東山魁夷の2つの「道」 「種差 よみがえれ 浜の記憶」展 その2
以前行ってきたこの特別展。東山魁夷の「道」が、試作から本作に展示が入れ換えられました。試作を観たら今度は本作!再び行ってきました。
◇青森県立美術館:三陸復興国立公園指定記念「種差 ―よみがえれ 浜の記憶」
・前回のレポ:美しき、活きている浜 「種差 よみがえれ 浜の記憶」展 その1
ちなみに、前売券で試作と本作が両方観られる仕組みになっています。素晴らしい仕組みです。

毎度おなじみになってしまっている青森県立美術館。あれ?シンボルマークのライトが昼間なのについている?

やっぱりついています。昼間なのに付いているのは初めて見ました。珍しい。ということで記念に撮影。
このシンボルマークのライトは、夜はとてもきれいです。白い建物にとても映えます。夕方、日没の頃も陽のかげり具合に映えて、またきれいです。
2度目ですが、もう一度展示をゆっくりと観ることに。種差海岸近辺の縄文遺跡から出土した土器や石器、貝塚からの出土物を観て、以前読んだ小説「ライアの祈り」(森沢明夫)を思い浮かべていました。小説の感想に書くのを忘れていたのですが、「ライアの祈り」には種差海岸も出てきます。かなり重要なシーン、重要な場所として描かれています。ライアたちのような縄文の人々が、これらの土器や石器を使って、種差でどんな暮らしをしていたのだろうと想像しつつ、小説のことも思い浮かべつつ観ていました。
・「ライアの祈り」についてはこちら感想記事で:ライアの祈り
前回の記事で書かなかったところも。現代のアーティストによる作品。まず、リチャード・ロングの作品のスケールに圧倒されました。一番広い展示室の、壁3面をキャンバスのように使っている。「津波の断層」の大きさといったら凄い。種差海岸を襲った津波、そして復興へのメッセージが、シンプルで力強い。
もうひとり、笹岡啓子の種差海岸の写真。ごつごつした岩肌、海岸に寄せる波、海岸の人々。種差の空気が伝わってくる写真です。
吉田初三郎の鳥瞰図も、やっぱりどうやって描いたのだろうと思う精巧さと鮮やかさ。細かいところまで魅入ってしまいます。
そして、東山魁夷の「道」本作。観て、試作と違う点がいくつか。まず大きさ。試作は小さめの作品だったのが、本作は大きい。また、本作は鮮やかになっています。道も、試作よりもよりはっきりと描かれている。遠くから観るとシンプルに道と緑の草原をはっきりと描かれているように見えるけれども、近くで観るとタッチがやわらかい。
この「道」の道は、まっすぐ伸びていて、途中で曲がり道が途切れているように見える。でも、道の続きも描かれている。試作だけでなく、スケッチも多数残されていてその解説もあったのですが、何度も何度も描いて、表現したかった一本の道。曲がっている先は、今ここから見え難いけれども、もう少し先に行けば見えるだろう。また新しい道が見えてくるだろう。そんなことを考えながら黙って見つめていました。
「凪」も何度観ても惹かれる作品。東山魁夷の作品を観て、穏やかな気持ちになっていました。やわらかであたたかい雰囲気。寺院や神社、教会にいるような、落ち着きと厳かさを感じました。やっぱり今回も、椅子に座ってしばらく居座ってしまいました。ちょうどいい位置に椅子(ベンチ)があるので…。同じように居座っている方も何人かいらっしゃいました。
「道」(本作)は東京国立近代美術館で展示されていますが、その絵のモデルとなった種差海岸に関する特別展、というテーマ(枠)の中で観られたのは貴重でした。いい特別展でした。
特別展を出て、アレコホールでいつものようにソファに座って、ゆっくりと「アレコ」背景画を鑑賞。常設展は、体調が芳しくないので今回もパスしました…。特別展は、「道」本作を何としてでも観たかったので、力尽きました…(無理するな
以前の記事で書いた、吉田初三郎鳥瞰図展には行けなかったなぁ。残念。あと、「ライアの祈り」関連で三内丸山遺跡も…これはまた今度。
◇青森県立美術館:三陸復興国立公園指定記念「種差 ―よみがえれ 浜の記憶」
・前回のレポ:美しき、活きている浜 「種差 よみがえれ 浜の記憶」展 その1
ちなみに、前売券で試作と本作が両方観られる仕組みになっています。素晴らしい仕組みです。

毎度おなじみになってしまっている青森県立美術館。あれ?シンボルマークのライトが昼間なのについている?

