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ふたりのスカルラッティ

 フィンランドYLEの、フィンランド放送響の演奏会のオンデマンド配信を聴きました。
YLE Areena Audio : Konsertteja : RSO:n konsertissa kotimainen kantaesitys ja Griegin pianokonsertto
 (YLEのラジオのオンデマンドのページのデザインが大きく変わっていました。昨日までは古いデザイン、今日アクセスしたら新しいデザインだった。配信期間は「あと何日」の表示がなくなったのが不便。)

 9月27日の演奏会、曲目は、
 ・イルッカ・ハンモ Ilkka Hammo:On the Horizon(世界初演)
 ・グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 op.16
 ・ニールセン:交響曲第5番 op.50
  / エフゲニー・スドビン Yevgeny Sudbin (ピアノ)、ハンヌ・リントゥ:指揮、フィンランド放送交響楽団

 スドビンさんは以前から気になっているピアニスト。音がくっきりと鮮やか、第1楽章の静かなところや第2楽章でもやさしいけれども優雅。大好きなニールセン5番もよかった。聴き所のスネアもまさに機関銃のような切れのある音だったし、それぞれの楽器が入り交じる不安な和音、その不安が吹き飛んだような弦の表現を楽しめた。
 おや?と思ったのがスドビンさんのアンコール(52分ごろから)。ちなみに、私はソリストアンコールに惹かれることがよくある。しかも、海外ネットラジオだとサイトにはアンコール曲の記述がないことが多い。あまり知らない作曲家、聴いたことがない作品をどうやって探して見つけるか。見つけた時は本当に嬉しい。今回のアンコールだが、バッハ?いや、バッハじゃない。誰の何という作品だろう…調べてみたら、ドメニコ・スカルラッティのソナタ ロ短調 K.197だった。先日来日した時もこの曲がアンコールだったらしい。哀愁たっぷりのしっとりとした、やさしい音のアンダンテ。スドビンさんはドメニコ・スカルラッティのアルバムを2枚出していて、その第2集に入っています。以前からドメニコ・スカルラッティの鍵盤作品は好きだった。シンプルな、ストレートな音づかいが好きだ。
 しかし曲が多すぎて覚えられない…。もっと聴いてみたい。

 スカルラッティという作曲家、と聞くと、鍵盤の人はドメニコ、声楽の人はアレッサンドロと答えると思う(と書いたがアレッサンドロの鍵盤作品は「プレ・インベンション」に収録されている)。私はドメニコを先に覚えて、その後声楽を始めて、「イタリア歌曲集 1」の中にアレッサンドロ・スカルラッティの名前を見つけて、ここにもスカルラッティ?と思った。アレッサンドロはドメニコの父、2人は親子だったのだ。

 「イタリア歌曲集」を歌っていくと、アレッサンドロの作品に惹かれる。「Sento nel core(私は心に感じる)」「O cessate di piagarmi(私を傷つけるのをやめるか)」、そして「Se tu della mia morte(貴女が私の死の栄光を)」といった短調の曲に惹かれる(ただ単に短調好きだからだろうか)。「Se tu della mia morte」は特に好きだ。途中、曲調が変わるところがある。その辺りの語るような歌い方が好きだ。第2集以降でアレッサンドロの作品を歌ったことはまだないが、「Consolati e spera!(気を取り直して希望を抱け)」はオペラのシーンがイメージできるような歌い口調。第3集の「Toglietemi la vita ancor(私の命も奪ってください)」は短い曲だけれどもドラマティック。「Caldo sangue(熱い血潮よ)」も荘厳さを感じる短調。

 ドメニコの作品も、どちらかというと短調の方が好きだ。親子に通じるものがあるのかもしれない。
# by halca-kaukana057 | 2019-10-15 22:37 | 音楽
 以前読んだ「人間をお休みしてヤギになってみた結果」の著者、トーマス・トウェイツさんのデビュー作「ゼロからトースターを作ってみた結果」。「ヤギ」は衝撃的だったが、全てはこの「トースター」から始まったのだった…。


ゼロからトースターを作ってみた結果
トーマス・トウェイツ:著、村井理子:訳/新潮社、新潮文庫/2015(単行本は2012年、飛鳥新社)

