryce-Davis(メゾソプラノ)、Zwakele Tshabalala(テノール)、ライアン・スピード・グリーン Ryan Speedo Green(バスバリトン)
Chineke! Chorus
ケヴィン・ジョン・エドゥセイ Kevin John Edusei:指揮、チネケ!オーケストラ
/プロムスで毎年どこかのオーケストラが演奏する定番曲について以前書きました。ホルスト「惑星」とベートーヴェンの第九。「惑星」もですが、第九も昨年、一昨年は演奏出来ませんでした。今年は演奏できます。今年はイギリスのオーケストラ・チネケ!オーケストラ。プロムスの常連オケなのですが、今まであまり注目してきませんでした。黒人やアジア人、多様な民族がメンバーのオーケストラです。どんな第九になるんだろう。楽しみです。
◇9/3 : Prom62 : Berliner Philharmoniker and Kirill Petrenko – Mahler’s Seventh
・On Radio3
・マーラー:交響曲第7番 ホ短調 「夜の歌」
/キリル・ペトレンコ:指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
/今年はベルリンフィルがプロムスに登場です。まずこのマーラー7番回。キリル・ペトレンコさんが指揮なのですが、先日足を怪我して手術したそうで、このプロムは指揮しますが翌日のProm65は降板だそうです。マーラー7番は指揮できる…こっちの方が大変そうに思えるのですが…。とにかく、マーラー7番はようやく聴きどころをつかめてきた感じなのでベルリンフィルの演奏も楽しみです。
◇9/4 : Prom64 : Sir András Schiff plays Beethoven Piano Sonatas
・On Radio3
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 op.109
:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 op.111
:ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 op.110
/アンドラーシュ・シフ(ピアノ)
/シフさんのソロ回です。今年はベートーヴェンの最後のピアノソナタ3作品です。ここ数年はバッハでした。じっくり聴きたいプロムです。
◇9/4 : Prom65 : Berliner Philharmoniker plays Schnittke and Brucker
・On Radio3
・シュニトケ:ヴィオラ協奏曲
・ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」
/タベア・ツィンマーマン(ヴィオラ)
ダニエル・ハーディング:指揮、ベルリン・フィルハーモニー交響楽団
/ベルリンフィル2回目は、足の怪我をしたキリル・ペトレンコさんに代わってハーディングさんが指揮します。後半はショスタコーヴィチ10番だったのですがブルックナー4番に変更です。
前半はシュニトケのヴィオラ協奏曲。ヴィオラは大好きなのですがこの協奏曲は聴いたことがない、というよりはシュニトケをほとんど知らない。ロシアの20世紀の作曲家。是非今回ので聴いてみよう。
◇9/5 : Proms at Glasgow: Piano Trios by Haydn and Smyth
・On Radio3
・ハイドン:ピアノ三重奏曲 第19番 ト短調 Hob XV:19
・エセル・スマイス:ピアノ三重奏曲 ニ短調
/トリオ・ガスパール Trio Gaspard
/今年のプロムス最後の室内楽回はハイドンとエセル・スマイスのピアノ三重奏曲。演奏するトリオ・ガスパールはハイドンのトリオを積極的に演奏、録音しています。プラス、今年のプロムスで集中的に取り上げているエセル・スマイス。ピアノ三重奏曲は録音は1枚だけありました。レア曲を発掘する楽しみはプロムスならでは。
◇9/6 : Prom67 : Nicola Benedetti plays Wynton Marsalis
・On Radio3
・アデス:歌劇「彼女に化粧を」より3つの組曲
・ウィントン・マルサリス Wynton Marsalis:ヴァイオリン協奏曲
・ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」4つの海の間奏曲
・バーンスタイン:「ウェストサイドストーリー」シンフォニックダンス
/ニコラ・ベネデッティ(ヴァイオリン)
トーマス・セナゴー:指揮、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
/セナゴーさんとロイヤル・スコティッシュ管です。昨年来日出来ませんでしたが、いつかまた来日機会があるかなぁ。オペラやミュージカルに由来する作品、アメリカがルーツの作品が混ざったプロムと言えばいいのかな。マルサリスはアメリカのトランペット奏者。ヴァイオリン協奏曲はマルサリス初めてのクラシック作曲作品でベネデッティさんがソロを演奏しています。
このプロム(バーンスタイン、ブリテン、マルサリス)は、翌7日のProm 68: Relaxed Promでも演奏されます。
ちなみに、セナゴーさんはミネソタ管弦楽団の新首席指揮者に決まりました。
◇9/7 : Prom69 : Beethoven’s Missa solemnis
・On Radio3
・ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス op.123
/ルーシー・クロウ(ソプラノ)、アン・ハレンベリ Ann Hallenberg(メゾソプラノ)、Giovanni Sala(テノール)、ウィリアム・トーマス(バス)
モンテヴェルディ合唱団
ジョン・エリオット・ガーディナー:指揮、オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック
/プロムスの常連大御所ガーディナーさん指揮回です。今年はベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」。2020年のメモリアルイヤーにも思いましたが、ベートーヴェンは本当に幅広く多作な天才だったのだなと思います。愛らしいピアノやヴァイオリンの作品から、第九のような大曲まで。しかも交響曲やピアノ協奏曲も最初の作品と最後の作品では全然違う。室内楽、器楽曲も多数。この「ミサ・ソレムニス」は教会音楽としてのミサ曲にとどまらない作品。じっくり聴きたいです。
【追記 2022.9.9】
9月8日(現地時間)エリザベス女王がお亡くなりになりました。心から哀悼の意を表します。
