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劇音楽としての「ペール・ギュント」再び

 ネットラジオで興味深い演奏会を聴きました。
BBC Radio3 : Radio 3 in Concert : Prankster, Adventurer and Rogue
 ミルガ・グラジニーテ=ティーラ:指揮、バーミンガム市交響楽団の2月の演奏会です。

・エサ=ペッカ・サロネン:Dona Nobis Pacem(我らに平和を与えたまえ)
・ラウタヴァーラ:カントゥス・アルクティクス(Cantus arcticus 極北の歌)op.61
・シベリウス:ラカスタヴァ(恋する人) op.14
      :エン・サガ op.9

・グリーグ:劇付随音楽「ペール・ギュント」
 /クララ・エク(Klara Ek,ソプラノ)、CBSOユース合唱団、CBSO合唱団、ミルガ・グラジニーテ=ティーラ:指揮、バーミンガム市交響楽団

 前半はフィンランド、後半はグリーグの「ペール・ギュント」を組曲版ではなく、劇音楽版の抜粋です。合唱や独唱も入ります。以前、劇付随音楽「ペール・ギュント」のCDを聴いたことがあったのだが、それは全曲版ではなく抜粋だったことに気づいた。今回の演奏会も抜粋版ですが、曲目は以前聴いたCDよりも多いです。
・第1幕:前奏曲:婚礼の場で
・第2幕:前奏曲:花嫁の略奪、イングリッドの嘆き
山の魔王の宮殿にて
・第3幕:オーセの死
・第4幕:朝
アラビアの踊り
アニトラの踊り
ソルヴェイグの歌
・第5幕:前奏曲:ペール・ギュントの帰郷
聖霊降誕祭の賛美歌のコラール
ソルヴェイグの子守唄

 「ペール・ギュント」の物語は、ペールが荒唐無稽でなかなか理解しにくい…。でも、音楽があるとこんな場面なのかなと想像しやすい。荒唐無稽な物語を、ドラマティックな物語と感じられる。不思議です。
 音楽を音楽として純粋に楽しめる、コンパクトな組曲版も好きですが、独唱や合唱の入る劇付随音楽版も好きです。劇をイメージさせるけれども、音楽としても聴ける。オペラではなく劇なので、音楽の性格もオペラとは違うんだな、と今聴くと実感できます。快活な「婚礼の場で」で始まり、花嫁を略奪しペールの大冒険が始まる。「山の魔王の宮殿にて」はやっぱり合唱が入った方が迫力が増していい。同じく合唱とソプラノ独唱が入る「アラビアの踊り」も。ソプラノ独唱のエクさんの澄んだ歌声がきれいです。女声合唱も美しい。「イングリッドの嘆き」や「オーセの死」「ソルヴェイグの歌」といった静かな曲も聴き入ってしまいます。「精霊降誕祭の賛美歌のコラール(Whitsun Hymn)」は初めて聴きました。無伴奏の合唱です。とてもきれいですそこから、最後の「ソルヴェイグの子守唄」へ。波乱万丈のペールの人生が静かに終わるのが感じられます。よかったです。

 演奏会前半もとても楽しいです。サロネンの合唱曲は不思議な音の流れが面白い。2010年の作品だそうです。ラウタヴァーラの「カントゥス・アルクティクス」は大好きな作品。フィンランドの北にある湖畔で録音した鳥のさえずりと管弦楽の協奏曲。鳥たちの鳴き声と、幽玄な管弦楽がとても美しい。音の流れや響きは不思議な雰囲気で、そこに湖や動き回る鳥たちなどの自然を感じられる。以前は、ラウタヴァーラなどフィンランドの現代作曲家の作品を聴いてもピンと来なかった。よくわからなかった。でも今は心から楽しめる。楽しみ方がわかってきたというか、幅が広がってきたのだろう。さらにシベリウスから2曲。「ラカスタヴァ」は無伴奏合唱版で。「恋する人」や「恋人」と訳されるこの曲、可愛らしいし、どこか物悲しくもある。大好きです。「エン・サガ」も大好きな曲。グラジニーテ=ティーラさんの「エン・サガ」はこうなるのかと興味深々で聴いていました。緩急と強弱の幅が広い。どんどん盛り上がっていく部分も好きですが、その後の静かなクラリネットのソロの部分も好きです。「ある伝説」と訳されるこの曲、後半の「ペール・ギュント」へのつなぎにもなっているのでしょうか。

 この記事を書いた時点であと12日、オンデマンドで聴けます。2月16日あたりまで?

・以前の記事:劇音楽としての「ペール・ギュント」
by halca-kaukana057 | 2019-03-04 22:56 | 音楽

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by 遼 (はるか)
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