 著者のトーマス・トウェイツさんは、イギリス、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの学生。ふとしたきっかけから、トースターを原材料から手作りすることを思いついた。何故トースターなのか。電気トースターは近代消費文化の象徴で、「あると便利、でもなくても平気、それでもやっぱり比較的安くて簡単に手に入って、とりあえず買っておくかって感じで、壊れたり汚くなったり古くなったら捨てちゃうもの」のシンボルだと考えた。また、子どもの頃から読んでいたダグラス・アダムズのSF小説「銀河ヒッチハイク・ガイド」シリーズの「ほとんど無害」から、もし技術的に未発達な惑星に足止めをくらって、トーストを作るには…と考えた。トースターの構成部品と材料を調べ、現代であっても入手可能な道具だけを使って、原材料からトースターを作り上げ、その試みを記録すること。トーマスさんは一番安いトースターを買って分解し、使われている部品を材料を調べる。専門家に話を聞き、それらをどうすればゼロから手に入れられるかを訊く。そして、自分でトースターを作るためのルールを決め、原材料を調達し始めた…。


 この本を読みながら、そして読んだ後、私は身の回りにある「モノ」をじっと見た。それが何でできているか。その原材料はどこから来ているのか。それをどこでいくらで買ったのか。いつもどんな風に使っているか。もし壊れたり古くなったりしたら、新しいモノを買う前にそれをどうやって処分するのか。それが、単純(と思われる)な紙袋や布だったとしても。

 トーマスさんは、トースター作りを通して人間の文明の歴史を遡ることになる。鉄の前に青銅器が作られたが、何故その順番になったのか。それらに比べて歴史の浅いプラスチックは何故20世紀にならないと出てこなかったのか。歴史の授業でなんとなく学んだことが、本当になんとなくでしかなく、なんとなくしか知らない自分に落胆した。今この記事を書いているパソコンだって、中身はとてつもなく複雑なのに、私はその中身のことを知らない。分解してもう一度組み立てろなんて言われたら無理。でも、毎日の生活にパソコンは必要。でも、なんとなく使っている。文明に頼り切って、思考停止してしまっている。

 パソコンは作れないけれど、毛糸で編み物や、布と糸を使ってこぎん刺し(津軽地方の伝統的な刺し子)の小物なら作れるぞ、と思ったが、その毛糸はどうやって作る?ウールはまだしも、アクリルは?編み物に使う編み針は?しかも私が使っているのはかぎ針である。棒針だって簡単じゃない。
 こぎん刺しで使う布は、クロスステッチで使うような縦糸と横糸が等間隔で織られた専用の布。それは何から、どうやって作っている?糸は木綿…どうやって染めている?針は?小物に使う種々の金具は?それらをトーマスさんと同じように、ゼロから作るとしたら?
 …本当に「手作り」と呼べるのか、自信がなくなってきた。

 トースターを作り終えたトーマスさんの問いかけを読んでいると、文明や消費社会の中で「なんとなく」暮らしていると気づかされる。環境についてもそうだ。銅や鉄などは自然界に存在するが、それを製品の部品にするには手間も時間もかかる。採れる場所も限られる(今回のこのトースタープロジェクトで、原材料のある鉱山のうちのいくつかはイギリス国内にあることに驚いた。日本でやるとしたらできるだろうか)。そして環境に影響を及ぼす。ニッケルの章ではとても深刻な現実と、同じ人間でも国によって扱いが変わる現状にモヤモヤした。プラスチックの章も。製品を処分する際のトーマスさんの問いかけは重要なことだと思う。そのモノがどうやってできているのか。もっと知られてもいいと思う。

 トーマスさんのトースターはうまく動いたのか。トーストを焼くことができたのか。と気になるところだが、重要なのはそっちではなく、手作りトースターを通じて問題提起をすることだ。トーマスさんはアートを学んだ学生だ(だった)。アートが何を伝えられるのか。その意味でも興味深い、新しいことを知ることができた本だった。長く伝えられてきた名画の数々だって、芸術的に美しいだけでなく、人間や自然、社会の何かを伝えようとしたものだったのだから。

