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シューマンの「川の名前」

 先日読んだ川端裕人の小説「川の名前」。読んでいたら川にまつわる曲を聴きたくなった。川にまつわる曲といえばスメタナの「わが祖国」より「モルダウ」。とにかく好きな曲だ。川の流れと、その流域の人々の暮らし、文化、歴史。川と人間の物語そのものだ。で、私が好きな川の曲といえばもう一曲。シューマンの交響曲第3番「ライン」だ。

 シューマンが生きたドイツの川といえばライン川。シューマンが住むことになったデュッセルドルフの町をライン川が流れていた。シューマンは川のそばをよく散歩していたようだ。同じくライン川が流れるケルンにも足を運び、ケルン大聖堂を見て作曲が始まったらしい。基本的に交響曲なので、交響詩の「モルダウ」とは違って川の様子そのものを描いた曲ではない。でも、第1楽章のあの雄大なメロディーはライン川そのものだ。聴いてすぐに好きになってしまった、「ひと聴き惚れ」の曲だ。この曲、ティンパニの使い方が印象的。普通の曲とはちょっと違うなと感じた。

 ドイツでは、ドナウ川を「母なるドナウ」と呼ぶ一方で、ライン川は「父なるライン」と呼んでいるのだそうだ。上流はドイツに位置し、東欧を流れて黒海に注ぐドナウ川。一方、フランクフルトやボン、ケルンなど大都市を流れオランダへ続き北海へ注ぐライン川。ボンより下流では流れは穏やかになるため、大型船が行き来し昔からドイツの産業を支えてきた。また、流れの急な中流のそばには沢山の城が建てられ、今では観光船から古城の風景を楽しむことが出来る。きっとその城に住んでいた貴族たちもライン川の流れを見て楽しんでいたのだろう。

 後で気づいたのだが、この「ライン」というタイトルをつけたのはシューマンではないらしい。でも、ライン川のそばで作曲された曲なのだからこの標題はぴったりなのではないかと言われている。雄大さ、荘厳さ(4・5楽章はケルン大聖堂で行われた式典からイメージしたそうだ)。川の名前がついていても不思議じゃない。

 ただその後、シューマンとライン川の関係はそれだけでは終わらなかった。精神病を患っていたシューマンは、晩年ライン川に飛び込んで自殺しようとする。運よく助かったけれどもその後精神病院に入院、そのまま病院で一生を終えることになる。何だか皮肉のような哀しさだ。とにかく切なくなってくる。

 

まだ一つの演奏しか聴いたことがないのだけれども(途中までなら2つ)、いいCDを見つけた。クーベリックとベルリン・フィルの演奏。クーベリックの指揮は結構好き。チェコ・フィルとの「わが祖国」(1990年ライブ盤)がお気に入り。



 ブルグミュラー生誕200年記念でブルグ25カップに参加していますが、シューマンも没後150年のメモリアルイヤー。これから何度かシューマンがらみの記事を書いていこうと思います。「楽しき農夫」演奏もアップできたら…いいなぁ。
by halca-kaukana057 | 2006-08-08 22:06 | 音楽

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by 遼 (はるか)
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