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ブルクミュラー25「バラード」を読む

 「ブルグミュラー短調キャンペーン」で練習中の第15曲「バラード」。もともと好きな曲なのだが、調べてみたらもっと面白いことに気がついた。曲を読み深めるためにも調べたことを書いてみる。

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○調性について
 フラット3つの短調でハ短調。しかし、演奏するとラとシについているフラットにはナチュラルがついていて、実際にフラットが付くのはミのみ。これは旋律的短音階で出来ているためである。旋律的短音階は一般的な短調である自然短音階のⅤとⅥを長2度、ⅥとⅦも長2度、ⅦとⅠを短2度にしたもの。旋律的短音階は元の自然短音階よりも歌いやすくなる。歌いやすくするために作られた旋律的短音階がピアノ曲に使われる理由…?きっと、メロディーを「歌う」ことを意識して演奏するようにとブルグミュラーは配慮したのだろう。

 ちなみに、ハ短調はフラットが付く短調の中でも、最も重苦しい響きを出す短調。その重苦しさを表現して。
 短音階の仕組みについてもっと詳しくはこの図を参照ください。大学で受けた楽典の授業のノートの写しのため、手書きで読みにくいと思いますが…。


○テンポについて
 速度は付点四分音符=68~76.初版では104とかなり速いものだった。速度標語は「Allegro con brio」。つまり、「快速に生き生きと、活発」に。ただのAllegroでないところに注意。


○楽譜を読んでみよう
 形式はABA+Codaの簡単なもの。しかし、「バラード」というロマン派キャラクターピースの代表とも言えるタイトル、曲想から感じられるのは短くもドラマ性がある。楽譜を追いながら読み込んでみる。

 冒頭部分、第1主題。右手が伴奏で左手がメロディー部分になっている。チェロやコントラバスがメロディー部分を持つイメージ?発想標語は「misterioso」=「神秘的に」。でも、速度標語は「Allegro con brio」。神秘的なのに、快速に生き生きとなんて矛盾している?いや、その矛盾によってより謎めいた表現することを求めているのかもしれない。例えばシューマンに見られる狂気のようなものを。また、フォルテではなくピアノであることに注意。バンバンと弾くのではなく、弱音で緊張感を持って。
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 アクセントはsf(スフォルツァンド)とVの字が逆になったものが使い分けられている。Vの字が逆になったものは、リストが考案したより鋭いアクセント。よって、Vの字が逆なったアクセントを強く。
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 休符にフェルマータで場面は移り変わり、第2主題はハ長調に転調。発想標語は「dolce」=「柔らかく、愛らしく、甘く」。緊張から一転夢見るように。animato(活気を持って)でさらに盛上げる。
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 でも、だんだん雲行きが怪しくなってきて…
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 再び第1主題。一瞬の夢だった。
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 Coda部分。撹乱と衰退、そして消滅。sfで劇的な最後。
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 第1主題の緊張感を持った狂気のようなメロディーが大好きです。
by halca-kaukana057 | 2006-12-12 17:16 | 奏でること・うたうこと

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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