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クルードラゴンの帰還 おかえりなさい、野口さん

JAXA:国際宇宙ステーション長期滞在クルー 野口聡一宇宙飛行士搭乗のクルードラゴン宇宙船(Crew-1)の帰還について

 情報がある程度集まってから記事を書こうと思ったのですが、帰還生中継のみどころをまとめていたら画像が多かった。あと、帰還後の記者会見等はまだない模様?なので書くことにします。

 昨日、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在していた野口聡一宇宙飛行士が無事に帰還しました。おかえりなさい!野口さんはスペースX社の有人宇宙船「クルードラゴン」運用1号機のクルー。帰還もクルードラゴンでの帰還です。打ち上げから帰還までは、試験機でミッションコンプリートしていますが、今回は運用初回、本番です。今までアメリカの宇宙船というとスペースシャトル。シャトルは飛行機のように翼があるので、滑空して滑走路に降りてきます。でも、クルードラゴンはパラシュートで降りてきて、海上に着水します。アポロ時代と同じです。とは言え、NASAではなくスペースX社が開発したクルードラゴンは、アポロやマーキュリー計画の宇宙船の帰還と違いはあるのだろうか。ロシアのソユーズ宇宙船もパラシュートで帰還しますが、帰還場所はカザフスタンの平原。着陸の際、逆噴射をしてこれが痛いらしい…。クルードラゴンは痛くないのだろうか。乗り心地はどうなのかな。野口さんの帰還を、生中継の動画を振り返りながら観てみます。


NASA's SpaceX Crew-1 Hatch Closure & Farewell at International Space Station
 生中継は3つに分かれています。まず、Crew-1とお別れ、ハッチクローズ。
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 日本実験棟「きぼう」で、野口さんが与圧服に着替えるのを星出さんが手伝っています。クルードラゴンの与圧服はシャトルのものに比べて着替えやすいのかな。シンプルなデザインなので着替えやすそう。

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 お別れのハグ!じんと来ます…。

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 一緒に記念撮影。沁みるシーンだなぁ。
 この後、帰還するクルーはクルードラゴンに乗り込み、ハッチを閉めます。

NASA's SpaceX Crew-1 Undocking and Departure from International Space Station
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 クルードラゴンがISSから離れます。出航です。どうぞご安全に!

NASA's SpaceX Crew-1 Mission Splashes Down
 いよいよ大気圏再突入です。現地時間は夜。降下するカプセルは見えるのかな。
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 そこはNASAです。ちゃんと暗視カメラで撮影しています。先に小さなパラシュートが開いて、次にこの大きなパラシュートが開きました。ここから降下のスピードはゆっくりになります。パラシュートを開く前のスピードってどのくらいなんだろう。(絶叫マシーンが大の苦手なので考えるのが怖い)

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 着水!おかえりなさい!!
 遠くからの撮影で、しかも夜なのではっきりとはわかりませんが、逆噴射はしていない模様。そのまま海上に降りています。痛くないのかな。水の上に降りるのでは衝撃は違うのかな。
 さて、クルーをどうやって宇宙船から出すのだろう。海上で出すのは危険だろうし…。

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 宇宙船を回収する専用の船がありました。ロープで吊り上げて安定している場所に置きます。
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 宇宙船は焦げたようなあとがあります。海水に浸かってしまっているし、これをどう直して再利用するのだろう。

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 ハッチが開きました。ここから中にいるクルーが出てきます。でも、出てくるまで長いんだろうなぁ…ソユーズも結構長いよなぁ。確認することがいっぱいあるのだろう。ちょっと家事してこよう。

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 クルーが出てくるまで、やっぱり長かった。家事しててちょうどよかったです。最初に出てきたのはコマンダーのマイケル・ホプキンス飛行士。おかえりなさい!
 さて、野口さんは何番目に出てくるかな、と思ったら、ここで現地からの中継が終わりました。あれ。でも、後で野口さんが帰還した画像を見られました。お元気そうでよかった!これからリハビリが大変なんだろうな。

 野口さんの帰還第一声を聴くのが楽しみです。帰還の際のクルードラゴンの乗り心地を知りたい。
 それまで、この動画を観てましょうか。
YouTube:Soichi Noguchi
 野口さんのYouTubeチャンネル。宇宙YouTuberしてました。すごい時代だ…。船外活動の合間の動画もあるのがすごい。宇宙食の食レポをしたり、アレンジレシピに挑戦したり、ISSの中を紹介、宇宙での日常やキーボードの演奏と、宇宙暮らしのリアルを伝えています。YouTubeをあまり観ない、YouTuberにもあまり興味がないので気がつかなかったのですが、観始めるとこれ止まらない。面白いです。野口さんは元々ツイッターを頻繁に更新するので有名でしたが、文字情報だけでなく、映像で、しかも野口さんの視点で撮影・編集した情報もあると、宇宙飛行士たちがISSで何をしているのかがより伝わりやすい。宇宙が身近になるというか、宇宙で暮らす、宇宙暮らしという考え方ができるのが、また時代は変わったなと思いました。リハビリの様子も動画になるといいな。


 ここで、ちょっと思ったことを。
 宇宙飛行士たちはISSに長期滞在している間、トレーニングを欠かさずに行います。微小重力では簡単に筋力が衰えるし、骨も弱くなる。健康維持、地上に帰ってからの負担を減らすため、トレーニングをしますし、最近ではカルシウムを効率的に摂ることのできる宇宙食もあります。これからリハビリが大変なんだろうなと先述したのですが、これらのトレーニングは、地上に還ることを前提にしているんだなと思いました。人間は地上の1Gの世界で生まれて、育ち、1Gの世界で生きることを前提にした身体になっている。宇宙に行って、ある程度は適応出来るけれども、ずっといるわけじゃない。半年~1年の間に還る。人間は今のところ、宇宙飛行士になっても重力のある世界で生きることが基本なんだなと思いました。何を当たり前のことを?と思いますが、還ってこないのなら、人間はどう重力のない世界に適応したらよいのだろう、と思ったのです。

 火星への有人探査の計画がありますが、地球を離れて火星に着くまで半年かかります。ISSの長期滞在と同じ期間です。火星までの飛行中は無重力。でも、火星には地球よりは小さいけれど重力があります。火星に着いても、リハビリをしないと活動できないのでは?それをどうする?という話を以前読んだことがあります。確かに…。月は3日で行けるし重力もとても小さいけど、火星となるとかかる日数も重力も全然違う。人類の宇宙進出と重力は、これからも切っては切れない問題なのだなと思いました。ISSは地上400km,月や火星に比べたら地球の表面を飛んでいる程度です。それが、月や火星へ繋がるのだろうと思いますが、とてつもなく遠くにあるように感じてしまいました。

by halca-kaukana057 | 2021-05-03 23:00 | 宇宙・天文

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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