BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その4 [9月] [随時追記あり]

 ロンドンで大盛況開催中の音楽祭、BBC Proms(プロムス)。7月に始まった時は9月なんてまだまだ先…と思っていたら、もう9月です。あんなに盛りだくさんの毎日のプロム(各公演)もあっという間に過ぎていきます。音楽とは儚い。とはいえ、9月も盛りだくさんです。最後のラストナイトまでノンストップです。最後の瞬間まで、プロムスを楽しみつくしましょう!
 現在、何週遅れてるんだと思うぐらいの、オンデマンドを溜めてしまっています。ですが、9月の、私の選んだ、気になる、興味のある、オススメのプロムを紹介します。(あくまで私選です)

BBC Proms 公式サイト

・7月の記事:BBC Proms (プロムス) 2018 私選リスト その1 [7月] [随時追記中]
・8月前半:BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その2 [8月前半] [随時追記あり]
・8月後半:BBC Proms ( プロムス ) 2018 私選リスト その3 [8月後半]


【プロムスについて。どうやって聴くの?】
 公演は、全てBBC radio3で放送します。生中継していますので、BBC radio3のサイトや後述のBBCのアプリ、ネットラジオアプリなどで聴けます。
 放送後30日間はオンデマンド配信もあるので、聴きたい時間に好きなように聴けます。
 スマートフォンからは、「BBC iPlayer Radio」のアプリを使うととても便利です。ブラウザからも聴けますが、その場合は「BBC Media Player」のアプリが必要です。どちらも、アプリストアからダウンロードしてご利用ください。
 Proms公式サイトの各公演ページ、BBC radio3の各公演放送ページ、どちらからも同じものが聴けます。ただ、双方向へのリンクがありません。この記事ではプロムス公式サイトでのものへリンクしているので、BBC radio3での各公演放送一覧ページをリンクしておきます。
BBC radio3 : BBC Proms : Available now

 映像(BBC4で放送)は、基本的には日本から観ることはできません。イギリス国内のみです。しかし、今年はBBC Music公式がYouTubeで映像をフルでアップしてくれています。ただし、削除されます。削除されています。既に大半は削除されてしまっています…せめてラストナイトまではアップしていてほしかった。アップは遅くなることがありますが、待っていると公開されるかもしれません。また、各プロムのページに、公演の一部(アンコールなど)の映像を公開してくれているものもあります。各プロムのページは隅々まで見ましょう。

 Binaural Sound 立体音響録音もあります。是非、お手持ちのヘッドホン、イヤホンで聴いてみてください。特別なものでなくても構いません。音が違いますよ。
 各公演(プロム)のBBC radio3でのページの「Clips」のコーナーに、Binaural Soundの表示、マークの録音があるのでそれが公開されているものです。配信期間はわかりません。最初に公開していたものがなくなり、徐々に減ってきています。なので、一般の配信と同じように配信から30日を目安に聴いておくことをオススメします。Binaural Soundのものは、普通のオンデマンド配信がスタートしてから、遅れて公開されていますので、チェックをお忘れなく。
 また、イギリス国内のみでしか聴けないものも出てきてしまいました。
 Binaural Soundでの録音をまとめて公開しているページは以下です。
BBC radio3 : BBC Proms : Experience the Proms as if you are really in the audience
 新しいものがどんどん上に表示されていきます。まとめて次々聴きたい方はこちらで。

 本放送の他に、現地時間14時(日本時間22時)からの「Afternoon Concert」で再放送もあります。再放送もオンデマンド配信、30日間あります。もし、オンデマンド配信も聴き逃してしまっても、ここにあるかもしれません。再放送されないプロムもあるので注意(主にロイヤル・アルバート・ホール以外での公演)。22時からなら日本でもリアルタイムで聴けるという方はこちらもチェックを。
◇放送一覧:BBC radio3 : Afternoon Concert

 では、9月の各プロムを見ていきましょう。

◇9/1 Prom 66: Berlin Philharmonic & Kirill Petrenko (I)
     [Binaural Sound あり]