 しかし、「ヤギ」では「意味がわからないw」と連呼したが、「トースター」でも、「意味がわからないw」は変わらない。こっちの方が先なので、トーマスさんの原点を読むことができてよかった。自虐ネタを含んだ軽いノリの文章は面白く読みやすい。トースターを作る上でルールを決めたが…色々あるよね。ニッケルではまさかの荒技が。それでいいのか!と突っ込みたくなったw突っ込みたくなる箇所多数。公共の場で読むのは…いいけど笑って変な目で見られてもトーマスさんのせいにはしないようにw

 あと、マイカ(雲母)も出てくる。私も子どもの頃、電化製品(ラジオかラジカセか何か)の調子が悪くて分解してみたことがある。その時、薄いガラスのような板があり、これは何だろう?と思っていたのだが、あれが雲母だったのか。地学で学んだのに、それと結びつかなかった。もう一度見てみたい…いや分解はやめておきたい。私が分解した電化製品は…まぁ、思いつきで分解したら大体そうなるよねw

 トーマスさんの新作は出るのだろうか。期待したい。

人間をお休みしてヤギになってみた結果
# by halca-kaukana057 | 2019-10-07 21:53 | 本・読書
 国際宇宙ステーション(ISS)で食べられる「宇宙日本食」も種類がどんどん増えています。ヤマザキのようかんや、森永の「ベイク」のように一般に発売されているものが宇宙日本食になったケースも少なくありません。宇宙日本食の認定を受けたもののひとつに、亀田の柿の種があります。その亀田の柿の種の、宇宙日本食認証記念の限定味が出たので食べてみました。

sorae:JAXA認証の宇宙日本食「柿の種」記念商品。『亀田の柿の種 ギャラクシーミックス』限定発売
亀田の柿の種:宇宙への道

デイリーポータルZ:ハイチュウと柿の種はJAXA認証済みの宇宙食である

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その名も「ギャラクシーミックス」。燃える隕石をイメージしたホットチリ味の柿の種、ブラックホールをイメージした黒こしょう味の豆。宇宙ってそんなイメージか…。

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パッケージ裏には、柿の種が宇宙日本食に認証されたことと、その記念企画について書かれています。

 食べてみた。私は辛いものはあまり得意ではないのです。でも食べられました。確かに辛いけどおいしい。ホットチリ味の柿の種は刺激が強い。黒こしょうの豆は、こしょうの味は好きなので気に入りました。

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小袋には宇宙、宇宙飛行、ISSにまつわる豆知識コラムがあります。全部で10種類あるらしい。

 第2弾ではスペシャルパッケージでの柿の種を発売するらしい。

 それよりも、宇宙日本食として認証された、宇宙日本食と同じフィルムパウチ包装の柿の種の発売を検討してくださいませんか亀田さん。科学館など限られた場所でいいですから。


【過去関連記事】
宇宙日本食羊羹を食べてみた
地上で食べる宇宙食まつり 宇宙日本食羊羹続編
地上で食べる宇宙食まつり スペースカレー編
 スペースカレー、また食べたいな。
# by halca-kaukana057 | 2019-10-05 21:53 | 宇宙・天文
 8月から9月23日まで、「刑事モース(原題:Endeavour)」の第1シリーズがGYAO!で配信されていたのに全く気づかず、気づいたのは最終日の9月23日だった…。全部観られなかった。残念。
 と思っていたら、今度は第2シリーズを配信中。
GYAO!:刑事モース ~オックスフォード事件簿 シーズン2
 現在、Case6「消えた手帳」、Case7「亡霊の夜想曲」を配信中。10月21日まで配信される模様なので、今度は見逃しません。Case7は特に好きなエピソードだし、あのCase9もある。アニメといい、GYAO!ばっかり観ています…。

 という話で終わりません。ここからが本題。
 「刑事モース」はイギリス本国ではシーズン7を撮影中。日本ではWOWOWでシーズン5まで放送されているのかな?NHKは一体いつシーズン4を放送するのか…と思っていたら、来ました。

NHK:NHKドラマ:新番組情報 海外ドラマ『主任警部モース HDリマスター版』&『刑事モース~オックスフォード事件簿~』
NHK:NHKドラマ:スタッフブログ:"モース"シリーズ放送決定!『主任警部モース』『刑事モース』

