手を伸ばしても、届かない

 先日の「天地明察」コミック版2巻の記事で、こんなことを書いていました。
・該当記事:[コミック版]天地明察 2

自分が進んでいる道の途中で、「物凄いもの」に出会うことがある。類まれな天才。普及の名作。それまでの考えや自分の生き方を根底から覆すようなもの、存在、言葉。それに衝撃を受け、感動する。そして、とても自分の手には負えない、足元にも及ばないとその道を諦めるか、少しでも近づきたい、自分も「物凄い」景色を見てみたいと更に努力を続けるか。


 ここで書いたような「物凄いもの」ではなくとも、いいな、自分もやってみたい、見てみたいなと思うものは、身の回りを見渡すと結構ある。誰かに料理をご馳走になって、そんなに手の込んだ料理でなくても巧いな、美味しいなと思ったもの。ネットでふと見かけた写真。その辺のどこにでもあるような景色なのだが、アングルや明るさや色合いの画像加工がきれいだな、と。

 これまで、そんなものを見かけると、私も後者の立場にいた。でも、今、少し前から前者の考えを持ってしまうようになった。素敵だ、自分もやってみたい。でも、結局現実には手に届かない。希望が絶望に変わる。手を伸ばしても、届かない、指先がかすることもない。

 ただ疲れている、気力が落ちているだけなのか。それとも、性格そのものが変わってしまったのか。

 困難があっても、難しくても、手を伸ばし続けている後者の人々を見ると、悔しい。心がざわざわする。後者に戻りたい。「でも…」と続いてしまう自分が悔しい。



 特に、ピアノにおいて、こう思う。もうずっと弾いていない。鍵盤にすら触っていないし、蓋すら開けていない。これまでひとりで練習を続けてきたが、限界だと感じている。ひとりで弾いていてもつまらない。楽しくない。誰にも届かない。
 教えを請える師がいればいいなと思う。一緒に演奏し合える仲間がいればいいなと思う。でも(また、「でも」なのが本当に悔しい)そんな余裕も無い。
 私ひとり、このままピアノから遠ざかってしまうのかと思うと、さみしい。そんな間にも、後者の人々はひたすら前に進んでいる。もう私の手の届かない、背中も小さくしか見えないところへ。
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by halca-kaukana057 | 2012-06-09 21:43 | 日常/考えたこと

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