2015年 05月 30日
「世界の至宝コレクション ツタンカーメン王の黄金時代」ガシャポンの元を調べてみた
こんな素敵なガシャポンを見つけました…!
◇エポック社:カプセルコレクション 世界の至宝コレクションストラップ3 ツタンカーメン王の黄金時代
ツタンカーメン王墓の王棺や副葬品をストラップにしてしまったガシャポン。存在は知っていたのですが、行動範囲にあるかどうかわからず…偶然見つけました。「これは…これだ!!!」気がついたら100円硬貨を握っていましたw3回チャレンジして、出てきたのがこれ。
リーフレットも入っているのですが、解説が何も書いていないのが残念…。ツタンカーメン王と王墓発掘のことぐらい軽く触れていて欲しかったなぁ。
もう少し拡大。
左から、ツタンカーメンカー像(6番)、ホルス神像(1番)、アンク(2番)。7番の黄金の玉座欲しかったなぁ…ツタンカーメン王に王妃アンケセナーメンが香油を塗ってあげている様が彫刻されている美しい玉座。しかも、2人がサンダルを片方ずつ履いていて仲睦まじい。8番の第3の王棺はなんと蓋が開きます!第3の王棺は、全部純金で出来ていてとても重く、発掘に立ち会った考古学者たちを驚かせたという…!素晴らしいガシャポンじゃないですか!
出てきたストラップを見て、これはツタンカーメン王墓の副葬品なんだよね、ならば発掘の記録があるはずだ。ツタンカーメン王墓は史上初のほぼ未盗掘の封印つきの墓。王墓からの出土品はひとつひとつナンバリングされ、写真も撮影され、発掘者のハワード・カーターによって記録が取られました。そのカーターが残した発掘記録は、オックスフォード大学アシュモレアン博物館の古代エジプト考古学を研究しているグリフィス研究所に保管されています。さらに、ウェブで全て公開されています。
◇The Griffith Institute:Tutankhamun
この「Object Cards」から検索できます。
では、調べてみましょう。
まず、1番ホルス神像。ホルス神は古代エジプト神話の天空と太陽の神。オシリスとイシスの子で、ハヤブサの頭をしている。「ホルスの目」は古代エジプトの護符でありシンボルでもありますね。
さて、これがどれかというと…。
◇Griffith Institute: Carter Archives - 298a:Figure of Horus of Letopolis
カーターは発掘した順番に番号を振っています。298a番。最初は布に包まれて出土しました。布を取るとこの像が出てきました。リンク先の画像の1枚目の画像がこのホルス神像。ストラップのものよりもお腹がふっくらとしています。3枚目の画像は布に包まれた状態のもの。
ちなみに、王墓のどこから出てきたかというと、玄室(王の厨子と棺があった部屋)の奥にある宝物室に置いてあった黒い箱から出てきたそうです。全部記録がある。グリフィス研究所のこのリスト、面白い!カーター直筆の詳細なメモにも見入ってしまいます。
◇Griffith Institute: Carter Archives - 298:Black shrine-like chest
次、2番のアンク。アンク(Ankh)は古代エジプトで「生命」「命」を意味する言葉。ツタンカーメンも古代エジプト語の表記では「トゥト・アンク・アメン(Tut-ankh-amen)」で、「アンク」が入っています。
このストラップのアンクも宝物室に置かれていました。ツタンカーメンのカルトゥーシュ(王の名前を囲う楕円)の形をした箱から出てきました。
◇Griffith Institute: Carter Archives - 269:Casket of cartouche form
この箱から出てきました。
このアンクは、鏡のケースでした。269b番です。
◇Griffith Institute: Carter Archives - 269b:Mirror case in form of ankh sign
