2013年 07月 23日
美しき、活きている浜 「種差 よみがえれ 浜の記憶」展 その1
先日行ってきました。
◇青森県立美術館:三陸復興国立公園指定記念「種差 ―よみがえれ 浜の記憶」
青森県八戸市の種差海岸。今年、「三陸復興国立公園」に指定されました。これまで、多くの芸術家たちを惹き付けてきた種差海岸。東日本大震災では、津波の被害を受けてもいます。その種差海岸の歴史と、種差海岸に惹かれた芸術家たちの作品を通して、種差の魅力に迫る、ローカルな特別展です。
今回、私がこの特別展に行こうと思ったのは、あの東山魁夷の「道」が展示されるから。北欧を描いたことがきっかけで、東山魁夷作品に惹かれてきたのですが、その作品の実物を観たことはありませんでした。昨年宮城県立美術館で「東山魁夷」展が開催されたのですが、行けず。いつかどこかで、と思っていたら、これまで何度も訪れている青森県立美術館で観られる。しかも、代表作の「道」。この「道」は、種差海岸にある道から生まれた作品。しかも、試作と本作の両方を展示する…観るしかない!
チラシは2種類あります。
いつもの真っ白な建物。何度観ても青森県美の建築は美しい。この日は、爽やかに晴れた空に映えていました。
展示は、古代から始まります。種差海岸の遺跡・貝塚から出土した土器や骨。古代の人々も、種差の海の恵と共に生きてきました。江戸時代に描かれた八戸・種差の浜の絵にも活気があります。昭和に使われていた木造の「カッコ」と呼ばれる小舟も。漁が盛んだったことが伺えます。
そして、種差に魅せられた2人の芸術家へ。まずは、鳥瞰図絵師として活躍し、アトリエを種差に建てた、吉田初三郎。初めて知りました。その鳥瞰図の数々が展示されています。
観て、驚きました。なんて鮮やかで精巧なんだ、と。八戸の鳥瞰図では、八戸を中心に、十和田や山を越えた弘前や青森、さらにお隣岩手・久慈に遠くには北海道や東京も描かれています。以前、「Art and Air」展でももっと昔の鳥瞰図が展示されていましたが、吉田初三郎はどうやってこの鳥瞰図を描いたのだろう?観ながら疑問に思っていました。身近なところは細かく、でも遠くまで描いている。飛行機はあった時代だけど、やっぱり想像力なのだろうか。
他の地域の鳥瞰図も多数展示されています。温泉街の観光用の鳥瞰図も多数。これを片手に、当時の人々は旅を楽しんだのだろうか。印象に残ったのは、関東大震災の鳥瞰図。火事で燃えている関東が描かれています。もし、吉田初三郎が東日本大震災を観たら、何か描いただろうか。アトリエを構えるほど愛した種差の浜にも津波が押し寄せた。どう観て、何を感じただろうか…。
もうひとり、種差に魅せられた芸術家・東山魁夷。来ました。「道」(試作)。実物を目の前にして、感無量。涙も出そうになりました。この「道」を描いた時の魁夷の状況、エピソードもあわせて観ると、この絵に何を込めたかったのか、想像してしまいます。
「道」だけでなく、魁夷は種差を舞台にした作品を多数描いています。穏やかな淡い色の波辺で馬の親子が佇んでいる「凪」など、その色の透明感や空気感に魅せられました。画像ではわからない、タッチや色合い、息遣い。しばらく魁夷作品のコーナーに居座っていました。動けない。
ちなみに、「道」は、7月28日まで試作が、7月30日からは本作が展示されます。「夕汀」「静日」も7月28日まで。どうぞお早めに!
「道」は、前売券を買うと試作・本作の両方を観られる仕組みになっています。ということで、もう一度、今度は本作を見に行きます。
最後に現代。大震災の津波の被害を受けた種差海岸。それでも、浜は復興へ向かい、その風景は現代の芸術家たちをも惹き付けています。
笹岡啓子の種差の写真の数々は、浜の力強さや荒々しさも写し出している。吉田初三郎の鳥瞰図とはまた違う鮮やかさ。惹かれました。
種差海岸にはまだ行ったことがありません。でも、東山魁夷の「道」の舞台になったところがどんな場所なのか見たいし、復興に向かう浜の姿も観たい。是非行きたいです。
ちなみに、吉田初三郎の鳥瞰図はここでも。
◇青森県立郷土館
企画展「吉田初三郎鳥瞰図展~大正・昭和に描かれた観光パノラマ絵図~」これも今度観に行かなくては。
7月24日(水)~9月1日(日)。
あと、次は常設展も観ます。今回は特別展だけ。
ミュージアムショップは、予想通り…東山魁夷グッズが沢山…。叫びそうになりましたw画集が欲しいよ…。
吉田初三郎の鳥瞰図ポストカードは迷わず買いました。いいなぁこれ。
「道」本作のその2に続く。いつになるかは未定です。でも絶対行きます。
◇青森県立美術館:三陸復興国立公園指定記念「種差 ―よみがえれ 浜の記憶」
青森県八戸市の種差海岸。今年、「三陸復興国立公園」に指定されました。これまで、多くの芸術家たちを惹き付けてきた種差海岸。東日本大震災では、津波の被害を受けてもいます。その種差海岸の歴史と、種差海岸に惹かれた芸術家たちの作品を通して、種差の魅力に迫る、ローカルな特別展です。
今回、私がこの特別展に行こうと思ったのは、あの東山魁夷の「道」が展示されるから。北欧を描いたことがきっかけで、東山魁夷作品に惹かれてきたのですが、その作品の実物を観たことはありませんでした。昨年宮城県立美術館で「東山魁夷」展が開催されたのですが、行けず。いつかどこかで、と思っていたら、これまで何度も訪れている青森県立美術館で観られる。しかも、代表作の「道」。この「道」は、種差海岸にある道から生まれた作品。しかも、試作と本作の両方を展示する…観るしかない!
