2018年 01月 22日
オンネリとアンネリのふゆ
フィンランドの児童文学を。以前読んだ「オンネリとアンネリのおうち」。この「オンネリとアンネリ」シリーズは全部で4作あるのですが、第2作も日本語訳が出ていました!素晴らしい!!
・第1作:オンネリとアンネリのおうち
オンネリとアンネリのふゆ
マリヤッタ・クレンニエミ:作/マイヤ・カルマ:絵/渡部翠:訳/福音館書店、世界傑作童話シリーズ/2016
小学生の女の子、オンネリとアンネリはとても仲が良いお友達。薔薇横丁に薔薇乃木夫人から買った素敵なおうちを持っています。11月、2人のおうちの冬支度をしていた時のこと。鉄の門の下に、ふたつの光が現れやってきて、玄関先に止まった…。何かと思うと、とても小さな車。中から小さな紳士が出てきて、薔薇乃木夫人に会いたいとのこと。しかし、薔薇乃木夫人は次々と引越しをするので、どこにいるかわからない。2人のおうちの隣に住む、薔薇乃木夫人のいとこの姉妹・ノッポティーナさんとプクティーナさんも知らない。この紳士と、家族…プティッチャネン族のショーララ一家は、住んだ家を壊され、住む家を探していた。薔薇乃木夫人が住まい探しの名人だと聞いて、彼女を探しているとのこと。行く当てもなく、困っていたショーララ一家を、2人のおうちの人形の家に、薔薇乃木夫人の行方がわかるまで泊めることにした2人。ショーララ家の人々との暮らしは、とても楽しいものでした…。
第1作「オンネリとアンネリのおうち」のあらすじを忘れかけていたので、薔薇横丁の人々について思い出すのに時間がかかりました。第2作も素敵なお話です。秘密基地のような2人の家。そこにやってきたこびとのようなショーララ家の人々。フィンランド語の原作では、きっと「プティッチャネン」や「ショーララ」、「ノッポティーナとプクティーナ」といった固有名詞は違うものになっている、日本語訳のは日本人にもわかりやすいようにアレンジしてあると思うのですが、フィンランド語の特徴はそのままというところがいい。フィンランド人の姓に多い「~ネン」「~ラ」、名前でも「~ティーナ」というのはよくある。「ネン」で終わる姓はほぼフィンランド人、もしくはフィンランドにルーツをもつ人だと言っていい。こんなところでフィンランドらしさを感じられるのはいいなと思いました。
ショーララ家が何故、住む家を探すことになったのか…その顛末がかなしい。第1作でも登場人物のさみしさや心の傷、喪失を繊細に描いていたけれど、第2作もやっぱりうまい。家族それぞれ、その喪失とかなしみをそれぞれの言葉で表現する。ショーララ氏。やんちゃ坊主のプティ坊。おばあちゃま。そんなショーララ家にとって、オンネリとアンネリの家の人形の家は願ってもない家。家での暮らしを楽しむ一家。私も子どもの頃お人形遊びをしましたが、その家に本物のこびとが住んだら、どんなに楽しいだろう!
第2作は冬のお話。フィンランドの冬と言えば、クリスマス。プティッチャネン族にはプティクリスマスがある。そのパーティーに呼ばれたオンネリ、アンネリ、薔薇横丁の人々。薔薇横丁の人々は秘密を守るので、ショーララ家のことは話しています。準備も楽しいし、プティクリスマスイヴのパーティでは楽しい驚いたことも起きる。とてもあたたかいクリスマスだ。住む家を失っても、2人の優しさで素敵なプティクリスマスを迎えることができたショーララ家に、よかったねと言いたくなります。オンネリとアンネリの、クリスマスの朝の出来事にも。
薔薇乃木夫人からハガキは届くが、住所は書いていない。相変わらす居場所がわからない。冬の間、薔薇乃木夫人からのハガキを待ち続ける。そんな間に、ある事件が起きます。児童文学ですが、内容はなかなかハード。第1作でもファンタジーっぽさはあっても、ハードな、エゴむき出しのような事件だったような…。今回もそんな感じです。アンネリに対して、かなりひどいことをしています。でもここは薔薇横丁。不思議なことと奇跡が起きる場所。不思議と奇跡だけじゃない。両隣などの大人たちがしっかりしている。オンネリとアンネリは、建物が素敵なだけでない、ご近所さんも素敵な家を買ったのです。いいなぁ。
ショーララ氏は本が好きで、家の図書館に入れるために、人間の本をプティッチャネン族が読めるように書き写しています。その本の中に、今話題のあの本も…。やっぱりフィンランドに根付いている本なんですよね。
フィンランドの人々が、冬をどう過ごすのか、何が楽しみなのか。それが伝わってくるお話です。続編あと2作も読みたいです。
あと、第1作はプチグラパブリッシング(絶版)ので読んだのですが、固有名詞の訳が変わってる気がする…?バラは漢字になっているし、お隣のリキネンさんの奥様の名前が違う気がする…。訳者は同じなのに。第1作を福音館書店版で読まなくては…
