2019年 03月 24日
イギリスの古楽を聴く
以前、BBC Radio3で、BBC交響楽団の演奏会をオンデマンド配信で聴きました。
◇BBC Radio3 : Radio3 in Concert : A Masterpiece of Mahler
いつこの記事を書こうと思っていたら、オンデマンドが日本時間明日朝までになってしまった…。
・モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調 K.385 「ハフナー」
・トーマス・ラルヒャー:Nocturne – Insomnia
・マーラー:大地の歌
/エリーザベト・クールマン(メゾソプラノ)、スチュアート・スケルトン(バリトン)
サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
いい演奏会でした。トーマス・ラルヒャーさんの作品は、2017年のプロムスでイギリス初演(Prom40 ロビン・ティッチアッティ:指揮、スコットランド室内管弦楽団)。初演した作品を何度も演奏していくのはいいなと思います。静かに始まり、現代的な音へ変化していく。打楽器の使い方が面白いです。モーツァルトのハフナー、メインの「大地の歌」もよかったです。「大地の歌」はじんわりとします。
大体オンデマンドを聴く時は、その演奏会本編が終わればさっさと再生停止してしまいます。しかし、この時はそのまま流しておきました。BBCでも余った時間にCDなどから別の音楽を流しますが、その流れてきた音楽に惹かれました。上記ページをずっとスクロールしていくと、放送された曲についての表記があります。どちらも、イギリスの古楽です。
1曲目は、イギリスの作曲家、ジョン・ジェンキンス(John Jenkins)の「4声のファンタジア」より第15番。演奏はFretwork。
◇Spotify : John Jenkins : Complete Four-Part Consort Music (Fretwork)
演奏しているFretworkは、ヴァイオル・コンソート(ヴァイオルは英語、ヴィオールがフランス語)。16世紀から17世紀にかけて、イングランドやドイツで発展していった器楽アンサンブルのことを「コンソート」と言うそう。日本人もメンバーに含まれていて、古楽だけではなく、現代作品でも活躍しているのだそう。
ジョン・ジェンキンスは、パーセルと同時代の作曲家。ヴァイオル・コンソールの黄金期に活躍。数多くの作品を遺した。このアルバムは、ヴァイオル・コンソール作品から「4声のファンタジア」を全収録。現代の弦楽器とは違う、ヴァイオルの優しく甘い音色と、心地よいメロディー、和音にホッとします。ゆるやかな短調の旋律が美しい3番、朗らかで優しい5番、ちょっとドラマティックな7番、暗い雨のような物悲しさの9番、可愛らしい14番、放送された15番は長調でも落ち着いていて穏やか。主旋律と他の旋律の絡み合いがきれいで、どんどん広がっていく。1一緒に収録されている2つのパヴァン(Pavan)もいいです。
2曲目は、同じくイギリスの作曲家、ジョン・ダウランド(John Dowland)の「歌曲集第1巻」より、「Awake sweet love, thou art returned(目覚めよ甘き恋人、あなたは帰ってきた)」。演奏は、 グレース・デイヴィッドソン Grace Davidson (ソプラノ)、デイヴィッド・ミラー David Miller(リュート)。
◇John Dowland : John Dowland (Grace Davidson , David Miller)
ダウランドは声楽とリュートの作品を多く遺している。歌曲集第2巻の「あふれよわが涙」が有名。このアルバムには、第1巻なので「あふれよわが涙」は入っていませんが、きれいな歌曲ばかり。歌っているディヴィッドソンさんのソプラノは澄んでいて美しい。リュート伴奏は最低限の音しか出していないように思えるけれども、歌に寄り添い、歌をひきたてている。リュート伴奏の歌曲はいいなぁ。放送された「目覚めよ甘き恋人、あなたは帰ってきた」は、愛しい人はいるけれども彼女に想いは伝わらない、でも、彼女は帰って来た!という希望が歌われている。そんな恋の歌も多いです。どの曲もきれいで、こちらも聴いていてホッとします。
◇梅丘歌曲会館 「詩と音楽」:ダウランド (John Dowland,1563-1626) イギリス
↑ダウランドの歌曲の歌詞と日本語訳があります。
ダウランドの歌曲の伴奏はリュートかギターですが、ピアノのものはないのかなぁ…(自分が歌うとしたら、ピアノ伴奏でないと先生が対応できない)
他にも、イギリスの古楽だと、鍵盤楽器の楽曲を集めた「フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック」に載っている、ウィリアム・バード、ジョン・ブル、ジャイルズ・ファーナビーなども好きです。他の時代もですが、古楽はハマると本当に深いし広い…。
