2014年 11月 15日
おやすみ、フィラエ
史上初の彗星の核に着陸を果たした、彗星探査機「ロゼッタ」の着陸機「フィラエ」。着陸後の詳しいことがわかってきました。
◇sorae.jp:着陸機フィラエ、彗星への着陸を確認 地表からの写真も
前の記事でも紹介しましたが、もう一度。
◇アストロアーツ:彗星表面からフィラエが見た初めての景色
◇東京新聞:彗星 クレーター縁に着陸 欧州探査機充電に影響?
まず、「フィラエ」は着陸したものの、2回バウンドし、着陸予定地点よりも1km離れたクレーターの縁で静止。「フィラエ」には3本の脚がありますが、そのうちの1本が浮いている不安定な状態でもある模様。「フィラエ」はドリルで彗星を掘り、その成分を分析することも出来るのですが、不安定な姿勢でドリルを使えるか…「フィラエ」はがんばりました。ドリルで25cm掘ったそうです。「ロゼッタ」との通信状況も良好で、画像を80枚以上も送信。予定していたデータ収集はほとんどこなしました。「フィラエ」、偉い!よくがんばった!
ただ、「フィラエ」にはバッテリーの問題が。「フィラエ」には2つのバッテリーがあります。メインバッテリーは、駆動させると寿命は2日半。サブバッテリーは太陽電池で充電して、3ヶ月稼動できる予定でした。しかし、バウンドした後の着陸した地点は、陰になりやすく太陽光が当たりにくい。そのため、十分な充電が出来ず、「フィラエ」は"冬眠モード"に入りました。
「疲れちゃったよ…」「フィラエ」のツイートです。画像は、低下するバッテリー。
「データは全部受け取ってもらえたかな。疲れちゃったよ…眠いなぁ…」
「フィラエ、君はどの探査機もやり遂げたことがないことをやったんだ。よくやったよ!」
「ありがとう、ロゼッタ!僕はやったんだね!」
2機のけなげな会話の後…
眠ってしまいました。おやすみ…。
◇ITmediaニュース:彗星着陸機フィラエ、バッテリー切れで休眠モードに
◇NHK:すい星探査機 電源切れ探査中断
「フィラエ」は電力不足を補おうと、35度機体を回転させていたことも判明。なんと頑張り屋さんの「フィラエ」。「フィラエ」が"冬眠モード"から復旧するには、2ヶ月はかかるとのこと。それまで、たっぷり充電して、ゆっくりおやすみなさい。また目覚めて動き出すことを信じています。
しかし、たった2日半の活動で、不安定な姿勢にも関わらず、予定されていたミッションをしっかりこなした「フィラエ」。彗星の見たこともない姿を見せてくれました。2回もバウンドしたのに、よく彗星の上にとどまることが出来たなぁ…。本当によくがんばった。
そんなけなげな「フィラエ」のイラストを描きたいのだが、ちょっと忙しくて、時間が無いのでまた後日。
あと、「フィラエ(Philae)」の呼び方、カナ表記ですが、英語読みだと「フィレ」「フィーリィー」という発音になり、ESAでもそう呼んでいます。しかし、「フィラエ」はナイル川の島の名前が由来。「ロゼッタ」はロゼッタストーンに由来していることに関連しています。日本では元々「フィラエ」と表記され、エジプト大使館でも「フィラエ」と表記しています。なので、私は「フィラエ」で呼んでいます。先日紹介した「星のかけらを採りにいく」でも「フィラエ」の表記でした。日本の研究者は日本では「フィラエ」、ヨーロッパに行ったら英語読み…大変です。
【過去記事】
・彗星に降り立った日
・ 星のかけらを採りにいく 宇宙塵と小惑星探査
◇sorae.jp:着陸機フィラエ、彗星への着陸を確認 地表からの写真も
前の記事でも紹介しましたが、もう一度。
◇アストロアーツ:彗星表面からフィラエが見た初めての景色
◇東京新聞:彗星 クレーター縁に着陸 欧州探査機充電に影響?