チラシは2種類あります。
いつもの真っ白な建物。何度観ても青森県美の建築は美しい。この日は、爽やかに晴れた空に映えていました。
展示は、古代から始まります。種差海岸の遺跡・貝塚から出土した土器や骨。古代の人々も、種差の海の恵と共に生きてきました。江戸時代に描かれた八戸・種差の浜の絵にも活気があります。昭和に使われていた木造の「カッコ」と呼ばれる小舟も。漁が盛んだったことが伺えます。
そして、種差に魅せられた2人の芸術家へ。まずは、鳥瞰図絵師として活躍し、アトリエを種差に建てた、吉田初三郎。初めて知りました。その鳥瞰図の数々が展示されています。
観て、驚きました。なんて鮮やかで精巧なんだ、と。八戸の鳥瞰図では、八戸を中心に、十和田や山を越えた弘前や青森、さらにお隣岩手・久慈に遠くには北海道や東京も描かれています。以前、「Art and Air」展でももっと昔の鳥瞰図が展示されていましたが、吉田初三郎はどうやってこの鳥瞰図を描いたのだろう?観ながら疑問に思っていました。身近なところは細かく、でも遠くまで描いている。飛行機はあった時代だけど、やっぱり想像力なのだろうか。
他の地域の鳥瞰図も多数展示されています。温泉街の観光用の鳥瞰図も多数。これを片手に、当時の人々は旅を楽しんだのだろうか。印象に残ったのは、関東大震災の鳥瞰図。火事で燃えている関東が描かれています。もし、吉田初三郎が東日本大震災を観たら、何か描いただろうか。アトリエを構えるほど愛した種差の浜にも津波が押し寄せた。どう観て、何を感じただろうか…。
もうひとり、種差に魅せられた芸術家・東山魁夷。来ました。「道」(試作)。実物を目の前にして、感無量。涙も出そうになりました。この「道」を描いた時の魁夷の状況、エピソードもあわせて観ると、この絵に何を込めたかったのか、想像してしまいます。
「道」だけでなく、魁夷は種差を舞台にした作品を多数描いています。穏やかな淡い色の波辺で馬の親子が佇んでいる「凪」など、その色の透明感や空気感に魅せられました。画像ではわからない、タッチや色合い、息遣い。しばらく魁夷作品のコーナーに居座っていました。動けない。
ちなみに、「道」は、7月28日まで試作が、7月30日からは本作が展示されます。「夕汀」「静日」も7月28日まで。どうぞお早めに!
「道」は、前売券を買うと試作・本作の両方を観られる仕組みになっています。ということで、もう一度、今度は本作を見に行きます。
最後に現代。大震災の津波の被害を受けた種差海岸。それでも、浜は復興へ向かい、その風景は現代の芸術家たちをも惹き付けています。
笹岡啓子の種差の写真の数々は、浜の力強さや荒々しさも写し出している。吉田初三郎の鳥瞰図とはまた違う鮮やかさ。惹かれました。
種差海岸にはまだ行ったことがありません。でも、東山魁夷の「道」の舞台になったところがどんな場所なのか見たいし、復興に向かう浜の姿も観たい。是非行きたいです。
ちなみに、吉田初三郎の鳥瞰図はここでも。
◇青森県立郷土館
企画展「吉田初三郎鳥瞰図展~大正・昭和に描かれた観光パノラマ絵図~」これも今度観に行かなくては。
7月24日(水)~9月1日(日)。
あと、次は常設展も観ます。今回は特別展だけ。
ミュージアムショップは、予想通り…東山魁夷グッズが沢山…。叫びそうになりましたw画集が欲しいよ…。
吉田初三郎の鳥瞰図ポストカードは迷わず買いました。いいなぁこれ。
「道」本作のその2に続く。いつになるかは未定です。でも絶対行きます。
by halca-kaukana057
| 2013-07-23 22:28
| 興味を持ったものいろいろ