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本屋の森のあかり 10

 この漫画も、単行本10巻を迎えました。おめでとうございます!表紙は、あかりと潮見さんです。おや?


本屋の森のあかり 10
磯谷友紀/講談社・KC KISS/2011


 寺山に会いに、そしてもう一度自分の想いを伝えに、答えを聞きにソウルへ行った潮見。寺山は、「潮見さんとは付き合えない」と答えを告げる。そして、潮見の質問から、あかりとのことに後悔している、と。
 一方、日本、名古屋支店。あかりは転職のことと、担当の売り場(緑派か潮見派か)を越えてフェアなどを企画する「カルロス会」のことに没頭していた。しかし、そこで寺山と潮見の噂を聞く。混乱しつつも、転職の方向性を決めようと、人に相談する。そんなある日、出版社の営業の人2人と会ったあかり。そのうちのひとりは…。


 10巻で取り上げられたのは、「チップス先生さようなら」(9巻からの続き)、「赤毛のアン」シリーズ、「十五少年漂流記」。どれも名作中の名作です。読んでいない作品もありますが…(冷や汗)。でも、以前モンゴメリ「青い城」の記事で書いたとおり、「赤毛のアン」シリーズは高校の時にハマりました。シリーズ途中で止まってしまっていて、再読して続きを読むのを進めようと思っていたらナイスタイミング!本が本を呼んだ、本に呼ばれた感じでした。

 10巻、あかりも、潮見さんも、寺山も…迷います。3人の迷い・想いは、今自分も仕事・日常生活で抱いていることに通じるものがあり、自分のことのように読みました。そして、9巻でも感じたのですが今までどうも親しめなかった潮見さんに対して、親しみとはちょっと違いますが、共感する部分がいくつも出てきました。寺山に振られ、あかりとは仕事で顔を合わせる。あかりのことを憎たらしいと思いつつも、仕事だから、と割り切ろうとする。その複雑な心境や、9巻でのトークイベントのことも含めて、潮見さんがこれまで見せなかった一面に、共感するところが多かったです。

 あかりは、転職に向けて動き出す。今勤務している須王堂を辞めて、他の書店で働いてみたい、書店員として視野を広げたいと思っている。しかし、一度辞めたらもう須王堂には戻ってこられない。フリーの書店員というものもあるらしく、フリーになることも考えるが、簡単なことではない。どうするか。悩むあかりの前に、出版社の営業として仕事でやってきたのは、東京本店でコミック担当のアルバイトだった紀子。「赤毛のアン」の物語とともに語られるのですが、どの時代でも、国が違っても、どう生きるかで人は悩み、道を見出し、歩んできたのだなと。勿論、私も…。自分から自分を見ると立ち止まっているようにも見えるが、ちょっとでも進んでいるのかもしれない。はっきりとした答えを出せていないけれど、曖昧なビジョンでも先に進みながら”曲がり角”を見つけようとしているのかな、と今の自分に重ねて読みました。

 そして、「カルロス会」も新メンバーが入り、本格始動。フェアを任されることに。新メンバーの下山さんにも、自分を重ね合わせてしまいました。失敗しても、そこで諦めずに自分の仕事を続ける、仕事に責任を持つ。下山さんが「カルロス会」という”居場所”を得てゆく過程にも。

 この10巻は、私にとって大きな意味を持つ巻になりそうです。まずは「赤毛のアン」シリーズを再読しよう。「チップス先生さようなら」もまだ読んだことがないので読んでみたい。第50話の物語が、私の心に深く沁み込んだ。毎日は、続く。

 一方で、あかりは寺山に大変な誤解を…。こちらは危機です。11巻、待ってます。

・9巻感想:本屋の森のあかり 9
・記事内で出てきたモンゴメリ「青い城」感想:青い城
 ↑ちなみに、先日同じモンゴメリ作品の「エミリー」シリーズを今度こそ読もうと読み始めたのですが…この10巻を読んで「赤毛のアン」シリーズも早く読みたくなった。もうどうしたらw
by halca-kaukana057 | 2011-12-05 23:07 | 本・読書

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by 遼 (はるか)
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