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本屋の森のあかり 9

 買ってから、またかなり時間が経ってしまってからの感想です…。「本屋の森のあかり」ももう9巻です。


本屋の森のあかり 9
磯谷友紀/講談社・講談社コミックスKISS/2011

 実用書担当の木原ユカリの誘いで他の書店の書店員たちと交流し、書店で働くこと・自分の仕事について深く考えるようになったあかり。名古屋支店での勤務期間の延長か、異動かの答えが迫る中で、あかりは須王堂以外での書店でも働いてみたいと、同期であり副店長でもある緑に話す。しかし、緑はすぐに辞表を書けばいいと言い放つ。その発言を言い過ぎたと後悔する緑。また、あかりも、仕事の面でも同期としても認めてもらい、話しやすくなってきたのにまた溝を作ってしまったと、謝るチャンスを伺う。
 その一方で、名古屋支店内では、潮見がソウル支店の支店長を務める寺山のもとへ行ったことが、2人が付き合っているという噂に発展していた。それを耳にしたあかりは、複雑な気持ちになる。
 木原とあかりは、売り場を越えた横のつながりを作り、本のジャンルの垣根を取り払ったフェアを開催するということを考えていた。しかし、意見の合わない副店長同士…緑と潮見の溝が大きな問題だった。それでも、木原とあかりは名古屋支店を変えようと、水原店長も交えて、緑に話してみること決めた。
 上司として、同期として、あかりのことで悩んでいた緑。勤務後、他の店で働きたいという誤解を解こうと待っていたあかりに対して、緑は全く予想もしない言葉を口にした…。


 8巻でも大きく話が動きましたが、9巻でも物語が徐々に動いていきます。まず、あかりと木原で考案した本のジャンル・売り場の垣根を越えた横のつながり。副店長同士が意見が合わないため、売り場間で大きな溝がある名古屋支店。それでも線を引いて仕事を続けている緑と潮見だが、その下で働く書店員たちも同じ意見とは限らない。木原さんのしっかりとした意見に、私もあかり同様聞き入りました。確かに、本を探しに本屋さんに行った時、「これはどの売り場に置いてある本なのだろう?」と売り場を彷徨うことがある。また、同じテーマの本なら、別々のところに置かずに一緒に置いたら、もっとその内容について深く突っ込んでいけるのに…と思ったことがある。私の場合、例えば探査機「はやぶさ」関連の本が、単行本、雑誌、ムック、新書…と別々の売り場に並んでいることが多く、探すのに苦労したり、一緒に並べてPOPをつければ人目を惹くのに!!と思ったことがある。小さいながらも一箇所にまとめて、POPを付けている書店を見つけた時は本当に嬉しかった(大都市の大きな書店では当たり前かもしれませんが、私の地域では珍しいのです…)。木原さんとあかりが、どう名古屋支店を変えていくのか、緑と潮見、2人の副店長を動かしてゆくのかが気になります。がんばれ!


 そして…緑。あかりに対して、ついに自分の想いを打ち明けてしまいました。そういう感情をあまり表には出さない緑。でも、心の奥底では、その想いが大きくなっていたのです。そして、あかりが話した他の書店で働いてみたいという発言で、焦ったのか…。最初は完璧、クールな仕事人間の緑が、こんなにうろたえたり、感情をさらけ出すとは…。あかり、大変です。

 一方、8巻で寺山に想いを打ち明けた潮見。しかも、あかりが告白したけど断ったことを、後悔しているのではないかと、巧みに利用して。このやり方が気に食わない、ますます嫌な女だ潮見!と思ったのですが…。47話以降で、緑と同じように、違う面も見えてきます。潮見は潮見で、策略家なところもありますが、一途で、うろたえたり焦ったりすることもある。緑とは意見が合わないが、自分の信念を持って仕事をしている。そんな面が伺えて、少し見方が変わりました。

 この9巻で一番活躍したのは、私としては水原店長だと思います。弱気で頼りない可愛らしいお坊ちゃまですが、やる時はやるんです。47話以降の騒動を、丸く収めてしまった水原店長…。それを提案した緑も凄いですが、水原店長も凄い。水原店長の、今後の成長を応援したいと思います。木原さんとあかりの動きと合わせて、名古屋支店が今後大きく変わるかも!変わって欲しい!

 最後の49話。潮見、再びソウルへ。潮見に想いを打ち明けられた時に言われた言葉が、逆効果になってしまっている模様?10巻、50話が気になります。

 9巻で出てきた作品は、どれも知らず。どれも古い作品ですが、読んでみたいな。「ドン・カルロス」の回でありましたが、いい本なのに絶版になっている本は多いですね…。本当にもったいない。「ドン・カルロス」、図書館にあるかなぁ?(作品中でも記述がありましたが、ヴェルディのオペラ「ドン・カルロ」の原作です)

 ちなみに、「KISS」本誌は読んでいないので、全然現在の展開を知りません。ネタバレしないでください!

・過去の感想:本屋の森のあかり 8
by halca-kaukana057 | 2011-06-02 20:51 | 本・読書

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by 遼 (はるか)
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