◇BBC Radio3 : Radio3 in Concert : A Masterpiece of Mahler
いつこの記事を書こうと思っていたら、オンデマンドが日本時間明日朝までになってしまった…。
・モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調 K.385 「ハフナー」
・トーマス・ラルヒャー:Nocturne – Insomnia
・マーラー:大地の歌
/エリーザベト・クールマン(メゾソプラノ)、スチュアート・スケルトン(バリトン)
サカリ・オラモ:指揮、BBC交響楽団
いい演奏会でした。トーマス・ラルヒャーさんの作品は、2017年のプロムスでイギリス初演(Prom40 ロビン・ティッチアッティ:指揮、スコットランド室内管弦楽団)。初演した作品を何度も演奏していくのはいいなと思います。静かに始まり、現代的な音へ変化していく。打楽器の使い方が面白いです。モーツァルトのハフナー、メインの「大地の歌」もよかったです。「大地の歌」はじんわりとします。
大体オンデマンドを聴く時は、その演奏会本編が終わればさっさと再生停止してしまいます。しかし、この時はそのまま流しておきました。BBCでも余った時間にCDなどから別の音楽を流しますが、その流れてきた音楽に惹かれました。上記ページをずっとスクロールしていくと、放送された曲についての表記があります。どちらも、イギリスの古楽です。
1曲目は、イギリスの作曲家、ジョン・ジェンキンス(John Jenkins)の「4声のファンタジア」より第15番。演奏はFretwork。
◇Spotify : John Jenkins : Complete Four-Part Consort Music (Fretwork)
演奏しているFretworkは、ヴァイオル・コンソート(ヴァイオルは英語、ヴィオールがフランス語)。16世紀から17世紀にかけて、イングランドやドイツで発展していった器楽アンサンブルのことを「コンソート」と言うそう。日本人もメンバーに含まれていて、古楽だけではなく、現代作品でも活躍しているのだそう。
ジョン・ジェンキンスは、パーセルと同時代の作曲家。ヴァイオル・コンソールの黄金期に活躍。数多くの作品を遺した。このアルバムは、ヴァイオル・コンソール作品から「4声のファンタジア」を全収録。現代の弦楽器とは違う、ヴァイオルの優しく甘い音色と、心地よいメロディー、和音にホッとします。ゆるやかな短調の旋律が美しい3番、朗らかで優しい5番、ちょっとドラマティックな7番、暗い雨のような物悲しさの9番、可愛らしい14番、放送された15番は長調でも落ち着いていて穏やか。主旋律と他の旋律の絡み合いがきれいで、どんどん広がっていく。1一緒に収録されている2つのパヴァン(Pavan)もいいです。
2曲目は、同じくイギリスの作曲家、ジョン・ダウランド(John Dowland)の「歌曲集第1巻」より、「Awake sweet love, thou art returned(目覚めよ甘き恋人、あなたは帰ってきた)」。演奏は、 グレース・デイヴィッドソン Grace Davidson (ソプラノ)、デイヴィッド・ミラー David Miller(リュート)。
◇John Dowland : John Dowland (Grace Davidson , David Miller)
ダウランドは声楽とリュートの作品を多く遺している。歌曲集第2巻の「あふれよわが涙」が有名。このアルバムには、第1巻なので「あふれよわが涙」は入っていませんが、きれいな歌曲ばかり。歌っているディヴィッドソンさんのソプラノは澄んでいて美しい。リュート伴奏は最低限の音しか出していないように思えるけれども、歌に寄り添い、歌をひきたてている。リュート伴奏の歌曲はいいなぁ。放送された「目覚めよ甘き恋人、あなたは帰ってきた」は、愛しい人はいるけれども彼女に想いは伝わらない、でも、彼女は帰って来た!という希望が歌われている。そんな恋の歌も多いです。どの曲もきれいで、こちらも聴いていてホッとします。
◇梅丘歌曲会館 「詩と音楽」:ダウランド (John Dowland,1563-1626) イギリス
↑ダウランドの歌曲の歌詞と日本語訳があります。
ダウランドの歌曲の伴奏はリュートかギターですが、ピアノのものはないのかなぁ…(自分が歌うとしたら、ピアノ伴奏でないと先生が対応できない)
他にも、イギリスの古楽だと、鍵盤楽器の楽曲を集めた「フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック」に載っている、ウィリアム・バード、ジョン・ブル、ジャイルズ・ファーナビーなども好きです。他の時代もですが、古楽はハマると本当に深いし広い…。
by halca-kaukana057
| 2019-03-24 22:55
| 音楽