やっぱりついています。昼間なのに付いているのは初めて見ました。珍しい。ということで記念に撮影。
このシンボルマークのライトは、夜はとてもきれいです。白い建物にとても映えます。夕方、日没の頃も陽のかげり具合に映えて、またきれいです。
2度目ですが、もう一度展示をゆっくりと観ることに。種差海岸近辺の縄文遺跡から出土した土器や石器、貝塚からの出土物を観て、以前読んだ小説「ライアの祈り」(森沢明夫)を思い浮かべていました。小説の感想に書くのを忘れていたのですが、「ライアの祈り」には種差海岸も出てきます。かなり重要なシーン、重要な場所として描かれています。ライアたちのような縄文の人々が、これらの土器や石器を使って、種差でどんな暮らしをしていたのだろうと想像しつつ、小説のことも思い浮かべつつ観ていました。
・「ライアの祈り」についてはこちら感想記事で:ライアの祈り
前回の記事で書かなかったところも。現代のアーティストによる作品。まず、リチャード・ロングの作品のスケールに圧倒されました。一番広い展示室の、壁3面をキャンバスのように使っている。「津波の断層」の大きさといったら凄い。種差海岸を襲った津波、そして復興へのメッセージが、シンプルで力強い。
もうひとり、笹岡啓子の種差海岸の写真。ごつごつした岩肌、海岸に寄せる波、海岸の人々。種差の空気が伝わってくる写真です。
吉田初三郎の鳥瞰図も、やっぱりどうやって描いたのだろうと思う精巧さと鮮やかさ。細かいところまで魅入ってしまいます。
そして、東山魁夷の「道」本作。観て、試作と違う点がいくつか。まず大きさ。試作は小さめの作品だったのが、本作は大きい。また、本作は鮮やかになっています。道も、試作よりもよりはっきりと描かれている。遠くから観るとシンプルに道と緑の草原をはっきりと描かれているように見えるけれども、近くで観るとタッチがやわらかい。
この「道」の道は、まっすぐ伸びていて、途中で曲がり道が途切れているように見える。でも、道の続きも描かれている。試作だけでなく、スケッチも多数残されていてその解説もあったのですが、何度も何度も描いて、表現したかった一本の道。曲がっている先は、今ここから見え難いけれども、もう少し先に行けば見えるだろう。また新しい道が見えてくるだろう。そんなことを考えながら黙って見つめていました。
「凪」も何度観ても惹かれる作品。東山魁夷の作品を観て、穏やかな気持ちになっていました。やわらかであたたかい雰囲気。寺院や神社、教会にいるような、落ち着きと厳かさを感じました。やっぱり今回も、椅子に座ってしばらく居座ってしまいました。ちょうどいい位置に椅子(ベンチ)があるので…。同じように居座っている方も何人かいらっしゃいました。
「道」(本作)は東京国立近代美術館で展示されていますが、その絵のモデルとなった種差海岸に関する特別展、というテーマ(枠)の中で観られたのは貴重でした。いい特別展でした。
特別展を出て、アレコホールでいつものようにソファに座って、ゆっくりと「アレコ」背景画を鑑賞。常設展は、体調が芳しくないので今回もパスしました…。特別展は、「道」本作を何としてでも観たかったので、力尽きました…(無理するな
以前の記事で書いた、吉田初三郎鳥瞰図展には行けなかったなぁ。残念。あと、「ライアの祈り」関連で三内丸山遺跡も…これはまた今度。
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by halca-kaukana057
| 2013-08-31 22:05
| 興味を持ったものいろいろ
好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。
by 遼 (はるか)
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