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ハ短調の重さと穏やかさ ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番

 先日、運転中にFMから流れてきた音楽。重厚で暗いけれども、溌剌としたオーケストラとピアノに心を奪われました。その作品は、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番 ハ短調」op.37でした。放送されていたのは、エミール・ギレリスのピアノで、ジョージ・セル指揮ウィーン・フィルの演奏でした。

 ベートーヴェンのピアノ協奏曲の中で、この作品だけが短調。しかも、交響曲第5番「運命」やピアノソナタ第8番「悲愴」、第32番、弦楽四重奏曲第4番と同じ"ハ短調"。モーツァルトにとって重要な調性が交響曲第25番、第40番、弦楽五重奏曲第4番などの"ト短調"だったように、ベートーヴェンにとって重要な調性がハ短調。重厚で陰鬱、感情の激しさを思わせる。この「ピアノ協奏曲第3番」の第1楽章も言葉で表すとしたらそんな感じなのだが、疾風怒濤の中にいる…というわけでもない。ピアノパートからはしっとりとした落ち着きと、溌剌さのバランスを感じるし、何度も長調に転調するあたりものびのびとしていて、ゆったりと聴ける。

 第2楽章のホ長調のラルゴは、穏やかで瞑想するかのようなピアノの優しい歌にますますゆったり。第3楽章は再びハ短調…なのだが、中間部でハ長調に転調。ロンド楽章なので、主題がどう繰り返されているのかを考えながら聴いている。ハ短調の重さを振り切ったかのようなフィナーレにも圧巻。ベートーヴェンは暗から明への変容がうまいなぁとつくづく思う。

 聴いたのは3つの演奏。
・フリードリヒ・グルダのピアノでホルスト・シュタイン指揮ウィーンフィル
 ピアノ・マスターワークス(50CD)に収められていた演奏。ただ、録音が古いのが、ノイズが入っているのが残念。
・ウラディミール・アシュケナージのピアノ&指揮で、クリーヴランド管
 ベートーヴェンで弾き振りって出来るものなんだ…。溌剌としています。
・ティル・フェルナーのピアノでサー・ネヴィル・マリナー指揮アカデミー管弦楽団
 ピアニストのことはよく知らないが、優しい音を出すなぁと感じました。

 ラジオで聴いたギレリスの演奏も、もう一度ちゃんと聴きたいな。あと、グールドのピアノでカラヤン&ベルリン・フィルの盤もあるらしい。シベリウスの5番をカップリングで。どういう組み合わせなのだろう?聴いてみたいかもだ…。
by halca-kaukana057 | 2010-02-25 22:37 | 音楽

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by 遼 (はるか)
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