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シベリウスが音で「フィンランディア」に込めたもの

 NHKBSプレミアム・北欧スペシャル、毎日楽しんでいます。どの番組も興味深いです。

 北欧スペシャルの一環として、これまでの北欧関連の番組の再放送もされていますが、そのひとつ「名曲探偵アマデウス」の、シベリウス「フィンランディア」の回を観ました。本放送の時はパラボラアンテナをつけていなかったため観れず残念な想いをしたのですが、今回このような形で観れて嬉しい限りです。

 交響詩「フィンランディア」というと、帝政ロシアからのフィンランド独立を願って作曲された、愛国心に燃えた作品と言われます。圧政の苦しみを表現した金管の重い響きから、フィンランド国民を奮起させるような勇ましいメロディーとリズム。そして中間部の美しい「フィンランディア賛歌」の部分。聴いているだけでも、シベリウスが何を表現したかったのか感じられますが、スコアを、音符と休符のひとつひとつを読み解いていくと、さらに深いメッセージが見えてくる。45分間「おおー!」「そうだったのか!!」と唸ってばかりいました。面白かった!!

 興味深かった点として、休符と、付点の使い方。休符はただ音を出さない、という意味ではない。一瞬でも音を出していないことで、次に出す音へ緊張感を持たせることも出来る。これにはなるほどと思いました。そして、付点。普段のピアノの練習でもそうなのですが、付点が苦手です…。でも、付点ひとつで、メロディーのリズム感や、アクセントを変えることが出来る。付点があるのと無いのとでは、全然異なって聴こえる。音符・休符の、ひとつひとつが集まって音楽はできるわけだが、そのひとつひとつ、どれも意味のないものはない。そう改めて実感しました。音楽を聴く時も、演奏する時も、なぜその音符・休符なのか、その意味も考えて向き合わなければなと感じました。

 もうひとつ、「フィンランディア賛歌」の部分で、木管はあの美しいメロディーを奏でますが、その時、ヴァイオリンとヴィオラがトレモロをしていたこと。言われて初めて気がつき、番組を観た後持っている「フィンランディア」を片っ端から聴きました。木管が歌ったメロディーを後に第1ヴァイオリンも受け継ぎ、更に伸びやかに歌いますが、第2ヴァイオリンとヴィオラはひたすらトレモロ。でも、このトレモロが無いと、響きが全く変わってしまう…。このトレモロは、風の音や樹木のざわめきを表している。フィンランドの森と湖に囲まれて育ち、作曲家になってからもフィンランドの自然を愛したシベリウスだからこそ、作ることのできた響きだと思いました。そして、改めて内声の重要さも実感。特にヴィオラは、普段は目立たない存在で、時においしいメロディーを奏でその存在感をアピールすることもありますが、ひたすら伴奏や内声に徹底している時でも、その存在無しにはその音楽は成り立たない…。ますますヴィオラが好きになりました。

 それにしても、4拍子の中に5拍子を混ぜて最終的にうまく合うようにしてあるとか、フィンランド語独特の促音便のリズムが用いられているとか…。凄すぎる。これまで何気なく聴いていていいなと思っていた部分に、そんな意味もあったんだと本当に目からうろこでした。解説は、あのフィンランド人指揮者・オスモ・ヴァンスカのお弟子さんでもあった、指揮者の新田ユリさん。新田さんのブログでも、シベリウス作品をはじめとして音楽や、フィンランドの面白い話がよく出てきますが、テレビでもいいお話が聞けました。

 これまで、オーケストラのスコアは自分には無理!と思って敬遠してきましたが、オーケストラのスコアリーディングもやってみたくなりました。スコアを読めたら、もっと音楽を楽しく、興味深く聴けるだろう!問題は、移調楽器。書いている音と違う音が実際に鳴っている…道は長そうです…。とりあえず、「フィンランディア」のスコアはネットで手に入れました。

 シベリウスの音楽を、自分は何故こんなに好きなのだろう?その理由が少し分かった気がした番組でもありました。同じく「アマデウス」ではシベリウス「交響曲第2番」も取り上げましたが、それも観たいなぁ。
by halca-kaukana057 | 2011-07-27 18:08 | 音楽

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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