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人間はどこまで動物か

 この本、夏休みの読書にピッタリだと思います。


人間はどこまで動物か
日高敏隆/新潮社・新潮文庫/2004

 お馴染み、動物行動学者である故・日高敏隆先生のエッセイです。虫や動物たちのこと、自然のこと、大学でのこと、移り変わる季節と自然、社会のこと…などなど、日高先生は虫や動物を原点として、幅広い分野に興味を持ち、考えていらっしゃったのだなぁと感じます。

 これまで日高先生の本を何冊か読んできましたが、この本を読んで思ったのは、人間も自然の一部で、自然とは切り離せないということ。タイトルが「人間はどこまで動物か」なのですが、人間は文明を作り上げてきたが”ヒト”であり、ヒトも動物もそれぞれのやり方で子孫を残そうとしてきた。知能を持ち文明を発達させてきた人間と、動物を対比させ、「人間は”どこまで”動物か」とひとつの物差しだけで考えようとする。そこでどんな「違い」を見出したいのかわからない、という内容だ。このあたりや、他の部分を読んでいて、人間がどこまで動物か、なのではなく、人間・ヒトも動物も虫も自然の中で生きている。自然があって生きられるし、子孫を残していけるのだろうと感じた。例えば、自然と切り離された環境…国際宇宙ステーションや、現在はロシアで火星有人探査のための実験施設で、乗組員を想定した人々を施設に1年以上隔離して生活する実験も行われている。そのような環境では、酸素を作り出す装置が必要だし、水を循環させる装置もある。自然が当たり前のようにしていたことを、そのような自然と隔離した施設では人間が作り出さなければならない。自然と隔離されている施設を作って初めて、人間は人間も自然の一部だったと実感したのではないだろうか。そう感じました。


 また、今回の本には蝶のお話が頻繁に出てきます。そのお話を読んで、小学生の頃育てたアゲハチョウのことを思い出しました。理科の授業がきっかけだったような、記憶はおぼろげなのですが、アゲハチョウをたまごから育ててみたいと思って、山椒の木を探してそこからたまごの付いた枝を取ってきて、ケースに入れて育て始めました。チョウに関する本を読みながら、どんな風に育つのか、サナギの時中身はどうなっているのか(これには驚いた。実際、サナギを割って見てみようかと思ったが、育てているうちに愛着が沸いてサナギを割る=成長をそこでストップさせることはできなかった)、何を食べるのか等を調べながら、観察日記も書いて成虫まで育て、羽化した後は外に放しました。黒と白の、まさに鳥のフンのような幼虫を経て、緑色の幼虫に。わざと頭をつついて、黄色い臭うツノを出させて遊んでみたりもしました。サナギになった後は、いつ羽化するのか楽しみで、毎日ケースの中を見てはあのサナギの中ではすごいことが起こっているのだなぁと考えたりもしました。そして羽化。あの色とりどりの翅を広げるのを、ただ見つめていたのを覚えています。

 今年は暑いせいか、家の周りでアゲハチョウをよく目にします。もう数十年も前の話ですが、あの時育てて放したアゲハチョウの子孫なのかもしれないな、と思いながら観ていました。翅の模様を、またじっくり見てみたいなと思いながら。モンシロチョウやモンキチョウ、ベニシジミもよく見かけます。
 山のほうに行った時は、アオスジアゲハらしきチョウを見かけた。黒く、青い模様があった。私の住む地域、しかも涼しい山のほうでは見られないようなのだが、何故かいたので驚いた。すぐにひらひらと林のほうへ飛んで行ってしまったので、もっとよく観たかったと思う。

 そんなアゲハチョウの思い出と、チョウへの興味を思い出させてくれたこの本に感謝したいです。この本で、さらにアゲハチョウの生態について詳しく書かれていたので、それを確かめるためにももう一度育ててみたいなぁ、なんて思ってしまいました。もう秋が近づいてきているので厳しいかな?

 秋も近づき、朝の涼しい時間や夜には虫たちの声が聞こえます。この本で、これまでとは違う視点で、虫たちや自然を見て、付き合うことができそうです。
by halca-kaukana057 | 2010-08-18 22:45 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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