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ロケットガール3 私と月につきあって

 いよいよアニメも放送間近の「ロケットガール」シリーズ第3作。


「ロケットガール3 私と月につきあって」(野尻抱介、富士見書房・富士見ファンタジア文庫、2007

 ソロモン宇宙協会(SSA)の宇宙飛行士、ゆかり、マツリ、茜の3人はヨーロッパ宇宙局と共にミッションを行うため、打ち上げ基地のあるフランス領ギアナに向かう。フランス人の10代の少女5人で構成される宇宙飛行士たち「アリアン・ガールズ」と共に月へ向かうミッションに協力するためだった。ゆかりたちは行きの飛行機内でトラブルに巻き込まれ、飛行機を操縦する羽目に。飛行機を操縦したことのないゆかりたちに無線でアドバイスしてきた少女の指令を無視し、ゆかりは無理やり飛行機を着陸させる。空港でその無線でアドバイスしてきた少女…「アリアン・ガールズ」のリーダー・ソランジュと対面し、2人は会ってすぐビンタ付きのにらみ合い。フランス特有の習慣に慣れないままゆかりたちはアリアン・ガールズたちと訓練を始める。初め、ゆかりたちは月には行かず途中で帰還する予定だったが、アリアンガールズ側のトラブルでゆかりたちも月を目指すことになってしまう。果たして、ゆかりたちは無事に月へ行くことができるのか。


 シリーズ3作目、ついにガールズたちが月へ向かいます。しかもフランス版ロケットガール、アリアンガールズも登場。フランス娘に負けじと頑張るゆかり、相変わらずマイペースなマツリ、積極的に仲良くなろうとする茜の3人。一方、今回のミッションを牛耳るのは自分だとゆかりたちを叱咤するソランジュ。ゆかりとソランジュは案の定対立してしまうわけですが、それだけでは終わらない。だんだんソランジュの内面が見えてくる。

 アリアンガールズ側のトラブルで、メンバーが2人減ってしまう。ソランジュはミッション遂行不可能だと思ってしまうが、そこでゆかりがソランジュに切ったタンカがとても好きだ。ソランジュは成り行きで宇宙飛行士になったゆかりとは違い、茜のように宇宙に行きたくて志願した。これまでの飛行を経験して、ゆかりも宇宙飛行士としての自覚と責任感を強めてきた。そこでゆかりはソランジュにこう告げる。
「あたしだって二ヶ月関わったんだ。簡単にやめられちゃたまんないんだよ!」
(中略)
だけど宇宙飛行というやつは、気軽に中止しちゃだめなんだ。一度の宇宙飛行に何百、何千という人が関わっている。自分の知らないところに、その飛行に生涯を賭けてきた人が必ずいる。それは帰還のあと、廊下やパーティ会場や整備工場の片隅で、はにかみながら、そっと握手を求めてくるような人たちだ。その笑顔と涙は忘れられない。(127ページより)

 この言葉から、ゆかりとソランジュの関係がどんどん面白くなっていく。何度も対立するけれども、お互いの様々な面を見つけ、驚き、理解するようになる。ゆかりの熱意はいつしかソランジュを変えてゆく。熱意を持った者同士が、感情をぶつけ合いお互いに成長する姿を見ているのが好きだ。とてもすがすがしく、その熱意や勇気を少し分けて貰った気持ちになる。

 月でのシーンはハリウッドのSF映画顔負けの迫力のある展開。ソランジュが月を目指すきっかけや、月開発の可能性を語るシーンも好きだ。宇宙開発の醍醐味を堪能した気分。

 シリーズ3作、とても面白かった。アニメはWOWOWでの放送(ノンスクランブル枠)のため、リアルタイムでは観られないけれども、DVDが出たら是非観たい。

《これまでのシリーズ感想》
第1作:女子高生、リフトオフ!
第2作:天使は結果オーライ
by halca-kaukana057 | 2007-02-20 21:28 | 本・読書

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by 遼 (はるか)
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