 ・デュカス:ラ・ペリ
 ・プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 op.26
 ・フランツ・シュミット:交響曲第4番 ハ長調
  / ユジャ・ワン(ピアノ)、キリル・ペトレンコ:指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 今年はベルリン・フィルの年です。しかも、新音楽監督に就任したばかりのキリル・ペトレンコさんと登場です。ペトレンコさんは昨年バイエルン国立歌劇場管弦楽団と来日、話題になりましたね。先日、ベルリン・フィルハーモニーでシーズン・オープニング・コンサートをしたばかり。どんな演奏になるか楽しみです。
 1回目のプログラムは、デュカスのファンファーレに始まり、ユジャ・ワンのプロコのピアノ協奏曲3番と華やか。後半はフランツ・シュミットの4番…聴いたことがないので予習しておこう。フランツ・シュミットはオーストリアの生まれでブルックナーの弟子。交響曲第4番は、一人娘が亡くなってその追悼のために書いたそう。単一楽章の交響曲ですが、4つの部分に分かれているとのこと。
 シュミット、だけだと、フランツなのか、フローラン・シュミットという作曲家もいるのでややこしい…。

◇9/2 Prom 67: Andris Nelsons conducts the Boston Symphony Orchestra
     [Binaural Sound あり]

 ・マーラー:交響曲第3番 ニ短調
  / スーザン・グラハム(メゾソプラノ)、CBSOコーラス、CBSOユースコーラス、アンドリス・ネルソンス:指揮、ボストン交響楽団
 大御所がもうひとつ、ネルソンスさん指揮のボストン響。しかも大曲マーラー3番。マーラーの3番は好きですが、やはり聴く前はその長さゆえ身構えてしまいます。コーラスはバーミンガム市交響楽団の合唱団。かつて音楽監督をしていたバーミンガム市響の合唱団と共演とは、里帰りしているような感じですね。

◇9/2 Prom 68: Berlin Philharmonic & Kirill Petrenko (II)
 ・リヒャルト・シュトラウス:ドン・ファン op.20
              :死と変容 op.24
 ・ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 op.92
  / キリル・ペトレンコ:指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ベルリンフィル2回目です。リヒャルト・シュトラウスとベートーヴェン。「死と変容」の弦がとても好きです。ベートーヴェン7番はどんな演奏になるのか、楽しみです。

◇9/3 Proms at ... Cadogan Hall 8: Berliner Philharmoniker perform Debussy and Ravel
 ・リリ・ブーランジェ:夜想曲(ヴァイオリンとピアノ版)
 ・ドビュッシー:フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ
 ・ニーナ・シェンク(Nina Šenk):Baca(世界初演)
 ・リリ・ブーランジェ:ピアノのための3つの小品
第1曲:古い庭で (D'un vieux jardin) 
  第2曲:明るい庭で (D'un jardin clair) 
  第3曲:行列 (Cortege) 
 ・ラヴェル:序奏とアレグロ
  / ベルリンフィルのソリストたち
   マヤ・アヴラモヴィチ(Maja Avramović)、樫本大進(ヴァイオリン)、アミハイ・グロス(Amihai Grosz)(ヴィオラ)、ブリュノ・ドルプレール(Bruno Delepelaire)(チェロ)、エマニュエル・パユ(フルート)、アンドレアス・オッテンザマー(クラリネット)、マリー=ピエール・ラングラメ(ハープ)、アラスデア・ビートソン(Alasdair Beatson)(ピアノ)
 ベルリンフィルはまだ帰りません。室内楽もやります。豪華ソリストが集まりました。こうやって見ると、ベルリンフィルも出身国は様々なんですね。ここでもリリ・ブーランジェは演奏されます。ドビュッシーのフルート、ヴィオラとハープのためのソナタはお気に入りの曲です。

◇9/3 Prom 69: Boston Symphony Orchestra Bernstein and Shostakovich
 ・バーンスタイン:セレナード
 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 ハ短調 op.43
  / バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)、アンドリス・ネルソンス:指揮、ボストン交響楽団
 ボストン響ももう1公演あります。バーンスタインの「セレナード」の、プロムス公式サイトに載っているタイトル「Serenade after Plato's 'Symposium'」にあれ?と思いました。この作品の正式名称は、「ヴァイオリン独奏、弦楽、ハープと打楽器のためのセレナード(プラトンの『饗宴』による)」なんですね。知らなかった。タイトルの通り、プラトンの「饗宴」に着想を得ています。
 後半はショスタコーヴィチ4番。発表当時はなかなか演奏される機会を得られなった作品です。マーラーの影響を受けているというこの作品。「マーラーを語る」でバーンスタインのマーラー観、ショスタコーヴィチのマーラー好きにについて語られましたが、そんな繋がりのあるプロムですね。この本読んでおいてよかった。

