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はじめからその話をすればよかった

 これまで何作品か読んできた宮下奈都さんのエッセイです。初めてのエッセイ本なんだそう。


はじめからその話をすればよかった
宮下奈都/実業之日本社/2013

 これまで、宮下さんが新聞や雑誌などに寄稿したエッセイ、他の作家さんの作品の解説などを収録したものです。こういう形でエッセイをまとめて読めるように単行本にしてくれるのはとても嬉しい。宮下さんの出身地である福井の地元紙や、過去の雑誌への寄稿など、その時を過ぎれば読めないもの、地域限定のものに、こんな文章を寄せていたんだと思いながら読みました。

 これまで、私は宮下さんを独身女性だと思っていた。しかし、宮下さんは3人のお子さんのお母さん。小説を書き始めたのは、3人目のお子さんがお腹にいた時。その妊娠している時、無性に小説が書きたくなって書き、見事デビューできたのだそうだ。それを「ホルモンのせい」と書いているのが面白い。
 妊娠していなくても、無性に何かをしたくなる時がある。ただ寝ていたい、ひたすら旅をしたい、音楽を聴く…それも特定の作曲家だけや特定の曲の聴き比べ、とにかく料理をしたい、運動したい、歌いたい・演奏したい、読書したい、そして、文章を書きたい。私も無性に文章が書きたくて、思うことを思うまま、ノートやワードで書いている(表には出さない)。

 エッセイの内容は、日常のことも多い。宮下さんはこんな暮らしをしていて、こんな本や物語、音楽が好きなんだ。そしてその中に、これまで読んだ宮下さんの作品に繋がるものがあって「これは!」と思う。ああ、この作品はこんなところから生まれたんだ。宮下さんご自身が自作を解説するものもある。といっても、まだ宮下さんの作品は数作しか読んでいない。これから読むのが楽しみになった。

 エッセイだけでなく、掌編小説もある。「オムライス」が凄くいいなと思った。何だかわからないけど、何かと出会い、それが自分をつくっていく。私にとっての「オムライス」は何だろう?そんなことを考えた。「あしたの風」は、宮下さんもこんな作品を書くのか…詳しいあらすじは書きませんが、宮下さんの視点で今の社会、この国の行き先を考えるとこうなるのか…としばらく考え込んでしまった。

 宮下さんにとって、書くことが生きること、生きることが書くことなのだと感じた。宮下奈都、素敵な作家さんに出会えた、これからの作品を読むのも楽しみだと感じました。

 ちなみに、漫画「宇宙兄弟」のムックに寄稿した文章もあり、お子さんたちは「宇宙兄弟」が大好きなのだそう。様々なタイプの宇宙飛行士になりたいと言っているのを読んで、宇宙好きとして嬉しくなりました。

 宮下さんの作品は、これも読んだのだが、感想がまとまらず書けてない…

田舎の紳士服店のモデルの妻 (文春文庫)

宮下 奈都 / 文藝春秋


 このエッセイを読むと、この作品の背景が広がった気がする。もう一度読んでみる。
by halca-kaukana057 | 2014-02-14 22:50 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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