人気ブログランキング |

あかつき、問題究明中

 金星探査機「あかつき」の金星軌道投入時に、機体に何が起こっていたのか。原因究明が始まっています。先日の記者会見では、減速するための逆噴射エンジンであるセラミックスラスタの噴射開始後約2分半に、機体がX軸(ローゲインアンテナのある面)にぐるんと一回転(!!?)し、異常を察知した「あかつき」が噴射を止め、セーフホールドモードに移行した…とのことでしたが、更に詳しいデータにより、これは少し違うことがわかってきました。

朝日新聞:あかつき、6年後の再投入に暗雲 エンジンパイプ異常か
マイコミジャーナル:金星探査機「あかつき」に新情報、燃料タンクの圧力が異常低下していた
松浦晋也のL/D:あかつき金星周回軌道投入失敗、12月10日午前11時からの記者会見
 ↑松浦晋也さんによる、記者会見全文。
IT media News:あかつき、燃料タンクの圧力に異常 配管に目詰まりか
 ↑記者会見の場でホワイトボードに描いた配管図の画像があるのですが、それがわかりやすい。タンクとタンクがどう繋がっているのかわかります。

 上記の記事によりますと、噴射後に姿勢が少し崩れ、その姿勢を戻すため、「あかつき」の機体のあちこちに付いている「姿勢制御スラスタ」が姿勢を元に戻そうと噴射。しかし、約2分半後、X軸方向に回転はしたが、ぐるんと一回転はしておらず、42度の角度に姿勢が崩れたとのこと。姿勢を元に戻そうと姿勢制御スラスタ、更にはリアクションホイールも使うがうまくいかず。セラミックスラスタの噴射も、リアクションホイールを使うと同時に停止。約6分後にセーフホールドモードに入って、機体を保つことを優先した模様。

 この姿勢が崩れた間の燃料タンクのデータもあるのですが、セラミックスラスタ噴射開始後、燃料タンクの圧力が一気に下がっている。燃料タンクはヘリウムガスで、一定の圧力に保たれているはずなのに。ヘリウムガスも別のタンクに入っていて、噴射により燃料が少なくなると、ヘリウムガスタンクからヘリウムガスが送られて圧力を一定に保つ。現在、タンクとタンクを繋いでいるバルブに不具合がでたのではないかと考えられています。(上記「IT media News」の配管図画像を参照してください。)

 これ以上のことは、宇宙機の推進関係の技術には詳しくないので、残念ながら考察も自分なりの考えも述べることができません。ただ、機体内部に何か損傷がある可能性も出てきた。心配ですが、不明な点もまだあるので更なるデータ解析・調査を焦らずに待つことにします。

 しかし、「はやぶさ」のイオンエンジンの仕組みの時もそうでしたが、宇宙機を支える技術についても臆せずに学びたい。わからないことは「わからない」とはっきり言って、調べて、自分なりの言葉で話せるようになりたい。私が相変わらず数学にも工学関係にも疎い文系であることは変わりないのですが、それでも、宇宙開発・宇宙科学研究に興味がある、応援しているからには、「わからない」で止めない、止まらない。まずは先入観を捨てて向き合ってみる。そんな姿勢でいたいです。


 「あかつき」から、金星周回軌道投入時のデータだけでなく、こんなデータも届きました。

JAXA:ISAS・宇宙科学研究所:「あかつき」の機能確認作業において金星を撮影!

 軌道投入出来なかった後、9日に撮影した金星です。金星から60万kmの距離。5つあるカメラのうち、3つで撮影。どれもきれいに撮影できています。よかった、カメラは無事だった。何としてでも6年後、戻ってきて今度はもっと近くで金星の姿を撮影し、金星の謎に迫れたらと願っています。「6年後、きっと戻ってくるよ」という誓いの画像にも見えます。上記のバルブの件が心配ですが、きっと、またここに戻ってくる。

【追記】
 リンクを2つ追加しました。
by halca-kaukana057 | 2010-12-10 22:58 | 宇宙・天文

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31