2011年 06月 13日
ゴールから、新しいスタートからの1年間 探査機「はやぶさ」地球帰還1周年
1年前の今日、何があったのか、忘れることはできません。小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」の地球帰還。大冒険のフィナーレが近づく緊張感。本当に帰ってくるのだという高揚感。そして「はやぶさ」本体が大気圏で燃え尽きてしまうことへのかなしさ。カプセルは無事大気圏に突入できるのか、パラシュートは開くのか、カプセルは回収できるのかなどの不安。様々な想いが交錯していました。
【1年前の記事】
・[6.13はやぶさ帰還]おかえりまで、あと少し
・[6.13はやぶさ帰還]カプセル分離、成功! そして帰途へ…
・[6.13はやぶさ帰還]おかえりなさい、はやぶさ!
・[6.13はやぶさ帰還]カプセル無事回収!
*その他、「はやぶさ」関連記事は、「はやぶさ」タグからどうぞ。
昨年の今日の夜は、ネットで「はやぶさ」の最新情報を待っていました。カプセル分離成功、交信完了、地球の影(夜)の部分に入り、太陽電池パネルでの電源が確保できなくなったため運用終了、そして22時51分、大気圏再突入。ネットで中継を観ていて、本当に還って来たんだ、ありがとう、お疲れ様!という気持ちでいっぱいでした。泣くに違いないと思っていたのに、不思議と涙は出なかった。興奮の方が強かった。その後、早々とカプセルを発見。さらにカプセル分離後に地球を撮影した画像が公開され…。本当に怒涛の、感激と祈りの一日でした。
それからこの1年の間に、沢山の大きな動きがありました。私の感覚では、「ようやく、まだ1年」です。カプセルの中に何か微粒子が入っていた。その解析によって、入っていた微粒子が小惑星イトカワのものだと判明。また、宇宙科学・宇宙探査の歴史が大きく塗り替えられた。その同じ時間を生きて、喜びを分かち合っていることに感激しました。「はやぶさ」関係の講演会にも何度か行きましたし、帰還したカプセル展示にも行って来ました。イトカワから持ち帰った微粒子の解析は、現在も続いています。大震災の影響で解析がストップしている研究機関があるのが、かなしいです。
そして、現在後継機である「はやぶさ2」の開発が進んでいます。
◇JAXA:小惑星探査機 はやぶさ2
◇JAXA:はやぶさ2の状況について
↑詳しいミッション内容があります。リンク先のPDFをどうぞ。
「はやぶさ」は工学実験機。イオンエンジンやサンプルリターンの試験をした宇宙機として位置づけられています。今度の「はやぶさ2」は工学分野の内容もありますが、理学分野、つまり「小惑星探査」と「サンプルリターン」の項目により重きが置かれています。2014年打ち上げ予定。開発が順調に進むことを、祈るばかりです。
「はやぶさ」から、沢山のことがもたらされ、沢山のものをもらいました。科学的な面でも、ドラマ的な面でも。1年経っても、それが続いていることに驚いています。打ち上げ前、「星の王子さまに会いに行きませんか」キャンペーン、つまり、「はやぶさ」のターゲットマーカに名前を載せて一緒にイトカワへ向かい、イトカワにタッチダウン(名前が)する企画に、これは面白いと思って家族の名前をまとめて応募しました。打ち上げ後も、「はやぶさ」の旅路を見てきましたが、まさかここまで事が大きくなるとは。
「はやぶさ」の帰還は、ゴールであり、新しいスタートラインでもある。そのスタートラインを出て1年。次の1年には、どこまで進んでいるのだろうか。太陽系・地球誕生の謎、歴史を探る旅は、まだまだ始まったばかりです。そのはじまりとなった「はやぶさ」に改めて感謝の言葉を贈りたいと思います。
ありがとう、「はやぶさ」。
そんな今日、朗報が届きました。
◇NHKニュース:はやぶさ ギネス世界記録認定
◇産経新聞:探査機はやぶさギネス認定 小惑星から物質回収
「世界で初めて小惑星から物質を持ち帰った探査機」として、ギネス世界記録に認定されました。おめでとうございます!感慨深いです。
そういえば、先日現在全国の映画館で上映中(もう終わってしまったところもあるようで…残念)の「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」帰還バージョンのBDが届きました。昨年観た元のバージョンでも感じましたが…「奥行きのある映像」に驚くばかりです。帰還のシーンと「宙よ」の歌だけでなく、あちらこちらで感慨深いシーンがあり、胸が熱くなります。映画館で観たはずなのに、何度観ても同じシーンで胸が熱くなり、涙が。
ちなみに、この「帰還バージョン」には、一部プラネタリウムで上映されている「ショート版」も収録されています。「ショート版」は通常のものを30分程度にして、「はやぶさ」のミッションを追うことに焦点を当てています。ショート版も観てみたかったので、収録されて嬉しい限りです。
あと、現在読んでいる本がこれ。
「恐るべき旅路」「スペースシャトルの落日」などの著者である科学ジャーナリスト、松浦晋也さんによる「はやぶさ」本。しかも、小学生中学年~高学年向けの、児童書なんです。子どもたちが宇宙や「はやぶさ」を身近に感じつつもそのミッションの困難さがわかる解説に、巧いなぁ!と唸りつつ読んでいます。

最後に、有楽町国際フォーラムに、「はやぶさi」という「はやぶさ」に関する展示などを行う情報センターが期間限定でオープンしました
◇はやぶさi
サイトには川口先生・的川先生・古川宇宙飛行士のインタビュー動画や、メッセージ投稿も。
「はやぶさ」大気圏再突入の時間、22時51分まで、あと少し。そして、2年目が始まります。
【1年前の記事】
・[6.13はやぶさ帰還]おかえりまで、あと少し
・[6.13はやぶさ帰還]カプセル分離、成功! そして帰途へ…
・[6.13はやぶさ帰還]おかえりなさい、はやぶさ!
