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秋のフィンランド本まつり 「音遊人」2006年10月号

 何だか最近フィンランド・北欧に関する話題を扱った本・雑誌が多く出版されている。北欧ブームか?よく分からないけど手当たり次第読んでみたので、感想を何回かに分けて記事にします。


 
第1回は「音遊人(みゅーじん)」2006年10月号(ヤマハ株式会社刊)。ヤマハの音楽雑誌ですが、10月号の特集が「フィンランドに吹く風」。フィンランド各地を巡りながらシベリウスやフィンランドの音楽にまつわる話をなんと23ページにも渡って掲載。フィンランド音楽ファンにはたまりません。

 始めの記事「シベリウスをめぐる旅・夏の木霊」はフィンランド情緒溢れる文。筆者・阿部泉氏のフィンランド旅行とシベリウスにまつわる個人的な思い出を描いたもの。こういう音楽誌で個人の思い出話はあまり見かけないし、気に留める読者も少ないのではないかと思う。こういう個人的な話を特集の冒頭に持ってくるのも、人によって好き嫌いが分かれるかもしれない。だが、第7交響曲を聴きながら、あるいは思い出しながらこの文章を読んでいると、何とも言えなくなってくる。その曲にまつわる思い出は人それぞれ。その思い出の良し悪しでその曲のイメージも変わってしまうから恐ろしい。ただ、その曲の性格によって、その思い出の印象も変わってしまうこともある。シベリウスの交響曲第7番もそんな曲だと感じる。「あの曲を聴くと、暗い北の大海原を悠然と泳いでいく鯨が見えるような気がする」(22ページ上段)と(筆者の友人が)形容したのもぴったりだ。(私はゆらゆらとほのかに輝くオーロラをイメージした。)ちなみにその次のページ、24・25ページの「シベリウスのアルバム」、アイノラの写真でますますフィンランドに行きたくなる。あー、それ以上はやめてくれ。

 その後はシベリウスを好んで演奏する音楽家の話。渡邉暁雄さんのエピソードにラハティ交響楽団、さらに舘野泉さんインタビュー。渡邉暁雄さんの振ったシベリウスはまだ聴いたことがない。日本にシベリウスの音楽を紹介する最初の架け橋となった渡邉暁雄さんの演奏を聴かずにはいられません。(解説しておくと渡邉暁雄さんは日本シベリウス協会初代会長で、お母様はフィンランド人。日本フィルハーモニー交響楽団だけじゃなく、ヘルシンキフィルやラハティ響も振ったことがあるのだそうだ。そっちも聴きたい!) 舘野さんのインタビューでは舘野さんのこの言葉に感心した。シューベルトのソナタを録音し、シューベルトがレパートリーに加わった頃の話。
「CDが出た直後は、聴きたくなかったんですよ。不満ばかりが募ってしまい、録音をやり直したいとずいぶん悩みました。でもねえ、しばらくして、これでいいんだと思うようになりました。録音はその時点での結果に過ぎない。演奏には、そもそも完成なんてないのだから」
「終わりがないから、行為に意味があるのだもの」(31ページ上段)


 趣味で細々とピアノを弾く私ですが、この言葉で励まされました。フィンランドから話題がずれましたが、今年の暮れに「タピオラ幻景」に次ぐ吉松隆氏作曲の「アイノラ抒情曲集」と「ゴーシュ舞曲集」というピアノ曲の録音が出るのだそう。「アイノラ」なんて、またタイトルからしてシベリウスを思わせます。「ゴーシュ」というのは「セロ弾きのゴーシュ」か?ピアノなのにチェロ?よく分からんが年末を楽しみにします。

 その後の記事はフィンランド紀行。北カレリア地方、ヘルシンキを美味しい料理と共に歩く。ヘルシンキでは映画「かもめ食堂」の舞台となった「Kahvilla Suomi」も出てきます。アキ・カウリスマキの映画にまつわるエピソードも。

 この本でフィンランドの雰囲気と音楽を思う存分お楽しみください。基本的にヤマハのお店で売ってます。(続く)

*Special Thanks!:この記事のことを教えてくださったシンプルさん、どうもありがとうございます。
by halca-kaukana057 | 2006-09-07 22:01 | 本・読書

好奇心のまま「面白い!」と思ったことに突っ込むブログ。興味の対象が無駄に広いのは仕様です。


by 遼 (はるか)
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