◇福音館書店:オンネリとアンネリのふゆ
・第1作:オンネリとアンネリのおうち
オンネリとアンネリのふゆ
マリヤッタ・クレンニエミ:作/マイヤ・カルマ:絵/渡部翠:訳/福音館書店、世界傑作童話シリーズ/2016
小学生の女の子、オンネリとアンネリはとても仲が良いお友達。薔薇横丁に薔薇乃木夫人から買った素敵なおうちを持っています。11月、2人のおうちの冬支度をしていた時のこと。鉄の門の下に、ふたつの光が現れやってきて、玄関先に止まった…。何かと思うと、とても小さな車。中から小さな紳士が出てきて、薔薇乃木夫人に会いたいとのこと。しかし、薔薇乃木夫人は次々と引越しをするので、どこにいるかわからない。2人のおうちの隣に住む、薔薇乃木夫人のいとこの姉妹・ノッポティーナさんとプクティーナさんも知らない。この紳士と、家族…プティッチャネン族のショーララ一家は、住んだ家を壊され、住む家を探していた。薔薇乃木夫人が住まい探しの名人だと聞いて、彼女を探しているとのこと。行く当てもなく、困っていたショーララ一家を、2人のおうちの人形の家に、薔薇乃木夫人の行方がわかるまで泊めることにした2人。ショーララ家の人々との暮らしは、とても楽しいものでした…。
第1作「オンネリとアンネリのおうち」のあらすじを忘れかけていたので、薔薇横丁の人々について思い出すのに時間がかかりました。第2作も素敵なお話です。秘密基地のような2人の家。そこにやってきたこびとのようなショーララ家の人々。フィンランド語の原作では、きっと「プティッチャネン」や「ショーララ」、「ノッポティーナとプクティーナ」といった固有名詞は違うものになっている、日本語訳のは日本人にもわかりやすいようにアレンジしてあると思うのですが、フィンランド語の特徴はそのままというところがいい。フィンランド人の姓に多い「~ネン」「~ラ」、名前でも「~ティーナ」というのはよくある。「ネン」で終わる姓はほぼフィンランド人、もしくはフィンランドにルーツをもつ人だと言っていい。こんなところでフィンランドらしさを感じられるのはいいなと思いました。
ショーララ家が何故、住む家を探すことになったのか…その顛末がかなしい。第1作でも登場人物のさみしさや心の傷、喪失を繊細に描いていたけれど、第2作もやっぱりうまい。家族それぞれ、その喪失とかなしみをそれぞれの言葉で表現する。ショーララ氏。やんちゃ坊主のプティ坊。おばあちゃま。そんなショーララ家にとって、オンネリとアンネリの家の人形の家は願ってもない家。家での暮らしを楽しむ一家。私も子どもの頃お人形遊びをしましたが、その家に本物のこびとが住んだら、どんなに楽しいだろう!
第2作は冬のお話。フィンランドの冬と言えば、クリスマス。プティッチャネン族にはプティクリスマスがある。そのパーティーに呼ばれたオンネリ、アンネリ、薔薇横丁の人々。薔薇横丁の人々は秘密を守るので、ショーララ家のことは話しています。準備も楽しいし、プティクリスマスイヴのパーティでは楽しい驚いたことも起きる。とてもあたたかいクリスマスだ。住む家を失っても、2人の優しさで素敵なプティクリスマスを迎えることができたショーララ家に、よかったねと言いたくなります。オンネリとアンネリの、クリスマスの朝の出来事にも。
薔薇乃木夫人からハガキは届くが、住所は書いていない。相変わらす居場所がわからない。冬の間、薔薇乃木夫人からのハガキを待ち続ける。そんな間に、ある事件が起きます。児童文学ですが、内容はなかなかハード。第1作でもファンタジーっぽさはあっても、ハードな、エゴむき出しのような事件だったような…。今回もそんな感じです。アンネリに対して、かなりひどいことをしています。でもここは薔薇横丁。不思議なことと奇跡が起きる場所。不思議と奇跡だけじゃない。両隣などの大人たちがしっかりしている。オンネリとアンネリは、建物が素敵なだけでない、ご近所さんも素敵な家を買ったのです。いいなぁ。
ショーララ氏は本が好きで、家の図書館に入れるために、人間の本をプティッチャネン族が読めるように書き写しています。その本の中に、今話題のあの本も…。やっぱりフィンランドに根付いている本なんですよね。
フィンランドの人々が、冬をどう過ごすのか、何が楽しみなのか。それが伝わってくるお話です。続編あと2作も読みたいです。
あと、第1作はプチグラパブリッシング(絶版)ので読んだのですが、固有名詞の訳が変わってる気がする…?バラは漢字になっているし、お隣のリキネンさんの奥様の名前が違う気がする…。訳者は同じなのに。第1作を福音館書店版で読まなくては…
◇福音館書店:オンネリとアンネリのふゆ
by halca-kaukana057
| 2018-01-22 22:35
| 本・読書