◇9/5 Prom 71: Orchestre Révolutionnaire et Romantique perform Berlioz
 ・ベルリオーズ:海賊 序曲 op.21 H.101
        :クレオパトラの死
        :トロイアの人々 王の狩りと嵐、ディドの死
        :イタリアのハロルド op.16
  / アントワン・タメスティ(Antoine Tamestit)(ヴィオラ)、ジョイス・ディドナート(メゾソプラノ)
   ジョン・エリオット・ガーディナー:指揮、オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック
 ガーディナーさんのオール・ベルリオーズ・プログラムです。ベルリオーズは苦手意識あり…あまり聴かないだけです。なので聴きます。以前、ラジオで「海賊」は聴いて、面白いなと思いました。ヴィオラ好きとしても、「イタリアのハロルド」もちゃんと聴きたい。

◇9/6 Prom 72: Britten's War Requiem
 ・ブリテン:戦争レクイエム
  / エリン・ウォール(ソプラノ)、アラン・クレイトン(テノール)、ラッセル・ブラウン(バリトン)、
  ハダースフィールド・コーラル・ソサエティ、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル・オーケストラ・ジュニア・コーラス、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル・オーケストラ・コーラス
  ピーター・ウンジャン:指揮、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル・オーケストラ
 プロムス終盤にふさわしい大曲です。今年のテーマのひとつ、第一次世界大戦終結100年にちなんで、ブリテンによる第二次世界大戦の犠牲者の追悼と祈りの音楽を。

◇9/7 Prom 74: Handel's Theodora
 ・ヘンデル:テオドーラ
  / ルイーズ・アルダー(ソプラノ)、イェスティン・デイヴィス(カウンターテナー)、ベンジャミン・ヒューレット(テノール)、アン・ハレンベリ(メゾソプラノ)
  ジョナサン・コーエン:指揮、アルカンジェロ Arcangelo
 ヘンデル晩年のオラトリオ「テオドーラ」。欧米では演奏されますが、日本ではほとんど演奏されない作品らしい。クリスチャンが迫害され殉教するという物語。聴いてみよう。
 さて、通常のプロムはここまで。残すはあとひとつ、ラストナイトです。

◇9/8 Prom 75: Last Night of the Proms
 ・ヒンデミット:歌劇「今日のニュース」序曲
 ・ベルリオーズ:レリオ、あるいは生への回帰 op.14bis 第6曲:シェイクスピアの「テンペスト」にもとづく幻想曲
 ・ロクサンナ・パヌフニク(Roxanna Panufnik):Songs of Darkness, Dreams of Light(世界初演)
 ・チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォード(Charles Villiers Stanford):海の歌 op.91
                                   :青い鳥
 ・パリー:恵みを受けし二人のセイレーン

 ・サン=サーンス:アルジェリア組曲 op.60 第4曲:フランス軍隊行進曲
 ・ミヨー:スカラムーシュ
 ・リチャード・ロジャース:回転木馬 より 独り言
 ・アン・ダドリー(Anne Dudley)編曲:World War 1 Songs:Roses of Picardy(ピカルディーの薔薇) , It's a long, long way to Tipperary(遥かなティペラリー) , Keep right on to the end of the road , Keep the home fires burning

 ・ヘンリー・ウッド:イギリスの海の歌による幻想曲
 ・アーン(サージェント:編曲):ルール・ブリタニア!
 ・エルガー:威風堂々 第1番 ニ長調 op.39-1 Land of Hope and Glory
 ・パリー(エルガー:編曲):エルサレム
 ・ブリテン編曲:イギリス国歌(God Save The Queen)
 ・スコットランド民謡:Auld Lang Syne

  / ジェス・ギラム(Jess Gillam サクソフォーン)、ジェラルド・フィンリー(バリトン)
  BBCシンガーズ、BBCシンフォニー・コーラス
  アンドリュー・ディヴィス:指揮、BBC交響楽団
 ラストナイトです。第1部は世界初演の新曲あり、パリーの作品もあります。リチャード・ロジャースのミュージカルナンバーも。後半第2部はいつも通り、「イギリスの海の歌による幻想曲」、「ルール・ブリタニア」「Land of Hope and Glory」「エルサレム」と大合唱。今年のイギリス国歌はブリテンの編曲(去年はブリス)。最後はAuld Lang Syneで来年また会いましょう…の流れです。「ルール・ブリタニア」を歌うのはバリトンのジェラルド・フィンリーさん。
 今年の指揮は、アンドリュー・ディヴィスさん。ラストナイトは18年ぶりの指揮です。当時はプロムスを知らなかったので、ディヴィスさん時代を思い出させるであろうラストナイトをまた聴けるのは楽しみです。ちなみに、イギリス人指揮者がラストナイトを振るのは、2011年のエドワード・ガードナーさん以来(その間は、前BBC響首席指揮者・チェコ出身ビエロフラーヴェクさん、アメリカ出身・オールソップさん、現BBC響首席指揮者・フィンランド出身オラモさんで繋いできました)。ディヴィスさんがラストナイトを指揮していた時、当時の映像を観ると、ディヴィスさんとBBC響男性楽団員は白ジャケットでした。これも復活なるか。

