人気ブログランキング |

私ではない私を演じる

 先日の漫画「屋根裏の魔女」(磯谷友紀:作)の感想でも書いたのですが、演劇、自分とは違う誰かを演ずることで、「自分とは違うタイプの役だな…と感じても、もしかすると同じような要素を自分も持っているかもしれない。演じながら、そんな面に気づくこともある。」と書いた。演劇だけでなく、読み聞かせや朗読でも同じことを体験できる、とも。この、自分とは違うけれども、自分の奥底にあるかもしれない同じ要素・人格を演じてみることは、結構重要なのかなと感じています。

 時々、自分の中でどうしたらいいのかわからない感情をもやもやと持つことがある。その多くは、かなしい、辛い、苦しい、悔しい、羨ましい、妬ましい、憎い、嫌い…といったネガティヴな感情。こうやって羅列してみたけれども、実際は色々な感情が同時に絡まって、自分自身でも実体をつかめずにモヤモヤと心の中に渦巻いている。それをどう扱ったらいいのかわからなくなる。誰かに話したら引かれそう、相手を嫌な思いにさせてしまいそうだと感じて口にするのを躊躇する。誰にも見られないように紙などに書いてみても、そこで行き止まり。結局自分の中で堂々巡りをするだけ。どこに向けたらいいのかわからない。行く先がない。そうして心の中にしまっておくと、いつまでもモヤモヤと渦巻き、停滞し、心の中がそのネガティヴな感情に支配されて、落ち込んだり元気をなくしたりしてしまう。

 こんな時、そのネガティヴな思いを「演目として演じる」ことができれば、うまく昇華できるのではないかなと考えた。演劇をしている人なら劇にして演じる。物語にして何らかの形で発表してみる。ただしこの時、自分自身から切り離して、別の誰かとする。自分をこの時だけ、別の誰かにしてしまえば、客観的に自分をみることができる。モヤモヤがだんだん晴れてきて実体をつかめるようになるのかもしれない。

 ネット上でなら、全く違うアカウントで、違う人になりきって、ブログなどを書いてみるのもありかもしれない。文体などでばれないように注意して。


 あと、話を最初に戻して、楽器を演奏すること、歌うことなど音楽活動でも、自分とは違うけれども、自分の奥底にあるかもしれない同じ要素・人格を演じてみることは面白いのではないかと思う。自分の性格や好みとは全く異なる曲想の作品に取り組み、演奏することで、自分の中にある知らなかった要素に気づくかもしれない。自分で演奏したい作品を選んでいると、いつも同じような作品になってしまうこともあるので、あえて自分はこの作品は選ばない!と思う作品に取り組んでみたら、また違う景色が、自分が、見えるかもしれない。


【過去関連記事】
屋根裏の魔女:作品感想

ピアノで広がる”自分”:過去にも、ピアノ演奏で思いもしなかった自分の一面に気付き、演奏することで自己を再確認することができるのではないか、と書いていた。今もそう思います。演奏する作品のレパートリーがなかなか増えないので、広がりも出ていないのがかなしい…。
by halca-kaukana057 | 2010-11-29 23:19 | 日常/考えたこと

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31