まず、「フィラエ」は着陸したものの、2回バウンドし、着陸予定地点よりも1km離れたクレーターの縁で静止。「フィラエ」には3本の脚がありますが、そのうちの1本が浮いている不安定な状態でもある模様。「フィラエ」はドリルで彗星を掘り、その成分を分析することも出来るのですが、不安定な姿勢でドリルを使えるか…「フィラエ」はがんばりました。ドリルで25cm掘ったそうです。「ロゼッタ」との通信状況も良好で、画像を80枚以上も送信。予定していたデータ収集はほとんどこなしました。「フィラエ」、偉い!よくがんばった!
ただ、「フィラエ」にはバッテリーの問題が。「フィラエ」には2つのバッテリーがあります。メインバッテリーは、駆動させると寿命は2日半。サブバッテリーは太陽電池で充電して、3ヶ月稼動できる予定でした。しかし、バウンドした後の着陸した地点は、陰になりやすく太陽光が当たりにくい。そのため、十分な充電が出来ず、「フィラエ」は"冬眠モード"に入りました。
So much hard work.. getting tired... my battery voltage is approaching the limit soon now pic.twitter.com/GHl4B8NPzm
Philae Lander (@Philae2014):2014年11月15日8:37
「疲れちゃったよ…」「フィラエ」のツイートです。画像は、低下するバッテリー。
@ESA_Rosetta I'm feeling a bit tired, did you get all my data? I might take a nap… #CometLandingPhilae Lander (@Philae2014):2014年11月15日9:40
@Philae2014 You’ve done a great job Philae, something no spacecraft has ever done before. #CometLanding ESA Rosetta Mission (@ESA_Rosetta):2014年11月15日9:42
Thank you, @ESA_Rosetta! I did it! I became the first spacecraft to land on a comet & study it! But it’s not over yet… #CometLandingPhilae Lander (@Philae2014):2014年11月15日9:46
「データは全部受け取ってもらえたかな。疲れちゃったよ…眠いなぁ…」
「フィラエ、君はどの探査機もやり遂げたことがないことをやったんだ。よくやったよ!」
「ありがとう、ロゼッタ!僕はやったんだね!」
2機のけなげな会話の後…
My #lifeonacomet has just begun @ESA_Rosetta. I'll tell you more about my new home, comet #67P soon… zzzzz #CometLanding
Philae Lander (@Philae2014):2014年11月15日9:57
眠ってしまいました。おやすみ…。
◇ITmediaニュース:彗星着陸機フィラエ、バッテリー切れで休眠モードに
◇NHK:すい星探査機 電源切れ探査中断
「フィラエ」は電力不足を補おうと、35度機体を回転させていたことも判明。なんと頑張り屋さんの「フィラエ」。「フィラエ」が"冬眠モード"から復旧するには、2ヶ月はかかるとのこと。それまで、たっぷり充電して、ゆっくりおやすみなさい。また目覚めて動き出すことを信じています。
しかし、たった2日半の活動で、不安定な姿勢にも関わらず、予定されていたミッションをしっかりこなした「フィラエ」。彗星の見たこともない姿を見せてくれました。2回もバウンドしたのに、よく彗星の上にとどまることが出来たなぁ…。本当によくがんばった。
そんなけなげな「フィラエ」のイラストを描きたいのだが、ちょっと忙しくて、時間が無いのでまた後日。
あと、「フィラエ(Philae)」の呼び方、カナ表記ですが、英語読みだと「フィレ」「フィーリィー」という発音になり、ESAでもそう呼んでいます。しかし、「フィラエ」はナイル川の島の名前が由来。「ロゼッタ」はロゼッタストーンに由来していることに関連しています。日本では元々「フィラエ」と表記され、エジプト大使館でも「フィラエ」と表記しています。なので、私は「フィラエ」で呼んでいます。先日紹介した「星のかけらを採りにいく」でも「フィラエ」の表記でした。日本の研究者は日本では「フィラエ」、ヨーロッパに行ったら英語読み…大変です。
【過去記事】
・彗星に降り立った日
・ 星のかけらを採りにいく 宇宙塵と小惑星探査
by halca-kaukana057
| 2014-11-15 22:03
| 宇宙・天文