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おじいさんのはやぶさ

 今日は、小惑星探査機「はやぶさ」が、小惑星イトカワへ2度目のタッチダウンを行った日。2005年のことでした。ネット中継は観れなかったけど、「はやぶさ」がどうなったのか、心配していたのを思い出します。以下、ISAS公式twitterから。

【11月26日の出来事】2005年の今日、「はやぶさ」が小惑星イトカワへ第2回目のタッチダウンを行いました。降下の際には、88万人の名前が刻まれたターゲットマーカがイトカワ表面に見事着地していることも確認しました。 http://t.co/SbXlwQ8N
posted at 11:48:58

(つづき)残念ながら試料採取のための弾丸は発射されませんでしたが、帰還後、カプセル内の微粒子がイトカワ由来のものであると確認されました。 http://t.co/HvpfRkAW
posted at 11:49:33


ISAS:宇宙科学研究所:「はやぶさ」小惑星のサンプル採取成功に確信 88万人署名入りのターゲットマーカも発見!
 ↑当時のプレスリリース。まだ弾丸が発射されていなかったと発表する前のものです。

 そんな日なので、「はやぶさ」関連本を。先日の「はやぶさ」大図鑑の記事の最後に紹介した、「はやぶさ」の絵本です。
小惑星探査機「はやぶさ」大図鑑


おじいさんのはやぶさ
間瀬 なおかた:作・絵/川口淳一郎:監修/KKベストセラーズ/2012

 タイトルには「HAYABUSA2070」とも。「はやぶさ」帰還から60年後の未来の物語です。人類が宇宙に進出し、「ぼく」は地球から遠く離れた「ドームシティ」で生まれ暮らしている。おじいさんが造った新しい宇宙船で地球に行こうと、「ぼく」たち家族は出発。おじいさんの新しい宇宙船がある宇宙港へ。その宇宙港にあった、おじいさんの宇宙船とは…。

 宇宙が舞台のSF絵本。宇宙港や宇宙船は柔らかなタッチで描かれていて、こんなSFもいいなぁと思う。そこに出てくる「おじいさんの宇宙船」と「はやぶさ」。「はやぶさ」がこんな形で出てくるとは驚きました。まさか、です。

 でも、注目するところはもっとたくさんある。「おじいさんの宇宙船」に乗って、地球へ向かう「ぼく」たち。太陽系の惑星たちのそばを通り過ぎ、火星や月には人類が暮らしている。これから約60年の間に、この絵本のどこまで実現できるだろうか、とも思うし、実現できていたらいいな、とも思う(2070年…長生きすれば私も生きているかも)。太陽系大航海時代が実現している時代…考えるだけでワクワクする。

 そして地球に到着して、再び「はやぶさ」が出てくる。そう、太陽系大航海時代の最初の一歩を踏み出したのが「はやぶさ」。おじいさんが語る「はやぶさ」の思い出。そして2070年、60年後。このおじいさんのように、今10代前後の子どもたちには、「はやぶさ」は遠い宇宙を目指すことを象徴している存在だと思う(大人の私にも)。夢物語じゃなくて、少し歩いて手を伸ばせば届く距離にある。「はやぶさ」のことを語り継ぎながら、新しい未来をつくる。つくっていって欲しい。先をどんどん見て、進み続けて欲しい。「夢」(実現できるかどうかわからないもの)の一言では、片付けられない。最後の間瀬なおたかさん、川口先生のコメントも読みながら、強く思います。

 絵本ということで、多くは語りません。手にとって、読んでみてください。読み聞かせなら就学前のお子さんとも楽しめます。
by halca-kaukana057 | 2012-11-26 22:54 | 本・読書

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