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レベレーション 啓示 1

 読んだのに感想を書いていない漫画の感想を。この作品は単行本化を待ってました!!


レベレーション 啓示 1
山岸凉子/講談社・モーニングKC/2015

 1425年、フランス・ロレーヌ地方・ドンレミ村。ジャンヌ・ダルク、13歳。ジャネットと呼ばれていた彼女は気が強いが、信心深く、事あるごとに祈りを捧げる少女。17歳の姉・カトリーヌは他の村の村長の息子・コランに嫁ぐことが決まっていた。当時はフランスとイギリスの間での「百年戦争」の真っ只中。人々の間に不安と怒りが募っていた。そんなある日、ジャネットが家事をしていると、教会の方から光のようなものを感じた。そして「汝 善きことのみを行い 教会へ繁く通え」と聴こえた…。


 ジャンヌ・ダルク…百年戦争で活躍したが、"魔女"と呼ばれ、処刑された女性…この程度のことしか知りません。ジャンヌ・ダルクは小説、映画、漫画…様々なメディアの題材となっている。何故そこまで取り上げられるのか。ジャンヌ・ダルクとは一体どんな人だったのか。「日出処の天子」「ツタンカーメン」などで歴史ものを描いてきた山岸先生はどう描くのか。しかも連載(週刊誌で隔月ペース)されているのが「モーニング」。最初、「モーニング」で山岸先生が連載を始めると聞いた時は驚きました。少女漫画誌のイメージだったので。でも、「テレプシコーラ 舞姫」は書籍情報誌「ダ・ヴィンチ」だったなぁ…。とにかく、単行本で読めるのを楽しみにしてきました。

 物語は処刑直前のジャンヌの回想で綴られます。何故ジャンヌがこんなことになったのか。いつから"啓示"を受けるようになったのか。
 13歳、少女のジャンヌ(ジャネット)は、中世フランスのどこにでもいそうな普通の少女。フランスののどかな村で、家を手伝っていた。気が強く、物事に敏感。信仰心が篤く、教会の鐘が鳴るとお祈りを欠かさない。そんなジャンヌが、"啓示"を受け始める。最初は夢で。次に光のようなもの。さらに、その姿が見えるようになるまでに。教会の司祭に告解もするが、司祭様もその内容に戸惑う。ジャンヌが預言を聞く描写がシンプルでうまい。言葉が空間に漂っている。耳で聞くというよりも、声が心の中に入りこんでくるような。徐々にその姿を現す様にドキドキします。
 ちなみに、ジャンヌがはっきりと預言を聞く前の地震のようなものを感じるシーンで、「ツタンカーメン」の"揺れる墓"を思い出しました。「ツタンカーメン」は史実に基づくもフィクション多めでしたが、「レベレーション」はどうなるか。楽しみです。(とはいえ、「ツタンカーメン」は20世紀初頭、「レベレーション」は15世紀、時代が全くことなりますね)

 啓示を受けるジャンヌも、普段は普通の少女。当時の農村での生活、結婚などのしきたり、人々にとって教会はどんな存在だったのか、そして百年戦争がのどかな農村にも影を落としていたこと。当たり前の日常の中に、戦争の影響があり、解雇された兵士たちは村を焼き略奪し、村人たちは逃げるしかなかった。戦乱に明け暮れる中世のフランス。歴史やイギリス・フランスの王家の状況の骨太な部分と、農村の日常ののどかな部分。この対比が面白いです。百年戦争はややこしいと学生時代世界史を勉強していた時に感じたのですが、漫画でもやっぱりややこしい。あらためて勉強するかたちでも読みます。
 のどかな農村の生活、と書きましたが、カトリーヌの結婚は穏やかではなかった。読んでいて辛いです。こんな辛さが、ジャンヌが"啓示"を受けやすくしたのだろうか…?

 物語は始まったばかり。これからが楽しみです。

・「ツタンカーメン」についてはこちら:思い出の"発掘" 山岸凉子「ツタンカーメン」再読
by halca-kaukana057 | 2016-03-17 22:58 | 本・読書

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