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ノルウェーとグリーグと「抒情小品集」

 私の持っている楽譜「ピアノ名曲120選 初級編」(音楽の友社)の中に、グリーグのピアノ曲「アリエッタ」が収録されている。曲は聴いたことはないがずっと気になっていた。グリーグは北欧・ノルウェーの作曲家。ピアノを生涯の楽器とし、この全10集66曲という「抒情小品集」も生涯にわたって書き続けた曲集でグリーグの日記のようなもの…。その最初の曲がこの「アリエッタ」。グリーグの原点なのかな?と自分で勝手に思っていた。

 
その「抒情小品集」、探せばCDは結構あって図書館でも見つかった。それがこのCD。先日ブラームスでも取り上げた、グリーグと同じノルウェーの若手ピアニスト、レイフ・オヴェ・アンスネスの演奏(EMI)。抜粋版だが、ノルウェー・ベルゲンのグリーグの家のグリーグが使っていたピアノで録音したというもの。そう言えば、シベリウスでも舘野泉さんがシベリウスの家「アイノラ」のシベリウスが使っていたピアノで録音したCDが出ていたっけ。

 グリーグに話を戻して、その「アリエッタ」をまず聴いてみた。素朴で緩やかな曲。これは弾いてみたい。初級のピアノ曲集にあるのだから私でも頑張れば弾けるはず…。他の曲に関しては「まさにノルウェー」と思う曲ばかり。例えば第5集第3曲の「小人の行進」。原題は「Troldtog」、つまりノルウェーの伝説に出てくる妖精トロルのこと。妖精といってもこんなのなのでちょっと不気味。トロルたちがぞろぞろと早足で歩いている激しさが楽しい。第1集第6曲「ノルウェーの旋律」はノルウェーの民族舞踊スプリンガル(跳躍舞曲)が元になっているのだそう。

 第8集第6曲「トロルドハウゲンの婚礼の日」はグリーグ夫妻の銀婚記念に合わせて出版された(最初は友人の50歳の誕生日を祝って作られた曲なのだが、同じ年にグリーグ夫妻の銀婚式もあったため、出版社の意向でタイトルを変更したらしい)。「トロルドハウゲン」はグリーグが住んだ所でノルウェーらしい海と丘陵のある自然が美しいところなんだそうだ。その美しい自然を前に結婚を祝う人々の歌や踊りが感じられる曲。他にも「ワルツ」や「メロディー」、「夜想曲」等ロマン派のキャラクター・ピースによくあるタイトルの曲は多いのだけれど、実際に曲を聴いてみるとショパンやシューマンとは全然違う。そして最後の第10集第7曲「回想」、最初の「アリエッタ」のメロディーがワルツ風になって終わる。最後は原点に返る。または原点を思い返す。その人の人生が見えてくるよう。と言うわけでぜひ全曲聴いてみたいのだが、全曲版は少ない。


 なので同じく抜粋版のミハイル・プレトニョフ盤(ユニバーサル・ミュージック/DG)ので補足。有名な第3集第1曲「ちょうちょう」、同じ第3集第6曲「春に寄す」なんて北欧の待ちわびた春らしい。この盤とアンスネスの演奏を聴き比べると、アンスネスは迫力のあるタッチが得意なのかも。ベートーヴェンとか弾いてくれませんかねと勝手に思っているのでした。
by halca-kaukana057 | 2006-07-07 21:05 | 音楽

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by 遼 (はるか)
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