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流星ワゴン

重松清「流星ワゴン」(講談社文庫)

 私の一番好きな作家がこの人、重松清さんです。「エイジ」や「ナイフ」、「ビタミンF」などかなり読んだと思います。家族や教育の現代の問題をしっかり見据えていて、それでいてとても優しく語る文章が好きです。でも、この「流星ワゴン」はなぜか読まずにいました。今回文庫化とあって、即買いました。

 38歳の一雄はリストラされ、妻とも離婚寸前、中学生の息子は不登校。駅で「死んじゃってもいいかなぁ」と思っていたところへ、一台のワゴン車がとまった。乗っていたのはとある父子。ただし、交通事故で死んだ幽霊。その父子は一雄を大切な場所へと連れて行ってくれるという。そして着いたのは、1年前の交差点。妻の浮気現場を目撃し、追いかけなかった場所。そしてそこには病に付しているはずの一雄の父がいた。しかも一雄と同じ歳の。人生をやり直せるのか、一雄は父とワゴンとともに、時空を飛び越えた。

 重松さんには珍しいファンタジーですが、登場人物はどこにでもいそうな現代の家族。父親に反感を抱く一雄と父の会話とか、交通事故死した息子の成仏を願う父の会話とか、心に染みる。そこにあるのは過酷な現実。それでも立ち向かう姿がいい。家族とは、生きる意味とは、考えさせられます。私も今家族や生きることに悩んでいる。その気持ちを代弁してくれているような気もする。失敗してもいい。何があっても、家族の絆は消えない。ラストにぐいぐい引き込まれました。

 やっぱり重松清はいい。そう思わずにいられません。
by halca-kaukana057 | 2005-04-22 20:00 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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