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悲痛なヴァイオリンの叫び ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番

 以前読んだ音大が舞台のクラシック漫画「天にひびき」(やまむらはじめ:作)の3巻で出てきて、気になり聴きたいと思っていた、ショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」。CDで聴きました。
・「天にひびき」3巻感想:天にひびき 3

 聴いたのはこれ。

ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 作品77、同第2番嬰ハ短調 作品129 [Import][日本語解説書付]

セルゲイ・ハチャトリャン(Vn),クルト・マズア指揮フランス国立管弦楽団 / Naive



 先日、シベリウス・ヴァイオリン協奏曲も聴いたヴァイオリニスト・セルゲイ・ハチャトゥリアンのソロ。第1楽章、ヴァイオリンソロと、オーケストラが暗く幽玄な響きを奏でます。ショスタコ節全開です。第2楽章はスケルツォ。途中、交響曲第10番と同じく、ショスタコーヴィチの名前を音名にあてたD-Es-C-H(レ・ミ♭・ド・シ)のモティーフが。交響曲第10番、ヴァイオリン協奏曲第1番の他にも、このD-Es-C-Hが出てくる作品があるのだそう。ショスタコーヴィチを聴く楽しみがまた増えました。

 そして、第3楽章パッサカリア。この第3楽章のカデンツァを「天にひびき」3巻では、「折れた翼のまま無理矢理 天に昇ろうとする様な…」(99ページ)と表現しています。まさに…。この第3楽章自体とても重い印象の楽章なのですが、その重い音色から、ヴァイオリンのソロが始まる。最初はか細く、今にも消えそうな、物悲しい音色なのですが、徐々に熱を帯びてくる。ヴァイオリンが、声にならない悲痛な感情を叫んでいるような。聴くのが辛くなりそうな程激しく悲しい音色なのに、惹き込まれてしまう。「ひびき」での波多野さんの、この作品に惹かれる気持ちがわかる気がします。カデンツァの後は、第4楽章へ。オーケストラとめまぐるしく激しい演奏を繰り広げます。息つく暇も無い。

 ショスタコーヴィチ自身も、この作品を発表するまでには様々な苦難があったそうで、そんなショスタコーヴィチの心境を想いながら聴いてしまいます。この作品は、ヴァイオリニスト・オイストラフに献呈。オイストラフのソロで、ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルが初演しています。その演奏も聴きたいな。

 暗く、悲痛な音楽を求めている時、この作品はピッタリです。そんな時でなくても、気に入ったので聴いてしまっています。

・関連過去記事:秘めた情熱の強さと、切なさと セルゲイ・ハチャトゥリアンのシベリウス・ヴァイオリン協奏曲

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 聴いた音楽を言葉にする。難しいことだと思いつつも、聴いて何かを感じた作品・演奏は、言葉にしたいと思い、書いてみて、なかなかうまくいかないなぁ…と思う日々です。
by halca-kaukana057 | 2011-08-17 22:23 | 音楽

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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