 来年2月から、シーズン3の再放送と、シーズン4の放送だそうです。やった!でも、シーズン3から放送したら、またCase9で何があった問題が…。

 重ねて朗報なのが、「主任警部モース(原題:Inspector Morse)」がHDリマスター版が11月から放送されること!これが嬉しい。「刑事モース」は、「主任警部モース」があってこその作品。コリン・デクスター原作の小説シリーズをドラマ化した「主任警部モース」。「刑事モース」も面白いけど、モースの原点は若い頃ではなく、年老いてからの方。その原点をようやく観られるのが嬉しいです。原作小説も、新版が出た第1作「ウッドストック行最終バス」以降、絶版状態。図書館や古本屋になければ、全シリーズに触れられない。今後、どう「モース」の世界を歩いて行ったらいいのか…と思っていたら、ドラマの放送決定。「刑事モース」の若い頃から入ったため、「ウッドストック~」を読んだ時はショックではありました。あのモースが将来こうなっちゃうんだ…。でもドラマで観るのは楽しみ。

 どちらも楽しみに、HDDを空けて待っています。整理しなきゃ…。その前にGYAO!でおさらい。
# by halca-kaukana057 | 2019-10-03 21:27 | 興味を持ったものいろいろ
 「Eテレ・NHK教育テレビ」タグを再び使うとは思わなかった(今観ているのは「昆虫すごいぜ!」ぐらい)。

 2007年にEテレ(教育テレビ)で放送されたアニメ「電脳コイル」。私にとってとても思い入れのある、大好きなアニメです。その「電脳コイル」が、現在GYAO!で配信中。アマゾンプライムでも観られるようなのですが、入っていないのでGYAOで(アマゾンプライムでは、「ヴィンランド・サガ」も配信中。テレビ放送ではカットされたシーンもあるようで…)
GYAO!:電脳コイル

 現在、4話と5話を配信中。もっと早く記事を書こうと思ったが今になってしまった。配信は1話から観ました。

 2007年…もう10年以上も前なのか。コイルの世界のような電脳メガネはまだ出てこないが、スマートフォンやタブレットでARを使えばそれがそこにあるかのように見える。最近話題になっているという、Googleでネコなど動物名を検索すると、ARでその動物が現れて目の前にいるかのような体験ができる(私のスマートフォンは古くて対応していなかった)。これは電脳ペットに似ている。ポケモンGOもARと位置情報を使った、コイルの電脳世界に近いものだ。Googleマップで地図を表示すると、たまに古い情報が更新されずに残っているものもある。これは「古い空間」か?(最終回の記録を読むとそうじゃないらしい…覚えていない。もう一度見直します)当時、メタバグやキラバグ、電脳アイテム、イリーガルなどのことがよく理解できなかったところもあるが、今のスマートフォンで考えると理解しやすい。メガばあが作るお札などの電脳アイテムはアプリみたいなもの?メタバグなども実際はプログラミング言語なんだろうな。道具として可視化できるようにしたのが面白い。

 そういう技術面もだが、ヤサコやイサコたちの友情、人間関係をもう一度見直したい。台詞や仕草に、今だから気づける新しい発見もあるかもしれない。技術面と同じくらい、人間関係や想いの方向も複雑に絡み合っている。この物語には痛みが伴う。心の痛みを伴ってでも人とコミュニケーションすることについて何度も考えた。2007年とは置かれている環境も変わり、人間関係についての経験や考え方も変わったと思う。今、このアニメを観て、私はコミュニケーションについてどう考えるのか。それを見届けたい。

 純粋にエンターテイメントとして、アニメとしての面白さを楽しむだけでも勿論このアニメは面白い。個性的なキャラクターたちと、電脳世界で大冒険するのもワクワクする。4話のバトルシーンや、ヒゲの回は最高だったなぁ。クビナガの回もよかった。

