人気ブログランキング |

どうなるベテルギウス

 ちょっと前のニュースから。

朝日新聞:ベテルギウスに爆発の兆候 大きさ急減、表面でこぼこ
sorae.jp:ベテルギウスの最新画像


f0079085_22104519.jpg

 冬の星座の王者、オリオン座。オリオン座のα星であり、その左上にあるオレンジ色の一等星・ベテルギウス。「冬の大三角」を構成する星のひとつとしても有名です。そのベテルギウスが、今まさに恒星の死の直前にあるということ。ベテルギウスは太陽よりもずっと大きく重い「超巨星」。恒星の進化の過程は、その恒星の質量によって決まります。ベテルギウスは今後、膨張を続け超新星爆発を起こすと考えられています。それは前からあった話なのですが、こんかいの上記2サイトの記事にある、この画像。ベテルギウスの表面の盛り上がり、温度の高さがはっきりとわかる。ベテルギウスまでの距離は600光年(光年を時間の長さの単位だと間違われることがありますが、距離の単位です。光が1年に進む距離のことで、約9兆km)。地球から比較的近い恒星ですが、どんなに大きな望遠鏡で見ても、これまでは光の点にしか見えなかった。それが今ではこんな画像を撮ることが出来る。光学系の進歩に驚きました。

 さて、もし、近い将来、ベテルギウスが超新星爆発を起こしたら…。超新星爆発を起こす恒星は、頻繁に観測されています。ただ、暗いのでそれなりの機材が必要。それでもアマチュア天文家にも超新星ハンターが何人もいて、昨年12個もの超新星を発見・観測した板垣公一さんが有名。ベテルギウスは一等星ととても明るい星のため、超新星爆発したら肉眼は勿論のこと、昼間でもその輝きが見れるほどの明るさになるのではないかと言われています。1054年、超新星爆発を起こしたおうし座のかに星雲(M1)。当時の記録によると、数週間もの間昼間も観測でき、約2年間にわたって夜空に輝いていたといいます。ちなみに、藤原定家の「名月記」にも記述はありますが、これは定家自身が実際に見たものではなく(定家は12世紀)、過去の記録を引用したものだと言われています。ベテルギウスも、かに星雲のようになる可能性がある。超新星爆発を、宇宙の変遷をこの眼で見てみたいものです。恒星の進化や超新星爆発後の中性子星やブラックホールに関する研究もグンと進むだろう。さらに、昼間でも見えるほどの明るさなのだから、人々の眼は空に向かわざるを得ない。超新星爆発がきっかけで、様々な可能性が広がりそうだ。

 しかし、ちょっと寂しいと思うことも。オリオン座は都会でも見える、形の整ったはっきりとした星座。そのオリオンの雄姿が見られなくなるのは、残念です。ただ、星座の形というのは変化し続けるもの。うしかい座のアルクトゥールスは、どんどんおとめ座のスピカに近づいている。5万年後には、スピカの隣で輝くだろう。南天の宝石・みなみじゅうじ座も形が変わる。地軸のコマの首振り運動・歳差運動で、北極星も変遷してきたし、ヨーロッパで南天の星座が見えていたこともあった…。今見ている星空は、今だけのもの。そう思うと変化も受け入れ、納得してしまう。

 ベテルギウスで超新星爆発が起こったとしても、地球に届くまで600年かかる。もしかしたら、もう爆発しているかも…なんて。何十年、何百年、何万年後になるかわかりませんがワクワクせざるを得ない恒星です。
by halca-kaukana057 | 2010-01-14 23:03 | 宇宙・天文

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31