2018年 04月 30日
シャガールのイマジネーション 「シャガール 三次元の世界」展
記事に書くのは約1年ぶりの、青森県立美術館です。その後も行っていたのですが、記事は書かず…。ものすごく遅くなったけど、後で書こうかな…。
今回行ってきたのは、「シャガール 三次元の世界」展。青森県立美術館の目玉展示と言えば、シャガールの「アレコ」背景画。普段は1,2,4幕ですが、2021年までは3幕もあり、全4幕揃っています。圧巻です。そのシャガールのことを、実はあまりよく知らない。ということで、行ってきました。
◇青森県立美術館:「シャガール - 三次元の世界」展 Marc Chagall: The Third Dimension
いつもの真っ白な建物がお出迎え。
シャガールの絵は、とても不思議だ。人物がふわふわ浮いていて、その人物の描き方もふんわりとしている。今回の展覧会は、「三次元の世界」。絵画だけでなく、彫刻や陶器などの立体作品も数多く展示しています。シャガールって、立体作品も多く手がけていたんだ。
この立体作品が面白かった。陶器は、ユーモラスで可愛らしい。色をつけていないものもあるし、色をつけているものは、とてもカラフル。陶器の後ろの側にも絵が描かれていて、それがまた可愛い。彫刻は、聖書をモチーフにしたものが多い。ユダヤ人の家に生まれ、第一次大戦後の反ユダヤの流れに巻き込まれてゆくシャガール。迫害をおそれ、アメリカに亡命。その背景が、聖書に通じるのだろうか。美術も、音楽も、西洋文化を理解するのは聖書は基礎なんだなと実感しました。なかなか馴染めないところもあり、すんなりと受け入れられず…と言っていられないのだな、と。その彫刻は、大理石や石灰岩だけでなく、特定の場所から採れた石を使っているものも多いです。その質感が、古代ギリシアやローマの遺跡のように見えます。しかも、聖書がモチーフだから尚更。シャガールの、これまでとは違った一面を観ました。
そんな立体作品を観ると、不思議な絵画も、わかる、と感じました。立体を、二次元で表現しようとしたんだ。シャガールにとっては、二次元でも三次元、もしくは四次元だったんだ、と。そのイマジネーションに驚きました。一体どうすれば、こんなイメージを思いつくのだろう。次から次へと表現したいイメージがあって、それを形にできる。思い浮かんだイメージを、ないものとするのではなく、形にして、現実に見せることができる。これってすごいなと思いました。
シャガールの作品には、鶏やロバ、魚など、動物もよく出てきます。陶器の後ろや、絵画の横のほうに描いてある。それが可愛い。「アレコ」背景画でも、動物が描かれていますね。
展覧会の期間中、一日に4回、「アレコ」背景画の特別鑑賞プログラムがありました。照明、音楽、ナレーションで、バレエ「アレコ」のあらすじをたどり、背景画の見どころを紹介します。照明の当て方ひとつで、いつも観ているはずの「アレコ」背景画が違って見える。どこに注目すればいいかがわかる。バレエ「アレコ」で使われた、チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 op.50「偉大なる芸術家の思い出に」が流れる。どんなバレエだったのかな…と思います。
バレエについては、展覧会で、初演の際の映像を上映しています。モノクロの映像ですが、いきいきとした物語は感じられました。上演されないかなぁ、観てみたいです。
今回は、常設展も観てきました。常設展でも、一体どうしたらこんなイメージが思いつくのだろう、そのイメージを形に出来るのだろう…と考えていました。成田亨の「ウルトラマン」の怪獣たちや、棟方志功の作品など。不思議です。
奈良美智「あおもり犬」。この日も大人気でした。
青森は桜の季節でした。美術館の周りに桜が植えてあります。花と白い建物。合います。
今回行ってきたのは、「シャガール 三次元の世界」展。青森県立美術館の目玉展示と言えば、シャガールの「アレコ」背景画。普段は1,2,4幕ですが、2021年までは3幕もあり、全4幕揃っています。圧巻です。そのシャガールのことを、実はあまりよく知らない。ということで、行ってきました。
◇青森県立美術館:「シャガール - 三次元の世界」展 Marc Chagall: The Third Dimension
いつもの真っ白な建物がお出迎え。
シャガールの絵は、とても不思議だ。人物がふわふわ浮いていて、その人物の描き方もふんわりとしている。今回の展覧会は、「三次元の世界」。絵画だけでなく、彫刻や陶器などの立体作品も数多く展示しています。シャガールって、立体作品も多く手がけていたんだ。
この立体作品が面白かった。陶器は、ユーモラスで可愛らしい。色をつけていないものもあるし、色をつけているものは、とてもカラフル。陶器の後ろの側にも絵が描かれていて、それがまた可愛い。彫刻は、聖書をモチーフにしたものが多い。ユダヤ人の家に生まれ、第一次大戦後の反ユダヤの流れに巻き込まれてゆくシャガール。迫害をおそれ、アメリカに亡命。その背景が、聖書に通じるのだろうか。美術も、音楽も、西洋文化を理解するのは聖書は基礎なんだなと実感しました。なかなか馴染めないところもあり、すんなりと受け入れられず…と言っていられないのだな、と。その彫刻は、大理石や石灰岩だけでなく、特定の場所から採れた石を使っているものも多いです。その質感が、古代ギリシアやローマの遺跡のように見えます。しかも、聖書がモチーフだから尚更。シャガールの、これまでとは違った一面を観ました。
そんな立体作品を観ると、不思議な絵画も、わかる、と感じました。立体を、二次元で表現しようとしたんだ。シャガールにとっては、二次元でも三次元、もしくは四次元だったんだ、と。そのイマジネーションに驚きました。一体どうすれば、こんなイメージを思いつくのだろう。次から次へと表現したいイメージがあって、それを形にできる。思い浮かんだイメージを、ないものとするのではなく、形にして、現実に見せることができる。これってすごいなと思いました。
シャガールの作品には、鶏やロバ、魚など、動物もよく出てきます。陶器の後ろや、絵画の横のほうに描いてある。それが可愛い。「アレコ」背景画でも、動物が描かれていますね。
展覧会の期間中、一日に4回、「アレコ」背景画の特別鑑賞プログラムがありました。照明、音楽、ナレーションで、バレエ「アレコ」のあらすじをたどり、背景画の見どころを紹介します。照明の当て方ひとつで、いつも観ているはずの「アレコ」背景画が違って見える。どこに注目すればいいかがわかる。バレエ「アレコ」で使われた、チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 op.50「偉大なる芸術家の思い出に」が流れる。どんなバレエだったのかな…と思います。
バレエについては、展覧会で、初演の際の映像を上映しています。モノクロの映像ですが、いきいきとした物語は感じられました。上演されないかなぁ、観てみたいです。
今回は、常設展も観てきました。常設展でも、一体どうしたらこんなイメージが思いつくのだろう、そのイメージを形に出来るのだろう…と考えていました。成田亨の「ウルトラマン」の怪獣たちや、棟方志功の作品など。不思議です。
奈良美智「あおもり犬」。この日も大人気でした。
青森は桜の季節でした。美術館の周りに桜が植えてあります。花と白い建物。合います。
by halca-kaukana057
| 2018-04-30 23:00
| 旅・お出かけ