 そしてこのアニメで、池田綾子さんの歌に出会えました。「プリズム」「空の欠片」どちらも大好きで、毎回、OPとEDは飛ばせません。

 嬉しい再会です。毎回観るのが楽しみです。GYAOで観ているアニメがいくつもあって大変です…。
# by halca-kaukana057 | 2019-09-30 22:10 | Eテレ・NHK教育テレビ
 米澤穂信さんの「古典部」シリーズ第2弾です。ちょうどGYAO!でアニメも配信中。ちょうどこの「愚者のエンドロール」の回を見終わったのでその感想も。


愚者のエンドロール
米澤穂信/角川書店、角川文庫/2002

 夏休み。古典部は文化祭で出す文集「氷菓」の編集に追われていた。そんな中、千反田えるは知人に誘われたので2年F組が制作したビデオ映画の試写会に行こうと言い出した。試写会に向かった古典部の4人。そこにはえるの知人である、2年F組の入須冬実が待っていた。ビデオ映画は「ミステリー」と仮題がついた密室殺人事件ものだった。しかし、映画は途中で終わってしまう。脚本を書いた本郷真由は、脚本を完成させる前に体調を崩し入院してしまった。入須は、古典部に、折木奉太郎に、本郷の脚本の続きの答えを出してほしいと頼む。犯人は誰なのか、トリックは?古典部の4人は2年F組のビデオ映画制作スタッフ3人から話を聞き、答えを導き出そうとするが…。


 2作目はミステリー作品をめぐるミステリーです。第1作「氷菓」ではよくつかめなかった摩耶花の性格、得意なこともつかめてきました。そして2年F組の先輩たち。入須先輩は本当に高校生なのだろかと思うぐらい大人びている。本を読み始めると最初にあるチャットの会話ログが出てくる。2000年代のインターネット上のサイトの交流ツールといえば、掲示板(BBS)とチャットだった。今の若い人には他人も見られるLINEのトークと言えばいいかな。最後まで読んで、もう一度最初のチャットを読むと、そうだったのか、と思う。

 ミステリーとは何か。推理ものとは何か。それを探る物語でもありました。作品中でも取り上げられますが、私が「シャーロック・ホームズ」シリーズを読み始めた時、殺人事件ものは苦手なんだけどな…と思いながら読んでいた。でも、「ホームズ」の作品にも色々な種類がある。これも推理もの、ミステリーなんだと思った。その頃思っていたことを、思い出しながら読みました。「ホームズ」はミステリーの入門書と私も思っていたのだけど…。ホームズ作品に思い入れのある里志の話が助けになります。また、里志から見た摩耶花についての発言もある。摩耶花もすごい子なんだよなぁ。

 今回も奉太郎の推理が炸裂しますが、奉太郎一人だけでは「答え」を導けない。「答え」に近づけない。里志、摩耶花、えるがいて、それぞれの視点があって、奉太郎も推理できる。そしてこの古典部4人のつながりは、入須先輩が見据えているものとはまた違う。奉太郎の「省エネ」主義と、入須先輩のやり方、見据えているものは完全一致ではないけれど、どこか近いものがあるのかもしれない。でも、奉太郎は変わりつつある。2回目に入須先輩と2人で話した時、奉太郎の叫びは「省エネ」とはほど遠いものだった。何人もの人間を思っている。

 ミステリーとは、人間の本質、人間の心理を追求するものなのかもしれない。危機的状況、窮地に追い込まれた時、人間は何を考えて何をするのか。読んだ後にそう思いました。

 GYAO!で配信中のアニメ「氷菓」は、2010年代にうまく合わせて、原作のポイントをうまく生かしたテンポのよいものになっていたと思います。入須先輩や、古典部が話を聞いた2年F組の3人、特に沢木口先輩はイメージ通りでした。アニメで観るとより原作の面白さを実感できる。11話の打ちのめされていく奉太郎の表情がとてもよかった。本当に絵がきれいで、その絵で登場人物の心の中を表現している。いいアニメだなと思います。

 古典部シリーズ、まだまだ続きます。
# by halca-kaukana057 | 2019-09-28 21:58 | 本・読書
 昨日深夜、H2Bロケット8号機が打ち上げに成功しました。

JAXA:宇宙ステーション補給機「こうのとり」8号機(HTV8)の打上げ結果について

朝日新聞:H2Bロケット打ち上げ成功 「こうのとり」をISSへ
  ↑毎度おなじみ朝日新聞のロケット打ち上げ空撮動画もあります。ただ、夜のため、ロケットの炎しか見えません…。
NHK:「こうのとり」8号機 打ち上げ成功

