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神様のカルテ(小説原作)

 普段は、話題になっている本・いわゆるベストセラーの本はあまり読みません。でも、この本は以前から読んでみたいと思いつつも、単行本を買うほどでもない。ちょうど文庫化されたので読みました。

神様のカルテ (小学館文庫)

夏川 草介 / 小学館



 今回は、普段のようなあらすじは書きません。多分、皆知っていると思うので…。簡単に書くと、地方病院で働く若き内科医・一止(いちと)が、病院で医師や看護師たちと奮闘しつつ、患者や妻、アパートの風変わりな住人達と心を通わせる物語です。作者は医師であることから、専門用語も出てきます。作者の視点による、地方病院の現状とも読めます。

 話題の本について書くのは苦手です…。と言うのは、話題の本であればあるほど、レビューも多いし、好みも人それぞれだから。書きにくいです。でも、私が読んで、心に留まった箇所について書きます。

 まず、主人公・一止のアパートの住人が倒れ、病院に運ばれた箇所。循環器科の医師の診断で、心臓には問題の無いことがわかるが、その医師は一止にこう告げる。
「御仁の心臓に問題はない。問題はもっと大事なところにある」
「心臓はかくも見事に役目を果たしている。だが、心臓の持ち主が死を望んでいるのであれば、この拍動もただ血液を送り出すだけの機械運動にすぎない」
「人は機械ではないのだ」
(145ページ)

 医療が、人間のためのものであるならば、身体的・器官的な意味に限定した病が治るように治療し、命を救うだけのものではない…そう感じました。病気によって、悩みを抱えているかもしれない。身体だけでなく、心も辛いかもしれない。直接治療するわけではなくても、それも診るのも、医療なのかな、と。

 もうひとつ。一止の患者の手紙から。
「病いの人にとって、もっとも辛いことは孤独であることです。」(218ページより)

 わかるなぁ…と感じました。この一止の患者は重い病気なのだが、重い病気でなくても、例えばただの風邪でも、孤独だと感じるとたまらなく心細くなる。病気や怪我の時は体が弱っているせいか、特に孤独や、寂しさを感じやすくなっていると思う。重い病気や怪我なら尚更だ。風邪が治って、学校や職場に復帰した時も、休んでいる間に知らないことがあった。周りはそれで盛り上がっているのに、自分はその過程を知らない…。病気は治ったのに、こんな孤独を感じることもある。

 そんな患者を、孤独にしない。寂しさを感じさせない。それも、医師や看護師の役目なのかな、と感じました。

 人に寄り添う医療とは何か。それを問いつつ、奮闘する一止。医療の抱える様々な面を考えました。


 ちなみに、映画は観てません。DVDが出たら観るかも。なので記事タイトルも、原作の小説限定と表記しました。あと、続編も出ているようですが、これも文庫待ちです。
by halca-kaukana057 | 2011-09-08 22:53 | 本・読書

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by 遼 (はるか)
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