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底へ響く「冬の旅」

 これまでの暖冬をひっくり返し、冬を取り戻す勢いで北日本は吹雪いています。いくら私が冬好きでも、この気候の豹変ぶりにはついていけません…。そんな冬好きが選ぶ冬の代表曲と言えばシューベルトの歌曲「冬の旅」。これまではずっとフィッシャー=ディースカウ盤(ピアノ:バレンボイム)を聴いてきたのですが、今回は「クインテット大好き!」のココさんお薦め、クリスティアン・ゲルハーエルの歌で聴いてみました。


シューベルト:冬の旅
クリスティアン・ゲルハーエル(バリトン)/ゲロルド・フーバー(ピアノ)/BMG JAPAN


 ゲルハーエルはディースカウのお弟子さん。でも、ディースカウとは全く違うアプローチ。まず、声が深く、暗い。ディースカウはどちらかというと明るめの声。ゲルハーエルは第1曲「おやすみ」からズーンと底の方へ響いてくる。でも、第5曲「菩提樹」や第11曲「春の夢」では甘く優しい、あたたかい歌。第13曲「郵便馬車」ではとても伸びやか。人の声ってこんなに表情豊かだったんだとあらためて気がついた。

 失恋した若者が放浪の旅に出る歌詞は、どこまでも暗く絶望的。下手をすると聴いているこっちまで絶望のどん底へ引きずられてしまう曲。最後の第24曲「辻音楽師(ライアー回し)」で、どこまで続くのか分からない絶望にため息が出る。ゲルハーエルはこの歌曲の若者にどっぷりなりきっているとは感じないけど、聴いている側をどんどん物語へ引きずり込む。落ち込んでいる気分の時には、ちょうどよく感じます。

 フーバーのピアノ伴奏もイイ。ピアノはピアノでしっかりと聴かせる所は聴かせてくれる。ただの伴奏じゃない。伴奏だって音楽の一部。伴奏がなきゃこの歌曲は生きてこない。そんなことを思わせてくれる、いい演奏です。あと、ブックレットの解説もとても詳しいです。勿論日本語。それで1000円で収まるお値段。私もお薦めです。

 「冬の旅」のCDを探してみたら、色々気になる録音が見つかった。大体好きなピアニストのものなんですが、アンスネスのとか、アンドラーシュ・シフのとか。
 シューベルトの歌曲だと、ディースカウで「白鳥の歌」も図書館から借りてきた。ディースカウの声だと「白鳥の歌」の方がお気に入り。とても表情豊か。カップリングされている「音楽に寄せて D.547」や「ます D.550」(ピアノ五重奏曲「ます」のもととなった曲)も好き。


 ディースカウ盤に関して詳しくはまぐさんのブログで。
「きゃべつ畑のかなた:冬の旅」
さらに、「冬の旅」についてもっと詳しい解説はこちら↓
歌曲集「冬の旅」のページ
by halca-kaukana057 | 2007-03-13 22:13 | 音楽

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by 遼 (はるか)
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