2010年 11月 21日
本屋の森のあかり 8
7巻が、続きがとても気になる状態で終わった「本屋の森のあかり」8巻出ました。
本屋の森のあかり 8
磯谷友紀/講談社・講談社コミックスKiss/2010
寺山から、来年ソウルに新しく出来る支店に異動することになったとメールをもらったあかり。そのメールには、「一度お会いできないでしょうか?」と。その意味に困惑する。一方、潮見は緑から寺山がソウルに異動することを知る。あかりには知らせたのに、自分には教えてくれなかったと悔しがるが、そのあかりと寺山が会う際に、自分も一緒に行きたいと言い出す。
寺山と会う日の前日、あかりは店のサービスカウンターで、お客からあるあらすじの本を探していると相談される。わからずあちらこちらに訊いてみるが、答えは出ず。しかも、その後でサービスカウンターのバックヤード店員たちが、あかりの噂をしていた。あかりはいい人だが、他の業務にも支障が出るし、迷惑だ、点数稼ぎをしたいだけ…。落ち込むあかりに声をかける緑。そして、緑も寺山と合うのに一緒に行くと言い出す。そして翌日、集まった4人。そこであかりは、探している本を寺山に訊いてみる…
とうとう日本を飛び出して、舞台は海外へも!面白いことになってきました。
寺山のソウル編がメインかと思ったら、この8巻でメインに語られるのは、潮見さんの寺山への恋心。6巻で登場、東京の本店で親切にしてもらい、さらに潮見が愛読しているロマンス小説のことで話が盛り上がったことがきっかけとなり、恋心を抱く。そのうち、名古屋支店の部下であるあかりが寺山に告白して振られたことを知る。少しずつ恋心を温めてきたが、8巻で爆発しました。親にお見合い話をしつこくされ、焦っているのもわかるが、私は潮見さんのような人が身近にいたらちょっと距離を置きたいと思う。寺山のことを好き、愛おしいからそばにいたいというより、寺山を自分のものにしたい。自分のものにして、ロマンス小説のヒロインのようなハッピーエンドを勝ち取りたい…というように私は感じた。4人での食事の場でも、「言ってやった…」の行動にも呆れる。潮見さんの寺山への想いを感じ取った緑が、「いい歳をしてみっともない」「多少は引いた方がいいですよ!押しすぎです」と潮見さんへ忠告するが、全くその通りだと感じた。私は緑のように言葉では言えないと思うが、行動で示す…近づかない、親しくならない、心を許さない。
しかし、その潮見さんとの会話で、何かを意識し始めたような緑。ただの同期か、それともかけがえの無い存在か…。
さて、寺山のソウル異動。韓国の本屋事情も。韓国では地面に座り込んで長時間「座り読み」するのが当たり前らしい…!!?凄いなぁ…。日本なら即追い出されるだろう。実際見てみたい。一緒に座り込んで読む勇気はないけど…。
言葉もわからない、文化・慣習も異なる異国の地で、新しい支店を開店させるために必死の寺山。通訳役の店員・キムさんはマイペース。でも、寺山や店のことを思い、しっかりと考えている。ただ、言葉の「壁」がある。言語が異なるという「壁」でもあるし、「言葉にしないと伝わらないものがある」ということ。寺山にとって、後者は苦手なこと(私も…)。112ページのキムさんの言葉に、その通りだなぁと感じました。また、114・115ページで寺山が考えていた「本を通して人を見る」ことと、「人を通して本を読む」ことも。本から学ぶことは多い。本は現実世界を映したものでもある。でも、今私が存在する現実世界とは違う世界(ノンフィクションやエッセイ、学術書は現実世界で起った事をそのまま書いてはいるけれども、多くは筆者の視点が入る。同じ現実世界ではあるけれども、その現象を見る立ち位置、考えが異なる)。「人を通して本を読む」ことは、まず、この「人」はその本の筆者だったり、物語の主人公やその本を薦めてくれた人…様々な場合が考えられる。その「人」が身近な人だろうとそうでなかろうと、その「人」の視点に自分も一緒に立って、本に書かれてある世界を読む。違う誰かの視点や想いを考えながら本を読むことで、自分に新しい何かを吹き込むことが出来るのではないかなと感じた。また、その「人」をより身近に感じることも。41話の寺山には共感してばかりでした。竹久夢二の「ゆく水」も味わい深い詩です。田才さんみたいに、もう少し詩に詳しくなりたい、親しみたいな。「のはらうた」の工藤直子、谷川俊太郎あたりは好きです。あ、勿論宮澤賢治も!!