プロムスはProm70、71(フィラデルフィア管の2回)と72(ラストナイト)は中止になりました。
女王が亡くなられたことが伝えられたのはProm70の開場後。お客さんも入っている状態で、オーケストラの準備も出来ていたそうです。開演前に中止が発表され、イギリス国歌とエルガー:エニグマ より 二ムロッドを演奏して女王を追悼したそうです。
女王が亡くなられたことはとても悲しいです。プロムスが途中で中止になったことも悲しいです。こればかりはどうしようもないです。プロムスが途中で中止なんて滅多にないことだろうな…。
中止にはなりましたが、演奏されるはずだったプログラムは記録として残しておきます。
ラストナイトで演奏される予定だった世界初演の作品は今後どこかで初演の機会があるのだろうか。
BBC Radio3も特別編成です。
ラストナイトを放送する予定の時間に、ロイヤル・アルバート・ホールのオルガンリサイタルが予定されています。プロムスのプログラムではありません。
◇Radio 3 in Concert : Royal Albert Hall Organ Recital
演奏者もプログラムもまだ記載されていませんが予定はあるようです。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◇ 以下のプロムは中止です ◇
◇9/8 : Prom70 : The Philadelphia Orchestra and Yannick Nézet-Séguin
・On Radio3
・バーバー:ノックスヴィル 1915年の夏
・ヴァレリー・コールマン Valerie Coleman:This is Not a Small Voice
・ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 「エロイカ」
/エンジェル・ブルー(ソプラノ)
ヤニック・ネゼ=セガン:指揮、フィラデルフィア管弦楽団
/ネゼ=セガンさんとフィラデルフィア管がプロムスに登場です。1回目の前半はアメリカの作曲家。コールマンはフルート奏者で作曲家なのだそう。後半はベートーヴェン3番。
◇9/9 : Prom71 : The Philadelphia Orchestra with Lisa Batiashvili
・On radio3
・ラフマニノフ:死の島
・ショーソン:詩曲
・サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
・フローレンス・プライス:交響曲第1番
/リサ・バティアシュヴィリ(ヴァイオリン)
ヤニック・ネゼ=セガン:指揮、フィラデルフィア管弦楽団
/ネゼ=セガンさんとフィラデルフィア管2日目はバティアシュヴィリさんとショーソン、サン=サーンスのヴァイオリンの名曲を。後半はCDもリリースしているアメリカ初の黒人の作曲家・フローレンス・プライスの1番。昨年のラストナイトでも第3楽章が演奏され気に入りましたが、今度は全曲聴けます。プロムスのプログラムが発表された時から楽しみにしてました。
さて、残すは1日。ラストナイトです。
◇9/10 : Prom72 : Last Night of the Proms 2022
・On Radio3
・サミュエル・コールリッジ=テイラーSamuel Coleridge-Taylor:深い河
・カルル・ダヴィドフ Karl Davydov:泉にて
・ジェイムズ・B・ウィルソン:1922(世界初演)
・ワーグナー:「タンホイザー」より「おごそかなこの広間よ」
・シベリウス:スネフリード op.29
・マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」より「天の女王、喜びませ(復活祭の讃歌)」
・ヴェルディ:「マクベス」より「いらっしゃい、急いで!」
・ドリーン・カーウィゼン Doreen Carwithen:序曲「ODTAA」(次から次へとむかつくことばかり)
・ヘンリー・ウッド:編曲:イギリスの海の歌による幻想曲
アーン:ルール・ブリタニア
・エルガー:威風堂々第1番 (Land of Hope and Glory)
・パリー:エルサレム
・ブリテン:編曲:イギリス国歌
・スコットランド民謡:オールド・ラング・サイン Auld Lang Syne
/リーゼ・ダヴィドセン Lise Davidsen(ソプラノ)、シェク・カネー=メイソン(チェロ)、ハリエット・ウォルター Harriet Walter(朗読)
BBCシンガーズ、BBCシンフォニーコーラス
ダリア・スタセフスカ:指揮、BBC交響楽団
/ラストナイトです。今年はオケも合唱団もフル編成。いつものラストナイトが戻ってきます。「イギリスの海の歌による幻想曲」や「威風堂々第1番」はこの2年間小編成オケ編曲で演奏されていた(例:イギリスの海の歌による幻想曲の「小粋なアレトゥーザ」の冒頭がユーフォニアムではなくバスクラになっていた)のですが今年は通常の編成で演奏出来ます。指揮はBBC響首席客演指揮者のスタセフスカさん。ラストナイトは2回目ですが、前回初登場は2020年の無観客の回。曲目も少なく指揮者スピーチもなかったので、今度は本来のラストナイトを指揮するのが楽しみです。
最初の2曲はチェロのための作品。カネー=メイソンさんがソロを演奏します。ノルウェーのソプラノ・ダヴィトセンさんのオペラアリアも楽しみな曲ばかり。
ラストナイトにシベリウスの「スネフリード」を持ってくるとは思わなかった。合唱に朗読の付いた珍しい、あまり演奏されない作品。朗読は俳優のウォルターさんが務めます。テキストはスウェーデン語なのですが、朗読部分を新訳するらしいです。どんな感じになるんだろう。
いつものラストナイトは戻ってきますが…ロイヤル・アルバート・ホールの隣のハイド・パークに野外会場があったのですがそれは今年はあるのかわからない。ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの地方野外会場についても書いてないなぁ。ラストナイトが近くなったら何か新しい情報が出てくるかも。
以上、今年のプロムスはここまで。日本でのラストナイトのテレビ放送はいつになるかな。
―――――――――――――――――――――――――――
以上、中止になる前に書いた記事をそのまま残しました。
ラストナイトそのものがないから、当然のことながら日本で後日テレビ放送されることもありません。
別のプロムが放送されるのかなあ。プロムスそのものの放送がないのかな…。
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by halca-kaukana057
| 2022-08-31 21:42
| 音楽