3枚目の画像では、ケースを開けた状態になっています。十字の下の部分には、ツタンカーメンのカルトゥーシュが刻まれています。あと、ケースの十字の上部の円になった部分にも。ストラップでは残念ながらそこまで再現できてませんでした。裏表同じデザインでした。ちょっと残念。
ちなみに、このストラップ、見た目よりも重い、ずっしりとしています。
次、3つ目。6番のツタンカーメンのカー像。「カー(Ka)」とは、古代エジプト神話の魂のひとつ。古代エジプト神話では魂は2つ、「カー」と「バー(Ba)」に分かれるとされていました。「バー」は日本語では「魂」と訳され、鳥の姿をした、その人の一部、個性のようなもの。「カー」は生まれた時から人間に備わっているもので、生命力そのもののようなもの。「カー」が肉体から離れることが、古代エジプトでは死を意味したそう。肉体が完全に滅びてしまうと、「カー」の行き場がなくなってしまうと考えられ、ミイラが作られた…という。古代エジプトの死生観、難しいです。まだまだ勉強不足です。うまく説明出来てないので、より詳しいサイトや本をご覧ください…(情けない…)。
このカー像は、王に似せて作られていたとされていたようです。この像は玄室の入り口の前、前室にありました。
◇Griffith Institute: Carter Archives - 022:Large statue in black and gold
1枚目の写真、像が壁に寄り添って建っていますが、この壁は漆喰で塞がれており、この向こうが玄室です。漆喰に穴を開け、厨子が見えてきた画像や、カーターらが像を運び出す準備をしている画像もあります。
以上、私が出したストラップに関しては以上です。後は大体有名どころなので、調べるまでもない、かな。ひとつ気になった、3番スカラベについて。
◇Griffith Institute: Carter Archives - 256qqq:Pectoral (gold, inlaid)
画像には3つのペンダントが並んでいますが、下に「QQQ」と記号が振ってあるスカラベのペンダントがこれです。王のミイラにかけられていました。ミイラにどのようにこれらの装飾品が付けられていたか、カーターによるスケッチが残っています。
◇Griffith Institute:Howard Carter's drawings of Tutankhamun's mummy
カーターが画家でもあったからこそ残せたスケッチ、資料だと感じます。
しかし、調べてみて、ツタンカーメン王墓の出土品の多さに驚きました。小規模だったのにこんなにたくさん。もっと大きな王墓が同じようにほぼ未盗掘だったら、どんなことになっていたのか…あああ…。
このガシャポン、また挑戦できたらしたいです。黄金の玉座がいいなぁ。スカラベもきれいだなぁ。
・過去関連記事:ツタンカーメン発掘記
◇エポック社:カプセルコレクション 世界の至宝コレクションストラップ3 ツタンカーメン王の黄金時代
ツタンカーメン王墓の王棺や副葬品をストラップにしてしまったガシャポン。存在は知っていたのですが、行動範囲にあるかどうかわからず…偶然見つけました。「これは…これだ!!!」気がついたら100円硬貨を握っていましたw3回チャレンジして、出てきたのがこれ。
リーフレットも入っているのですが、解説が何も書いていないのが残念…。ツタンカーメン王と王墓発掘のことぐらい軽く触れていて欲しかったなぁ。
もう少し拡大。
左から、ツタンカーメンカー像(6番)、ホルス神像(1番)、アンク(2番)。7番の黄金の玉座欲しかったなぁ…ツタンカーメン王に王妃アンケセナーメンが香油を塗ってあげている様が彫刻されている美しい玉座。しかも、2人がサンダルを片方ずつ履いていて仲睦まじい。8番の第3の王棺はなんと蓋が開きます!第3の王棺は、全部純金で出来ていてとても重く、発掘に立ち会った考古学者たちを驚かせたという…!素晴らしいガシャポンじゃないですか!
