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フィンランド 森と街に出会う旅

 今年もよろしくお願いいたします。新年最初の投稿はフィンランド本です。

フィンランド 森と街に出会う旅
(鈴木 緑/東京書籍/2006)

 北欧諸国を旅してきたデザインジャーナリストである著者が見た「等身大のフィンランド」について書いた本。旅行ガイドでもなく、解説書でもなく、専門書でもない。いち日本人が見た「不思議の国」フィンランド。そう、私もフィンランドはとても不思議な国だと、この本を読んでも思う。


 まず、フィンランド人の国であるのにスウェーデン人の国でもあること。フィンランドはかつてスウェーデンに支配されていたこともあって、スウェーデン語は公用語でスウェーデン系フィンランド人は人口の6%を占める。フィンランド国歌は初めスウェーデン語で作詞されたし、シベリウスやトーヴェ・ヤンソン、アルヴァ・アアルトにカイ・フランクなど、フィンランドを代表する人にスウェーデン系フィンランド人が多くて、じゃフィンランドのアイデンティティとは何なんだと問いたくなってしまう。民族も言語も単一である日本から考えると不思議で仕方がない。この点については著者も解決できていないのだが、フィンランドの胸の奥には私には計り知ることは出来ない、複雑でデリケートなものが潜んでいるのだろう。

 この本で紹介されているフィンランドは、とても自然だ。森と湖に囲まれた豊かな自然は、魅力的であると同時に野性そのもので厳しく、装飾が何もない。トイレ事情には本当に驚いた。自然と一体になると言えばいいのだろうか。

 面白いと思ったのは第3章のフィンランドの皆さんに訊いたアンケート。フィンランドの好きな所・嫌いな所、自分自身のことなど、生のフィンランドの方の声を聞くことができるのは本当に貴重だ。ただ、残念なのは著者の仕事の関係上、インタビューした大部分がデザイン関係者であること。個人的にはフィンランドを代表するデザイナーであるハッリ・コスキネンやイルッカ・スッパネンのインタビューがあるのは本気で嬉しい。ヘルシンキ市民街頭インタビューもあるので、デザイン関係以外ではそちらを参考あれ。

 著者は最後にこうまとめている。
フィンランドほど、どれだけ本を読んでも、人の話を聞いても自分の目で見て経験しないと分からない国はないのです。(166ページ、「あとがき」より)

 ええ、いつになるかは分からないけど、フィンランドに行ってやろうじゃないの。蚊が多かろうと、サルミアッキが不味かろうと、物価が高かろうと。フィンランド貯金を始めるかな。
by halca-kaukana057 | 2007-01-03 22:11 | 本・読書

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by 遼 (はるか)
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