 ロケットの打ち上げは夜中なので観られないだろうと思っていたら、偶然その日はなかなか眠れなかった。ちょうど打ち上げ時間になったので生中継を観ていました。いつもより心配して観ていたと思います。でも、そんな不安を吹き飛ばすきれいな打ち上げでした。お天気もよくよかった。
 
 周知の通り、この8号機の打ち上げは11日に行われる予定でした。しかし、打ち上げ数時間前、射点に移動したロケットの発射台から火災が発生。打ち上げは中止になりました。発射台で火災なんて初めて、一体何があったんだ!?ロケットの機体と「こうのとり(HTV)」は無事なのか?とても心配でした。

 その後、原因を調査、解明しました。
マイナビニュース:H-IIBロケットの発射台火災はなぜ起きたのか? - MHIが調査結果を公表
日本経済新聞:三菱重、ロケット火災は断熱材発火が原因と発表

 火災が何故、どのようにして起こったのか。まとめると、

・メインエンジンの噴射ガスを煙道方向へ逃がす役割をする、ロケットの下部にあたる位置に設けられている発射台の「開口部」という空洞から火災が発生。
・開口部の壁面には断熱材が貼られている。これが燃えた。
・H2Bロケットのメインエンジン「LE-7A」は、液体酸素でエンジンを予冷している。エンジンは2基あるが、そのうちの1基から排出された液体酸素が、この開口部の壁面に吹きかかっていた。
・H2Bロケットは、LE-7Aを2基並べて装着しているため、各エンジンの排出口と開口部壁面までの距離が20cmと非常に近い。なので液体酸素が開口部の壁面に吹きかかりやすい。LE-7A1基のH2Aロケットでは問題になっていなかった。
・予冷に使った液体酸素はエンジンのノズルの脇にある排出口から外へ放出されるが、この日はほぼ無風で開口部にたまっていた。
・断熱材は耐熱材によって覆われているものの、耐熱材は低温に弱く、冷たい酸素によって時々割れることがあるという。今回も、耐熱材が低温で割れた結果、中の断熱材が外に露出した。
・液体酸素が空気に触れ、液体と気体が混ざった状態で発射台の耐熱材に吹きかかり続けることで静電気が発生した。この静電気が発火源となった。しかもほぼ無風だったため、静電気はより強くなった。
・その静電気が、耐熱材が低温で割れて外に露出した断熱材に触れ、発火した。
・対策として、断熱材にアルミシートを施行する。

 というのが、火災が起こった流れです。H2Bロケット特有の問題、気象の条件が複雑に組み合わさり、火災につながった。この複雑な要因を短い期間で突き止め、次の打ち上げでは問題なく成功させたのはすごいと思います。改めて、ロケットは大きくても繊細な技術でできているのだと実感しました。H2Bも今回で8号機。初号機から成功し続け、安定していることに安心していましたが、その場になってみないとわからないことがあるのだなと思いました。今回の対応の件で、H2Bはさらに信頼性を上げたのではないかと思っています。

 「こうのとり」8号機は28日夜にISSに到着予定です。把持、結合、ハッチオープンまでご安全に!
# by halca-kaukana057 | 2019-09-26 21:59 | 宇宙・天文
 メッツァ&ムーミンバレーパークの旅の思い出、多分これが最後の記事。旅の楽しみはお土産。メッツァにはフィンランド、北欧のデザインプロダクトや雑貨がたくさんありました。ムーミンバレーパークにもフィンランドのムーミングッズが。買ったものの一部を紹介。

 まず、メッツァにて。
 マーケット棟2階の「北欧雑貨」にて。
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 フィンランドの旅行ポスター「Come to Finland」のポストカード。20世紀初頭から1960年代まで、フィンランドで旅行広告用に作られたポスターなのだそう。レトロでとてもお洒落なデザインです。デザインしたのは、フィンランドのポスターアートの巨匠・エリック・ブルーン(Erik Bruun)や、マリメッコのロゴをデザインしたヘルゲ・メーテル=ボリィストレーム(Helge Mether-Borgström)など。このポスターを観て、フィンランドに行きたいと思っていた人たちがいたんだと思うと、ワクワクします。

