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慈しむ音楽 小澤征爾&サイトウ・キネン チャイコフスキー:「弦楽セレナード」

 昨年末からずっと聴いている音楽があります。チャイコフスキー「弦楽セレナード」ハ長調op.48。小澤征爾指揮・サイトウ・キネン・オーケストラで。1992年の録音です。

チャイコフスキー:弦楽セレナード/モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク

サイトウ・キネン・オーケストラ 小澤征爾 / ユニバーサル ミュージック クラシック



 2010年、小澤さんが食道がんで手術を受け、復帰コンサートでサイトウ・キネン・オーケストラとこの「弦楽セレナード」第1楽章を演奏したこと、その演奏は記憶に新しく…鮮明に残っています。病気で痩せてしまった身体で、でもいつもの情熱に溢れる小澤さんの指揮と、それに応える、いや共に音楽をつくるサイトウ・キネンのメンバーの演奏の様をテレビで観て、渾身の音楽というのはこういうものなんだ…と感じました。

 それまで、チャイコフスキーの「弦楽セレナード」op.48はそんなに好きな作品でもありませんでした。同じ「弦楽セレナード」なら、ドヴォルザーク(ホ長調,op.22)か、エルガー(ホ短調,op.20)の方が好きです。穏やかなドヴォルザーク、哀愁漂うエルガー。では、チャイコフスキーは?

 この小澤さんとサイトウ・キネンの演奏を聴いて、「慈しみ」かな、と感じました。チャイコフスキー自身も、モーツァルトを敬愛し、その作品を深く研究し続けていた。そして、小澤さんも、サイトウ・キネンのメンバーも音楽そのものとこの作品に深い愛情を持って演奏していたと感じました。以前、他のCDを聴いた時は、もっとさらさらと流れる音楽でした(どこのオケだったかは失念)。小澤さんは、結構ためて、じわりじわりと音楽を盛り上げている。サイトウ・キネンの音の厚みも凄い。情熱も感じるけれども、あたたかい、やさしい眼差しも感じる。第3楽章のエレジー、第4楽章の最後、第1楽章の主題が再び出てくるあたりで特に。

 音楽を慈しむ。その気持ちは、作曲者も指揮者・演奏家も変わらない。私も、そんな姿勢で音楽に接していたい。今年も、これからも。

 このCDのカップリングは、モーツァルトの「ディヴェルティメント」ニ長調K.136と、セレナード第13番ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。モーツァルトを敬愛していたチャイコフスキーにとって、自身の作品と一緒にCDに入れてもらえたのは嬉しかった、かもしれない。こちらも弦の魅力が最大限に堪能できる演奏です。
by halca-kaukana057 | 2012-01-05 23:01 | 音楽

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by 遼 (はるか)
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