・[6.13はやぶさ帰還]カプセル無事回収!
*その他、「はやぶさ」関連記事は、「はやぶさ」タグからどうぞ。
昨年の今日の夜は、ネットで「はやぶさ」の最新情報を待っていました。カプセル分離成功、交信完了、地球の影(夜)の部分に入り、太陽電池パネルでの電源が確保できなくなったため運用終了、そして22時51分、大気圏再突入。ネットで中継を観ていて、本当に還って来たんだ、ありがとう、お疲れ様!という気持ちでいっぱいでした。泣くに違いないと思っていたのに、不思議と涙は出なかった。興奮の方が強かった。その後、早々とカプセルを発見。さらにカプセル分離後に地球を撮影した画像が公開され…。本当に怒涛の、感激と祈りの一日でした。
それからこの1年の間に、沢山の大きな動きがありました。私の感覚では、「ようやく、まだ1年」です。カプセルの中に何か微粒子が入っていた。その解析によって、入っていた微粒子が小惑星イトカワのものだと判明。また、宇宙科学・宇宙探査の歴史が大きく塗り替えられた。その同じ時間を生きて、喜びを分かち合っていることに感激しました。「はやぶさ」関係の講演会にも何度か行きましたし、帰還したカプセル展示にも行って来ました。イトカワから持ち帰った微粒子の解析は、現在も続いています。大震災の影響で解析がストップしている研究機関があるのが、かなしいです。
そして、現在後継機である「はやぶさ2」の開発が進んでいます。
◇JAXA:小惑星探査機 はやぶさ2
◇JAXA:はやぶさ2の状況について
↑詳しいミッション内容があります。リンク先のPDFをどうぞ。
「はやぶさ」は工学実験機。イオンエンジンやサンプルリターンの試験をした宇宙機として位置づけられています。今度の「はやぶさ2」は工学分野の内容もありますが、理学分野、つまり「小惑星探査」と「サンプルリターン」の項目により重きが置かれています。2014年打ち上げ予定。開発が順調に進むことを、祈るばかりです。
「はやぶさ」から、沢山のことがもたらされ、沢山のものをもらいました。科学的な面でも、ドラマ的な面でも。1年経っても、それが続いていることに驚いています。打ち上げ前、「星の王子さまに会いに行きませんか」キャンペーン、つまり、「はやぶさ」のターゲットマーカに名前を載せて一緒にイトカワへ向かい、イトカワにタッチダウン(名前が)する企画に、これは面白いと思って家族の名前をまとめて応募しました。打ち上げ後も、「はやぶさ」の旅路を見てきましたが、まさかここまで事が大きくなるとは。
「はやぶさ」の帰還は、ゴールであり、新しいスタートラインでもある。そのスタートラインを出て1年。次の1年には、どこまで進んでいるのだろうか。太陽系・地球誕生の謎、歴史を探る旅は、まだまだ始まったばかりです。そのはじまりとなった「はやぶさ」に改めて感謝の言葉を贈りたいと思います。
ありがとう、「はやぶさ」。
そんな今日、朗報が届きました。
◇NHKニュース:はやぶさ ギネス世界記録認定
◇産経新聞:探査機はやぶさギネス認定 小惑星から物質回収
「世界で初めて小惑星から物質を持ち帰った探査機」として、ギネス世界記録に認定されました。おめでとうございます!感慨深いです。
そういえば、先日現在全国の映画館で上映中(もう終わってしまったところもあるようで…残念)の「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」帰還バージョンのBDが届きました。昨年観た元のバージョンでも感じましたが…「奥行きのある映像」に驚くばかりです。帰還のシーンと「宙よ」の歌だけでなく、あちらこちらで感慨深いシーンがあり、胸が熱くなります。映画館で観たはずなのに、何度観ても同じシーンで胸が熱くなり、涙が。
ちなみに、この「帰還バージョン」には、一部プラネタリウムで上映されている「ショート版」も収録されています。「ショート版」は通常のものを30分程度にして、「はやぶさ」のミッションを追うことに焦点を当てています。ショート版も観てみたかったので、収録されて嬉しい限りです。
あと、現在読んでいる本がこれ。
「恐るべき旅路」「スペースシャトルの落日」などの著者である科学ジャーナリスト、松浦晋也さんによる「はやぶさ」本。しかも、小学生中学年~高学年向けの、児童書なんです。子どもたちが宇宙や「はやぶさ」を身近に感じつつもそのミッションの困難さがわかる解説に、巧いなぁ!と唸りつつ読んでいます。

最後に、有楽町国際フォーラムに、「はやぶさi」という「はやぶさ」に関する展示などを行う情報センターが期間限定でオープンしました
◇はやぶさi
サイトには川口先生・的川先生・古川宇宙飛行士のインタビュー動画や、メッセージ投稿も。
「はやぶさ」大気圏再突入の時間、22時51分まで、あと少し。そして、2年目が始まります。
by halca-kaukana057
| 2011-06-13 22:36
| 宇宙・天文