 マーケット棟1階、「LAAVU」にて。
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 スウェーデンの銀行がこどもたちにプレゼントするために、フィンランドにデザインを依頼して作られたゾウの貯金箱。今では人気商品です。そのキーリングです。貯金箱も大、小ありました。色はカラフルで、何色もありました。このNorsuのグッズは、別の色でストラップを持っています。今度はキーリング。ストラップとはちょっと違います。このコロンとしたゾウが可愛い。

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 これ!これには驚きました。フィンランド本国でもこれは売っているのかわからないのですが…(解説等は日本語だった)。フィンランド人の国民性を自虐たっぷりに、でも誇りを持って描いているコミック「FINNISH NIGHTMARES」、日本語版「マッティは今日も憂鬱」のマッティグッズです。ぬいぐるみキーチェーンとポストカード。ポストカードは何種類かあったのですが、私がこれぞマッティ、これぞフィンランド人と思うのはこのシーンかな。雨が降ろうが、パーソナルスペースはいつも通りの距離で。シャイで目立つのが苦手、静けさを愛し、パーソナルスペースは広め。それはどんな状況でも変わらない。そんなところに、フィンランド人の「倒れてもただでは起きない」根性、忍耐力、静かな強さを意味する「Sisu(シス/フィンランド魂)」も感じます。マッティグッズをそばに置いて、マッティのように憂鬱になりそうな状況下でもめげずに乗り越えていこうと思います。
マッティは今日も憂鬱
マッティ、旅に出る。 やっぱり今日も憂鬱 FINNISH NIGHTMARES 2
・「Sisu」についてはこちらを:フィンランドの幸せメソッド SISU(シス)

 あと、「LAAVU」ではフィンランドのお酒も売っていました。以前飲んだロンケロ(オリジナル ロングドリンク)もありました。買いました。やっぱり美味しいです。その他にも、「upcider」というシードルもありました。これもハートウォール社。写真はありません。宿で飲んでしまいましたw「upcider」も美味しかった。グリーンペアとアップルの2種類あります。
 クルタスクラーのチョコレートも売っていたのですが、家に着くまで溶けずに持ち帰れるか自信がなかったので買いませんでした。残念。Fazer社のチョコレートはミントでコーティングしたもの以外は売ってなかった。ゲイシャチョコとかあればいいなと思っていたのに。今度はもっと涼しい季節に行こう。
 サルミアッキがあるか期待したのですがなかった。何も知らずに買って、酷い目に遭ったら災難だからか?期待したんだけどな…。
フィンランドの定番カクテル「ロンケロ(Lonkero)」を飲んでみた
フィンランドのチョコレート クルタスクラー(Kultasuklaa)

 次はムーミンバレーパーク。ムーミンバレーパークはポストカードが充実しています。ポストカード大好きです。
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 ムーミンバレーパーク製のものと、フィンランドから輸入したものが一緒に売られています。これはフィンランドから輸入したもの。裏を見るとわかります。お祝いなど、メッセージカードにもなっています。

 Fazer社のものがありました。
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 ムーミンビスケット。缶入りのものもありましたが、これは箱入り。箱はこのムーミンと、もうひとつスノークのお嬢さんのデザインがあります。中身は一緒だと思います。中はムーミンのキャラクターの形をしたシンプルなビスケットです。
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 箱の横にはこんなフィンランド語が。訳すと、菜種油を使ったこどもたちが大好きなムーミンのクッキーです、とのこと。

 以上、フィンランド製のお土産でした。特にムーミンバレーパークのお土産屋さんはとにかく混んでいたので、お店の中のどこに何があるか把握するのが大変でした。メッツァの北欧雑貨も混んでいた。今度は空いている時にゆっくり見たい。

【過去記事】
日本のフィンランド? メッツァ&ムーミンバレーパークに行ってきた
【メッツァ&ムーミンバレーパーク】フィンランドの美味しいもの
ムーミンバレーパークを歩く

# by halca-kaukana057 | 2019-09-24 23:18 | フィンランド・Suomi/北欧

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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