出てきたストラップを見て、これはツタンカーメン王墓の副葬品なんだよね、ならば発掘の記録があるはずだ。ツタンカーメン王墓は史上初のほぼ未盗掘の封印つきの墓。王墓からの出土品はひとつひとつナンバリングされ、写真も撮影され、発掘者のハワード・カーターによって記録が取られました。そのカーターが残した発掘記録は、オックスフォード大学アシュモレアン博物館の古代エジプト考古学を研究しているグリフィス研究所に保管されています。さらに、ウェブで全て公開されています。
◇The Griffith Institute:Tutankhamun
この「Object Cards」から検索できます。
では、調べてみましょう。
まず、1番ホルス神像。ホルス神は古代エジプト神話の天空と太陽の神。オシリスとイシスの子で、ハヤブサの頭をしている。「ホルスの目」は古代エジプトの護符でありシンボルでもありますね。
さて、これがどれかというと…。
◇Griffith Institute: Carter Archives - 298a:Figure of Horus of Letopolis
カーターは発掘した順番に番号を振っています。298a番。最初は布に包まれて出土しました。布を取るとこの像が出てきました。リンク先の画像の1枚目の画像がこのホルス神像。ストラップのものよりもお腹がふっくらとしています。3枚目の画像は布に包まれた状態のもの。
ちなみに、王墓のどこから出てきたかというと、玄室(王の厨子と棺があった部屋)の奥にある宝物室に置いてあった黒い箱から出てきたそうです。全部記録がある。グリフィス研究所のこのリスト、面白い!カーター直筆の詳細なメモにも見入ってしまいます。
◇Griffith Institute: Carter Archives - 298:Black shrine-like chest
次、2番のアンク。アンク(Ankh)は古代エジプトで「生命」「命」を意味する言葉。ツタンカーメンも古代エジプト語の表記では「トゥト・アンク・アメン(Tut-ankh-amen)」で、「アンク」が入っています。
このストラップのアンクも宝物室に置かれていました。ツタンカーメンのカルトゥーシュ(王の名前を囲う楕円)の形をした箱から出てきました。
◇Griffith Institute: Carter Archives - 269:Casket of cartouche form
この箱から出てきました。
このアンクは、鏡のケースでした。269b番です。
◇Griffith Institute: Carter Archives - 269b:Mirror case in form of ankh sign
3枚目の画像では、ケースを開けた状態になっています。十字の下の部分には、ツタンカーメンのカルトゥーシュが刻まれています。あと、ケースの十字の上部の円になった部分にも。ストラップでは残念ながらそこまで再現できてませんでした。裏表同じデザインでした。ちょっと残念。
ちなみに、このストラップ、見た目よりも重い、ずっしりとしています。
次、3つ目。6番のツタンカーメンのカー像。「カー(Ka)」とは、古代エジプト神話の魂のひとつ。古代エジプト神話では魂は2つ、「カー」と「バー(Ba)」に分かれるとされていました。「バー」は日本語では「魂」と訳され、鳥の姿をした、その人の一部、個性のようなもの。「カー」は生まれた時から人間に備わっているもので、生命力そのもののようなもの。「カー」が肉体から離れることが、古代エジプトでは死を意味したそう。肉体が完全に滅びてしまうと、「カー」の行き場がなくなってしまうと考えられ、ミイラが作られた…という。古代エジプトの死生観、難しいです。まだまだ勉強不足です。うまく説明出来てないので、より詳しいサイトや本をご覧ください…(情けない…)。
このカー像は、王に似せて作られていたとされていたようです。この像は玄室の入り口の前、前室にありました。
◇Griffith Institute: Carter Archives - 022:Large statue in black and gold
1枚目の写真、像が壁に寄り添って建っていますが、この壁は漆喰で塞がれており、この向こうが玄室です。漆喰に穴を開け、厨子が見えてきた画像や、カーターらが像を運び出す準備をしている画像もあります。
以上、私が出したストラップに関しては以上です。後は大体有名どころなので、調べるまでもない、かな。ひとつ気になった、3番スカラベについて。
◇Griffith Institute: Carter Archives - 256qqq:Pectoral (gold, inlaid)
画像には3つのペンダントが並んでいますが、下に「QQQ」と記号が振ってあるスカラベのペンダントがこれです。王のミイラにかけられていました。ミイラにどのようにこれらの装飾品が付けられていたか、カーターによるスケッチが残っています。
◇Griffith Institute:Howard Carter's drawings of Tutankhamun's mummy
カーターが画家でもあったからこそ残せたスケッチ、資料だと感じます。
しかし、調べてみて、ツタンカーメン王墓の出土品の多さに驚きました。小規模だったのにこんなにたくさん。もっと大きな王墓が同じようにほぼ未盗掘だったら、どんなことになっていたのか…あああ…。
このガシャポン、また挑戦できたらしたいです。黄金の玉座がいいなぁ。スカラベもきれいだなぁ。
・過去関連記事:ツタンカーメン発掘記
by halca-kaukana057
| 2015-05-30 23:57
| 興味を持ったものいろいろ