 当初発表されていたプログラムに何曲か追加されました。Radio3のサイトにあります:BBC Radio3 : Prom 75: Last Night of the Proms
 ベルリオーズの「レリオ」は、以前仙台フィルの演奏会をNHKで放送していたのを観て、いい曲、いい演奏だなと思いました。ラストナイトにも、今年のテーマの第一次世界大戦終結100年の作品があります。2014年のラストナイトの「メリー・ポピンズ」メドレーの編曲をしたイギリスの作曲家アン・ダドリーによる編曲の、「World War 1 Songs」第一次世界大戦の中で生まれた歌のメドレーのようです。日本語訳が広まっていないものもあり、出来る分だけ訳しました。
 さぁ、最後、盛り上がっていきましょう!!5時ぐらいに起きれば、第2部が聴けると思います。
 今年も12月あたりに、BSでテレビ放送しますよね、NHKさん…。映像で観ないと今年のプロムスを終われない!

【追記】
 ラストナイトの映像がもうYouTubeにアップされました。ほんの一部ではありますが。
BBC Proms - Roxanna Panufnik: Songs of Darkness, Dreams of Light
BBC Proms - Hubert Parry: Blest Pair of Sirens
BBC Proms - Darius Milhaud: Scaramouche
BBC Proms - Darius Milhaud: Scaramouche (Excerpt)
 ↑20歳のサックス奏者、ジェス・ギラムさんの「スカラムーシュ」(部分だけのアップになってしまいました)。イギリスでデジタル配信チャート1位になったこともあるのだそう。
BBC Proms - Richard Rodgers: Carousel – 'Soliloquy'
BBC Proms - Hubert Parry: Jerusalem (orch. Elgar)

 ロイヤル・アルバート・ホールのお隣、ハイドパークの野外会場での、「威風堂々第1番」
Land Of Hope & Glory - BBC Concert Orchestra & Ensemble (Proms in Hyde Park 2018)

 ラストナイトの流れを、まとめたページもありました。BBC Promsの公式Twitterも引用されています。
All the biggest and best moments from the Last Night of the Proms
 この中にある、4分間で今年のプロムス振り返り動画は必見。
The 2018 Proms season in a thrilling 4 minutes
 ↑※リンク先に飛ぶとすぐ動画が始まるのでご注意ください。スマートフォンからの方は、「BBC Media Player」のアプリを入れてください。リンク先に飛ぶと、アプリが動作して動画が観られます。
◇YouTubeにもアップされました:BBC Proms 2018 in 4 minutes

 今年のプロムス振り返りはこちらにも。こちらは映像収録がなかったプロムも音声で振り返られます。
The Proms 2018 in 19 unmissable moments

 以上、9月のプロムス、私が選んだ公演リストでした。ラストナイトの後も、オンデマンドは引き続き聴けますので、楽しみましょう。私は一体いつ聴き終わるのだろう…。プロムスのオンデマンド以外にも聴きたいオンデマンドやCDはあるし、オーケストラのシーズンオープニングは始まっているし、ラハティのシベリウス音楽祭もやってるし…。本当この時期は大変です。

 最後に、思ったことを。
 プロムスは毎年、公式ガイドブックは出ます。でも、プログラム変更や、出演者変更などがあって、変わってしまう。変更したデータはウェブにはあるけど、本としてまとまったデータが欲しい。あと、公演の写真も撮影しているのに、プロムス公式のSNSなどで発表して終わってしまう。
 よく、スポーツの大会、オリンピックなどで、大会後に大会の記録や写真を載せた本が発売されますよね。あんな風に、プロムスでも全公演終演後に全記録本を出して欲しいなと思いました。各演奏会の録音の中で、出演者のインタビューや作曲家についての講演なども収録されますよね。それも文字起こしして載せる。そんなその年のプロムス集録本、あったら欲しいなぁ。

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by halca-kaukana057 | 2018-08-30 21:27 | 音楽

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


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