あかりも、本屋の仕事に変化が。冒頭では嫌な噂をされていたが、そのあかりの仕事ぶりをしっかりと見ている人も。あかりの仕事ぶりは、私も読んでいて元気になる。他店の書店員とも話すうちに、あかりなりの方向性が見えてきた、が…。また緑に厳しい反応をされてしまう。どうするあかり。
そして、韓国では潮見さんがついに直接行動へ…(本当にどうしようもない女だな…)。しかも寺山のことはお見通し。9巻がどうなるのか、早く読みたいが、先行き不安。読むのが怖いです…。
42話の酔った緑と田才さんのグダグダっぷりは、いいタイミングで笑えましたwクールな緑がグダグダすぎるw
・関連過去記事
・本屋の森のあかり 7:7巻感想
・本屋の森のあかり 6:6巻感想
本屋の森のあかり 8
磯谷友紀/講談社・講談社コミックスKiss/2010
寺山から、来年ソウルに新しく出来る支店に異動することになったとメールをもらったあかり。そのメールには、「一度お会いできないでしょうか?」と。その意味に困惑する。一方、潮見は緑から寺山がソウルに異動することを知る。あかりには知らせたのに、自分には教えてくれなかったと悔しがるが、そのあかりと寺山が会う際に、自分も一緒に行きたいと言い出す。
寺山と会う日の前日、あかりは店のサービスカウンターで、お客からあるあらすじの本を探していると相談される。わからずあちらこちらに訊いてみるが、答えは出ず。しかも、その後でサービスカウンターのバックヤード店員たちが、あかりの噂をしていた。あかりはいい人だが、他の業務にも支障が出るし、迷惑だ、点数稼ぎをしたいだけ…。落ち込むあかりに声をかける緑。そして、緑も寺山と合うのに一緒に行くと言い出す。そして翌日、集まった4人。そこであかりは、探している本を寺山に訊いてみる…
とうとう日本を飛び出して、舞台は海外へも!面白いことになってきました。
寺山のソウル編がメインかと思ったら、この8巻でメインに語られるのは、潮見さんの寺山への恋心。6巻で登場、東京の本店で親切にしてもらい、さらに潮見が愛読しているロマンス小説のことで話が盛り上がったことがきっかけとなり、恋心を抱く。そのうち、名古屋支店の部下であるあかりが寺山に告白して振られたことを知る。少しずつ恋心を温めてきたが、8巻で爆発しました。親にお見合い話をしつこくされ、焦っているのもわかるが、私は潮見さんのような人が身近にいたらちょっと距離を置きたいと思う。寺山のことを好き、愛おしいからそばにいたいというより、寺山を自分のものにしたい。自分のものにして、ロマンス小説のヒロインのようなハッピーエンドを勝ち取りたい…というように私は感じた。4人での食事の場でも、「言ってやった…」の行動にも呆れる。潮見さんの寺山への想いを感じ取った緑が、「いい歳をしてみっともない」「多少は引いた方がいいですよ!押しすぎです」と潮見さんへ忠告するが、全くその通りだと感じた。私は緑のように言葉では言えないと思うが、行動で示す…近づかない、親しくならない、心を許さない。
しかし、その潮見さんとの会話で、何かを意識し始めたような緑。ただの同期か、それともかけがえの無い存在か…。
さて、寺山のソウル異動。韓国の本屋事情も。韓国では地面に座り込んで長時間「座り読み」するのが当たり前らしい…!!?凄いなぁ…。日本なら即追い出されるだろう。実際見てみたい。一緒に座り込んで読む勇気はないけど…。
言葉もわからない、文化・慣習も異なる異国の地で、新しい支店を開店させるために必死の寺山。通訳役の店員・キムさんはマイペース。でも、寺山や店のことを思い、しっかりと考えている。ただ、言葉の「壁」がある。言語が異なるという「壁」でもあるし、「言葉にしないと伝わらないものがある」ということ。寺山にとって、後者は苦手なこと(私も…)。112ページのキムさんの言葉に、その通りだなぁと感じました。また、114・115ページで寺山が考えていた「本を通して人を見る」ことと、「人を通して本を読む」ことも。本から学ぶことは多い。本は現実世界を映したものでもある。でも、今私が存在する現実世界とは違う世界(ノンフィクションやエッセイ、学術書は現実世界で起った事をそのまま書いてはいるけれども、多くは筆者の視点が入る。同じ現実世界ではあるけれども、その現象を見る立ち位置、考えが異なる)。「人を通して本を読む」ことは、まず、この「人」はその本の筆者だったり、物語の主人公やその本を薦めてくれた人…様々な場合が考えられる。その「人」が身近な人だろうとそうでなかろうと、その「人」の視点に自分も一緒に立って、本に書かれてある世界を読む。違う誰かの視点や想いを考えながら本を読むことで、自分に新しい何かを吹き込むことが出来るのではないかなと感じた。また、その「人」をより身近に感じることも。41話の寺山には共感してばかりでした。竹久夢二の「ゆく水」も味わい深い詩です。田才さんみたいに、もう少し詩に詳しくなりたい、親しみたいな。「のはらうた」の工藤直子、谷川俊太郎あたりは好きです。あ、勿論宮澤賢治も!!
あかりも、本屋の仕事に変化が。冒頭では嫌な噂をされていたが、そのあかりの仕事ぶりをしっかりと見ている人も。あかりの仕事ぶりは、私も読んでいて元気になる。他店の書店員とも話すうちに、あかりなりの方向性が見えてきた、が…。また緑に厳しい反応をされてしまう。どうするあかり。
そして、韓国では潮見さんがついに直接行動へ…(本当にどうしようもない女だな…)。しかも寺山のことはお見通し。9巻がどうなるのか、早く読みたいが、先行き不安。読むのが怖いです…。
42話の酔った緑と田才さんのグダグダっぷりは、いいタイミングで笑えましたwクールな緑がグダグダすぎるw
・関連過去記事
・本屋の森のあかり 7:7巻感想
・本屋の森のあかり 6:6巻感想
by halca-kaukana057
| 2010-11-21 23:20
| 本・読書